今回は
COVID-19のおかげでお外にも出かけられません。かなしいです。
シャニマス2ndも中止になりました。
かなしいです。
でも仕方ないのです。
なので、
歴代ハイレゾ対応ハイエンドウォークマンを徹底比較してみました。
まずは各モデルをざっくりと紹介します。
NW-ZX1
発売 2013年
実売価格 74,000円前後
ストレージ容量 128GB
OS Android 4.1
従来モデルからはPOSCAPなどの大型コンデンサ採用でアナログ部を強化した、ソニー初のウルトラハイエンドモデル。
発売当初はウォークマンのくせに高いなどの声もあったが、確かな実力で人気を博したモデルです。
後にアップデートにてDSD再生にも対応しました。
当時としては128GBのストレージやフルアルミボディなどのコストを考えればお買い得プライスといえた。
特徴的な背面の出っ張りがあり、ここにPOSCAPが収められている。
本体はF880に比べると重量はあるものの、昨今のハイエンド機に比べると軽量です。
物理ボタンはF880とは異なり全て右側にあります。
後継モデルはよりボタンサイズが大型となり押しやすくなっています。
操作系はAndroid OS準拠のものを採用。
スマートフォンのような直観的な操作が可能です。
NW-ZX2
発売 2015年
実売価格 125,000円前後
ストレージ容量128GB+SDカード
OS Android 4.2
満を持して登場したウルトラハイエンド
実売10万オーバーとなったが、基本的にはZX1ベースにさらにアナログ部と電源部を強化したものになっています。
コンデンサはOS-CONとなり二重電源キャパシタや44.1と48系のデュアルクロックも備えた、当時としては最高レベルの音楽プレイヤーです。
ZX1で不評だったバッテリーの持ちも大きく改善されています。
また、ハイエンドウォークマンとしては初めてのSDカード対応モデルとなっており、容量が拡張が可能になりました。
同時期発売の「高音質SDカード」も話題になりましたね。
より重厚感のある本体となり、重量も230g前後と一気に重くなりました。
大型化したジャック部とSDカードスロット
ZX2ではグランド分離出力が可能なことから3.5mmバランス端子が使用できます。
ボタン類は大型になり押しやすくなりました。
あまり触れられてませんがボリュームは60段階となり、より細かい調整が可能になっています。
操作系は引き続きAndroid OSを採用。
こちらもスマートフォン同様な直観的な操作が可能です。
NW-ZX100
発売 2015年
実売価格 65,000円前後
ストレージ容量 128GB+SDカード
OS LinuxベースのカスタムOS(非タッチパネル)
Android非搭載となってからは初のZXシリーズです。
音楽再生に特化したものとなっており、バッテリーライフはハイレゾ再生時で連続45時間という業界トップクラスの性能になっている。
基本的な音質傾向がZX1に近いこと、ZX2も併売されたことからフラッグシップではないものの、随所にZX2の技術が使われ確かな実力を感じるモデルとなっている。
実質的なNW-ZX1の後継機となっています。
特徴的な機能として、Aシリーズなどと同様にデジタルノイズキャンセリング機能が搭載されています。
イメージとしてはちょっと大きいNW-A10/20と言ったところ。
ZXシリーズとしては初のHOLDスイッチが追加。
音楽再生に特化させた結果かなりの小型化に成功。
ZX1のような出っ張りもかなり抑えられています。
操作系は従来のウォークマンと同様。Sシリーズなどとほぼ同じなのでステップアップには最適。
NW-WM1A
発売 2016年
実売価格 120,000円前後
ストレージ容量 128GB+SDカード
OS 独自OS(タッチパネルUI)
SONYの現行フラッグシップであるWM1Aです。
基本的な音質傾向はZX2の系統ではありますが、さらにアナログ部が強化されています。
シングルエンドの出力だけなら60mw(16Ω)とZX2の4倍となり、マルチBAやハイブリッド機と言った音量の取りずらいモデルでも無理なく使えるようになっています。
操作系もタッチパネルメインのものとなり、従来のものと大きく変わりました。
ソフトウェア処理もDSEE HXが進化して32bit/192kHz相当のアプコンが可能となり、楽曲によって手動でパターンを割り当てることも可能となりました。
また、初のDSDネイティブ再生と4.4㎜バランス端子を備えたモデルでもあり、今日においても文句なしの実力といえます。
こちらはアップデートにてZX300に搭載されているDAC機能とBTレシーバー機能が追加されました。
同時発売に無酸素銅削り出しのNW-WM1Zもあるが、こちらはまた別格のシグネチャーモデルと考えている。
