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Huawei FreeBuds 5iレビュー 1万円クラスで最強スペック!上位モデル譲りの高いノイズキャンセリング性能と音質最適化機能が魅力の完全ワイヤレスイヤホン

 ファーウェイがこの3月に発売した新型の完全ワイヤレスイヤホンであるFreeBuds 5i。

 最新技術を惜しみなく投入した最上位モデルであるFreeBuds Pro 2の機能を一部備えながら、実売価格で1万1800円と安価に抑えている。同価格帯で最高性能をアピールするFreeBuds 5iを今回レビューしてみる。

 

 

安いけど高音質!スマホ屋が本気で作ったイヤホンをチェックしてみる 

 

 市場競争が過熱する完全左右独立型イヤホンの市場。Apple AirPods Proの新型が発表され、ますます注目度が高まっていくセグメントだ。

 中でもスマホメーカーとしてお馴染みのファーウェイが発売したFreeBuds Pro 2は、高いノイズキャンセリング性能と高音質チューニングで話題となった。

 

 そんなファーウェイから高音質ながら価格を抑えた新商品「FreeBuds 5i」が発売されたので、今回はレビューしていきたい。
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箱はスマホメーカーのイヤホンでよく見かけるタイプのものだ

 

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 今回選んだものは青系のものとなる。ケースは小石をモチーフにした加工となっており、プラスチック感はあるものの、極度に安っぽさは感じない。

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小石と言うよりは卵に近いかもしれない…

 

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本体の収まり悪くない。いわゆるAirPods Proのようなもので、特段取り出しにくいといったこともなく使いやすいものだ。

 

高音質に仕上げたハードウェアとサウンドチューニング

 

 FreeBuds 5iの対応コーデックとしては、SBC/AAC/LDACに対応している。安価な機種ながらもハイレゾ相当のLDACに対応している点は、大きなアドバンテージとなる。

 ハイレゾ相当となる24bit/96kHz再生も可能な一方で、低遅延が特徴のaptX系には非対応だ。


 コーデック面ではトレンディなところを押さえるが、核となるオーディオ面についても妥協はない。

 ドライバーユニットは10mm経のものを採用している。高分子ポリマー振動版と強力なマグネットを採用したことで、全音域をきれいに再現できるという。

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ハードウェアもしっかりしているようだ


    加えて、FreeBuds Pro 2同様のAEM(Adaptive Ear Maching)にも対応だ。これはイヤホンを装着している際に内部のセンサーを使用して、外耳道の構造や装着時の密閉度を検出し、常に最良の音質に最適化するものだ。

 人間において全く同じ形状の耳道はない。そのため、イヤホンの左右で音に違和感を覚えたりすることがある。一方で、このイヤホンの場合は本体側で、違和感の元になる部分を補正して出力することが可能だ。


 この機能は究極のパーソナライズと言えるもので、理論上はどんな耳道の形状であろうと、理想的な音響環境を提供することが可能になっている。まさに次世代のイヤホンだ。これを1万円前後のイヤホンに入れてくるあたり、さすがファーウェイと言わざるを得ない。

 

 サウンドチューニングはファーウェイの音響ラボにて研究された成果が反映されており、音響技術の賜物とも言えるものだ。グラフィックイコライザーも備えるので、ユーザー好みの調整も可能だ。

 

スマホ屋のイヤホンとは思えない高音質。1万円という価格を忘れさせてくれる高品質サウンドに心を打たれる

 

   安くても音にも妥協はないと触れ込みのFreebuds 5iを早速聴いてみることにする。今回の試聴曲はこちら

 


ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会より stars we chase ミア・テイラー


ここでは音圧高めの低域が楽しめる楽曲をチョイス。インターナショナルな歌詞にも注目してほしい。

stars we chase

stars we chase

  • ミア・テイラー (CV.内田 秀)
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

命に嫌われている/カンザキイオリ feat.初音ミク

 

 単に筆者が好きな曲だ。メッセージ性の強い歌詞もあって、若い世代を中心に共感を得ている。数多くのアーティストにもカバーされており、まふまふ氏の歌唱で紅白歌合戦でも歌われたことは記憶に新しい。

