今回はSnapdragon 8 Gen.2プロセッサ環境について、ミリシタの検証結果を速報値ではあるが書いていく。
- Snapdragon 8 Gen 2とは?
- ミリシタにおけるSnapdragon 8 Gen 2
- Snapdragon 8 Gen 2端末は買いか?
- 今年のミリシタ端末課金はどうするべき
- 最後に。ミリオンライブは10周年!
Snapdragon 8 Gen 2とは?
Qualcomm社が提供しているSoCであり、2023年発売のハイエンドデバイスに搭載されているものだ。搭載1号機は昨年12月にローンチされたVIVO X90 Pro+となり、Xiaomi 13シリーズやGalaxy S23シリーズなどのハイエンドモデルにも採用されている。
具体的な進化点は、アーキテクチャの刷新もあって以下のようになる。
・4nmプロセスにて製造
消費電力はSnapdragon 8 Gen 1比較で40%減
・Snapdragon™ X70 5G Modem-RF Systemを採用
・FastConnect 7800によりWi-Fi7に対応・CPU/GPUアーキテクチャの刷新
プライムコアはCortex-X3ベースとなってより高性能に
初の4クラスターSoCとなり、電力効率が向上
GPUはSnapdragon 8 Gen 1比較25%の性能向上(単純計算で単精度3TFLOPS)・AI性能の強化
正直なところ順当な進化だと言えるが、大きな変化としてはクラスターの変更と、アーキテクチャの刷新だ。前作のSnapdragon 8 Gen 1から比較して3割相当のスペック向上となる。
これはApple M1を超えるものに仕上がっており、強力なチップセットとなる。
ミリシタにおけるSnapdragon 8 Gen 2
筆者としてはVIVO X90 Pro+、Xiaomi 13 Pro、Galaxy S23 Ultraを用いて検証しているが、ロード時間はSnapdragon 8 Gen 1端末との比較では、現時点で平均1秒の短縮効果が見込める結果だ。
搭載機をたったの3台しか保有していないので、検証結果はあくまで暫定のものになる。
Snapdragon 8+ Gen 1搭載のXiaomi 12S Ultraとの比較では、メモリバススピードやストレージのシーケンシャルリードに差がある関係で、意外と体感差を感じるものだ。
加えて、今年発売の機種にはUFS4.0という高速ストレージが採用されていることもあり、ロード時間の短縮に寄与している。
また、2年落ちのSnapdragon 888からは合算で大体2秒、3年落ちのSnapdragon 865端末からは約3秒と短縮が見込めることから、基本的には2〜3年落ちのスマホから乗り換えると効果がわかりやすい。
正直、世代別のロード時間の幅は年々縮まっており、Snapdragon 8 Gen 1端末でも十分に戦えることに異論はない。比較に使用したのは以下の端末だ。
Xiaomi 13 Pro(メモリ12GB)
Xiaomi 12S Ultra(メモリ12GB)
Xiaomi Mi11 Ultra(メモリ12GB)
Galaxy S23 Ultra(メモリ12GB)
Galaxy S22 Ultra(メモリ12GB)
現時点でと言う書き方は、まだ環境への最適化が行き届いてないからだ。2月27日時点でミリシタはデフォルトでは非対応となっている。
GPUのアーキテクチャの刷新がありながらも、画質の乱れや動作不良などはなく、全く問題を見せない挙動には驚く。
Xiaomi 13 Pro ミリシタ
— はやぽん (@Hayaponlog) 2023年2月27日
Snapdragon 8 Gen.2 メモリ12GB
プラリネ 難易度MM ノーツスピード200
タイミング:-2
もう少し最適化が進めばドンピシャといったところ。 pic.twitter.com/tx5av8Pw2l
Galaxy S23 Ultra ミリシタ
— はやぽん (@Hayaponlog) 2023年2月21日
Snapdragon 8 Gen.2 for Galaxy
メモリ:12GB
ノーツスピード:195タイミング:-2
最適化はされていないけど、とりあえずほぼ調整なしでいけそう。ロード速度も若干速くなったかな。 pic.twitter.com/DZjoSiu9gL
ミリシタ UNION!! 39人ライブ
— はやぽん (@Hayaponlog) 2022年12月19日
3D高画質 アナザーシェーダー:高
難易度MM ノーツスピー:195 タイミング:-2
VIVO X90 Pro+(Snapdragon 8 Gen.2 12GB)
手っ取り早く1番重たいものを動かしたけど、フレーム落ちすることなく動作。最適化はまだだが、現時点でも問題なく遊ぶことができる。 pic.twitter.com/Cw0GDOKx2R
各動画の通り、問題なく遊べるようだ。タップ感度についても、メーカーのパネルの品質が向上していることから、かつてほどの差は少なそうだ。
Snapdragon 8 Gen 2端末は買いか?
