nubiaが「最強」のゲーミングスマートフォンとして展開しているREDMAGICシリーズ。
その最新世代となるREDMAGIC 8 Proだ。既に日本でも販売されている機種となるが、今回短期間だが利用できる機会があったのでレビューしたい。
- 最強スペックに仕上げたゲーミングスマートフォン。REDMAGIC 8 Pro
- 進化したアンダーディスプレイカメラがすごい!
- 日本では初めてのSnapdragon 8 Gen.2搭載!高い性能を見せつける
- 空冷ファン+強力なアシストをしてくれるゲーミング機能の数々
- 5000万画素の高性能なカメラは思ったよりも使える
- ゲームだけでなく、普段使いでもそこそこ使えるREDMAGIC 8 Pro
最強スペックに仕上げたゲーミングスマートフォン。REDMAGIC 8 Pro
REDMAGIC 8 Proは中国のZTEが、サブブランドで展開するnubiaから発売されているゲーミングスマートフォンだ。
空冷ファンを特徴とする機種だが、今作はアンダーディスプレイカメラと呼ばれるフロントカメラも備える意欲作となった。
簡単なスペックは以下のようになる。
SoC:Qualcomm Snapdragon 8 Gen.2
メモリ:12/16GB
ストレージ:256/512GB※日本展開モデル
画面:6.8インチOLED FHD+解像度
120Hzリフレッシュレート対応
バッテリー容量:6000mAh
67W充電対応
OS:Android 13
外箱のデザインはゲーミングスマホらしいものとなる
画面はフラットディスプレイとなる。
今回レビューの機種はVoidと言われるものとなる。スケルトンのデザインが特徴的だ
Snapdragon 8 Gen.2を搭載している意匠が施されている
イヤホンジャックやゲーミングモードに入れるスイッチも備える
進化したアンダーディスプレイカメラがすごい!
REDMAGIC 8 Proの特徴として、アンダーディスプレイカメラ(以下:UDC)を備えるディスプレイを採用している点だ。
UDCは第2世代と呼ばれるものが採用されている
ぱっと見はカメラが分からないが、よく見ると白い点が見える。これがフロントカメラだ。これによって画面占有率を高めることに成功している。
旧機種のREDMAGIC 6と比べると、上部ベゼルが明らかに細くなっていることがわかる
画面のリフレッシュレートは120Hzに対応、タッチスキャンレートは960Hzにも対応している。
加えて、画面輝度も従来より向上している。ピーク時の輝度は1300nitとなっており、有機ELパネルでありながら屋外での視認性も良好だ。
画面のリフレッシュレートに関しては前作が165Hz対応だったものに対して、UDCの関係か若干スペックダウンとなった。こちらについては対応コンテンツが少ないので、困る場面は少ないことだろう。
日本では初めてのSnapdragon 8 Gen.2搭載!高い性能を見せつける
REDMAGIC 8 ProのプロセッサはSnapdragon 8 Gen.2を採用している。日本向けでは初の搭載端末となり、従来よりも高い性能と省電力化を達成したチップセットだ。
REDMAGIC 8 Proは日本発売機種でSnapdragon 8 Gen.2を初搭載したスマートフォンとなった。
ストレージについては256/512GBとなる。UFS4.0規格のものを採用し、高速な読み出しが可能になっている。
今回のレビューにおいて、パフォーマンスに全く不満を感じない。最新チップセットに高速ストレージなこともあり、近年出ている重量級なゲームでも余裕の動作だ。
筆者はSnapdragon 8 Gen.2端末はXiaomi 13 Proなども利用しているが、比較しても満足のいくパフォーマンスである。
高負荷な原神も快適に動作する。後述する強力な冷却機構を搭載していること、最新のプロセッサを搭載していることで、本体の発熱もかなり抑えられている。
REDMAGIC 8 Pro ミリシタ 3D高画質
— はやぽん (@Hayaponlog) 2023年3月6日
タッチスキャンレートを960Hz、画面の応答速度を1番良い設定にしてみた。
また、画質面のアンチエイリアス、テクスチャフィルターの設定を変更してプレイ(端末負荷で無理やり合わせます)
タイミングは-3… https://t.co/dnggjOYw9l pic.twitter.com/m36IpZFv8Y
REDMAGIC 8 Pro ミリシタ 39人ライブ
— はやぽん (@Hayaponlog) 2023年3月6日