命に嫌われている

命に嫌われている

  • カンザキイオリ
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

命に嫌われている

命に嫌われている

  • HIMEHINA
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

スロウリグレット/田所あずさ

いつものです。

スロウリグレット

スロウリグレット

  • 田所あずさ
  • アニメ
  •  
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

 

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 今回の試聴環境はスマートフォンにソニーのXperia 1IVを採用し、LDACの環境で使用する。ストリーミング環境もスマホ単独で24bit/96kHzの再生が可能で、LDACにある意味適したハードウェアを備える機種だ。

 

www.hayaponlog.site

 

 

 実際に聴いてみると、所詮は「スマホ屋の安物イヤホンじゃん。」と下に見ていた自分を殴りたくなる。

 

 抜けの良い高域、滑らかで解像感の高いボーカル、厚みのある低域。何を取っても同価格帯のイヤホンからはふたつほど頭抜けたクオリティにある。一言で傾向を示すのであれば、やや低音よりの質のいいドンシャリだ。

 

 高域はかなり自然だ。FreeBuds Pro 2には平面ドライバー特有の音色があったが、この機種に関しては金属的な固さもなく自然とも言える表現だ。

 ハイレゾコーデック対応のチューニングとなるため、ややブーストしている感じはあるものの、非常に抜けも良く聴きやすくまとまっている。この抜けの良さはかコーデックに大きく依存する。伸びやかな高域を体験したいのであれば、LDAC環境での利用を強くオススメする。

 

 ボーカルの滑らかさや低域の量感、レスポンス共にこの価格では高いレベルだと感じた次第だ。1万円のワイヤレスイヤホンでここまで上手く鳴らせるのであれば上出来だ。


 最初にスロウリグレットを聴いてみる。透き通るヴォーカルに対して、高域の伸びやかさ、ボーカルの艶やかさとも取れるものが伝わるサウンドであることがわかる。塞ぎ込まれたような窮屈さや過度な濃密さと表現されるものはない。


 曲をstars we chaseに変えてみる。低域のレスポンスの良さ沈み込み、窮屈さを感じさせない空間表現に関しては高く評価したい。

 この曲自体かなり低域が効く物になるが、低音がしっかり効きながらも解像感を持ちつつボーカルなどには被らない。
 この解像感とレスポンスの良さは、低域用ドライバーに強力なマグネットを採用した点が生きていると感じられる部分だ。


 ここで曲を命に嫌われているに変えてみる。冒頭の静けさの中のボーカル表現も悪くない。サビのドラムスとベースが入ってくる低域は、11mmダイナミックとこの手のイヤホンでは大口径のもののおかげか、重厚感のあるものだ。
 サウンドステージも比較的広い機種となるので、このような曲でも窮屈さを感じさせずに気持ちよく聴ける。


 ここまで聴いてきて、サウンドクオリティはかなり高いことが分かる。所詮はスマホ屋のイヤホンと馬鹿にしていたのは申し訳ない限りだ。さすがに有線のイヤホンには劣るが、LDAC環境であれば有線環境に近いところまで来ている。

 

強力なノイズキャンセリングが売りのFreeBuds 5i

 

 さて、音質についてはこの辺りにして、ここからはノイズキャンセリングやマイクの品質について書いてみる。今回このイヤホンを利用して、すごいと感じた点はノイズキャンセリングの効き目だ。

 

 筆者も多くのイヤホンを利用してきたが、この価格でここまで効きの良い機種はそう多くない。2~3万円で販売されている機種とも劣ることなくかなり高い次元に持ってきている。「同価格帯最強クラスのノイズキャンセリング」をアピールするだけの性能は持ち合わせている。


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    ノイズキャンセリングの感度はかなり強力な部類だ。3つのマイクを使って最大-42dbの騒音をカットすることができる。モードは「くつろぎ」、「標準」、「ウルトラ」の3つとなり、これらをインテリジェントに切り替えることも可能だ。 

 

