今年はイヤホンに関しては豊作の年でしたね。
このハイレゾブームにあやかり、多くのメーカーが中、高級機を発売しました。
その中でも私が特に印象に残った機種を紹介します。

JH Audio Layla Universal Fit
今年の初めでしょうか。ユニバーサルモデルとしてはかなり大型の、片耳12ドライバー搭載と言うとんでもない機種です。
音道管がそれぞれのネットワークごとにあるので3つあります。
またケーブルのネジで低音域を調整でき、つまみを最小にするとフラットになる機種でもあります。
まぁ、お値段も35万とカッ飛んでる機種ですが…
やっぱりカスタムと違って多少ゴツくなるのは仕方ないですかね。
音は濃密な低音域と繊細な中高音域が特徴の機種になります。ネジを調整してフラットにすると、濃密な音を鳴らすモニターサウンドになるのですが、これまた刺さったりしない音なのです。様々な世界観が楽しめる機種ですね。
AKシリーズ向けにチューニングされている機種でもあるので、プレイヤーの相性はありますね。
他にも、カスタムIEMの技術を使っているユニバーサル機は増えつつあります。
例
FitEar to Go334(ベースモデルはMH334)
Westone UM Pro50(ベースモデルはES50)
と言った感じですね。
この種類のものは今後も増えて行くかと思います。

RHA T20
MA750と言ったハイコストパフォーマンス機で知られるRHAのフラッグシップですね。
デュアルコイルダイナミックドライバーを搭載しているとのこと。
仕組みはよく分からないが2wayで同心状の別々のコイルに信号を送るが、振動板はひとつとなっている。また、この機種のために振動板を独自設計したとのこと。
これにより、広帯域再生が可能となっている。
まぁ、この仕組みのおかげか前機種のT10に比べると横に広い音になっている。また、フィルターで低域を調整できるのでお好みの音にすることもできる。

beyerdynamic AK T8iE
こちらはiriverのAKブランドとコラボした機種になります。
な、なんとこの機種、テスラテクノロジーを用いた機種になっています。
テスラテクノロジーとはbeyerdynamic社のフラッグシップモデルのヘッドホンに採用されている技術で、ユニットの周りにマグネットを設置しています。
T1とかは有名な機種ですね。
そのため、1T(テスラ)の磁束密度を持ちます。(他社の平均的な機種より数十倍強い)
そのため、振動板のレスポンスがかなり良いものに仕上がってます。
まぁ、これまた小型化が難しい技術で、AK T8iEのものはヘッドホンに使用されているものをそのまま1/16サイズにしたというから驚き。
しかも、ドイツの職人さんによるハンドメイドとのこと。ゼンハイザーのIE800と同じですね。
まぁ、生産が追いつかず発売が11月に延期になりました。
ちなみにお値段は14万円…ちょっと高いですね。
この機種…あまりに磁束が強いため左右のユニット同士が反発し合うとか…
砂鉄が付くとか。誤って砂の上には落としたくないですね。
すでに試聴はできるようですが、iriverがチューニングに関わってるためかAKサウンドに仕上がっているようですね。
そのため、賛否両論ですね。別れちゃいます。
ですが、テスラテクノロジー特有の押しの強さや繊細さは健在とのこと。
まだ聞けてないですが、近々聞きに行きたいところです。

SONY MDR-EX750NA
やっぱりSONYだった。
ノイズキャンセリングで高音質。ってなかなか無いんですよ。BOSEのQuietComfort 20とかは有名です。この機種はノイズキャンセリングの効果は素晴らしいのですが、音質的に見ると微妙だったりします。
そんな中、ハイレゾ対応というノイズキャンセリングイヤホンを出してきました。
ちなみに、世界初とのこと。
ベースモデルに当たるMDR-EX750は、思ったよりよくできてる機種でした。
金属筐体のため、響きは良いですね。
感覚的にはMA750やCH2000に近い印象です。音場が広く、EX650の上位互換のようなイメージで良いでしょう。
お値段も2万円前後と、ノイズキャンセリングモデルにしてはお手頃です。
まぁ、ベースモデルのEX750は1万円前後なので、格安ハイレゾ対応機種はこれからまた増えそうです。
分類はh.earシリーズになります。h.ear in NCですね。ちなみに新型ウォークマンのNW-A20シリーズには、EX750NAベースの4極プラグのイヤホンが付属するものがありますね。

Shure KSE1500
つい先日発表されたばかりの新機種です。
な、なんと世界初のコンデンサ型イヤホン。!?コンデンサ型イヤホンだと…
何だこいつ…変態か。
コンデンサ型と言うのは、直流200~600Vのバイアス電流を流して、振動板の前後にある固定極に電流を流がすことによって、振動板をプッシュプル動作させて音を鳴らす方式のものを言います。
この方式では、とにかく音の立ち上がりが早く、歪みが少ないのが特徴です。
ヘッドホンでは日本のSTAXが有名ですね。STAXではイヤースピーカーと呼んでいます。
コンデンサ型では専用アンプに繋ぐことが必要になります。そのため装置が大型化する上に、600Vの直流電源が必要となるのでコンセントが必要だったりと…
とてもポータブルで持ち運べるようなものではありませんでした。
ところが、Shureはこのコンデンサ型を小型化し、さらには高遮音ボディの中に入れてしまいました。
実は、コンデンサ型の小型化は先述のテスラテクノロジーの小型化よりも難しいものです。
プロトタイプをいくつも作り、設計から7年の歳月経てのお披露目だったそうです。
KSE1500は直流200Vで動作し、動作には専用アンプを用いるとのこと。
そのため、ケーブルも他の機種より太いものになっています。
またそのアンプにもDACやDSP機能が搭載されており、幅広い機種と接続ができるようになってます。
ShureはこのKSE1500の発売までに8年を要したとのこと。
どことなく形がSE530に似てるのはその頃のデザインが引き継がれたのかなと…
出力特性はSE846よりもフラットで歪みがないものとなっている。
お値段は36万円前後とやや高い。
いや、アンプ込みのコンデンサ型なのでそこまでお高くないのかもしれない。
日本ではこの週末の秋のヘッドホン祭で試聴できるので、興味がある方はどうぞ。
てか、感想を教えてくれると嬉しいです。
コメントでもTwitterでも構いません。
さて、この他にもSONYのハイレゾ対応トリプルBAやradiusのドブルベ新作などと言った機種が目白押しの今年
また、SONYやONKYOと言ったメーカーがカスタムIEMに参入した今年
最後の最後にでかい何かは来るのか…残り2ヶ月を楽しみに待ちますかね。
それでは今回はこの辺で(・ω・)ノ