本体は大型となり重量もあるので、ものすごい凝縮感のあるものになっている。
ボタン類は端子の関係でやや下側に移動。
ボリュームは120段階となり、より細かい調整も可能に。ハイゲインモードも備えており、能率の悪いイヤホンにも対応できるようになってます。
初の4.4mmバランス端子を備えており、ついに念願のバランス接続がウォークマンでも可能になりました。
新しい操作系は音楽再生に特化したものになっています。旧来のボタン操作にタッチUIを割り当てたようなものではなく、新規開発されたものです。
NW-ZX300
発売 2017年
実売価格 70,000円前後
ストレージ容量 64GB+SDカード
(後に128GBモデルのNW-ZX300Gもリリースされる)
NW-WM1Aの弟分としてリリース。手になじむサイズと4.4㎜バランス端子を備えたモデルとしてヒット。
傾向としては「あっさりとしたNW-WM1A」が近く、ZX1系とはややキャラクターが異なる。
発売当初から外部DACやBTレシーバーとしても使えることが公表されていたため、ストリーミング配信等が普及したスマホとの共存を図ったものとして評価できる。
NW-WM1Aベースながら本体サイズはZX100程度に抑えられている
ボタン類は扱いやすい位置に移動。
本体はラウンドを描く形状のため、手になじむものになっている。
NW-WM1Aに続いてバランス端子を備えている。このサイズに4.4mm端子を載せてきたことは素直に称えたい。
操作系はNW-WM1系と同様のものとなっている。
また、本機ではガラス部がマットガラスとなっており、滑りがよく指紋が目立ちにくいものになっている。
NW-ZX507
発売 2019年
実売価格 75,000円前後
ストレージ容量 64GB+SDカード
ストリーミング時代のウォークマンとしてフルモデルチェンジを遂げたモデル。
ZX2以来のAndroidを採用し、DSEE HXがAI処理のものになるなど主にソフトウェア面でのブラッシュアップが大きい。
また、アンバランス出力がNW-WM1A並みに向上しており、より音質面でも評価できるものとなっている。
シリーズ初のUSB Type-Cを採用しており、汎用性が高いことからユーザビリティも高いものとなっている。
個人的にはややZX1系の要素も加わってより楽しく聴けるものになってると感じる。
背面はマット素材に変更されており、手触りは良い。
ZX300の大きさそのままに画面サイズは大型化している
操作系はAndroid OSとなったが、標準プレイヤーのUIはZX300などと同様のものになっている。
ボタンサイズも大型化され、ボリュームもZX300同様に120段階となっている。
ZX300に引き続きバランス端子を備えている。
ウォークマンとしては初のUSB Type-C端子を備える
より外部DAC等の接続が柔軟に行えるようになった。
聞き比べてみた
今回の試聴曲はコチラデス。
Dye the sky./シャイニーカラーズ
この間の生放送にて発表された新曲。
とにかく歌詞が強い…烏屋茶房×ヒゲドライバーという組み合わせは反則級ですね。
私の心はチョココロネ/Poppin’Party
私の心はチョココロネになりそうです。
EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE.より
EM10_C_Long_Premix#070705/鷺巣詩郎
エヴァ序のサントラよりこちらをチョイス。シーン的にはヤシマ作戦における作戦配置をエヴァパイロットに伝えるシーンですね。同時にエヴァ初号機が鉄道輸送されてくるヤシマ作戦の準備大詰めのシーンです。
個人的にヤシマ作戦で使われてる電力設備の意味を理解するために電力系を学び、結果として電気施工関系の職についてることからある意味こいつのせいで人生ねじ曲がった気がします。
何も無い私には/田所あずさ
いつもので…ではなく、同じくリトルソルジャーのカップリング曲からです。
アコースティックな伴奏と田所あずささんのヴォーカルが生えるナンバーとなってます。
使用するイヤホンはこちら
FitEar TOGO334
Ultimate Ears Reference Remastered
TAGOSTUDIO T3-02
個人的にある種のリファレンスを持ってきています。
では早速行ってみましょう。
NW-ZX1
改めて聴いてみて良さを感じさせる音だなぁと感じます。
非常に低域の歯切れが良い音で、スッキリとした見晴らしの良い音という表現がピッタリでしょうか。
後継モデルに比べると音が固めで、かつてのF880などの延長線上にある音質を突きつめたものかなと感じます。
ピュアな音を文句にした他社プレイヤーとは違うソニーらしさを感じるモデルですね。
物量を投じてるだけあって、現代のプレイヤーとも肩を並べる実力はあります。
Dye the sky.
