ライカとのコラボレーションで話題を博したXiaomi 12S Ultra。今回は筆者が半年間使い、撮影した写真で振り返ってみようと思う。カメラ特化のスマートフォンは撮影した写真を見せるのが一番早いのだ。
- ライカとXiaomiがコラボレーション。日本でも話題となったXiaomi 12S Ultra
- 半年使って分かったXiaomi 12S Ultraのカメラ性能に圧巻される
- 超広角カメラや望遠カメラも最高クラス。夜景や料理もきれいに撮れる
- ライカ譲りのモノクロ撮影とアートフレーム。「エモい写真」を演出できる
- カメラだけじゃない。原神も快適に動く高いスペックを持つXiaomi 12S Ultra
ライカとXiaomiがコラボレーション。日本でも話題となったXiaomi 12S Ultra
昨年、業界に衝撃を与えたXiaomiとライカのコラボレーション。その中でも最上位にあたるXiaomi 12S Ultraは1型の大型センサーを採用したことで話題となった。
Xiaomi 12S Ultraは中国で販売されたフラグシップモデルになる。そのため、SDカードやおサイフケータイには非対応となっている。
また、グローバル版と呼ばれるものが発売されなかったため、技適がなかったり、日本語化が必要だったりと使いにくいものにもなった。
本記事では特例制度を利用し、主にカメラとして利用した。
Xiaomiもファーウェイなどと同じくカメラ性能を重視することになり、Xiaomi 12S Ultraは「Xiaomiのブランディング」を占う端末となった。
デザインはXiaomiのスマートフォンには無かった「カメラ」を連想させるものになった。レザー調の加工も見ものである。
LEICAのロゴにVARIO-SUMMICRONの表記に痺れたものである。今なお所有感を満たしてくれるプレミアムなスマートフォンだ。
半年使って分かったXiaomi 12S Ultraのカメラ性能に圧巻される
さて、この機種のカメラ性能については多くのメディアで触れられている。筆者も改めて振り返ると「アーティスティックな表現」ができるスマートフォンとして非常に重宝していた。
ライカフィルターはもちろん「VIBRANT」「AUTHENTIC」の2種類の撮影モードもあって、とにかく撮影の幅が広いスマートフォンであった。
VIBRANT(フレーム白)とAUTENTIC(フレーム黒)でも印象が異なることが分かる。
ここからはXiaomi 12S Ultraを使っていた半年間で撮影した写真を掲載していく。
ここまで1型センサーを採用したメインカメラで撮影したものだ。Xiaomiのスマートフォンとしてはかなり進化した仕上がりだ。
もちろん細かいところを比べてしまえば、最新の機種に比べると少々劣るところもあるが、今から購入を検討する上でも、最上位クラスのカメラ性能であることは変わりない。
超広角カメラや望遠カメラも最高クラス。夜景や料理もきれいに撮れる
このスマートフォンに関しては、全方位でカメラ性能を強化しているものになる。ここからは主に超広角カメラを利用しての撮影になる。ダイナミックに情景を切り取ることが可能だ。
超広角カメラも4800万画素のものが採用されており、他社のスマートフォンに比べても比較的綺麗に撮影することができる。
望遠カメラは4800万画素で光学5倍相当。換算120mmの画角で撮影することが可能だ。圧縮効果を効かせた写真や、遠くの被写体でも綺麗に撮影することができる。
Xiaomi 12S Ultraでは10倍のロスレスズーム、最大120倍のデジタルズームにも対応している。
夜景モードについても、かなり綺麗に撮影できるものになっている。特別な設定なく簡単に撮影することができるので、ユーザー体験としても非常にいい仕上がりになっている。
料理モードについても、かなり綺麗に撮影することが可能になった。後述のアートフレームとあわせて使うと、仕上がりになっている。
一方でメインカメラの最短撮影距離がやや長めのため、少々撮影にはクセがあるものになっている。
ライカ譲りのモノクロ撮影とアートフレーム。「エモい写真」を演出できる
ファーウェイやシャープもそうだったが、ライカとコラボレーションすると力を入れるものがモノクロモードだ。
独特の黒の表現などによって、ディテールがしっかり浮かび上がりメリハリのある描写になる。
また、Xiaomi 12Sシリーズ以降では標準でアートフレーム機能が備わっており、いくつかのパターンから選択することが可能だ。
このフレームも被写体に応じて使い分けることで、同じ写真でも異なる雰囲気を与えることが可能となる。中国メーカーの機種では、近年このフレームの採用例が増えている。
この三枚は同じ写真をそれぞれ別のアートフレームを使用したものになっている。切り取っているアスペクト比やフレームを含めた比率もあり、ぱっと見で与える印象は大きく変わってくる。
アートフレームはいくつかあるが、被写体とうまく組み合わせると更なる表現の拡張が可能だ。額縁があることで絵画のように見せることができる。
カメラだけじゃない。原神も快適に動く高いスペックを持つXiaomi 12S Ultra
そんなライカとXiaomiが初提携したスマートフォンを半年ほど使ってきた。
話題となっているカメラ性能に関しては、大きく評価できる仕上がりとともに、他社のスマートフォンにも影響を与えるものと感じる。
かつてのファーウェイがライカと提携し、カメラ性能を飛躍的に向上させた。その期待感を持ってこの機種も購入したが、期待に応えてくれるスマートフォンであった。
もちろんカメラに限らず、スマートフォンとしての基本性能もかなり高い機種であった。Snapdragon 8+ Gen.1を採用し、独自の冷却機構を備えることで発熱を抑えることもできている。
ディスプレイもサムスン製のAMOLEDパネルを採用。IP68の防水に67Wの急速充電など抜かりのない仕上がりだ。
葉脈にヒントを得た冷却機構を採用しており、本体の発熱を抑えている。Snapdragon 8+ Gen.1なこともあって、高負荷な原神も快適に動作する。最高画質で遊んでも、処理落ちする場面はかなり少なかった。
本体スピーカーはharman/kardonチューニングのステレオスピーカーだ。スマートフォンの中でもかなり良い仕上がりとなっている。
後継機種となるXiaomi 13 Proでは、12S Ultraと超広角や望遠カメラの仕様が異なるものとなっている。プロセッサーの世代が1世代上がったことで、画像処理はより良いものに仕上がっている。
それでも今あえてXiaomi 12S Ultraを購入することは、ナシと言える選択肢ではない。若干値段も下がり始めていることもあり、以前に比べて購入しやすくなっている点は間違いない。
加えて、ライカとのコラボレーションもあってか、日本でも比較的多くのメディアで取り上げられた。レビューの件数も比較的多く、検討材料が豊富な点も選ぶ理由の1つだ。
半年間使ってきて改めて感じた「撮影するのが楽しい」ライカコラボのスマートフォン。画質だけでなく、"撮影体験そのものを向上させたスマートフォン"がトレンドになっていくのではないかと感じる。