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シャープ AQUOS R7 レビュー 一新された1型センサー搭載 圧巻のクオリティで「写真を撮る楽しみ」を教えてくれるスマートフォン

 買ってしまいました。ときめきが止まらないシャープのAQUOS R7です。レビューといきましょう。

ざっくりと

・シャープの最新ハイエンドスマホ

・ライカ監修と新型の1型センサーで、より綺麗に撮れるようになったカメラ

・Snapdragon 8 Gen 1搭載で快適な動作

・フラットパネルのディスプレイ、サウンド機能も向上

・国内フルバンド、eSIMにも対応

・お値段はドコモが19.8万円、ソフトバンクが19万円

 

1型センサーは新規設計、さらに進化した写真を撮れるAQUOS R7


 このAQUOS R7のデザインを見て、まず目が行くのは大型の背面カメラだ。センサーサイズは1型を採用し、大きさだけなら市場にあるスマホでは最大のものもなる。ソニーのRX100シリーズと言った高級コンデジなどと同等のサイズだ。

 


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大型カメラの存在感と本体の重厚感が圧倒的だ

 

 AQUOS R6は2020万画素のソニー製1型センサーであるIMX506を搭載していたが、今作では4720万画素の同じくソニー製のIMX989を採用。このセンサーはスマートフォン向けのものであると明かされており、近年広く用いられる隣接画素を1つの画素として扱うピクセルビニング処理も可能としている。


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少々ギークな端末に明るい方なら、先日発表のXiaomi 12S Ultraに採用されたものと同じセンサーといえば伝わるかもしれない
 

 加えてAQUOS R6に引き続き、AQUOS R7もカメラのチューニングは独ライカカメラ社が監修している。スマホメーカーとの共同チューニングではHuaweiと先日発表されたXiaomiも挙げられている。


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センサーが1型と巨大なゆえに、近年のスマホによくある多眼化はAQUOS R6同様に見送られた。また、リアカメラには深度センサー(tofカメラ)も備える

 

 同社としては深度センサーはカメラとはカウントしてないが、他社の基準に当てはめると2眼という見方もできる。

   レンズはAQUOS R6同様の35㎜換算で19㎜となり、一般に超広角に近い画角となっている。レンズ自体はライカのズミクロンを冠するものとなり、コーティングが一新されるなど着実に改善されている。


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今年のハイエンド端末を見比べてもAQUOS R7のカメラの存在感が際立つ


 作例は以下のようになる。デフォルトではデジタルクロップで24㎜相当の撮影となり、作例は全て撮って出しの無編集の状態だ。


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 AQUOS R7ではどちらかというと、ライカを冠するファーウェイのスマホに近い質感の絵が出るスマホとなった印象だ。解像感なども昨年のAQUOS R6に比べ、大きく進化したのがうかがえる。センサーが1インチと大型なこともあり、良くも悪くもボケみがスマホとしては強めとなる。
 正直、「この写真をシャープのスマホで撮りました!」なんて言ったところで数年前の筆者はまず信じないだろう。思った以上の出来で驚くばかりだ。

 
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 AQUOS R7の夜景モードは、手持ちモードではだいたいシャッタースピードが1秒ほど、三脚モードでは4〜32秒をシーンに応じてオートで切り替わる。また、三脚モードは自動で切り替わるものになっており、これはGoogle Pixelなどと同じ挙動だ。


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AQUOS R7 6倍望遠

 AQUOS R7では、R6同様に単眼でペリスコープ望遠レンズを備えていないため、ズーム性能は最大6倍までとさほど高くない。この辺りはテレ端(デジタルズームで144mm相当)となるが、さすがにディティールも潰れかかるようなものになる。 

 

カメラだけじゃない。シャープが送り出す渾身のプレミアムフラッグシップスマホがAQUOS R7


 AQUOS R7に関しては1型の大型センサー搭載のカメラに注目が行きがちだが、画面性能なども大きく評価したい。ざっとスペックを書くとこんなところだ

SoC:Qualcomm Snapdragon 8 Gen 1
メモリ:12GB
ストレージ:128GB

画面:6.6インチ FHD+ Pro IGZO OLED

カメラ
リアカメラ:4720万画素 1型センサー
フロント:1300万画素
別途tofセンサーあり

バッテリー:5000mA/h
無接点充電対応

防水防塵、おサイフケータイ等あ

 画面は近年のAQUOSらしくOLEDパネルとなっている。前作のAQUOS R6と比較して、かなり自然な色が表現できるようになった点は大きく評価したい。加えてAQUOS R7では、画面の色温度を任意調整できるようにもなったので、自分好みの設定にすることも可能だ。


