どもー 今回は、はぁ、筆者も手に入れてしまいました。変態端末には目がないのです。これが
ZTE M Z-01Kです。
海外では「AXON M」としてリリースされています。一部の変態な紳士の間で話題のスマホです。なんと発売日に入手することが出来ました。
2画面の本体をチェック
表面はただのスマホです。
画面を開くとでかい。
そしてマルチタスク快適である
指紋センサー搭載と、昨今のトレンドは抑えている
これはなに?
ZTEがリリースした変態スマホです。なんといっても2画面!画面が2つあるのです。それ以上でもそれ以下でもない。オンリーワンな端末です。実はこのスマホは企画がドコモという少々型破りなスマホです。
以前、ドコモよりN-05E MEDIAS Wという当機と全く同じコンセプトで作られた端末がありました。こちらに関しては「早すぎた2画面スマホ」とよく言われます。また、あまりに奇抜なデザインから当時から「屏風」と呼ばれていたりします。
こんなやつですね。
それもそのはず。筆者も所有してますが、ホントにこの子は出るのが早すぎたと言えます。早すぎた理由は大体こんな感じです。
1:慢性的に性能不足
MEDIAS WのSoCはSnapdragon S4 Plusと出た当時としてはミドルハイの性能です。残念なのはこれが物理2コアのSoCのため、パワー不足感は否めず、結果として性能不足に陥りました。
さらにはメモリが1GBと少ないことがマルチタスク前提では足を引っ張る結果となりました。画面も1枚当たり960×540ドット。両方つくっつけても960×1080と解像度も微妙な点があったと言えます。この画面解像度も決して高いわけでなく、5.8インチは当時としては大画面であったが、解像度不足感は否めない感覚であった。
2:ソフトウェアが追いつかなかった
2画面スマホというハードウェアは革新的であったが、Android OS含めたソフトウェアが全くやりたいことに対して追いついていなかったのです。特に、マルチタスク用のアプリは専用フォーマットのWアプリという制約内でのアプリ開発を強いられる結果となってしまった。
このWアプリについてはコンテストも開催されたみたいだが数は振るわず、今日においてもアプリ数はかなり限定された。実はこの機種グローバルにも展開する予定だったみたいで、グローバル版限定カラーの赤いものも存在していた模様。実際にMWC2013にてこのカラーリングの実機が展示されていました。
そんなMEDIAS Wから5年の歳月が経ちました。このZTEが産んだ「M」はモバイル端末とプラットフォームの進化をまざまざと見せつけられる結果となりました。
性能が上がった究極の2画面スマホ。ZTE AXON M
性能強化。本当にこれが大きい進化です。まずは、先代のMEDIAS Wからはハードウェアも大幅にバージョンアップされており、マルチタスク多用の今においても実用に耐えうるスペックになりました。
画面解像度は1面辺りFHD(1920×1080)となっており、これを2つ合わせると解像度は1920×2160となります。画面解像度が高くなったため、全画面表示でも実用ができるようになりました。
画面は単体で5.2インチ。表裏合わせて6.8インチとなるため、展開時では7インチクラスのタブレットとして利用できます。
プロセッサーはQualcomm Snapdragon 821を搭載しています。こちらは2016年のハイエンドモデルによく搭載されていたSnapdragon 820の高クロック版となります。2013年発売のMEDIAS W比較では
CPU性能は約7倍
GPU性能では約25倍
と飛躍的に性能が向上しています。メモリは4GBとスマホとしては実用的な容量となりました。
OS標準で複数アプリの起動が可能になった
2画面スマホで大切なのはハードウェアの性能ももちろんですが、それ以上にソフトウェアの最適化が大切です。このAXON MにはAndroid 7.1.2が搭載されています。実はAndroid 7.0よりOS標準でも画面分割による複数アプリの起動が可能になりました。
今までは一部メーカーの専用ソフト等で動かしていたものが、OS標準でサポートされたことにより幅広いアプリが柔軟にマルチタスクでも起動します。これが、新世代の2画面スマホ開発に大きな影響を与えたと思います。
特にAXON Mの場合はこの画面分割が「スマホの画面2枚分」と扱われるため、通常の画面分割以上の表示領域を使用できます。ましてや、スマホを隣に置いてるかの如く表示することができます。
究極の2画面スマホを使ってみて
スマホに2画面は果たして必要なのか?