筆者的にはまだ早いような気もするが、発熱もかなり抑えられていることから、端末課金には最有力候補のひとつになってくる。
比較的最適化の早いミリシタでも、Snapdragon 8 Gen 2には最適化がまだされていない。現時点で発表済み機種が10機種しかないのでそれはそう。
ただ、発熱は端末側の冷却機構に強力なものを搭載していることもあり、通常動作時でも状態でもSnapdragon 8 Gen 1以上のの動作は維持できるので、スペックだけ見るなら優秀だ。
ミリシタくらいなら、昔のように使い物にならなくなることはないはずだ。
昨年はGalaxy S22が日本でも発売が4月21日とグローバル版から2ヶ月ほどのラグで出たが、それ以降のデバイスが出そろわずにミリシタ5周年イベントにはSnapdragon 8 Gen 1環境へは最適化が間に合わないという結果になった。
Xparia 1IVこそ3キャリア共に6月の発売だったが、AQUOS R7はナゾの圧力からか発売は7月にずれ込んでしまった。
ただ、今年に関しては2月24日にnubia REDMAGIC 8 Proが日本で正式販売されるなど、この記事を執筆中にも国内でSnapdragon 8 Gen 2採用機が販売されている。
Galaxy Unpackedも例年より若干早いこともあり、その他の機種も発表を前倒しする予測が出ている。
筆者としてはSnapdragon 865以来の周年イベント前に最適化が間に合うのではないかという希望的観測をしている。
それでも、現時点での最適化完了は国内の端末の販売動向に左右され、 6周年イベントまでの最適化は賭けになるという点は正直変わらない。
現時点で日本発売に期待がかかるのは、例年通りGalaxy S23シリーズにAQUOS R8(仮称)やSONY Xperia 1V(仮称)と言うところ。
このため、Snapdragon 8 Gen 2向けの最適化は搭載機発売からとなるので、6月末の周年イベントまでに間に合うかどうかはかなりギリギリになる。
現時点でアナウンスされているイベントも含めて走りたいならSnapdragon 8 Gen 2搭載端末よりも、昨年発売のSnapdragon 8+ Gen 1搭載端末を選択した方が、スコアアタック等は狙いやすいはずだ。
今年のミリシタ端末課金はどうするべき
毎度毎度のこの記事を書いて6年を迎えてしまいました。Apple端末との比較はよく言われますが、Apple A16端末(iPhone 14 Proシリーズ)とSnapdragon 8 Gen.2では最適化の有無こそあるが、現時点での動作感はほぼ同等だ。
最適化の伸びを加味してもApple M2搭載のiPad Proには一歩劣る印象とはなりそうだ。
この周年イベント前の端末課金は最新チップセットをとるか、安定で旧チップセットを取るかは本当に悩ましいところだ。
今年はSnapdragon 8 Gen 2端末をミリシタ端末課として使うには賭けとなるものの、昨年に比べるとリスクは少ない。スコアタを狙わなければ8 Gen 2端末一択と言える仕上がりなので、端末課金の迷い時の季節だ。
スコアタ狙いならROG Phone 6といったSnapdragon 8+ Gen 1端末の方が最適化されているので現時点では優位だ。
Snapdragon 8 Gen 2搭載機のレビューは以下になる。興味があれば見てほしい。
最後に。ミリオンライブは10周年!
そして最後になるが。本日でミリオンライブは10周年を迎えました。
筆者としてはリリース直後から追い続けたコンテンツなだけあって、今もこうしてファンの皆様に愛されて続いていることが何よりもうれしいものだ。
ゲーム発表時から端末の調達を始めて、このミリシタ検証もまもなく6年になる。
今日まで買ったスマートフォンやタブレット端末は、検証用の買い直しなどを含めると実に393台だった。
奇しくもミリオンライブの39プロジェクトの名前と同じ「39」の数字が入っていた。
ひとつのゲームのために6年で400台近くもスマホを買ったのは、はたから見たらアホ以外の言葉がみつかられない。
ただ、ここで触れた多くのスマホで得た知見は今も筆者の中で生き続けている。
逆を言えば、ミリシタの検証をやっていなければ、今のようなスマホの知識もなく、レビューすらまともに書くことは少なかったはずだ。
気がついたら、夢の一つだったスマホライターのお仕事も頂けるようになり、お仕事の取材などの依頼もちらほらやって来るようになった。このブログも月間で10万PVを超えるなど、多くの読者様に読んでいただけるようになった。
ある意味、スマートフォンにご飯を食べさせてもらっているようなところだ。
そんなきっかけを。学生のときに描いた夢を、小さいながらも正夢にしてくれた。そんなきっかけをくれたミリオンライブ…夢中になれるもの、追いかけられるものがあることは大切で幸せなことです。
夢は目を開いて見るものとあなたが教えてくれた
ミリオンライブ。ジュリアのプラリネの歌詞の通り。今の私は、目を開いて見ている夢を見ているのかもしれません。
それを教えてくれたのは、このブログを読んでいただいてる全ての読者の皆様です。
これからもミリシタの検証は続けます。ここまで来たらヤケです。最後まで付き合います。
筆者も、この目を開いて見ている夢をいつまでも見続けられるように頑張ります。