ファーウェイは現地時間23日。新型スマートフォンである「P60」シリーズを発表した。中国では本日より予約開始し、3月30日より発売する。
独自の「XMAGE」と称する高度な画像処理による高いカメラ性能をアピールしているが、Googleサービスや5Gには制裁の関係で非対応となった。
カメラ特化の上位モデル P60 Pro
P60 Proは高いカメラ性能をアピールした機種となった。5000万画素の標準カメラ、1300万画素の超広角カメラ、4800万画素の望遠カメラを備える3眼構成だ。
P60 ProではRYYB配列と呼ばれるイメージセンサーを採用し、同等のものに比べて30%多くの光を取り込めるとしている。
P60 Proはレンズが明るい事にも注目したい。メインレンズはMate 50シリーズと同じくf1.4とかなり明るい。これについては、可変絞り機構を採用していることで可能にしている。
P60シリーズでは可変絞りを備える
明るい望遠レンズが特徴的だ
望遠性能は光学3.5倍、デジタル最大100倍望遠が可能だ。明るいレンズによって、夜間でも綺麗なズームを可能にしている。
加えて、望遠レンズはf2.1とペリスコープ式のレンズとしてはかなり明るい仕様だ。
望遠レンズには世界初の三軸手振れ補正を採用。センサーシフト式の手振れ補正となっている。機構の関係からMate 50 RSで採用されたものに近いと思われるが、レンズがより明るくなっている。
望遠レンズはRYYB配列のイメージセンサー、明るいレンズの採用、XD Fusion Proなどの要素によってiPhone 14 Pro Maxよりも最大488%多くの光を取り込むことが可能としている。
望遠レンズは最短撮影距離10cmのテレマクロにも対応。この辺りはかなりXiaomiを意識してきた仕様だ。
P60シリーズでは、XD Fusion Proと呼ばれる画像融合技術を引き続き採用。複数のカメラを用いて画像を取得、合成することでデジタルズーム時の画質劣化を抑え、正確な色表現を可能にしているという。
XMAGEによる高度な画像処理技術も引き続き採用。メインセンサーはRYYB配列を採用し、多くの光を取り入れることで暗所性能を向上させている。
動画撮影性能も大きく向上し、HDR撮影なども大きく進化したとしている。
加えて、スーパーマクロタイムラプスと呼ばれる機能も搭載。4K解像度での撮影も可能だ。
XMAGEで大切にしている要素は「質感」「柔らかさ」と言ったところもあり、ファーウェイではこの部分の再現性の高さに重点を置いている。
画面についてはP60シリーズ共通で、6.67インチのOLEDパネルを採用。120Hzのリフレッシュレートに対応し、可変制御のLTPOにも対応している。
プロセッサはSnapdragon 8+ Gen 1 4G mobile Platformを採用。5Gには非対応なものの、Mate 50シリーズ同様に高度かつ高速な画像処理を可能にしている。
Mate 50シリーズ同様の北斗を用いた衛星通信にも対応する。P60シリーズでは双方向通信も可能となっている。
P60シリーズのバッテリーは4815mAhとなり、88Wの急速充電、50Wのワイヤレス充電にも対応している。
また、本体はIP68等級の防水にも対応している。
P60シリーズではHarmony OS3.1を採用し、よりカスタマイズ度が増した。
カラーはFeather Sand Black,Feather Sand Purple,Emerald Green,Rococo Whiteの4色展開だ。
価格は256GBで6988元(約13万4300円)、512GBで7988元(約15万3400円)だ。
カメラ性能を抑えた廉価モデルのP60は4488元(約8万6200円)からとなる。
同じくしてP60 Artと呼ばれる上位モデルも発表された。
特徴的なデザインはもちろんのこと、こちらは超広角カメラが4800万画素となり、バッテリー容量も5100mAhと増強されており、従来の「Pro+」を冠する商品に近いものだ。
P60 Artは512GBと1TBモデルの展開となり、価格はそれぞれ8988元(約17万2500円)、10988元(約21万円)だ。
ファーウェイのカメラ特化スマートフォンとして発表されたP60シリーズ。正直なところ、制裁の関係でGoogleや5Gが利用できないこと、SoCの性能が1世代前であるところが惜しい。
一応、いつものように5G対応ケースが発売されるそうだが、価格面で見てしまうと14万円クラスと高価である事は否めない。
それでもXMAGEの高度な画像処理技術によって、新しい体験を見せてくれるスマートフォンであることは変わりないようだ。
興味がある方はぜひチェックしてみて欲しい。