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【レビュー】2画面スマホ「LG V60 ThinQ」はマルチタスクをより大画面で使えるように進化した2画面スマホだ

 今回は、商材的に強いとのことで交渉して手に入れたスマホLG V60 ThinQのレビューです

 

 

 

 LG V60 ThinQをざっくり言うと

・LGからリリースされた5G対応ハイエンドスマホです

・docomoとSoftBankにて販売されてます

・画面が6.8インチと大きく、2画面スマホとしても使うことができます

・値段や機能面で強い競合には劣るのが惜しいです 

・最近はお得に買えるお店が増えているので、人気が再燃してます

・2画面スマホに興味がある人にはおすすめのスマートフォンです

 

 LGから発売の拡張2画面スマホの第3世代機となったV60 ThinQ。この手のスマホは昨年のLG V50 ThinQを皮切りにV50s ThinQ(日本ではG8X ThinQ)と後継がリリースされました。

 

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画面側の見た目は至って普通です。


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カメラは3眼に。どことなく形状がGalaxy S10シリーズみたいです。


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 参考までにLG WINGを隣に置いてみました。WINGはリアカメラが特徴的ですが、V60は単体での本体における特徴はそこまでありません。


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フレームがメタルになっており、放熱性が高くなってる点は好感が持てます。

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LG V60 ThinQのスペックとか

 

SoC Qualcomm Snapdragon 865

メモリ 8GB

ストレージ 128GB(北米版は256GB)

 

画面 6.8インチOLED FHD+

 

カメラ 64MP+16MP+tof

 

バッテリー 5000mAh

OS:Android 10

 

 

LGがくりだす新時代の「2画面スマホ」V60 ThinQ


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 LGと言えば2画面スマホ!というのはここ最近のトレンドですね。

 このV60はV50シリーズに比べて大型化し、画面は6.8インチとなりました。そのため、ぱっと見はXperia 1IIやGalaxy S20+よりも大きいものになっています。

 

 基本コンセプトはV50シリーズと同じく「1画面でも2画面でも使える」ですので、このV60も1画面で使えるスマホをと言うものを意識して作られてます。

 このV60 ThinQ日本ではドコモとソフトバンクにて取扱のある機種となります。

 

6.8インチとより大きくなった拡張ディスプレイ

 もちろん大きくなった本体に合わせてサブディスプレイも大きくなりました。接続仕様はV50s(G8X)と同等のUSB接続になっています。

 

 やはり、2画面によるマルチタスクは魅力と言えるもので、この機能を目当てに買われる方が多いと思います。


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LG WINGのスイベルモードと比べてみると、マルチタスクに対してのアプローチがやや異なることが分かる。


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 Galaxy Foldと比べると大きさは一目瞭然。6.8インチのスマホを2台並べるようなものなので、それはでかいわけである。


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今作も通知用サブディスプレイは現在。端末をいちいち開かなくても通知や時刻を確認することができます。

 ただ、この点はフォルダブル端末であるGalaxy Foldの方が遥かに自由度は高い。

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2画面のキワモノではなく、普通のスマホとしても使えるV60 ThinQ

 

LG V60 ThinQは2画面だけが売りのスマホではない。国内販売されるLGスマホとしては初の5G対応機であり、ニーズの大きいイヤホンジャックもしっかり備えるハイエンド機となります。

 

 独自機能としてはLGスマホでよく見かける統合検索、Quad DACによる高音質機能も備えており、スマホとしての完成度はV50シリーズよりもブラッシュアップされています。

 

 特にこのQuad DACはV50シリーズからバージョンアップされ、DACもESS ES9219Pに更新されています。スマホとしてもかなり高音質で楽しめるということで、個人的にもイチオシの機能です。

 

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 大きい画面でマルチタスクが捗るのは魅力ですね。ただ、120I等のハイフレームレートには非対応。ここは競合他社も力を入れてる点だけに惜しいところです。

 

 カメラに関しては微妙なところで、同世代の競合よりも性能面やレスポンスでは劣る印象があります。ハイエンド機として考えると、メインカメラ+超広角だけでは惜しいように感じます。


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 まぁ、これと言って他社に比べても特徴があるとは言えません。超広角での写真が強いのが最初期から積んでたメーカーなだけあるなという印象。

 

指紋認証は画面内となる。感度はまぁそこそこ。G8Xとさほど変わらない印象です。

 

 筆者的にイチオシなのはバッテリー持ちの良さだ。5000mAhとゲーミングスマホ並みの容量を持つだけあって、普通の使い方なら2日。ゲームをがっつりやり込んでも、1日は十分に持つバッテリーです。

 

 あまり注目されてない点では、スライタスペンが使えるのもポイント別売にはなりますが、Galaxy Noteシリーズに近い感覚で使うこともできます。

 

 他にもメタルフレームになって放熱性が上がったことや、フロントスピーカーの音質が良くなったことなど細かい点でのブラッシュアップも多くあります。

 

LG V60 ThinQの惜しい点

 

 LGのこのスマホ。残念ながら現在は商材的に強い商品として、キャリアによっては強い値引きが行われる機種となりました。

 まぁ、売れてない…ということですね。売れない理由というのはいくつか挙げられますが、使ってみて分かったのは以下の通りでした。

 

・中途半端にデカくて重い

 