音の立ち上がりがとてもスピーディながら従来のウォークマンと違って艶やかな音になっています。
かっちりとした音が固めな特徴が出てきますね。スネアのアタックがとにかく気持ちいい。
私の心はチョココロネ
生音系の表現は後継機のほうが上手いですが、こちらのほうがこのようなバンドサウンドにはマッチするかなと思います。
EM10_C_Long_Premix#070705
細かい音までしっかり再現してくれます。33秒あたりからこの楽曲は盛り上がって左右両チャンネルをうねるようにバイオリンが入ってきます。
低域を潰さずにこれだけの音が出せるのはすごいですが、響きの良さはやはり後継機に譲るところがあります。
何もない私には
ヴォーカルの表現はとても良いのですが、やや渇いた印象を受けるかなと思います。ドライな感じで出て個人的にはこれもありかなと思いますが、イヤホンによっては渇きすぎて「生々しさ」は薄れてしまうかなと感じます。
NW-ZX2
こちらも後継がありながら色褪せない魅力があります。
なんと言っても音の繊細さと低域の濃密さと奥行の広さでしょうか。
毛色がピュアオーディオというか「アナログっぽさ」を意識したモデルはこれが最初なのかなと思います。
他社のモデルにはない「ウォークマンらしさ」が出てるモデルですね。
Dye the sky.
低域のドラムのアタックがZX1と比較すると独特の響きが入ってきます。特にダイナミック型やハイブリッド型の機種だと感じやすいでしょうか。
高域もベールが剥がれたような感覚となりますが、音としてはややウォーム系のものになっています。
そのため、このような音源だとZX1の方が好みという方も多いかと思います。
私の心はチョココロネ
より楽器のリアルさが出てきますね。特にベースの音がZX1比較で重いというか…ズッシリと重心が下がったような感じです。
ZX1比較でかなりマイルドな音となっており、シャキシャキ感はありません。逆にZX1系で聴き疲れを感じる方はこちらの方が相性が良いかもしれません。
EM10_C_Long_Premix#070705
こちらの音源の方がよりZX2の魅力が出てきます。よりどっしりとした音になるというイメージでしょうか。
音の存在感やリアルさはZX1と比べても1枚上手です。
何も無い私には
ギターのリアルさやボーカルの生々しさでは特筆できるところにあります。
これらの表現は後継モデルのNW-WM1Aには一歩劣りますが、かなりクオリティが高いところにいると感じます。
NW-ZX100
こちらを聴いてみるとZX1の面影を感じさせるスピーディな音となってますが、低域の癖がややZX2と同じような部分がありますね。
特に沈み込みとかが深く入るようになったため、低域はZX1比較だとかなり濃密です。
より聴いてて気持ちの良いZX1のような感覚でしょうか。ただ音のスッキリした感覚はZX1のほうがあり、音源や気分によって使い分けもできます。
Dye the sky.
