寒いところでスマートフォンを使っていたら、突然電源が入らなくなった経験がある方も少なくないはずだ。
今回は寒いとなぜ電源が入らなくなるのか?簡潔に解説してみよう
- 気温が極度に低いとバッテリーの電圧が低下してスマートフォンが起動しなくなる
- 古いスマートフォンは特に注意。寒さで頻繁に電源が落ちるようなら、バッテリー交換も視野に入れよう
- 寒いからってスマホを直接温めるのはダメ!
気温が極度に低いとバッテリーの電圧が低下してスマートフォンが起動しなくなる
気温が低くなると、鞄に入れたスマートフォンを使おうとした際に電源が切れていたり、電源が入らなかったりすることがあったりする。
日常生活ではなかなかこのような場面に遭遇することはないが、高所でのキャンプ、スキーなどのウィンタースポーツのシーン、冬の札幌といった北国で外気温が0度以下になったりすると、上記のような現象が起こる。
気温が高い環境でスマートフォンを使うと、発熱でオーバーヒートしてしまい、最終的に電源が落ちることはよく知られているが、寒くなりすぎてもダメなのである。
電源が落ちる理由としては、気温が低くなるとスマートフォンのバッテリーの電圧が安定しないからだ。一般的なバッテリーは概ね20度前後の環境で利用することを前提に設計されている。
これが高温や極度な低温環境だと、加熱によるバッテリー劣化や、低温による電圧低下によって本来の動作が保証できない場合がある。
今回のような低温環境ではバッテリーの電圧が下がることで、スマートフォン側が求める数値が出なくなる。結果として電源が入らなくなってしまうのだ。仮にも起動していた場合は、強制的にシャットダウンされるような形となる。
寒さによる自然現象とはいえ、突然スマートフォンの電源が落ちてしまうと利用者としてはかなり不安になってしまうものだ。
古いスマートフォンは特に注意。寒さで頻繁に電源が落ちるようなら、バッテリー交換も視野に入れよう
寒くなるとバッテリーの電圧が出なくなることで、みかけ上の電力消費も早くなる。筆者が試した限りだと外気温0度の環境では、25度前後の部屋の中よりも、10%ほど早くバッテリーを消耗した。
これはバッテリーが消耗している古いスマートフォンでは特に顕著に現れる。バッテリーが消耗している機種ほど冬の寒さにおいては、厳しいものになる。
耐久性をアピールするタフネススマートフォンを除くと、寒冷地仕様のものはかなり少ない。
また、温度差のある環境で断続的に使うと、バッテリーのインジケーターも不調をきたしてしまうことがある。具体的にはバッテリー残量表示が100% から減らない、突然20%になる、50%あると思ったら電源が突然落ちると言ったものだ。
バッテリーインジケーターは、バッテリーアイコンの脇にあるパーセンテージで表記されているものだ。
これらのバッテリー周りの不調は本体の初期化で直ることもあるが、いきなり初期化となればためらう方も多いはずだ。
そのため、バッテリー交換等の修理サービスを利用するのもアリだ。バッテリー周りのこうした不具合は使っていくうちに、利用者のストレスもたまってくる。
ほんの数千円のコストでバッテリー交換を行い、上記の問題を解消できるのであれば、筆者としては悪くない投資だと思う。
寒いからってスマホを直接温めるのはダメ!
低温の環境でスマートフォンを温めなければならない。そんな時にパッと思いつくものは、使い捨てカイロを本体に当てることだろう。
確かに使い捨てカイロは入手性もよく、安価で寒い日は持っている方も多い。これを当てれば確かに本体は暖かくなるが、寒さ故に起動しない場合でこれを行う外気温の差で内部が結露する可能性が高い。
加えて使い捨てカイロの表面温度は50度近くになるものもあり、機器によってはオーバーヒートする可能性もある。これは電子レンジ等で加熱する、繰り返し利用可能なタイプでも同じだ。
メーカーとしては推奨していないが、仮に行うならタオルやハンカチ等でカイロを包んだ状態で当てると良いはずだ。
また、スキー場等のロッジにあるだるまストーブの前に、スマートフォンをかざして温めるのも同様に良くない。結露させないためにも、急激に加熱させないことが大切だ。
さて、寒い環境でスマートフォンを使う上では本体を過度に冷やしすぎないこと。電源が入らないからと言って、急激に本体を温めないこと。
あまりに頻繁に電源が落ちるようなら、劣化したバッテリーの交換も視野に入れることが必要だ。
改めて、電源が落ちた際の対処法や電源が入らなくなる要因を頭に入れた上で、寒い冬でも快適にスマートフォンを使っていきたい。