 画面解像度はFHD+でおおむねトレンドを押さえつつ、独自のものとしてAQUOS R6同様にPro IGZO OLEDなるものを搭載している。特徴は可変リフレッシュレート対応となり、1~240Hzまでフレキシブル可変させる点だ。

 近年のハイエンドスマホはLTPO技術と呼ばれる、可変リフレッシュレート対応の画面を持つ機種が増えてきている。AQUOSではこの部分を自社設計の画面として、より柔軟なチューニングや省電力化を可能にしている。これにはIGZO液晶で培った制御機構などが盛り込まれている。



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画面は6.6インチと大型。発色もよい自社製のOLEDパネルを搭載。AQUOS R6と比べてエッジの形状が変わった点がポイントだ

 

 画面輝度もピーク時1000nitとOLEDにしては比較的明るく、直射日光下でも文字がしっかり読めるものだ。加えてAQUOS R7では、エッジディスプレイからフラットディスプレイへと変更されている。画面保護フィルムなども選びやすいものとなった。

 

 指紋センサーは画面内蔵のものとなる。AQUOS R6と同様にクアルコムが開発した2本の指で同時認証可能な「3D Sonic Max」を搭載している。
 この機能は二本指での認証でセキュリティ面が高められるほか、認証範囲が広く認証時でもストレスも感じにくいものになっている。指紋認証の速度は爆速と表現できるもので、認証感度も良好だ。画面内指紋認証の感度の悪さで悩む方には朗報だ。

 

 プロセッサはSnapdragon 8 Gen 1を搭載と今年のハイエンド機らしいところはしっかり押さえ、メモリも12GBと必要十分と言える。 冷却性能も比較的優秀で、フレームを使った放熱を行うような構成なのか長時間のゲームも問題なく遊ぶことができた。ゲーミングの側面を見ても、ハイエンドながらイヤホンジャックを引き続き備える点は評価したい。

 AQUOS R7を使ってみると、ハイエンド機というのもあって動作にストレスは感じない。Snapdragon 8 Gen 1は比較的発熱の多いチップセットと言えるが、チューニングが良いのかよほどのことをしない限り発熱で「熱い」と感じることは少ない印象だ。

 

   ボックス構造となったためか、本体スピーカーの音はかなり良くなっている。力を入れている中国メーカーのハイエンド機には劣るが、「鳴っていただけ」みたいなところからは改善されている。加えて、イコライザーと「サラウンドプラス」という音響効果も追加されている。

  パラレル充電のほかに、Xperia 1IVにも搭載されているHSパワーコントロールに近いものも搭載されている。加えて、バッテリーいたわり機能とも言える「インテリジェントチャージ」も搭載。画面点灯時は給電しない、バッテリー満充電を90%に抑えると言ったバッテリーを劣化させにくい工夫がされている。


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本体はフロストガラスと言われるものだ。質感は歴代AQUOSでもトップレベルと言える。

 

AQUOS R6で感じた惜しいところを着実に解消して使いやすくなったAQUOS R7

 

 AQUOS R7のカメラに関しては、AQUOS R6から大きな進化を遂げたと言えるものだ。1型センサーはスマートフォン向けのものを採用したことで、高速オートフォーカスや高感度化を実現している。加えて、レンズ設計などを見直すことで、AQUOS R6でクセありだった最短焦点距離についてもテコ入れされている。

 
 マニュアルモードの使い勝手も大きく改善されている。シャッタースピードは30秒まで設定可能となり、基準が不明だった彩度などの項目は「0を基準」として±5で調整に変更されているなど、利用者にも分かりやすいものとなっている。


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マニュアルモードは大きく改善。ピーキングなども見やすくなった

 

 そのため、AQUOS R7では撮影の幅が大きく広がった。夜景や星空などの三脚を用いるような撮影でも、以前より富んだ表現が可能だ。マニュアル設定のプリセットも可能になったので、再度同じ設定で撮影する時にも、数値を調整する必要もない。



