nubiaといえばREDMAGICブランドのゲーミングスマートフォンのイメージが強いが、実は普通のスマートフォンも展開している。今回、最新のnubia Z50を利用できる機会があったのでレビューしたい。
- 最強スペックながら安価に仕上げたゲーミングスマートフォン。nubia Z50
- 安くてもゲーミングスマートフォン並のスペック。最新のSnapdragon 8 Gen 2搭載で高い性能を見せつける
- 5000万画素の高性能なカメラ。35mm相当の画角は思ったよりも使いやすい
- Snapdragon 8 Gen 2搭載で約5万8000円から。コスパの高さがエグいnubia Z50
最強スペックながら安価に仕上げたゲーミングスマートフォン。nubia Z50
nubia Z50は中国のZTEが、サブブランドで展開するnubiaから発売されているスマートフォンだ。Snapdragon 8 Gen 2を採用する機種だが、価格もグッと抑えた意欲作となった。簡単なスペックは以下の通り。
SoC:Qualcomm Snapdragon 8 Gen 2
メモリ:8/12/16GB
ストレージ:128/256/512GB/1TB
画面:6.67インチAMOLED FHD+解像度
144Hzリフレッシュレート対応
バッテリー容量:5000mAh
80W充電対応
OS:MyOS 13(Android 13)
外箱のデザインはいたって普通だ
今回レビューの機種はブラック。スケルトンのデザインが特徴的だ
安くてもゲーミングスマートフォン並のスペック。最新のSnapdragon 8 Gen 2搭載で高い性能を見せつける
nubia Z50の特徴として、144Hzのリフレッシュレートに対応したAMOLEDディスプレイを採用している点だ。解像度はフルHD+となっており、安価ながらも10億色の色表現に対応。1000nitの高輝度パネルが採用されている。特にリフレッシュレートに関しては最大で144Hzと、並のゲーミングスマートフォン並みのスペックとなっており、同社もそれに近い位置付けでの展開としている。
廉価にした結果か、画面はエッジディスプレイとなっている
nubia Z50のプロセッサはSnapdragon 8 Gen 2を採用している。従来よりも高い性能と省電力化を達成したチップセットだ。メモリはLPDDR5x規格、ストレージについては128/256/512GB/1TBのラインナップとなる。256/512GB/1TBのストレージを採用した機種に関してはUFS4.0規格のものを採用し、高速な読み出しが可能になっている。
nubia Z50はSnapdragon 8 Gen 2を搭載したスマートフォンとなった。
冷却機構については他社のものより若干劣るのか、Snapdragon 8 Gen 2機としては発熱が目立った。それでも高いパフォーマンスは健在で、不満を感じる場面は少なかった。最新チップセットに高速ストレージなこともあり、近年出ている重量級なゲームでも余裕の動作だ。筆者はSnapdragon 8 Gen 2端末はXiaomi 13 Proなども利用しているが、比較しても価格を考えれば満足のいくパフォーマンスだ。
高負荷な原神も快適に動作する。
nubia Z50 ミリシタ 3D高画質
— はやぽん (@Hayaponlog) March 6, 2023
Snapdragon 8 Gen.2 メモリ12GB
ノートスピード 200 タイミング:-2
実はこいつもゲーミングが売りの機種。144Hzのリフレッシュレートに対応している。
動作感は悪くないが、他の8 Gen.2機に比べるとやや劣るような印象。リズムゲームの方はなぜかRM8Proよりも快適だった pic.twitter.com/Y5WForTiba
リズムゲームについても動作は快適だが、タイミング調整はプロセッサの最適化の関係もあり、まだまだ完璧とはいかないようだ。不思議とREDMAGIC 8 Proよりも感度が良かった点は、ディスプレイ周りの仕様の差と考えるべきだろうか。
高い性能を生かし、nubia Z50にはゲーミングモードも備える。REDMAGIC 8 Proより機能は一部オミットされているが、ゲーミングにまつわる機能は充実している。
スクリーンのタッチ感度の調整の他、GPUのアンチエイリアス精度をハードウェアレベルで調製できるなど、ゲーミングスマートフォンらしい面白い機能が備わる
本体スピーカーはステレオ構成となる。サウンドについては、可もなく不可もないといったところで、特別音質が良いと言ったものはない。価格を考えれば優秀な方となるだろう。
本体バッテリーは5000mAhと大容量のものを採用している。電池持ちについては、従来機と比較してもかなり向上した印象だ。Snapdragon 8 Gen 2採用で消費電力も抑えられているのだ。 ただ、大容量バッテリーを搭載するREDMAGIC 8 Proに比べると電池持ちは劣るようだ。加えて、80Wの急速充電にも対応しており、かなり高速で充電可能だ。充電器も付属しているので、購入したらすぐに利用可能だ。
充電器、ケーブル、ケースが付属する
nubia Z50では「MyOS」というカスタムUIを採用している。競合するAndroidスマートフォンよりもカスタム度が高いものになっており、中国メーカー機ではVIVOのOrigin OSに近いものだ
