楽天モバイルは12日、重大発表と称した発表会を行い、新料金プランを発表した。
6月1日より展開されることになり、既存のユーザーはアップグレードされる形となる。
従来までは5GBの制限があったパートナーエリアでの制限を撤廃しつつ、基本料金は最大2980円(税抜)で据え置く形となった。
同社では「最強」と称するプランとなり、楽天モバイルが本気で携帯インフラをやっていくという意気込みを改めて感じられた。
- スマホ料金の値下げは必須。今やスマホは「基本的人権」
- auパートナーエリアの制限撤廃!価格は最大で2980円に据え置き!Rakuten Linkのデスクトップ版も展開へ
- MNPワンストップサービスの初展開や楽天モバイルの特典も豪華なものに。
- 人口カバー率99.9%となり最強になった楽天モバイル。auパートナー回線については不安も?
スマホ料金の値下げは必須。今やスマホは「基本的人権」
登壇した同社CEOの三木谷氏は楽天モバイルの登場によって、低コストにおける家計への貢献や物価指数の上昇を抑制してきたと説明。
それでも他社を含めた平均料金は5000円以上となり「依然としてスマホ料金は高い」とした。
その後、「スマホを中心とした様々な活動、利用方法はどんどん広がっている。スマホは基本的人権。」と発言した。
スマートフォンの利便性や各種サービスにおける必要性を訴えると共に、この利用料金が高いことは日本の発展にとっても極めてマイナスとなるとしていた。
すでに各種決済などはスマートフォン向けの電子決済が多く普及しており、情報収集やエンタメ視聴にもスマートフォンは必須のツールとなっている。
加えて、11日からマイナンバーカードの電子証明書が一部Androidスマホから格納可能になるなど、今後は行政サービスを便利に利用する上でもスマートフォンは必須になっていきそうだ。
そのため、本日は価格もサービスも「最強のプラン」を発表することになったとした。楽天最強プランだ。
auパートナーエリアの制限撤廃!価格は最大で2980円に据え置き!Rakuten Linkのデスクトップ版も展開へ
ここからは同社共同CEOの鈴木氏から具体的なプラン内容について説明が行われた。
最初に通信品質向上として、同社が取り組んできたことについて触れた。基地局は5.7万局を超え、人口カバー率も98%を達成した。
当初の予定では2024年ごろにエリア拡充を99%台にするというロードマップであったが、「最高の通信品質を」すぐに提供することを目指した。
最初に触れられた点は、通信品質の向上として人口カバー率を99.9%とし、競合他社と同等の品質に引き上げることだ。
これについては自前の基地局の拡張、協会エリアへの参入に加え、従来まで制限のあった「パートナーエリア」の制限を撤廃するという形となったことで達成する見込みだという。
パートナーエリアはauから回線ローミングを受けるエリアとなる。楽天エリア拡充と共に減少してきたとはいえ、田舎や離島ではまだまだ根強いところもある。このようなエリアでも制限を撤廃し、売りにする無制限通信も可能にした。
そのような状況になりながらも、料金は無制限でも2980円と従来から据え置きとなった。
本来auローミング料金はかなり高額で、過去の決算報告でも負担が重くのしかかっていただけに、今回の発表には驚くばかりだ。
また、海外ローミングにおけるデータ通信が2GBまで無料な点も引き続き継続だ。筆者も連休の海外旅行ではかなり助けられた。
専用アプリの「Rakuten Link」を使えば国内通話も無料で無制限で利用できる。実質的なカケホがついていると考えるでも良いものだ。
高品質な通話を可能なIP電話アプリ「Rakuten Link」アプリはパソコン向けにも展開へ。今年8月にリリース予定とのことだ。
このRakuten Linkのデスクトップ版は従来から利用者のニーズがあり、開発も予告していた。今回これに応えた形となった。
楽天モバイルでは事務手数料が無料という点も触れられた。他キャリアでは値上げのニュースが多い中、無料を継続する点はありがたい。
特にeSIMの再発行なども引き続き無料としており、他キャリアの1000〜3000円の設定に比べるとかなり手軽に利用できる。
MNPワンストップサービスの初展開や楽天モバイルの特典も豪華なものに。
ここからは同社CMOの河野氏からMNPワンストップサービスなどの説明が行われた。
楽天モバイルでは総務省が主導する「MNPワンストップサービス」を5月下旬より開始する。
ワンストップサービスでは、従来まで必要だった移行元キャリアでのMNP予約番号の発行が不要になり、より簡単に乗り換えできるようになる。
この予約番号の発行もオンライン対応や電話対応が必要だったものが不要となる。
週末の携帯ショップでは数十分かけて予約番号を発行するなんて光景もよく見られただけに、ありがたいものだ。
最後に楽天ポイントや関連コンテンツの無料化などの特典が紹介された。
楽天市場や楽天系コンテンツを利用するユーザーにとって、楽天モバイルは還元率の高いサービスや無料特典が多く、ユーザーにとってもプラスになるものだ。
それ以外にはYoutube Premiumが初回契約では3ヶ月無料(3520円分)の特典も嬉しいものだ。
Rakuten Hand 5Gといった端末が1円になる特典も引き続き行われる。
人口カバー率99.9%となり最強になった楽天モバイル。auパートナー回線については不安も?
楽天モバイルの課題であった「エリア」については自社エリアの拡充を進めたが、ここに来てローミング先のパートナーエリアの制限を撤廃する形で"人口カバー率99.9%"を達成した。
無制限とすることで、多くのデータが流れてローミング料金がのしかかるという意見もある。
これに対し、同社としては全体の比率として5%ほどしか残っていないパートナーエリアは減らすよりも「補完として活用する」という形に踏み切ったようだ。
料金についても提携先と議論を重ね、追加で大きくかかるようにはしないとした。
パートナー回線とのハンドオーバー(切替)も、各種技術提携によって快適に行えるようにしているという。
2023年3月末の時点でパートナーエリアは楽天エリアの5%まで減少している。この5%をなくして基地局を建てるよりも、手を組んで拡張される形としたのだ。
また、このパートナーエリアは田舎や離島の他にも都市部の繋がりにくいエリアや、地下や建物の中といったものも含まれているという。都市部でも、より快適に使えるようになっているようだ。
エリアでも、価格でも、海外ローミングでも、乗り換えやすさでも。業界最高水準となった楽天モバイルはまさに「最強」の言葉がぴったりのアップデートとなった。