 スペックの通り-42dbの騒音カットはすごいもので、電車の走行ノイズから街の喧騒。はたまた工事現場の脇というかなりの騒音下でも、音楽を再生していればほとんどわからないものであった。

 

 さすがに上位モデルのFreeBuds Pro2のウルトラの設定である-47dbには劣るようだが、多くの場合は十分すぎるものであった。通話音質も良好だ。通話時は2つのマイクに加えて、AIアルゴリズムも用いて高音質な通話を可能にしている。

 

マルチポイント接続やスマートフォンとの高い連携も売りのFreeBuds 5i

 

 音以外の部分もしっかり評価したい。この機種の特徴としてはIPX4相当の防滴対応にマルチポイント接続がある。マルチポイント接続は2つの端末との同時接続が可能はものだ。
 例えば、プライベートと仕事用で携帯電話を分けて2台利用している場合、前者から音楽を再生し、後者の着信待ち受けを常時を行うことが可能だ。

 高音質再生を売りにする機種でマルチポイント接続できるものは少ないため、そのような意味でも貴重な存在となる。

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 Freebuds 5iでは接続した両方の機種でLDACコーデックに対応している場合、どちらの機種でもLDACによる高音質再生が可能だ。

 ファーウェイの端末間であれば、よりシームレスな接続が可能となっている。ちなみにイヤホンのOSはHarmony OS 2.1.0となっていた。

 

 また、長時間のバッテリー持ちも売りだ。FreeBuds 5iでは連続6時間の再生が可能(ノイズキャンセリング利用時)となっており、他社の3万円台の製品と大きく変わらないバッテリーライフとなっている。

 ケースを採用した場合は最大28時間利用可能で、15分の充電で4時間再生可能な急速充電にも対応している。

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バッテリー持ちも優秀だ。


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 フィット感についてはよく見るあの形状だ。やはりこの形状は人間工学的にもよくできているのか、TWSイヤホンの中でも上位に入る装着感だ。

 

高音質、高性能ノイズキャンセリングを備えながらも1万円は破格?

 

 さて、次世代のイヤホンとはなんだろうか。Appleやサムスンが次の時代のイヤホンを模索する中、音質のパーソナライズという面でアプローチしてきたものがHuawei Freebuds Pro 2。

 

 その方向性をそのままにコストカットしながらも、核となる部分をしっかり押さえて1万円というお手頃な価格に抑えてきた機種がFreeBuds 5iだ。

 

 音響のパーソナルイコライジング、 LDAC対応と独自チューニングの卓越した音質、強力なノイズキャンセリング、高品質なマイク性能。これだけの機能を備えながら、実売1万1000円の価格は破格といえる。

 

 TWSイヤホンの場合は出荷数が多い分、パーツコストを圧縮できる。それ以上に、処理のアルゴリズムや一部ハードウェアを自社開発している点も、この値段に抑えることができた点だと改めて感じる。

 研究開発に惜しみなくコストを投入し、グローバル展開できる販路とブランド力を持ったファーウェイだからこそできるものだ。

 

 

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上位モデルとなるFreeBuds Pro2と比較すると、確かに性能差は感じる。サウンドクオリティやノイズキャンセリング機能では明確に差があり、FreeBuds 5iでは一歩劣るところがあるのは否めない。

 それでも価格差を考慮したらFreeBuds 5iの音質や機能面はあまりに十分すぎる性能だ。多くの部分を先行して販売したFreeBuds Pro2から、フィードバックを得て作り込まれていることがわかる。

 

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 さて、米国の制裁でファーウェイではスマートフォンの展開は難しくなったものの、ウェアラブル端末やTWSイヤホンについては好調であり、日本でも比較的売れ筋となっている。

 

 スマホ屋のファーウェイが本気で作ってきた完全ワイヤレスイヤホン。廉価モデルでありながら、サウンドや機能面では「廉価さ」を全く感じさせないものであった。

 制裁によってスマホが厳しい中、改めてイヤホンでも本気で取りに来るといった姿勢を感じる商品だ。興味がある方はぜひチェックしてみてはいかがだろうか。