 そう、6.8インチにデュアルスクリーンです。しかも横幅も大きくなるので、片手で持つにはやや不安定になります。

 筆者的には6.8インチとでかい割には画面解像度はフルHD+というのが惜しい。デュアルスクリーンとの相性を優先したら仕方ないとは思います。

 

 そして極め付けは重さ。本体も218gと決して軽いとは言えない部類にデュアルスクリーンを装着すると350gをゆうに越えてしまいます。

 こうなるとiPad miniよりも重くなってしまい、環境によっては持ち味のデュアルスクリーンを付けることが億劫になることもあるでしょう。


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Galaxy Foldほどでは無いが、ケース装着時はまぁまぁの厚みになるのは致し方ないだろう。

 

 そしてデュアルスクリーンは相変わらず防水には非対応。そんな端末がまず受けないだろ…と思いましたが、実はこのV60 ThinQは韓国市場では出回ってないものとなっています。

 

 先行リリースは北米。次いで日本と台湾といった限られた地域でしか販売されてないレアモデルです。

 

 仲のいい韓国の友人にも聞きましたが、V60は韓国で売っても「大画面スマホが好きな人などは食いつくが、大体はそれが出たことで値段の下がったV50sに行く」と評されていました。実際、使いやすさだけならG8X ThinQの方がサイズ感は良かったです。

 

 そのため、北米向け大画面モデルを日本で展開したら…こうなるのいい例だと思います。


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 もっとも韓国ではカラーリングの豊富さ、端末のスタイリッシュさで起死回生を狙ったVELVETが Galaxy S20シリーズの対抗馬で販売されています。

 従来のGやVシリーズと言った乱雑なラインナップや新鮮味のないデザインを一新し、ラインナップもシンプルにしたいと言うのが見てとれます。

 

 

・強いライバルに押された

 

 V60が発売されたキャリアはドコモとソフトバンクだ。ドコモは初の展開となりながらも、値段はライバルのGalaxy S20より高い設定もあり、初期ラインナップの中でも売れ行きは低調。

 

 イヤホンジャック有りという優位面でも、AQUOS R5GやXperia 1IIという国内シェアが強い機種たちに押されてしまったように感じます。


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 そして今度はVELVETが正式にリリースされるということもあり、結果として自社端末に食われる結果となりました。

 こちらは韓国と同様にデュアルスクリーンの有無が選べるものとなり、その分値段も抑えられました。

 

 ソフトバンクではなかなかそのような事にはなってませんが、来年あたりに価格改定で一気に安くなることが考えられそうです。

 在庫を売り払いたいのか、ドコモ版は規制ギリギリの割引をしてくれる店舗が多い印象です。筆者はMNPにて2.2万円の割引にプラスして、以下のものがつきました。

 

旧プラン解約金+転出手数料実質無料

購入店ポイント1.5万円分還元

ノベルティ(Galaxy budsとモバイルバッテリー)プレゼント

 

 なかなか攻めたセールスを受けたので購入した次第。実質価格は7万円を切るものとなるので、店舗によってはVELVET買うより安いんですよね…


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それにしてもLGのスマホを買ってGalaxy Budsが貰えるのは不思議な気分です(笑)

 

 ただ、昨年ソフトバンクより発売のLG G8Xが5.5万円と言う破格の値段で出てきたこともあって、なかなか値段の安さだけではV60 ThinQは売れない。難しいところだなと思います。

 

 

本当の意味で最後のハイエンドになるかもしれないLG V60 ThinQ

 

 LG V60 ThinQというスマートフォン。確かにG8Xを大画面化しよりブラッシュアップしたという点では、同等コンセプトの端末を求めるものとしては非常に興味深い機種です。

 

 現時点ではスマホでも随一の高音質であるQuad DACを搭載した最後のモデルでもあり、動画の視聴体験で行けば横幅の広い画面は優位に立てる点も多くあります。

 

 国内正規端末なので、5Gもしっかり利用できます。逆を言えばそれくらいしか利点もなく、多種多様な機種が出た今年のデバイスにおいては目新しいものがなかったものとも言えます。

 

 お値段的にもドコモ版で11.8万、ソフトバンク版で13万クラスとなり、とてもお買い得とも言えない値段です。

 

 上に書いたように変に大型で使い勝手では前機種に劣るところもあり、総合的な端末の性能が競合よりも高くない。このことから、これらの端末を求める層に合わなかったりしました。

 

結果として売上を伸ばせなかったのは否定できません。

 

 デュアルスクリーン自体も販売するメーカーやキャリア側がなかなか活路を見出せておらず、結局はユーザーに使い方を模索させるような状況になっています。

 

 特にこの手の端末はコンテンツが生きなければ何者でもない端末ですので、キワモノで終わらせてはいけないものだと思います。

 

幸い、VELVETのデュアルスクリーンの販売もあるのでコンテンツ拡充にはまだ期待が持てる状態です。

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そうなればV60 ThinQは以下のような人におすすめできます。

 

・2画面スマホが欲しい人

・大画面のスマホが欲しい人

・イヤホンジャックも捨てられない人

・安価にハイエンドスマホが欲しい人

 

 ドコモ版なら上手くやれば実質7万円位で買えますので、VELVETよりお買い得に買えるかもしれません。

 一部ではLGがスマートフォン市場から撤退するのではないか?と言う報道もある。今後の動向も追っていきたいものだ。