ソニーの新型イメージセンサーと思われる「IMX802」のスペックがリークされたとsonyalpharumorsが報じている。あくまで「個人がネット上に公開したもの」としており、確証は持てないが、内容は魅力的なスペックとなっている。
同誌に提供されたスペックシートによると、このイメージセンサーはスマートフォン向けの商品となり、1/1.33型のサイズで1億800万画素の有効画素となっているようだ。
また、2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー技術を採用した商品となるようだ。これは従来比で2倍の飽和信号量を持つものになり、ダイナミックレンジ拡大とノイズ低減を実現し撮像特性を大幅に向上させたものと考えられる。スマートフォンのさらなるカメラ性能強化を加速させるものとなりそうだ。
このタイミングのリークとなれば、早くて2023年Q3以降に登場するハイエンドスマートフォンに搭載されるのではないかと考えられる。そして、その最初の商品がAppleの「iPhone 15 シリーズ」になるのでは?という声が以前から一部ユーザーの間で話題となっている。
すでに「NIKKEI ASIA」などが報じた「ソニーがAppleに対して従来比2倍の飽和信号量をもつ新型のイメージセンサーを供給した」という情報とも合致しそうなものだ。
特に上位モデルのiPhone 15 Proは「5倍望遠クラスの潜望鏡式望遠レンズを備えるのでは」という意見もある。その場合、従来の構成では3〜4.9倍望遠までの利用シーンは他社商品に比べて不利になるという指摘がある。
そのため、今回情報が出てきた1億画素クラスのセンサーを用いて、ズーム時の劣化を抑える方向での設定となれば、仮にこのセンサーを採用しても構成的には理解できる。
さて、2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサーは2021年12月にソニー セミコンダクターソリューションズが世界で初めて開発に成功した旨を公表しており、製品化を考えれば頃合いの良い時期になったことは否定しない。
2層トランジスタ画素積層型のCMOSイメージセンサーでは、フォトダイオードと画素トランジスタが積層されていることがわかる(SSSプレスリリースより)
そして、「ここ数年以内に、スマートフォンにおける静止画撮影では一眼カメラの画質を超えると見ている」と2022年に今後の見通しを示した同社代表取締役社長兼CEOの清水照士氏も、スマホ向けで加速する大口径化の傾向に、高飽和信号量技術や高度なAI処理などが組み合わさることで実現できると言及している。
この高飽和信号量技術を形したものが、2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサーとなるのだ。
同社が示した資料では「2024年にはスマートフォンが静止画撮影した性能において従来の一眼カメラを超える」と言えるものとなっており、ここから1年前後は新たな技術革新が起こるのではないかと考えられる。
スマートフォンのカメラ性能もまだまだ大きな進化を遂げる。このようなイメージセンサーの登場はその大きなピースになりそうだ。