スマートフォンの値引き規制が連日騒がれるが、今後強化された上でのキャリアの振る舞いはどう変わって行くのか。簡単に記してみた
新品ではなく、中古のスマホを回線と共に安く提供する
ひとつはキャリアが「中古の端末」を取り扱うということだ。すでにMVNOではiPhoneなどの中古を取り扱う例があるが、これに大手キャリアが続いている。
ドコモなどの大手キャリアでも自社で回収した旧式のiPhoneをはじめとした端末を「整備済み品」「認定中古」という形で販売している。
下取りはもちろん、かえどきプログラム等で回収した端末を「しかるべき市場で販売する」という目的は達成されているのだ。
認定中古品のiPhoneを販売していることをポップで示す例も出てきた。画像は読者より提供
整備済み品や認定中古は、中古のカテゴリーながらキャリアの保証も受けられる端末だ。バッテリー交換なども行われており、中古端末の中でも特に安心して利用できる。
これが問題として指摘される性能の高い端末の廉価販売から、中古のiPhoneやGalaxy、Pixelの安売りになっていくと考えられる。
確かに中古端末なら多少安い価格設定としても、新品のように定価があるわけではないので、過度な不当廉売とならない。今後の安価なスマートフォンの展開に影響を与えるものになるはずだ。
加えて、中古端末という特性から転売対象にもなりにくい。転売対策という面でもしっかり機能するはずだ。
iPhoneやGalaxy、Google Pixelに関しては3〜4年間のOSアップデートが行われることもあり、2年落ちの商品を中古で提供しても問題なく使える場面も多い。
Google Pixelは安価なモデルでも長期にわたってOSアップデートが提供され、長く利用できる。
キャリア販売の中古提供は浸透するのか
キャリアの中古端末提供についてはある程度の支持を得られると筆者は感じている。
実例としては、UQモバイルやY! mobileが中古取扱店のゲオでSIM単体契約扱いで展開しており、端末によっては中古とはいえお買い得に入手できる場となっている。
それらと比較してもキャリアの認定中古品は検品をしっかり行っており、保証面もしっかり受けられるといった利点がある。
さて、安価なスマートフォンの中古提供がキャリアでも当たり前に行われると、端末のラインナップなどにも影響してくるはずだ。
例えば5万円で中古リファビッシュのiPhoneが販売されるようになれば、この価格帯の端末が少なくなるといった変化も現れることが考えられる。
ここで対応が問われるものとしては、過度な販売ノルマを求めると言われるAppleなどのメーカーだ。
中古端末の場合は販売してもメーカーの収益にはならないため、このような中古リファビッシュ品の提供が当たり前になると、台数的には落ち込むことになるはずだ。
販売方針によってはこの辺りも見直さざるを得なくなるかもしれない。
法規制の関係から様々な販売方法を模索するキャリア。今後の展開も追って見ていきたい。