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vivo X80 レビュー ハイエンドSoCと弱いところを補完する独自チップの組み合わせ。これからの「当たり前」を示してくれるスマートフォン

 今回はvivo X80を今更ながら入手する機会があったので、レビューしてみたい。グローバルでも展開されており、一部機種に関してはイオシスなどでも取り扱いがあるようだ。

 

独自チップ搭載で高性能に仕上げたvivo X80
 

 vivo X80を一言で示すのであれば、とても性能の高いスマートフォンだ。スペックは以下のようになる

 

SoC:MediaTek Dimensity 9000
メモリ:8/12GB
ストレージ:128/256/512GB

 

画面:6.78インチ FHD+解像度
120Hz対応 AMOLEDパネル

 

カメラ
標準:5000万画素(SONY IMX866を採用)
超広角:1200万画素
2倍望遠:1200万画素

 

フロント:3200万画素

 

バッテリー:4500mAh 

80W充電対応

OS:Android 12

独自プロセッサ:vivo V1+

 


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今回は水色をチョイス。ハイエンド端末にはあまり無かったカラーリングだ。


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X80はカメラ性能を強化した同社のXシリーズに属するハイエンドモデルだ。MediaTekのハイエンドプロセッサであるDimensity 9000を搭載している点が特徴だ。


 Dimensity 9000はMediaTekらしく安価ながらも高性能なプロセッサというポジションになる。今回のものはTSMC 4nmプロセスを採用しており、性能的にもSnapdragon 8 Gen 1に引けを取らないものになっているなど注目されている。

   

Dimensity 9000に120Hz AMOLEDパネル。基本性能は高いX80

 

 vivo X80を使ってみたが、Dimensity 9000は従来のMediaTekを感じさせないハイエンドチップと言える仕上がりだ。CPUではARM Cortex-X2、A710、A510コアを採用した3クラスター構成となり、GPUではMali G710 MC10を採用している。

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Dimensity 9000を採用する


 これだけの性能を有しているだけあって、性能面で不満を感じることは少ない。単純性能であれば今年発売の最新ハイエンド機種にも全く引けを取らないもので、高負荷なコンテンツでもゴリゴリと動かすことができる。 


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高負荷な原神も最高画質で60fpsの設定でも快適に動作する。発熱については多少あるものの、事前の話通りSnapdragon 8 Gen 1を搭載している機種と比べても大きな差はなく快適だ。


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X80については、カメラ以外もハイエンド機としてかなり強化している。画面はサムスン製のE5 AMOLEDパネルを採用している。画面のリフレッシュレートは120Hz対応だ。


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 画面内指紋センサーを備えるが、上位モデルで採用されたSonicMaxではない。この辺りはDimensity搭載ということもあって差別化となっている。


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ステレオスピーカーを搭載しているが、音質については微妙なところだ。競合にあたるXiaomiが力を入れていることもあって、やや惜しいと感じるところだ。

 

 VIVO X80の大きな特徴として80Wの高速充電がある。これを行うことで、バッテリーを30分ほどでフルチャージ可能だ。本体のバッテリーについてはあまり持ちはよろしくないものの、80W充電と組み合わせることで対応できそうだ。もちろん充電器も付属する。

 

Dimensityの惜しいところを力技で解決!独自チップ「V1+」が可能にした高性能なカメラ
 

 Dimensity 9000は確かに高性能なプロセッサだが、カメラ性能を決める要素のひとつであるISPの性能はSnapdragonに比べて高いとは言えない。

 筆者もXiaomiのRedmi K50 Proを使用した時に、カメラ性能については惜しいと言わざるを得なかった。

 

 vivo X80では独自の画像処理プロセッサである「V1+」を搭載。同社が目指す高度な画像処理を可能にしている。このV1+が得意とするものもは夜景撮影だ。ノイズを抑え、適切なホワイトバランスで撮影できる。