ZX1系の音なので、ZX2と比較すると音はカッチリとした固めのものになります。
ただ低域の沈み込みはZX2に近いところがあり、サイズ感からは想像のつかないほどしっかりドライブされます。
私の心はチョココロネ
ZX1比較でより低域のキレが増してるように感じます。低域がより出るようになったのでサウンドステージが広くなり、音の定位もよりわかりやすく出るようになりました。
個人的にはZX1よりも聴いてて楽しいのはこちらですね。
EM10_C_Long_Premix#070705
ZX1と大きく印象が変わったのがこちら。ZX1だとキラキラした音がしっかり聞き取れる反面、低域の沈み込みではやや物足りなさを感じたところ。
その低域が強化されたので重心が下がり、より臨場感や空気感を感じられるようになってます
何も無い私には
こちらに関してはZX1比較だと少しウォームになったかなという印象。渇いたという感じは薄れ、線の細さは感じさせない。
響きの良さはZX2由来なところもあり、個人的にはよくできてるモデルと感じている。
NW-WM1A
こちらの系統はやはりZX2よりのもので、ZX2の正統後継機とも言えるモデルです。
低域の歯切れの良さや音の鮮明さはもちろんですが、ZX2譲りの響きの良さやサウンドステージの広さを体感出来ますね。
なによりも、出力が大幅に向上しておりポータブルヘッドホンも難なく鳴らせるようになりました。
これによってZX2では厳しかったマルチBAやハイブリッド機も難なく鳴らせるようになってます。
バランス接続ではよりSNの良いキレのあるサウンドを体感できます。
Dye the sky.
ZX2のような独特の響きはやや抑えられてはいますね。ボーカルはこれらのモデルの中でも近い方になるかなと思います。
特にサビ部の立ち上がりは特筆するものがあり、メリハリのあるサウンドを体感できます。
バランス接続ではよりサウンドステージが広がった音となりますが、イヤホンによっては持ち前のサウンドステージが崩れてしまうことも考えられるので要試聴です。
私の心はチョココロネ
出力が上がったおかげでかなり見晴らしが良くなりました。
楽器のリアルさはトップクラスと言えます。
特にボーカルの分解能は素晴らしいですね。これに関してはウォークマンの中では右に出るのはいません。
EM10_C_Long_Premix#070705
出力もあるからか、臨場感という面では文句なしです。ZX2にもう少し欲しかった「包み込まれるような感覚」が文句なしに表現出来てます。
その上繊細な表現までしっかりできるので、この手のサントラは相性も含めて良いと思います。
何も無い私には
ギターのリアルさはダントツですね。ZX2もかなりリアルで繊細な表現を得意としましたが、こちらはより楽器の響きの良さがより鮮明に出ています。
繊細さと言えば同価格帯の他社のプレイヤーに引けを取るところもありますが、この「アナログ感」を感じられる暖かみある音はウォークマン特有と言えるでしょう。
NW-ZX300
ZX1やZX100に比較するとサウンドステージがぐっと横に広がる感覚を得ます。
こいつは開発コンセプトがNW-WM1Aベースなのでそれはそうとなりますが、バランス接続だと思ったよりNW1Aとの差は少ないように感じますね。
もちろん、繊細さや物量を投じた分の低域の重厚感は及びませんが、かなりいい線に達してると感じますね。
アンバランスではNW-WM1Aの独特な濃密さが薄れる分、ある意味聴きやすいサウンドになっています。
音楽ジャンルによってはこちらの方が聴きやすいと言うものも多いかと思います。
Dye the sky.
アンバランスでは奥行きがあるが、スッキリとした印象。NW-WM1Aよりドラムのアタックや音の余韻では劣るが、エッセンスとしてはかなり近いラインにある。
今までのモデルと違って「得意不得意が少ない」モデルとなってるのでこちらの方が良いという方も多いだろう。
私の心はチョココロネ
今回比較の中で最もボーカルの定位位置が最も近いと感じます。
NW-WM1Aにくらべて音がやや固めなので、音数の多い曲はこちらの方が良いと個人的には感じる。
WM1Aの「包み込まれるような感覚」までは無いのでここは好みで使い分けると良いでしょう。
EM10_C_Long_Premix#070705
NW-WM1Aと比べるとややスッキリとした感覚です。
ZX1系のようなシャキシャキさが無い分、サウンドステージが広くなり刺さりが少ないように感じます。
何もない私には
NW-WM1Aを聴いた後に聴くと、どうしてもギターやボーカルの「生々しさ」と言ったところで劣ってしまいますね。
ZX2と比較するといい線行ってるようにも感じますが、ZX2のような独特の低域の響きはなく、かなりスッキリとした印象を持つかと思います。
バランスとアンバランスでかなり印象が違った曲でもあります。
・音がほぐれてサウンドステージが広がるバランス接続
・音の密があり、ボーカルがぐっと近くなるアンバランス接続
もうこれは好みの差だと思います。
良否は付けられません。
NW-ZX507
NW-ZX300をベースにアナログ部を強化し、ストリミング再生を可能にしたモデルと言うべきでしょうか。
より低ビットレートの配信音源でも楽しめるチューニングとなってると言えますかね。
Dye the sky.
