新年度早々にスマホを買ってしまいました。海の向こうからやってきた、1型センサー搭載ハイエンドスマホのニューフェイス。OPPO Find X6 Proのレビューといきましょう。
- ついにOPPOもカメラ性能特化へ。VIVO、Xiaomiに続く今世代3機種目の「1型センサー搭載スマホ」
- カメラ性能が大幅強化!メインカメラ並みの性能を持つ超広角カメラと「寄れる」望遠カメラにも注目
- カメラだけじゃない。全方位でまとめてきたフラッグシップスマホがOPPO Find X6 Pro
- 素晴らしいクオリティのOPPO Find X6 Pro。写真を撮るのが楽しくなる
ついにOPPOもカメラ性能特化へ。VIVO、Xiaomiに続く今世代3機種目の「1型センサー搭載スマホ」
昨年、業界に衝撃を与えたXiaomiとライカのコラボレーション。その中でもXiaomi 12S Ultraは1型の大型センサーを採用して話題となった。日本ではシャープのAQUOS R7の登場も記憶に新しい。
この流れは他社にも波及し、12月のVIVO X90 Pro∔を皮切りに、Xiaomi 13 Proとメインカメラに1型センサーを搭載した機種が現れた。
そして、OPPOからもカメラハードウェアを大幅強化したハイエンドスマートフォン「Find X6 Pro」が登場した。
箱には提携しているハッセルブラッドのロゴが入っていますね〜
今回はグリーン系のカラーをチョイス。本体はすりガラス調のものとなっており、指紋は目立ちにくい。ガラスの質感としては、VIVO X80シリーズが近いものだ。
大型カメラの存在感というか厚みがすごい。
OPPO Find X6 Proはメインカメラにソニーの5000万画素のセンサーとなるIMX989を採用。センサーサイズは1型となり、大きさだけなら市場にあるスマホでは最大のものもなる。
センサーが1型と巨大ではあるが、AQUOS R7のような単眼にはなっていない。画角的には超広角カメラと65mm相当の望遠カメラを備えた3眼構成となる。
加えてFind X6シリーズのカメラチューニングは、Find X5シリーズに引き続きハッセルブラッドが監修している。
ハッセルブラッドのロゴにそそられる
カメラ性能が大幅強化!メインカメラ並みの性能を持つ超広角カメラと「寄れる」望遠カメラにも注目
売りとしているカメラは3眼構成。35㎜換算で15㎜の超広角、23mmの標準、65mmの望遠となる。
メインカメラには1型センサーを採用する他、超広角カメラや望遠カメラのセンサーも大型のものが採用されている。Find X6 Proでは、超広角と望遠のそれぞれにソニーの「IMX890」という大型のイメージセンサーを採用。1/1.56型と他社のメインカメラ並のサイズとなっている。
超広角カメラや望遠カメラの基本性能も高い
加えて、独自チップとなる「MariSilicon X」をFind X5シリーズに続き採用。高性能っぷりに磨きをかけてきた。
MariSilicon XはTSMC 6nmプロセスで製造される独自のプロセッサだ。特徴として18TOPSのAI処理性能を誇り、Apple A15を凌ぐ高性能さをアピール。
また、追加帯域のメモリを使用することで、ナイトモードを動画撮影時にも利用可能となっている。低照度環境ではAI処理でノイズを抑え、従来よりも明るく適切なカラーリングでの撮影が可能だ。
加えて、イメージング処理時の消費電力を大きく抑えることも可能にしている。
独自チップとなるMariSilicon Xを搭載している
OPPO Find X6 Proでの作例は以下のようになる。デフォルトのクォーターマークに画角が表示されるのでそちらを参考にしてほしい。
Find X6 Proでは比較的自然な質感の絵が出る印象だ。彩度を盛って鮮やかさを演出する近年の機種とは異なるものだ。
メインカメラは1型センサーを採用しているだけあって、ボケの表現などが豊かな印象だ。これは良くも悪くも取ることができる。
また、最短撮影距離はどうしても長めになるので、AQUOS R7やXperia Pro-I同様にメインカメラでは「寄れない」印象は否めない。
一方でレンズのフレアなどは前作のFind X5からやや改善されているので、このあたりは使い勝手も向上している。
OPPO Find X6 Proの夜景モードは強力だ。どちらかと言うと、HDRを効かせて明るくはっきりと浮かび上がらせるチューニングとなっており、メリハリのある作例となる。
MariSilicon Xの恩恵もあって、手持ちでもサクサク撮影できる点はこの機種の特徴ともいえるポイントになる。三脚検知モードも備え、ある程度長時間の露光も可能になっている。
また、超広角カメラや望遠カメラでも大型センサーを採用していることで、これらのレンズでも夜景が綺麗に撮影できる機種となっている。
そしてOPPO Find X6 Pro最大の特徴が65mm相当の望遠カメラだ。レンズのf値がペリスコープ方式ながらf2.6と明るいことに加え、1/1.56型の大型センサーを搭載。最短撮影距離が約20cmとこちらはかなり寄れるカメラとなっている。
