最近増えてきましたね。高音質スマホ
そんなものを通り越したとんでもないのが出てきました。
それが
ONKYO DP-CMX1 GRANBEATです。
端子は3.5mm以外にも2.5mmバランス端子を搭載
ボリュームはロータリーボリュームとなっています。
操作系は独立したスイッチで、HOLDボタンまで備えます。
あれ?これ音楽プレイヤーじゃね?
いえ、これはスマホですよ。
ほら。
電話もできちゃうし、Google Play入ってるのでゲームもできます!
なんだこれ
おいおい、ONKYOさんなにやってんのwww
おま、スマホメーカではないのですが、とりあえずスペックは以下の通り
SoC Snapdragon 650 6コア
RAM 3GB
ROM 128GB
画面 液晶 5インチ 1920×1080 FHD
カメラ フロント 800万画素 リア 1600万画素
バッテリー 3000mA
スマートフォンとしてみればいたって普通ですね。
ちょっとストレージが大容量といったところでしょうか。
この機種の特徴
オーディオ基盤はディスクリート設計
は?って思う方も多いかと思います。
私も「は?」ってなりました。
オーディオ回路は別回路っていうものです。
そもそも、スマートフォン自体が電波を発するのでノイズの原因となります。
なので、このノイズを減らそうと色々各社工夫するわけです。
このGRANBEATは ノイズシールドにオーディオ基盤の別回路化でクリアな音を実現しています。
ちなみにこれ、販売価格が10万円クラスの高級音楽プレーヤーが行ってる手法なので
スマートフォンでオーディオ専用ディスクリート基盤は変態です。
DAC、アンプを2機搭載
DACはESS社製のDAC「ES9018C2M」
アンプは「SABRE 9601K」
正直言ってこれは音楽プレイヤーと同じ。
いや、ハイエンドポータブルプレイヤーに近しいシステム構成です。
PCMは32bit/384Khz
DSDは11.2MHzのネイティブ再生が可能です。(単体ではPCM変換)
これは変態。特にネイティブ再生はハイエンドプレイヤーでなければできないもの。
なぜ2機ずつ積んでるかは、後述のバランス接続をするためにありますね。
2.5mm バランス端子搭載
世界初のバランス接続対応スマホです。
そもそも一般のスマートフォンにはまずない端子です。
バランス駆動はGNDを持たない駆動方式です。
一般の接続(アンバランス接続)は
L ch R ch GNDとなっており、GNDには若干ながら左右の信号が入り混じった状態となります。
この状態ではクロストークノイズが発生し、ステレオ感が低下します。
バランス接続では
L+ ch L- ch R+ ch R- chの構成となります。
これで左右の信号が完全に分離するので、よりステレオ感のある定位となります。
また、駆動力も上がることからハイインピーダンス機。音量の取りにくいマルチBA機や、ハイブリッド型との相性がよいです。
ちなみにこの機種は2.5mm 4極プラグを採用
数多くのメーカーで採用されている規格になります。
スマートフォンでは数少ないロータリーボリューム搭載機
音楽プレイヤーとしての推しが強い本機
ボリュームは異例の63段(普通のスマホは10段ほど)
普通じゃありません。
標準プレイヤーはハイレゾ音源でなくても楽しめる
この機種にはアップサンプリング機能が付いております。
ハイレゾ音源のラインナップが増えたとは言え、CD音源には及びません。
(最近はアイマスシリーズのハイレゾ版が出てきてうれしい限りです。)
そんな音源もハイレゾ音源相当にアップスケーリングする機能です。
ウォークマンやXperiaで馴染みがある方はDSEEに近いものと考えましょう。
聴いてみて
ここからが本題です。今回の試聴曲はこちら
アイドルマスターより
約束 如月千早(CV.今井麻美)
忘れもしない横浜アリーナ。会場が真っ青に染まったあの空間。
椎名豪さんらしい伸びやかな曲調。ミンゴスの圧巻とさせるヴォーカル。アニマスの情景
心に染みるナンバーです。
アイドルマスターミリオンライブより
UNION!! 765PRO MILLION STARS
5thライブにて初披露された楽曲です。
歌詞がよい。曲調が良い。素晴らしい
個人的には「努力は惜しまない 大好きは裏切らない」って歌詞がほんと強くて好きです。
余談ながらこの楽曲の作曲、編曲を担当された堀江晶太さんは
Kemuという名義で数多くのボーカロイド楽曲を制作された方になります。
六兆年と一夜物語、人生リセットボタン、地球最後の告白を インビジブル...