これはわかりやすい変化となりましたね。ZX300比較だとハイとローがやや強調されたドンシャリとなりましたが、低域の出方はNW-WM1Aに近いものになってます。
Dye the sky.に関してはZX507の鳴らし方が個人的に1番好きですね。
私の心はチョココロネ
他のモデルに比べてややボーカルが近い印象は感じますが、刺さりなどはそこまで感じないです。
出力が上がってるので低域のアタックはより深く沈む感覚があります。言わゆるイヤホンをより鳴らせるようになった感覚を感じられます。
EM10_C_Long_Premix#070705
ZX300と比較するとさらに横に音場が広くなってます。出力絡みの影響とは思いますが、このような楽曲では臨場感も加わっていい方向に行ってくれてます。
特に低域の広がる感覚はほぼNW-WM1Aと同等レベルまで来ており、進化を感じられるとは思います。
何もない私には
アンバランスでもNW-WM1Aのような低域が出るようになってます。
音の艶や響きの良さはWM1Aに譲りますが、弦を爪弾く際のリアルさは負けず劣らず。
ソフトウェアとか
ウォークマンと言えばアップコンバート処理の元祖とも言われるDSEEシリーズが搭載されてます。
最初に搭載したのが2009年発売のNW-X1000シリーズ。あの当時圧縮音源メインだった方は歓喜したことでしょう。私もその1人です。
今回紹介した中ですと主に3つに別れています。
DSEE HX(初代) NW-ZX1/NW-ZX2/NW-ZX100
補正は最大24bit/192kHz相当。
従来型DSEEをベースにハイレゾ相当までアップコンバートかけられるように進化してます。
ZX1/ZX2では使用時にかなりバッテリー消費が激しいことが言われており、諸刃の剣とも言える代物です。
DSEE HX(2代目)NW-WM1A/NW-ZX300
補正は最大32bit/192kHz相当
32bit補正でより滑らかな補正が可能になりました。
また、今回紹介したモデルでは楽曲等に応じて手動で補正パターンの変更が可能に。好みに合わせて利用できるようになりました。
DSEE HX(3世代)NW-ZX507
補正は32bit/192kHz相当
この世代よりAI補正のタイプとなり、従来のようなオプションは表示されなくなりました。
今回紹介したどのモデルでもDSEE HXを搭載していますが、正直世代によって中身はまちまちです。
これらをONにすると圧縮音源が大きく化けます。具体的には粒立ちが良くなり、生音系では音の消え際などの表現がよりリアルになります。
もちろん、ハイレゾ音源と全く同じになる訳ではなく、あくまで音源の周波数成分などから補完をかけるので波形上は全くの別のものになります。こればかりは仕方ない。
その他の機能
Clear Audio+(NW-ZX1/NW-ZX2/NW-ZX100)
ワンプッシュでSONYらしいチューニングに設定してくれるもの。
元はXperiaや低価格のウォークマンでより「楽しく」音楽を聴くチューニングでしたが、それをそのまま高級機にも載っけたもの。
正直このクラスではあまり使う人はいなかったのでは…と思っています。
VPT(NW-ZX1/NW-ZX2/NW-ZX100)
言わゆるサラウンド機能です。ウォークマンと言えばお馴染みの機能ですが、最近のモデルには入ってません。
DCフェーズリニアライザー(NW-WM1A/NW-ZX300/NW-ZX507)
低域の音響特性をアナログアンプに近づけるというもの。タイプAとBの2つがあり、それぞれ効果を3段階に設定できる。
使ってみると低域に固さが無くなりフワッとしたものになる。それこそウッドベースなどの生音の低域が出てくる音源と相性が良いように感じた。
バイナルプロセッサー(NW-WM1A/NW-ZX300/NW-ZX507)
こちらはアナログレコードの再生時の特性を追加するもの。使ってみるとこれはまた面白い機能だなと感じた。
なんか…こう。聴き心地が良いのである。
こちらは開発エンジニアの声が公表されているが、読むとなかなか興味深いものを感じました。