これによって、いわゆるテレマクロ撮影が簡単に可能だ。従来のスマートフォンではイメージセンサーの大型化に伴って最短撮影距離が伸びてしまい、マクロ撮影やクローズアップする作例は難しいものになっていた。
iPhoneをはじめ超広角マクロを備える機種も増えてきているが、撮影しにくいことも多く、必ずしも使い勝手が良いものではなかった。
望遠カメラながら被写体に寄れることから、よりクローズアップしての撮影が簡単に可能だ。 あまりに寄りすぎた場合などのシチュエーションによってはメインカメラに切り替わる挙動もする。
OPPO Find X6 Proの挙動。
— はやぽん (@Hayaponlog) April 2, 2023
望遠で上手く焦点が合わなかったりすると、標準レンズで同時に撮影したと思われるものを引っ張るのだが
こうしてみるとわかりやすい。 pic.twitter.com/mEIafGbs3k
加えて、望遠カメラでも大型のイメージセンサーを採用しているため、暗いところでもかなり撮影しやすくなっている。
光量が稼げない場面では望遠レンズを使わない機種も多い中、Find X6 Proではちゃんと機能してくれる。
また、望遠カメラは5000万画素のものを採用するため、6倍でも綺麗に撮影が可能だ。最大倍率は120倍となるが、実用に耐えうる範囲は10倍までとなる。
144mm相当でも画質の劣化は少ない。ただ、AI補正の関係もあって、飛んでいる飛行機といった「動きもの」はやはり苦手なようだ。
標準カメラ(1倍)
6倍望遠
10倍望遠
30倍望遠
120倍望遠
改めてズーム画質をチェックしてみる。ここまで見ると、10倍望遠でもディテールはAI補正が目立ち、30倍では完全に塗りつぶしている。最大倍率では文字の識別が難しくなるため、やはり実用ラインは10倍といったところだ。
月も撮影できるが、いわゆる合成と呼ばれるものだ
寄れることでモノ撮りも簡単にできる。寄れることに加えて、歪みが少ない点もありがたい
光学特性的に玉ボケも大きく出る。従来のスマートフォンでは難しかった表現も可能だ
Find X6 Proではペリスコープレンズの口の部分に波型の機構が採用されている点も特徴だ
超広角カメラも大型で高性能なセンサーを採用することによって、高性能化を成し得ている。OPPOのハイエンド機では、超広角カメラの性能を重視しており、この機種も例に漏れない形となっている。
明るいところはもちろん、夜景などの場面では他社の機種と比較してもかなり綺麗に撮影できる。
動画撮影についても、強力な手ぶれ補正によって快適な撮影が可能だ。HDR補正も強力で、iPhoneに近い感覚での撮影となる。
OPPO Find X6 Pro 超広角カメラ手ぶれ補正Pro使用
— はやぽん (@Hayaponlog) March 29, 2023
やっぱり超広角は綺麗だな。それにしても電車ははやい pic.twitter.com/y1gZrWPTZq
OPPO Find X6 Pro
— はやぽん (@Hayaponlog) March 29, 2023
夜の動画も強いねぇ〜いいねぇ pic.twitter.com/nCk7Js5Efu
OPPO Find X 6 Proは綺麗に撮れる広角カメラ、暗いところでも扱いやすい望遠カメラを備えることで、スマートフォンの撮影体験をより良いものにすることを可能にした。
そのようなところに力を入れることで、同じくカメラ性能をアピールしているVIVO X90 Pro、Xiaomi 13 Proとは明確に差別化を図っていることがわかる。
カメラ性能の評価が高いVIVO X90 Pro+やXiaomi 13 Proと直接被らない構成なので、使い分けも可能だ。
カメラだけじゃない。全方位でまとめてきたフラッグシップスマホがOPPO Find X6 Pro
OPPO Find X6 Proに関しては1型の大型センサー搭載のカメラやテレマクロ性能に注目が行きがちだが、画面性能なども大きく評価したい。ざっとスペックを書くとこんなところだ
SoC:Qualcomm Snapdragon 8 Gen.2
独自プロセッサ:MariSilicon X
メモリ:12/16GB
ストレージ:256/512GB画面:6.81インチ 2K+ Samsung E6 AMOLED
カメラ
リアカメラ標準:5000万画素 f1.9 1型センサー
超広角:5000万画素 f2.2
望遠:5000万画素 f2.6
フロント:3200万画素
バッテリー:4820mA/h
100W充電 無接点充電対応
OS:ColorOS 13.1(Android 13)
画面は近年のハイエンド機らしく、サムスンのAMOLEDパネルとなっている。前作のOPPO Find X5と比較して、より自然な色が表現できるようになった点は大きく評価したい。
画面は6.81インチと大型な部類となる。発色もよいE6 AMOLEDパネルを搭載し、画面解像度は2K+と言われるものとなる。