5000万画素の高性能なカメラ。35mm相当の画角は思ったよりも使いやすい
nubia Z50では2眼のカメラを採用している。カメラのスペックは以下の通りだ
メインカメラ:6400万画素 f1.6
超広角カメラ:5000万画素 f2.2
フロントカメラ:1600万画素
メインカメラのセンサーにはソニー製のIMX787を採用している。非球面レンズを含めた7P(7枚構成)のレンズを採用し、色収差や歪みを抑えることできる。また、近年のZTEのスマートフォンで特徴的な換算35mmの画角となっており、ポートレート作例なども歪みが少なく綺麗に撮れるとしている。
超広角カメラも5000万画素のISOCELL JN1が採用されており、24mm相当の画角でのデジタルズームでも画質の劣化をある程度抑えられるとしている。メインカメラの35mmという画角面では他社とも大きく差別化が図られている。カメラの脇にある丸い部分は、LEDフラッシュとフリッカーセンサーだ。
レンズがf1.6と明るい点も評価したい。メインカメラは光学式手ぶれ補正も備えており、望遠よりの画角でも比較的撮影しやすくまとめられている
カメラに関してはnubia Z50の方がREDMAGIC 8 Proよりも良さそうだ
以下nubia Z50での作例となる。基本的にオートで全て撮影している。
ここまではデフォルトの35mmでの作例となる。他社のスマートフォンと比べて望遠よりの画角となるため、少々慣れが必要だ。
センサーのスペックはさることながら、Snapdragon 8 Gen 2の高い性能もあって、思ったよりも綺麗に撮れている。AI処理やHDR処理についても高いレベルに来ているようだ。
超広角カメラについては、一般的なスマートフォンの画角を補完する目的もあって綺麗に撮れる
超広角
標準
2倍望遠
2倍望遠は高画素センサーを生かしたピクセルビニングもあって、綺麗に撮影できる。nubia Z50では2倍望遠でも70mm相当となるので、他社の3倍望遠に相当するものとなる点は特徴的だ。
nubia Z50
— はやぽん (@Hayaponlog) March 5, 2023
超広角(14mm)
超広角(24mm 普通のスマホの画角)
標準(35mm)
2倍望遠(70mm)
なるほど。超広角カメラを高画素化することでこのようなアプローチも可能なわけか。
物撮りとかには悪くないかもしれない pic.twitter.com/TQ3lSUGQC8
暗がりでは、見た目よりやや明るめに撮れる印象だ。オートで夜景モードになったが、HDR補正やカラーバランスはそこそこ再現出来てる印象だ。nubia Z50はZTE系のスマートフォンなので、個性的な機能も豊富に備えている。星空モードでは、なんでもない風景を満天の星空にしてしまうことも可能だ。
歩行者天国で賑わう秋葉原を満点の星空にしてみたりもできる。
nubia Z50をドライブレコーダー代わりに使う。
— はやぽん (@Hayaponlog) March 6, 2023
よく考えたらメインカメラが35mmなので用途的にも絶望的に向いてない。(光学式の手ぶれ補正あるとは言え、無理がある) pic.twitter.com/IkSCrKTMyA
動画撮影についてはHDR撮影や4K120FPS動画も撮影可能など、安いながらに機能は充実している。ただ、光学式手ぶれ補正を備えてはいるものの、効きはあまり良くなかった。画角の関係もあり、利用できるシーンは限られる印象だった。
Snapdragon 8 Gen 2搭載で約5万8000円から。コスパの高さがエグいnubia Z50
nubia Z50は安価ながらもSnapdragon 8 Gen 2による高い性能と、高い画面リフレッシュレートに対応した画面を備えるスマートフォンだ。換算35mmの特徴的なカメラなど、一周回って面白いアプローチも多く備わっている。
同世代のハイエンド機に比べると機能面やカメラスペック等で劣っていたり、ソフトウェアの爪の甘さはあるが、2999元(約5万8000円)〜という安価な価格設定で概ね帳消しにできる。今回レビューの12/256GBという近年のハイエンドスマートフォンらしい構成で3699元(約7万円)、最上位の16GB/1TBの構成でも5999元(約11万4000円)と安価な設定なのだ。
難点は防水性能がないこと、日本語がないこと、Googleの導入が少し面倒なところと言った玄人向けな部分はあるnubia Z50。このようなちょっとしたクセはあるが、コストパフォーマンスの高い機種を求めるユーザーにはお勧めできるスマートフォンだ。
直近では上位モデルにあたるnubia Z50 Ultraも発売された。カメラ構成ではZ50に6400万画素のペリスコープ望遠を追加したものとなり、画面もアンダーディスプレイカメラを備えたOLEDパネルに変更されている。
もちろん、このスペックにSnapdragon 8 Gen 2を採用しながらこちらは3999元(約7万6000円)〜の価格に抑えられるのだから、ZTEのスマートフォンのコストパフォーマンスの高さには驚かせられる。筆者としてはこのスマートフォンを手にして、性能の高さはもちろん、コストパフォーマンスの高さを体験して欲しい。