その他、ハードウェアとか
バッテリー持ちは良い順に並べるとこんなところ
1.NW-ZX100
2.NW-ZX300
3.NW-WM1A
4.NW-ZX2
5.NW-ZX507
6.NW-ZX1
ZX100のバッテリー持ちの良さは特筆レベルで、他社のハイレゾ対応プレイヤーと比較しても段違いのスペックです。
ハイレゾ再生時で公称45時間は化け物です。
次いでZX300とWM1Aです。
これらはバランス出力をするとやや劣りはしますが、公称30時間クラスとなってますので他社製品に比べても持ちは良い方です。
Android系はどうしても厳しいですね。
並び順はほぼ搭載しているバッテリーの容量順になっています。
ZX1はアホみたいに容量が少ないのであれですが、ZX2よりもZX507が持たないのは惜しいところ。
こればかりはバッテリーの持ちがえげつないZX300やZX100と比べればの話で、他社の同等機能を持つプレイヤーと比較するとさほど悪い部類ではないです。
画面サイズ
4.0インチ NW-ZX1/ZX2/WM1A
3.6インチ NW-ZX507
3.3インチ NW-ZX300
3.0インチ NW-ZX100
画面サイズは音楽プレイヤーとしては標準くらいでしょうか。
大きすぎず小さすぎで個人的には扱いやすいです。
ストレージ容量
128GB:NW-ZX1/ZX2/ZX100/WM1A/ZX300G
64GB:NW-ZX300/NW-ZX507
ハイレゾ対応機の上位モデルとしては128GBは欲しいところですが、64GBのモデルはSDカードスロットを備えてるので適切なSDカードを使用すれば容量不足に困ることは無いと思います。
ただ、周りを見るとFiio M11のような内蔵ストレージが32GBしかないモデルもあるのでなんとも言えないところですね。
ちなみにFiio M11はデュアルスロットのモデルなので大容量のSDカードを2枚入れれば解決する。
今買うならどう選ぶか?
音質を妥協したくないならNW-WM1A
音質だけで言えば現状これがトップクラスです。
その分「物理的に重い」「カジュアルではない」という欠点はあるが、バランス対応でハードウェア的にもかなりの物量を投じたモデルだけに音質には文句はない。
また、このハードウェアながらDSEE HXのアプコンで圧縮音源もしっかり楽しめるのは魅力だろう。
どっしりとした独特の音の濃さやアナログっぽさがあるので、それが苦手な方は下位モデルや旧モデルを含めた別のモデルも候補に入れると良いだろう。
NW-WM1Zに関しては「シグネチャーモデル」と言った感覚である種の実験機のような認識でいます。
そのため、私は純粋なフラッグシップでは無いと考えています。
ストリーミング配信も楽しみたいならNW-ZX507
NW-WM1Aのエッセンスも入ってコスパの良さも光るモデル。
個人的に音質だけでいえばNW-WM1Aに部があると思うが、機能面とDSEE HXの世代が上がってることから圧縮音源メインならこちらも十分選択肢に加えて良いと思う。
操作感もAndroid由来の操作が可能となってるので、ある意味直感的に操作できる。
Android搭載なゆえにバッテリー持ちが弱い点や内蔵ストレージが64GBと言った気になる点ははあるが、60mw(16Ω)のアンバランス出力やAndroid 9.0と比較的新しいバージョンを採用してる点は魅力だ。
ストリーミング配信対応のプレイヤーは各社から多く出たが、DSEE HXと言ったアップコンバートやサウンドエフェクトが外部のアプリにまで適応できるモデルは数少ない。それだけでも購入理由になる。
コネクタがType-Cなので専用ケーブルが必要ないのもメリットだ。
バッテリー消費を気にせず使うならNW-ZX100
なんと言っても圧倒的なバッテリー性能だろう。筆者の環境では1週間に1度程度の充電で済んでいる。
だだ、機能面では音楽再生に特化してる故にかなり絞られているし、操作性もタッチパネルメインのものに比べると劣る印象だ。
出力も15mw(16Ω)と正直なところ弱いところだ。