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カメラ性能は標準、超広角、2倍望遠の3眼構成となる。ZeissチューニングやT⋆コーティングもX70シリーズに続き健在だ。
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メインカメラにはソニーのIMX866を採用。RGBW配列のセンサーとなっており、V1+チップと合わせてより良い撮影体験が可能になっている。


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何枚か撮影してみたが、正直Dimensity 9000搭載のスマートフォンとは思えない高いクオリティだ。白飛びも抑えられており、この辺りはSnapdragon搭載端末にかなり近い仕上がりだ。


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2倍望遠カメラも備えている。料理などの撮影にも使いやすい。

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vivoのハイエンド機らしくサイバーパンクフィルターなども備える。

 

高性能なSoCに独自プロセッサ。vivo X80はこれからの「当たり前」になるスマートフォンか
 

 vivo X80シリーズに搭載されるV1+チップ。カメラにおける画像処理の補助の他にも、描画フレーム補完を行うなど描画チップを兼ねる構成となっている。

 このような独自プロセッサはコモディティ化するスマートフォンにおいて、メーカーの色を出せる数少ない要素となる。

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フレーム補完は原神(日本版は非対応)のようなコンテンツにも生きてくる

 

 独自プロセッサ最大の利点は、チップセットの差分を小さくすることが可能だ。Snapdragonで言えばフラグシップの8番台と7番台では画像処理の性能などにも差をつけられている。MediaTekのSoCではSnapdragonに比べてISP性能が劣るなど、使いにくい側面もある。

 

 これを独自プロセッサで補完すれば、上位機種の体験を下位機種に持ってくることもできる。極端な話、SnapdragonでもDimensityでもユーザー体験に大きな差が出ないようになるのだ。f:id:hayaponlog:20230222224913j:image

独自チップセットは採用機種が増えることで、スケールメリットによってコストも抑えることができる。

 

 地域ごとにプロセッサ等を変更する場合でも、製品の性能差を減らせる利点もある。vivoでは仕向け国によってSoCが変わることもあったので、この独自プロセッサの搭載は納得だ。

 

 vivoではSnapdragonの他にもMediaTek Dimensity、Samsung Exynosを採用し多機種も展開している。同社のX70シリーズはハイエンド機ながら、プロセッサベンダーがこの3社にわたって展開された数少ないメーカーだ。


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 最後になるが、AppleやGoogleのようにSoCをある程度カスタムできるメーカーであれば、このようなことはしなくてもよい。

 その一方で、SnapdragonやMediaTekに依存する多くのメーカーではこのようなことをしない限り、他社との体験の差別化は難しくなってきている。

 コモディティ化が済み、基本的な体験の根源とも言えるプロセッサもある意味頭打ちになっている。そのような状況で他社との体験の差別化、さらなる独自性を生み出すためには、ハードウェアアクセラレーターが必須となってくる。

 フレーム補完チップ、電源管理チップといった細かいものは増えてきているが、それの行き着く先はメーカー独自設計の独自補助チップと言えるものだ。

 

 もっとも、これの究極系はHuaweiのKirinプロセッサような、自社設計のSOC となるはずだ。ただ、この辺りは米国の制裁などを受ける可能性があるため、踏み込みきれないメーカーも多いはずだ。

 そのような制裁をうまく回避しつつ、ユーザーに対して最も最良の体験を届ける。そんな現時点の答えがvivoが展開するV1チップといったコプロセッサになる。

 

 そして、このような独自プロセッサを搭載するスマートフォンが、今後数年で一気に増えていくことになるはずだ。差別化を図るために、省電力面などで優位に立つためにもこの分野は必須と言えるものになる。

 ハイエンドのプロセッサをただ採用するだけのスマートフォンは、もはや「フラグシップ」とは呼べなくなる時代も近くなってきているのだ。

 

 独自プロセッサの可能性を見せてくれる。vivo X80はそんなスマートフォンだ。

 

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