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AQUOS R7 マニュアルモード

シャッタースピード 3.7秒/ISO50

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AQUOS R7 マニュアルモード
シャッタースピード 25秒/ISO1000



 マニュアルモード内にある「色あい」「明瞭度」「コントラスト」の項目を変えると適度に色味を変えて撮れる。色あいを0にすることでモノクロ撮影も可能だ。


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 また、RAW撮影で追い込むことも可能なため、単焦点コンデジのような感覚で使うのも良いだろう。写真はRAW+jpegの形式で撮れるので、jpegは簡易編集した後にSNSへの即アップ、RAWはアプリ等でじっくり編集も可能だ。


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上記の写真をRAW現像したもの
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ちょっとやりすぎな現像も意外といける

 

 多種多様なスマホが登場しても、AQUOS R7が「カメラ」で存在感を出していることは間違いないものだ。シャープが以前から主張していた「なんとなくハイエンドスマホを買う時代は終わった」という言葉は、このAQUOS R7が体現したものになっている。

 カメラ以外では、バッテリーが5000mAhと多めに搭載されている。軽く利用した限りではXperia 1IVなどと同じくらいの電池持ちであり、これは概ね7〜8時間は満足に利用することが可能だ。加えて、AQUOSとしては2019年発売のAQUOS R3以来のQi規格の無接点充電に対応する。


 ゲームなどに関しては熱落ちという現象はほとんどない。原神の高画質/60fpsモードで20分ほど利用したら、サーマルスロットが効いてクロックが落ちるような挙動はあった。一方で、極端な処理落ちやアプリ強制終了は手持ちのものでは確認できなかった。

 

最後に。AQUOS R7の惜しいところは19万円クラスのお値段か

 

 まさかAQUOSに再びここまでのものを見せられるとは。HuaweiのMate 10 Proの後にP20 Proが出た時の衝撃と同じようなものを感じた。

 カメラ強化のスマホと言えばHuaweiをはじめとした中国勢が強いイメージがあるが、近年ではVIVOに加えてXiaomiもかなり力を入れている印象だ。

 特にライカを冠したHuaweiのハイエンド機や、Zeissを冠するVIVO Xシリーズは史上の評価も高い。近年ではXiaomi 12 S Ultraのように1型のセンサーを積むなど、ハードウェアに注力した機種も登場している。 


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AQUOS R7はどことなくHuawei Mate 40 Proのようなデザインで、つい並べたくなってしまう

 

 

 上記のような世界的な評価の高いカメラ特化スマホが相手でも、対等レベルで比較対象にできるクオリティをAQUOS R7は手にしたと言える。日本で販売されているスマホで、このクラスのカメラ性能を持っている機種は少数だ。

 加えてキャリア版ながら他社の電波もしっかり使える仕様で、eSIMにも対応という力の入れっぷりだ。キャリアを乗り換えた際でも、端末を選び直したりする必要はない。また、eSIM側にはサブ回線でpovo 2.0などを使用することも可能になった。

 上記のような高性能な点と各キャリア向けの最適化、他社でも確実に利用可能なことを確認する試験の実施、ニーズの大きい防水防塵、FeliCa対応などの結果、AQUOS R7はドコモ版は198,000円、ソフトバンク版が189,606円と高額になってしまった。正直なところGalaxy S22 UltraやXperia 1IVよりも高額な端末となっている。 完全にキャリアの分割払い、お返しプログラム等の残価型プランと呼べる買い方前提の価格設定だ。

 シャープがこんな尖ったスマホを出して来れるのはある意味好調の証拠であり、これに倣って他メーカーも面白いアプローチのスマホが出てくることを期待したい。


 筆者としては、AQUOS R7は満を持して「カメラスマホ」と呼べるものだ。簡単にキレイに撮れるカメラと、普段使いのバランスにこだわる。そんなこだわりのある層にむけたフラッグシップスマホだと感じた次第だ。

   AQUOS R3やR5Gをお持ちの方はもちろん、AQUOS R6を使っている方やカメラ特化のスマホをお持ちの方が乗り換えても納得できる商品だ。

 日本では「カメラスマホ」としての地位を確立しつつあるシャープのハイエンドスマホ。今後も目が離せない。