滑らかにエッジを描くなど画面形状としては前作とと大きく変わらない。画面輝度もピーク時2500nitとかなり高く、屋外でも利用しやすいものだ。
画面は緩やかなエッジとなっている。
画面輝度はかなり明るく、屋外での視認性も良好だ
プロセッサはSnapdragon 8 Gen.2を採用している。先行しているVIVO X90 Pro+、Xiaomi 13 Proなどに次ぐ形での搭載となっている。
搭載メモリは12または16GBと必要十分だ。 冷却性能も大容積の冷却機構を搭載しており、プロセッサーとの組み合わせもあってか、長時間のゲームも問題なく遊ぶことができた。
ストレージもUFS4.0規格の高速なものが採用されている。省電力ながら高速の伝送が可能になっており、仮想メモリ等を利用してもパフォーマンスの低下を抑えられていると言う。
OPPO Find X6 Proを使ってみると、ハイエンド機というのもあって動作にストレスは感じない。Snapdragon 8 Gen.2はかなり優秀なチップセットなのか、単純な発熱もかなり抑えられているように感じた。
原神のような高負荷なコンテンツを1時間ほどぶっ通しでプレイしても、発熱で「熱い」と感じることは少ない印象だ。
原神ももちろん快適に動作する
リズムゲームも快適に遊べる
ゲーミングモードも充実している。アンチエイリアス精度をハードウェアレベルで調整可能だ
本体スピーカーの音は前作に比べてかなり向上した印象だ。独自チューニングのスピーカーだが、筐体の箱鳴りは抑えられているように感じた。音量が出るよりも「高音質での再生」に力を入れているようだ。
本体上部に独立グリルを備えるため、クリア感のあるサウンドを楽しめる。
加えて、100Wの高速充電にも対応。ワイヤレス充電のほか、端末から無接点充電可能なリバースチャージにも対応している。
もちろん、充電器も同梱される。
バッテリー持ちについてもFind X5からは体感的にも大きく向上している。Xiaomi 13 Proなどと同等かそれ以上の持ちとも言えるものだ。
OSはAndroid 13ベースのColor OS 13.1が採用されている。
素晴らしいクオリティのOPPO Find X6 Pro。写真を撮るのが楽しくなる
OPPO Find X6 Proのカメラに関しては、前作のFind X5世代で言われたハードウェアスペック周りを大幅に強化し、他社のハイエンド機とも真っ向勝負かのうなところまで進化を遂げたものだ。
1型センサーはスマートフォン向けのものを採用し、プロセッサベースでの最適化も行われた。これに加えて、独自プロセッサのMariSilicon Xを搭載していることもあり、高度なHDR処理などを可能にしている。これらのあわせ技によって、高いクオリティでの写真撮影が可能になった。
それでありながら価格は非常にお手頃な端末となっている。Galaxy S23 Ultraが20万円近い価格となる中、Find X6 Proは最小構成で5999元(約11万5000円)と抑えている点も好感が持てる。
これはVIVO X90 Pro+が6499元(約12万5000円)、Xiaomi 13 Pro(12/256GB)が5799元(約11万2000円)であることを考えると、非常に攻めた価格だ。
OPPO Find X6 Proの価格設定は5999元〜と日本円で11万円台からの設定だ
筆者としては、Find X6 Proは「撮影体験が楽しいカメラスマホ」と呼べるものだ。簡単にキレイに撮れるカメラはもちろん、独自プロセッサのMariSilicon Xのおかげで撮影するアプリを選ばない点は最大の利点だ。
これによってTikTokやYoutube shortといった動画SNS内のカメラアプリでも、高度なHDR処理が行われた撮影や配信が可能となっている。
加えて、テレマクロ性能を重視した望遠カメラは他社のスマートフォンには少ない新しいモノだ。
べらぼうな望遠性能だけを突き詰めるのではなく、日常的に利用頻度が高い画角で「使い勝手」を向上させる構成は嬉しいものだ。
さて、1型センサー搭載のスマートフォンはVIVO、Xiaomi、OPPOの三つ巴とも言える状態になってきた。
カメラ性能の競争は激しさを増す一方だ
その中でも、Find X6 ProのカメラはVIVO X90 Pro+とXiaomi 13 Proを足して2で割ったようなバランスの良い機種だと感じた。
高いHDR性能や動画撮影性能はもちろん、Xiaomi 13 Proにも引けを取らないテレマクロ撮影の体験は楽しいものだ。
もちろん、Snapdragon 8 Gen.2による高いスペックを持ち合わせ、快適に使えるといったところも選ぶ価値となる。
長期間のアップデートが行われることも公表されており、長く使っていける端末となることは間違いないようだ。
他社の商品とも真っ向勝負できるレベルにまでカメラ性能は進化したOPPO Find X6 Pro。カメラ性能の高いスマートフォンを選ぶ際には、選択肢の一つに加えてみてはいかがだろうか。