3D高画質 ノーツスピード200 タイミング -5
Snapdragon 8 Gen.2 メモリ16GB
さすが8 Gen.2で空冷ファン搭載スマホ。39人ライブでも60フレームキープですね。ちょっぴりタッチ感度と応答速度に難ありか(最適化もあるが、RM7やRM6の方が良好) pic.twitter.com/nck7Bs5oh0
リズムゲームについても動作は快適だが、タイミング調整はプロセッサの最適化の関係もあり、まだまだ完璧とはいかないようだ。
本体スピーカーはステレオ構成となる。サウンドについては筐体設計もあってか、スマホのスピーカーにしては音質も良い。前作より本体の厚みが増した関係か、音量自体も大きくなっている。
本体バッテリーは6000mAhと大容量のものを採用している。電池持ちについては、従来機と比較してもかなり向上した印象だ。Snapdragon 8 Gen.2採用で消費電力が抑えられているのだ。
実際に原神のようなゲームを2時間遊んだり、30分の動画撮影などを加えても、モバイルバッテリーなしで1日利用できた。
加えて、67Wの急速充電にも対応しており、大容量バッテリーでも高速で充電可能だ。充電器も付属しているので、購入したらすぐに利用可能だ。
充電器、ケーブル、ケースが付属する
REDMAGIC 8 Proでは「REDMAGIC UI」というカスタムUIを採用している。競合するAndroidスマートフォンよりもカスタム度が高いものになっており、中国メーカー機とiPhoneのいい所どりをしたようにも見える。
ホーム画面などはAOSPに近いものとなっており、クセは少ない。
空冷ファン+強力なアシストをしてくれるゲーミング機能の数々
REDMAGIC 8 Proはゲーミングスマートフォンとあるだけあって、ゲーミングにまつわる機能は充実している。
特に専用のゲーミングモードについては、キーパッド等の各種アクセサリーやエイムアシストといった機能を設定、管理可能だ
本体側面の赤いトリガーを入れるとゲーミングモードが立ち上がる。メモリクリアとタッチ感度の最適化も自動で行われる。
ゲーム時は横から各種メニューや設定を呼び出せる。
スクリーンのタッチ感度の調整の他、GPUのアンチエイリアス精度をハードウェアレベルで調製できるなど、ゲーミングスマートフォンらしい面白い機能が備わる。
充実した画面出力機能
特徴的な機能としては、ゲーム画面を外部出力することも可能だ。
これはBluetooth接続したキーボードやマウスをゲームの操作に割り当てることも可能で、PCコンテンツさながらの操作が可能だ。
スマホゲームの画面を外部出力するとこのようになる。Bluetoothキーボードを操作割り当てすることができるので、PCゲームのような形で操作することも可能だ。
本体に空冷ファンを備えることで、このような高負荷のかかる場面でも処理落ちなく動かすことができた。
REDMAGIC 8 Proでは従来機同様にL/Rトリガーも利用できる。画面タッチ以外にも各種ゲームの動作を割り当てることが可能だ。、
本体側面にL/Rトリガーを備える。
実のところ、このL/Rトリガーは前機種に比べると使いにくくなってしまった印象を拭えない。理由としては本体が角ばった形状となったため、単純に角が刺さるようなものになった。
加えて、トリガー部も完全にフラットになったので、体感的に「どこまでがトリガーなのか」と言ったものが分かりにくくなってしまったのだ。
REDMAGIC 6ではトリガーの部分が若干凹んでいるので、指で触った感覚で分かりやすかった
そしてREDMAGICと言えば「空冷ファン」だ。世界的にみてもこの機構を採用するスマートフォンは、REDMAGICとLenovo Legion Phoneくらいしかない個性的なものだ。
REDMAGIC 8 Proではこのファンも進化。59枚のフィンを備え、2万RPM(1分間に2万回転)させて排熱を行う
この空冷ファンとベイパーチャンバーを組み合わせた「ICE11.0」という冷却機構で端末温度を16℃も下げられるという。
もちろんファンは光る
このような空冷ファンを備えるため、本体は防水防塵には非対応となる。
REDMAGIC 8 Pro最大の利点はこの冷却機構のおかげで、とにかくパフォーマンスが落ちてない点だ。原神を連続1時間遊んでもフレームが落ちると言ったことはほとんどなく、高い性能を長く維持させる点ではピカイチと言えるものであった。
5000万画素の高性能なカメラは思ったよりも使える