この辺りの曲名を聞いてピンと来た方は多分私と同世代です。
アイドルマスター シンデレラガールズより
Radio Happy 大槻唯 (CV.山下七海)
カチッ! ピュインー ハロー
この音を聞くと突然死してしまうプロデューサーさんは数知れず
昨年の屋根付屋外球場にて行われたライブにて久しぶりに現地で聴きました。
筆者も気がついたらイントロだけで手元でオレンジに激しく光る棒を焚いてしまいました。
イノタクさんらしいポップなEDMです。これDJとかで流れるととても楽しい。
実はハイレゾ配信も始まった楽曲だったりします。
音源はe-ONKYOストアで配信されているハイレゾ版を使用しています。
使用するイヤホン
・Westone UM Pro 50(バランス接続)
第一声は「しゅごい」
これがスマホの音なのか。と思わせるくらい音が良いです。
音の良さをうたうスマホなんかとは別次元です。
さすが高級プレイヤーと同様の設計なだけあります。
特に細かい音までしっかり再現してくれます。
約束ではイントロのピアノの鍵を叩く音やフットペダルを踏む音がしっかり出てきます。
これ、専用機の安いプレイヤーでも潰れてしまう部分なのですが、CMX1ではしっかり聴き取ることができます。
UNION!!はホント凄い。あれだけの人数で歌っているのもありますので、ヴォーカルの混じりがあるのですが、一人ひとり聴き取ることが出来ます。
スマホでこの解像感はちょっと普通じゃないですな。
Radio Happyと言ったEDMはまた凄いことに
低音域が潰れたりせずにしっかり出てきます。変に引っ張るクセもないですね。
よくファンの間ではカチッ! ピュインー ハローとも呼ばれる出だしの部分が
カチッ! ピュインー ハローのピュインーの部分にヴォーという低域がしっかり出てきます。
また、カチッ!の部分もカチン!と最後の消え際まで再現できる分解能があります。
感想は「音の洪水」まさにリッチモードな音質と言えます。
アンバランス、バランス共に分解能が強いタイプの音になります。
どちらかと言うとリニアではなくゆったりとした感じですかね。
普通のスマホとは全くちがうところ
・音量、音圧がまるで違う
普通のスマホより遥かに音量がでます。具体的にはハイエンドポータブルヘッドフォンなら問題なく鳴らせます。
アンバランス 75mV バランス 150mV(いずれも16Ω)の出力は伊達じゃないです。
そのため、鳴らすのが難しいマルチBA機も問題なくいけます。
私自身リファレンス扱いのWestone UM Pro50(5BA)ですが、問題なく行けます。
・圧縮音源もより高音質で
アップコンバートで既存音源が化けます。
この機能はホントにありがたい機能です。
特にハイレゾがまだ少ない打ち込みジャンルなどでは助かる。
スマホとしてもそこそこ使える
Snapdragon 650 RAM3GB 思ったより性能は悪くないのです。
650はミドル帯ながら1世代前のハイエンド機並の性能があります。
カメラモジュールはIMX298 チューニングは富士通ということもあり、比較的マトモです。
DSDSにも対応しており、2枚のSIMを用いた排他運用も可能です。
いまだとZenfone 5(2018)やP20 lite並の性能と言えますかね。
良いところ
スマホ史上最高音質であること
バッテリーが3000mAとあるため、バランスで20時間という脅威のスタミナを実現
ワイヤレスもapt-X HDという高音質コーデックに対応してる
惜しいところ
OSバージョン、アップデートは消極的
この間のポタフェスでONKYOの担当者さんに聞いてみたのですが、後継機やアプリアップデートの予定は今のところないとのこと。
ただ、GRANBEATが好調であるのは確かであるので、今後も期待して欲しい。とのこと
OSアップデートは安定性向上のため実施しないと公言されているため、絶望的です。
ただ、スマホである以上はセキュリティパッチの配布はしていただかないと不安を覚える人もいるかと思います。それが無いのは痛いですね。
もう少しボリュームが出て欲しい
こちらもスマートフォンとしての実用性を考慮して妥協しなければならない部分だったと聞いています。次回作に期待です。
ワイヤレス機器との相性が悪い
これは音質特化のフルメタルボディが仇になっています。この界隈では割と有名な話で、そもそもこの機種でワイヤレスで聴くのが間違いとも思いますが...
重い(物理的に)
これは考え方ですね。スマホとして見たら234gは重量級のものです。
ただ、音楽プレイヤーやアンプをスマホとだき合せたらどうでしょう。
恐らくこちらのほうが軽いですし、アンプの雑多なケーブルなんかは無いのでシンプルにいけます。
総評
こいつのポジションは唯一無二
LGやZTE、SONYなんかから「音」にこだわった機種は確かにありました。
ただ、ここまで「音」にパラメータを極振りした機種はありませんでした。
そしてこれを迷機や変態で片付けていいのか分からないくらいの完成度です。
一般にみてもおかしいスペックであることは間違いないのですが、この手の変態端末はとがってるが故に携帯電話としての何かを失っている機種のほうが多いのです。
たとえば、史上初のWindows 7ケータイことF-07C
スマホのさきがけ...というかロマンの塊ですね。
PCモードではメーカー公称で2時間しかもたないのがそれを物語ってます。
2画面端末 Z-01k
アプリの最適化が追いつかない
電池持ちが悪い
などなど、何かに変態的に特化してしまった結果。携帯電話として使いにくくなってしまったものがいます。
そんな中でも、このGRANBEATは
普通に音楽プレイヤーとスマートフォンを1台にまとめたい方にオススメできてしまう。そして、電池持ちのよい音楽プレイヤーとしてもおすすめできる
そんな1台です。
それではこの辺で
*1:SONY Xperia XZ2 Premiumがそれより重い236gとかいってはいけない