どうもこんにちは。さて、一目惚れっていう言葉がありますが、「一聴惚れ」という言葉もあったりします。今回は筆者がそんな言葉で示すような出会いをしたイヤホンTAGOSTUDIO T3-02をご紹介します。
TAGOSTUDIOってなに?
このイヤホンは音楽家の多胡邦夫氏が立ち上げたTAGOSTUDIO TAKASAKIを冠する商品だ。 T3-01という密閉型型のヘッドホンを発売しておりクセのないナチュラルサウンドと、音楽制作にもしっかり使える分解能を備えた機種だ。
その音のは口コミで広がり「知る人ぞ知る」モデルとなったのはこの筋では有名な話。
T3-01に関してはバンダイナムコスタジオでも利用されてることから、正式にアイドルマスターシンデレラガールズとのコラボ商品の展開まで決まった。発表時は名古屋ドームで変な声が出たうちの1人です。
今回レビューするT3-02はヘッドホンではなく、可搬性を考慮したカナル型のイヤホンだ。開発資金の調達はクラウドファンディングにて行われ、多くの支援を受けて開発、製造が進められた。
サウンドに関してはT3-01の開発チームがそのまま担当。もちろん多胡氏のフィードバックも入って作られた正に「気軽に持ち運べるT3-01」のコンセプトも含みつつ、リスニングサウンドに仕上げている。
構成としてはダイナミック1発のシンプルな仕様だ。スタジオの防音構造にヒントを得た「Box in Box構造」を採用し、残響感などをうまく調整しているという。
本体はイヤモニのようなな筐体。装着方法は俗に言うシュア掛けだ。遮音性も比較的高いもの仕上げた
スタジオの防音構造にヒントを得たBox in Box構造を採用。少々大柄なボディだ
フェイスプレートには天然の楓材を使用。木目などひとつとして同じものはないのだそう
左側だけTAGOSTUDIOの文字が彫ってある
本体はMMCX対応。ケーブルコネクタがやや奥まった仕様のため、純正以外のケーブルの使用は難しいが、リケーブルは自己責任になるが可能だ
また、純正オプションで2.5mmと4.4mmのバランスケーブルも用意されている。イヤーピースは標準でSpinfitが付属しており、キャリングケースも付属する。
「ナチュラルサウンド」に対して、の1つの答えを叩き出すT3-02
今回の試聴曲はこちら
アイドルマスターシンデレラガールズより
Needle Light /サイバーグラス
この曲のレコーディング、マスタリングにはTAGOSTUDIO T3-01が使用されているとのこと
(作詞作曲編曲を担当されたAJURIKAさん談)
スロウリグレット/田所あずさ
ハイレゾ版のヴォーカルのマスタリングが素晴らしい。これだけは私にころあずを勧めてきたラブライブのオタクに感謝せねばならない。
なお、勧めてくれた彼はアイマスのオタクではない。
アイドルマスター SideMより
DRAMATIC NONFICTION/DRAMATIC STARS
男性Vo.となるのでイヤホンによっては不得意なところも出てくる曲。個人的に好きなSideM楽曲のひとつ。
Wake Up,Girls!より
ももいろDiary♡ /山下七海
聴け
試聴プレイヤーはNW-ZX507にて。設定はソースダイレクトで基本的にアンバランスでの使用です。
感想としては、試聴して惚れました。T3-02はT3-01と目指したところは違うのに、同じ系統の音がするのだ。同社の目指した究極のナチュラルサウンドとはこれのことなのか…
T3-01の凄いところはMDR-CD900STと言ったモニターヘッドホン並みの粒立ちの良い音だ。あらゆる音が聴こえる解像感を持ちながらも、ほとんど聴き疲れないしない点が特徴と言っていい。
その一方で、T3-02の解像感に関してはマルチBA型のイヤモニには劣るものの、ダイナミック型としてはかなり高い方だ。それでいて音量上げても聴き疲れることが少ない。一言で言えばダイナミックドライバー版のUltemate Ears Refarence Remasteredでしょうか。
Needle Lightを聴いた時はビビりました。同社のT3-01で聴いた時と似た音がするのです。もちろん本体構成もチューニングも異なるが、ニュアンスはかなり近いところを描けているのかと思います。
スロウリグレットでは破綻のないヴォーカルが心地よいですね。伸びもしっかり出ますし、倍音表現も良いです。このような曲だと少しT3-01とは鳴り方が変わり、T3-02の方がリスニングテイストになってるなと感じます。
DRAMATIC NONFICTIONでは一気に表情を変えます。倍音成分の周波数がBA機によってはピークの落ちたところに当たり、やや引っ込んだらする機種がある中、T3-02では文句なしの男性ヴォーカルを再現してくれます。
ももいろDiary♡はもう山下七海さんの甘い声に癒されてください。聴き忘れた!って方のためにもう1度リンク貼っておきますね。
装着感は思ったほど悪くは無いですが、イヤーピースの相性には左右されるかと思います。筆者は標準のSpinfitで問題ないが、本体が大ぶりなことから物理的に合わない方もいるかとと思われる。
筆者の周りでこれを手放した方は「装着感が合わなかった」という理由でしたので。(最初期に届いた方はクラウドファンディングだったので試着できなかった方も多かった。)
究極のナチュラルサウンド。ここにあり
TAGOSTUDIOでもT3-01に続くT3-02は「ブランドを知ってもらうためにクラウドファンディングにした」というくらいのものなので、かねてから要望はあったのだろうと思います。
得意不得意はないが、圧倒的な聴きやすさと適度な音の分離感。いつもより少し音量を上げたくなる気持ちよさがこのイヤホンにはあります。何度も言いますが、こいつはダイナミック版のUERRです。
特に765ASやシンデレラガールズをよく聴かれるアイマスPさんやリスナーさんは即購入しても良いかと思います。
実際に同じメーカーの同じチームがチューニングしたヘッドホンで楽曲がマスタリングされていることもあって、楽曲との親和性は非常に高いと感じてます。
また、ヘッドホンは定価で6万円となかなか手の届かないものですし、アンプ等の機器も揃えると中々の投資が必要になります。このイヤホンに関しては定価は税抜4万円以下に抑えられています。
箱はとても4万のイヤホンとは思えないですが。実用一点張りですかね。12月からは専門店などでの販売もされており、比較的試聴しやすくなりました。
また、TAGOSTUDIOは名前の通り群馬県高崎市にあり、生産拠点の会社さんは国内にあります。
このイヤホンも例に漏れずMade in Japanの商品となっています。
究極の持ち運べるナチュラルサウンドの名のとおり、見事にそのコンセプトを体現したかのようなものになっています。すごいです。この音がある種4万なら破格かと思います。
海外メーカーに押され気味なこの業界で、この価格ながら日本メーカーの意地を見せる作品と思います。ちょっとでも興味が湧いた方は専門店などで試聴してみてはいかがでしょうか。