このREDMAGIC 8 Proでは3眼のカメラを採用している。カメラのスペックは以下の通りだ
メインカメラ:5000万画素 f1.7
超広角カメラ:800万画素 f2.2
マクロカメラ:200万画素
フロントカメラ:1200万画素
メインカメラのセンサーはサムスン製のGN5を採用しており、センサーサイズも1/1.57型とこの手のスマホとしては大型だ。 ASUS ROG Phone 6をかなり意識しているかのような構成だ。
ゲーミングスマホとしてはカメラ性能を強化したROG Phone 6
また、近年のZTEが展開する換算35mm画角ではなく、REDMAGIC 8 Proでは一般的なスマートフォンと同様の画角となっている。
その一方で3眼と言えど超広角カメラの性能は落とされており、差別化が図られている。
カメラに関しては同社のnubia Z50の方が良さそうだ
以下REDMAGIC 8 Proでの作例となる。基本的にオートで全て撮影している。
ここまではデフォルトの広角での作例となる。センサーのスペックもさることながら、Snapdragon 8 Gen.2の高い性能もあって思ったよりも綺麗に撮れている。
AI処理やHDR処理についてもROG Phone 6並といったところまで来ている。
超広角カメラについてはそこそこ撮れるが、基本性能が低いため夜間で使うのは厳しそうだ。
超広角
標準
2倍望遠
2倍望遠は高画素センサーを生かしたピクセルビニングもあって、綺麗に撮影できる。
その一方で5倍望遠までいくと画質の劣化が見られたので、実用的なのは2倍前後となる。
暗がりでは見た目よりやや明るめに撮れる印象だ。オートで夜景モードになったが、色はそこそこ再現出来てる模様だ。
REDMAGIC 8 ProはZTE系のスマートフォンなので、個性的な機能も豊富に備えている
星空モードではなんでもない夜景を満天の星空にしてしまうことも可能だ。
動画撮影については光学式手ぶれ補正を備えないため、少々厳しいように感じた。本体もそこそこ重量がある上で分厚いので持ちにくいという印象も感じた。
ただ、空冷ファンを回しながら動画撮影ができるため、ジンバル等と組み合わせて長時間の撮影といった用途では強い味方になってくれそうだ。
ゲームだけでなく、普段使いでもそこそこ使えるREDMAGIC 8 Pro
REDMAGIC 8 Proはゲーミング機能に限らず、普段使いのバランスの良さも手に入れたスマートフォンというべきだ。
特段ゲーミングスマホらしいクセも抑えめで、通知周りはゲーミングモードにしない限りは普通に利用できる。
端末としても、UDCによる高い画面占有率はコンテンツの視聴体験そのものを向上させてくれる。
画面占有率が高いことがこの機種の大きな特徴だ
加えてカメラ性能も以前に比べると向上しており、ゲーミングスマホながら比較的綺麗に撮影できるものとなった。
防水性能がないこと、アップデートがどこまで継続されるのか微妙なところはあるが、視聴体験を求めるユーザーにはお勧めできるスマートフォンだ。
REDMAGIC 8 Proの本体形状からは「真のXperia」なんて声もネット上から聞こえてくる。確かにベゼルを極限まで削ったXperiaならこのようなデザインになるのかもしれない。
角ばった形状と画面のエッジがない点は共通している。カメラがセンターで縦並びな点は2019年発売のXperia 1を感じさせるものだ。
余談だが、REDMAGICにも近年のゲーミングスマホらしくアシスタントキャラクターがいるのだ。それがMora(モラ)である。原神のお金の単位と覚えてもらうと良いはずだ。
REDMAGICにもアシスタントキャラクターのMoraちゃんがいる
多彩な表情を見せるかわいいキャラクターだ。なお、キャラクターボイスは英語となっておりBlackSharkのような日本語ではなかった。
Moraをゲーム内にオーバーレイ表示できる
また、Moraをゲーム内にオーバーレイで表示すること可能だ。
こちらはフロントカメラでフェイストラッキングを行っており、口の動きと顔の表情、首の向きが連動するようになっている。まるでVtuberになったかのような動画収録も可能だ。
最後になるが、REDMAGIC 8 Proは価格面でも攻めている。日本では12/256GBの構成で10万3800円、16/512GBの構成では12万8800円の価格設定となっている。近年の高騰するハイエンド端末の中ではかなり安価な設定となっている。
筆者としてはこのスマートフォンを手にして、今現在における究極のゲームエクスペリエンスを体験して欲しい。