この問については賛否両論あると思いますが、個人的には画面は広くて大きい方が多いのではないでしょうか。このMの2画面で何ができるかというと
・SNSをしながらブラウジング
・LINEをしながら検索やマップ閲覧ができる。
・トークしながらナビを見れる。
このように、マルチタスクでは2画面でアプリが使える恩恵が出てきます。また、攻略サイトやチャットを表示しながらゲームのプレイもできます。現状、UserStream対応のツイッタークライアントとマストドンの同居は確認できました。2画面スマホの唯一無二の良さと言われる所以はここからきています。
・ミラーリングモード
2画面を生かしたモードの1つがミラーリングモードです。これは同じ画面を左右のディスプレイに同時に表示するものです。対面での小規模プレゼンといった場面や、対面で同じコンテンツを楽しむという使い方ができます。需要があるかはわかりませんが、意外と使いこなせば便利な機能かなと思います。
・大画面モード
2つの画面を1枚の大きな画面として表示するモードです。迫力の映像コンテンツやゲームなどには効果を発揮します。ただ、これに関しては展開時の画面比率が8:9となるため、現状対応コンテンツは少ないのがネックと言えます。
またこのモードだと8:9という比率のおかげか電子書籍を閲覧するにはとても良いです。これらのモードはナビゲーションバーの脇にある「M」という表記の場所からどんな画面においても切り替えができるので、必要場面に応じて常に切り替えることが大切と言えるでしょう。
さて、ここからは細かい使い勝手とかを書いていきます。実は先代のMEDIAS Wとは画面が開く向きが逆になっているため少々慣れが必要です。画面が下側から出てくるような感じで正直使いにくいです。
あとは両面が画面なことから使いにくいことと、純正アクセサリーがほぼ皆無なのが惜しいです。後継機はクラムシェルタイプで折り畳んだ内側が画面の端末がいいですね。あと5年くらいは出なそうですが…
カメラが標準でインカメラとなっているため、通常のスマホのように撮影する時は端末を裏返す一手間が必要となります。ここは初期位置がアウトカメラとなるMEDIAS Wのようにしてほしかったですね。デフォルトでアウトカメラにできるようアップデートに期待です。
通常使用では主要ボタンが端末の左側にきます。そのため、右手ではややボタン類の操作がしにくく、左手で持って使用するのがメインの使い方になるかなと思います。これに関してはメイン画面を裏表選択できるオプションとかあれば良かったでしょう。
本体は230gと見た目の割には意外に重たいです。まぁ、普通の5インチスマホを2台持つよりは断然軽いのでよしとしましょう。バッテリー持ちは致命的に良くない印象。ナイアガラの滝のごとく減りが早いので、モバイルバッテリー必須かなと。
最後に。未来を感じる2画面スマホ
このZTE M Z-01Kというスマホはこれからのグローバルスタンダードになりえるポテンシャルを秘めています。
パソコンにおいては2画面で複数タスクは当たり前になりつつあります。スマホでパソコンのような操作ができる。Galaxy Note 8にWindowsのようなデスクトップを出力できるDeXという機能がありますが、これに近いことがスマホの画面で完結する。それを可能にするハードウェアの解がこの2画面スマホなのでしょう。
過去には似たコンセプトのものがいくつかありました。背面E-Linkディスプレイを備えたロシアのYotaPhoneシリーズもそのひとつでしょう。
久方ぶりの変わったスマホが上陸したので、面白半分に導入してみましたがMEDIAS Wから5年分の進化を感じ取れた。そんな感覚になりました。
この機種は「変態」ではありません。2画面スマホなんか変態でゲテモノなはずなのに、ゲテモノ特有の変なクセが薄いのです。普通に一般のユーザーも使用できる。そんな機種に仕上がってます。そもそも、見た目含めてのゲテモノなら3カ国(アメリカ、中国、日本)のキャリアで販売されるわけがないのです。
そして、これは「ミライのスマホ」です。
正直いうと間違いなくまだ早いです。完成形とはとても言えません。1台のスマホで多数の情報を得ることが出来る。そんなスマホの未来もあるのかと思いますが、形としてはまだ将来が見定まっていないかと思います。
これからの主流は2画面のスマホになるのか、Xperia Z Ultraみたいな機種がGalaxy Note 8みたいにギリギリまでベゼルを削って出てくるのかわからないのです。サムスンが特許を出していたフレキシブル画面のスマホもなんだかんだリークから5年くらい経ちますが、こちらも市場に出る気配もないです。
技術的に難しいのかも知れませんが、あと5年くらいしたらフレキシブル画面のスマホも普通に買えるのかなと思うと欲しくなるものです。
このZTE Z-01Kというスマホは2画面スマホという言葉にときめいた人はもちろん。いずれくるミライの燐辺を感じ取ってみたい。5年先のスマホを使ってみたい。そんな人とは違うスマホを求めるあなたにオススメします。それでは