それでも物理ボタン故のブラインド操作が可能な点や現行モデルとはやや毛色の異なる音など、特徴とできる点は多い。
128GBのストレージにSDカードで増やせるのも魅力だ。
販売終了品なので新品入手は困難なモデルではあるが、中古は2万円前後とお買い得なのでメインはもちろんサブプレイヤーとしても活躍してくれるだろう。
安価にバランス接続を体感するならNW-ZX300
4.4mmバランス対応のプレイヤーも増えては来ているが、2.5mmに比べるとまだまだ少ない。
中古価格だと2万円台も出てきており、手軽にバランス接続を体感できるモデルという地位にいる。
音質傾向もNW-WM1Aよりなので、WM1Aの濃い音が苦手だが傾向は好きという方や、物理的にデカいWM1Aを持ち歩きたくない方にはZX300をオススメしたいところだ。
また、外部DACやBTレシーバーとしても利用できるのでスマートフォンと連携させて使うのも良いかと思う。
特にBTレシーバー機能は後継機では廃止されており、ある程度の音質も担保するとなればZX300は魅力的な選択肢になると思います。
DAC機能はPCはもちろん、iPhoneともカメラコネクションキットと付属ケーブル1本で接続が出来るので、より柔軟な使い方もできます。
独特な音を楽しみたいならNW-ZX2/NW-ZX1
正直なところ後継機が出ているので、いまからひょいひょいと勧めるには向かないところだ。
どちらも出力は15mw(16Ω)と他社のプレイヤーと比較しても低い部類だ。
そのため、能率の悪いイヤホンだと最大音量付近まで持ってこないと音量が取れないことがよくある。
特にZX1は年式もさることながら、中古でもバッテリーがヘタっているモデルもある。
ストレージは128GBと当時としては大容量ではあったが、SDカードスロット非搭載などストレージの拡張面では周りに引けを取ってしまう点もある。
ZX2は物量を投じたメモリータイプでは初の10万クラスのウォークマンで、SDカードにも対応してることから第1線でもまだまだ活躍の場は十分ある。
特に低域に関してはNW-WM1Aとはまた違ったもので、ZX300とも毛色は違う。
ただ、前述の出力の低さはネックで同社のXBA-Z5やIER-M7とかだとかなり音量を上げないと厳しい場面も見られた。
NW-ZX1は従来のハイエンドウォークマンの音に物量を加えたモデルという印象だ。
言わばアナログ部はPOSCAPなどで強化されているが、「デジタルアンプ」の音色が強い旧モデルの進化系と言ったところ。
そのため、NW-Z1000やNW-A860と言ったS-Master MX系のモデルを好んで使ってた方にはまだ勧められるところがある。
それぞれ中古相場はZX2が約30,000円前後、ZX1が16,000円前後と言ったところだろうか。
今のZX1のポジションはある意味「ハイレゾ入門機」の位置にいるようにも感じる。
ただ、このセグメントにはAstell&Kern AK100やONKYO DP-S1などのかつての同等ポジションクラスのプレイヤーも多い。
比べると難しいところではあるが、圧縮音源メインなら迷うことなくZX1を買うと幸せになれるだろう。
ここまで書いてみて
筆者もウォークマンって個人的に好きなもので、かつてはNW-X1000やNW-Z1000と言ったモデルも使っていた。
実際ハイレゾ対応世代のこれだけのモデルを聴き比べみて、わかったこととして
「いい音だなぁ」と感じさせるモデルと「楽しい!」と感じさせてくれるモデルはイコールにはならなかったこと。
また、音源やイヤホンによっては旧モデルの方が好みの音だったりと「古い=音が悪い」では無いんだなと改めて実感出来ました。
ウォークマンの強みは1BIT処理のフルデジタルアンプS-MasterとDSEEを始めとした音響エフェクトだろう。
こればかりは汎用品のDACやアンプを使う他社には真似できない芸当だ。
音響エフェクトもDSEEだけで言えば10年分の蓄積がある。
故に「ウォークマンらしい音」というのはある程度方向性のあるものになっていると言える。
特にS-Masterについてはウォークマンのものは専用設計で、開発費だけで数億円というコストがかかっている事が語られている。
