どうも
イヤホンオタク歴が実に今年で15年を数えてしまった筆者です。
外出自粛も緩和され、いつものハードオフさんに顔を出して店長さんと他愛もない話をしていたら
「本部店舗にはやぽんさんが好きそうなのが入ってるよ。まぁ時間があったら行ってみてよ」
と言われたのでドライブがてら行ってきました。
ちなみにここで言う本部店舗はハードオフさんの本社の隣に併設されてる新発田店のことです。
そしたら
まぁ、私なら食いつくものしかないですね
SONY MDR-EX90SLがいるだ…と。しかも箱付き
今、何年だよ!?と思わずカレンダーを確認してしまいました。
と言うことでこれを買わない手はありません。
まんまとやられました。
MDR-EX90SLとは?
当時のSONYがある種採算度外視で作ってしまった初のハイエンドカナル型イヤホンです。
N・U・D・E EX monitorというシリーズになりますね。
(クオリアがあるだろ?あれは別枠でお願いします…)
音的には「カナル型で同社のモニターヘッドホン MDR-CD900STの音に近付けたモデル」でした。
音響設計が太田氏(後にMDR-EX700なども担当)
筐体設計が松尾氏(後にMDR-EX1000などを担当)
スーパーバイザーに角田氏(MDR-CD900ST開発者)
当時の若手とベテランのタッグによって生まれたものだ。
カナル型では例のない口径13.5mmダイナミックドライバーを搭載。
従来の筐体では耳に収まらないので斜めに突き出た機構を開発し採用しています。
現在もこちらは特許としてこちらで確認できる。
ちなみに発売は2006年(平成18年)です。
実に14年前…
本体を見てみる
本体は今でこそ多く見かけるようになった形状だ。
これが出た当初はかなりの異型であり、多く取り上げられたのを覚えている。
本体に空けられたベント孔の多さがこの音を生み出している。
今回手にした個体はブッシングの破れは軽傷。本体のロゴ禿げもない非常に良質な個体だ。
NW-X1050と組み合わせるとまるで平成10年代のようにも感じてしまう。
音を聴いてみる
今回の視聴曲はこちら
O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!/久川凪、久川颯
昨年発表された双子のニューアイドルの楽曲です。色んな意味で尖ってたりで話題の2人ですが、私は全力でアイドルしてるそんなふたりがとても好きです。
なぜこの曲をライブでやる機会があったのに、日曜日にやらなかったのかが現状の心残りです。
(7th幕張公演はド平日でした…)
TVアニメ アルドノア・ゼロより
A/Z /SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki
アルドノア・ゼロ 1期 前半部のエンディングテーマ曲です。
劇中挿入歌の作曲を担当されてる澤野弘之さん作曲の楽曲で、mizukiさんのボーカルが生えるナンバーです。
何もない私には/田所あずさ
いつものです。
プレイヤーはNW-ZX2を使います。
まず感じたのは「懐かしさ」でした。
何を隠そうこの筆者も以前に持ってたことのあるイヤホンです。ただ、断線してからまともに手に入れる機会もなく8年の歳月が経ってしまいました。
音としてはなんと言っても本体設計がなせた「抜けの良さ」が特徴でしょうか。
非常に気持ちの良い抜け方をします。サウンドステージもそれに合わせて広いように感じます。
広域は「キラキラ」というよりは落ち着きもある音に感じた。やや固めの音と言ったところ。
抜けの良さもあって、当時のダイナミック型では群を抜いていたとも思います。
ボーカル域は非常に900STに近い鳴り方をしますね。非常に近い、そして固めではあるもののBA機よりほぐれていると言ったところです。
これは後にリリースされてるMDR-EX800STも近い傾向があります。
低域は当時としては控えめという印象。
これはセミオープンと言える構造もあって、ズシンとくるような低域は出てこないです。
このイヤホンはセミオープンとも言える構造で、カナル型で思い浮かべる「音漏れがしにくい」「遮音性が高い」とは真逆の代物です。
盛大に音が漏れますし、遮音性も並以下です。
総評
この令和の時代に2006年 実に14年前のイヤホンをレビューしてるのは私くらいでしょう。
でもこのイヤホンには「14年という時間」を全く感じさせない設計の良さがあります。
他にもそれを感じさせるといえばEtymotic ResearchのER-4SやUltimate EarsのTriple fi 10とかでしょうか。
先進的な13.5mmドライバー、妥協のない金属筐体設計
音響調整部品を6個も詰め込んだりと当時としては規格外な代物でした。
そして、初のハイエンド帯となったこの音が「SONYのイヤホンの顔」となった音でした。
今でもSONYと言ったら「抜けが良くてやや固めのキラキラした音」を想像する方もいると思います。
そのくらいの影響力を持ったモデルだったのです。
そして、実売価格は約1万円前後でした。
当時のイヤホンとしては高価格帯でしたが、それでもUEやShureと言った欧米メーカーに比べると安い上にサウンドクオリティも高かったことからヒットを産みました。
2005〜2007年頃にオーディオの沼に落ちた方ならきっとこの機種を持っていたと思います。
そのくらいの影響力です。
今なお愛される理由としては正式な後継機がないのも理由にあるでしょう。
現在のSONYにおいてEX90の直系と言える後継機はいません。
強いて言えばコンセプト的に近いMDR-EX1000やMDR-EX800STが後継と言えるところでしょうか。
これの後にすぐ出たMDR-EX700も直系とは言いにくいでしょう。
そんなMDR-EX90は「SONYのハイエンドイヤホンの原点」と私は思っています。
遡ればインナーイヤーのMDR-E888(バイオセルロースフィルム振動板搭載モデル)と言った名器も多くあります。
でも、現在の方向性をつくりあげたのは間違えなくこのEX90の存在だと思っています。
商品の入れ替えや新機種投入が激しいSONYにおいて今なおファンが多いこの機種は「ある種の原点」なのかも知れませんね。
SONYのイヤホン語るならまずこれは聞いておけ的な(笑)
このバカ筆者はSONYのイヤホン大好きマンなのでいずれIER-Z1とかJust Ear機を買ってしまいそうで怖いです。
現に松尾先生の関わってるSONYのイヤホンはこれでコンプリート…XBA-Z5とかIER-M7とかも持ってるのでこれは怖いですね。
それでは