DACのメーカーが変わると突然音の傾向ががらっと変わるメーカーもあるが、ウォークマンではそのようなものはあまり感じられない。
最初にS-MasterとDSEEを搭載したNW-X1000の発売から10年が経った今、ポータブルオーディオを取り巻く環境は大きく変わったかもしれない。
圧縮音源メインから無圧縮、はたまたハイレゾ音源と言った持ち運ぶには難しい音源もシリコンメディアの大容量化で可能になった。
各社様々な機能やギミックを積んだプレイヤーをリリースしたことから、競争が激化し多くのプレイヤーが生まれた。
いろんなメーカーが参入して変わったなぁと感じます。
そしてストリーミング配信の高音質化、ハイレゾストリーミング配信によってまたこの流れは大きく変わるだろう。
いずれは5G通信で常時接続のストリーミングポータブルプレイヤーが主流になることだろう。
apt-X HDやLDACの上位互換規格が現れて、ワイヤレスでも24bit/96kHz相当のデータが扱えるようになるかもしれない。
個人的に今のウォークマンは後手後手に回ってるような印象があり、「待望の○○対応」と言ったような紹介をされるのもよく目にする。
最近ではLDACの規格策定で優位に立ったところだろうか。
よく言えば慎重になったが、かつてのような勢いでとんでもないプロダクトを生むことは少なくなったのかもしれない。
最近ではDMP-Z1というウォークマンをベースにアナログ部をこれでもかと強化したプレイヤーがリリースされた。
どちらかと言うと持ち運びもできる据え置きプレイヤーのようなものだが、お値段はなんと90万円…
重量は2kgほどあります。まさに運ぶことはできるが頻繁には持ち歩きたくはない。
ちなみにピュアオーディオを嗜む方曰く
「電源部がものすごくクリーンで電柱建てて配線引き回すより安いからコスパ高い」とのこと。
いつしかこの技術をふんだんに使用したハイエンドウォークマンも出たら気になるところではありますね。
ここまで長文を読んで頂いたことに感謝しつつ、ハイエンドウォークマンが気になったのなら嬉しいところだ。
え?値段…
察してください。ガチャがいっぱい回せました。
オマケ
NW-WM1Aを他社のプレイヤーと比べてみた
1.Astell&Kern AK300
第三世代AKのエントリーモデル…とは言うが実売価格はWM1Aなどに近いものだった。
サウンドとしてはWM1Aに比べるとあっさりしていて見通しの良いものになっている。
繊細さや出力に起因する部分はややAK300に部があるようにも感じた。女性ボーカルなどはAK300の方が艶やかなものもあり、音源によって選ぶと良いだろう。
また、アプコン機能は無いのでAK系をメインにするなら音源はロスレスクラスのものを使いたいところ。
2.Fiio M11
Fiioがリリースした2.5mm/4.4mmのバランス端子を備えるいい所取りプレイヤー
AK4493EQをデュアルで採用していたりと高コスパなところもある。
そして、Exynos 7872というDAPにしてはオーバースペックなSoCを積んでいたりとなかなかトガっている。
おかげでなんとミリシタが普通に動く…
サウンドとしてはとにかくパワーがあるように感じた。キラキラさもさることながら、こうエネルギッシュな音はウォークマンではなかなか体験できない音だ。
特に出力の低い旧モデルと聴き比べると一目瞭然だろう。
Fiio MusicではDSDリアルタイム変換が可能で、これを用いると圧縮音源も非常になめらかになる点は好感が持てた。
3.ONKYO DP-X1
世代や価格的にはZX100などに近いところだが、2.5m mバランス対応とアンバランス75mw(16Ω)という比較的高出力が魅力の1台だ。
サウンドとしてはウォークマンとは正反対の音と言えるだろうか。キラキラ、シャキシャキと歯切れの良い音だ。予備知識なしでパッと聴いてみて「うおお。すげー」ってなるのは間違いなくONKYO系のDAPかと思います。
とまぁここまで書いてみて割と使い分け出来そうなイメージでした。
それでは