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1世代で終わったGalaxyの小型ハイエンドスマホ。日本では発売されなかったGalaxy S10eを今だからこそチェック

 近年数を減らしていくハイエンドの小型スマートフォン。iPhone 13 miniの後継機は14シリーズで廃止され、コンパクトで高い性能を持つスマホを求めるユーザーの選択肢は少なくなる状況が続いている。

 

 実はサムスンも日本で発売しなかったものの、小型ハイエンドスマホを出していたことがある。今回はGalaxy S10eという端末を改めてチェックしてみよう。

 

コンパクトでパワフル!小型ハイエンドスマホのGalaxy S10e

 

 Galaxy S10eはその名前の通りGalaxy S10シリーズに属するスマートフォンとなり、2019年2月に発売された。このシリーズの中では、当時749ドルからと最も安価な価格設定となっており、今までサムスンが出さなかった小型ハイエンド端末であることから世界的にも注目された。

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サイズは142.2mm×69.9mmとなり、厚さは7.9mmとなっている。重量も150gに抑えるなど比較的軽量な仕上がりだ。

 

 主なスペックは以下にまとめる。基本的には Galaxy S10に準拠したものと思ってもらって良い。

 

SoC:Snapdragon 855/Exynos 9820

メモリ:6GB

ストレージ:128/256GB

 

画面:5.8インチ FHD解像度 Dynamic AMOLED

 

カメラ

標準:1200万画素 f1.5/2.4

超広角:1200万画素

 

OS:Android 9

バッテリー:3100mAh

 

 

 Galaxy S10シリーズではプロセッサはクアルコムのSnapdragon 855または、サムスン製のExynos 9820が採用されている。これは発売された地域によって搭載されているものが異なる。どちらも当時のハイエンドプロセッサのだけはあり、高性能な仕上がりだ。単純性能では、現在のSnapdragon 778などに近いものとなっている。

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画質中程度なら原神も動作できる

 

 メモリは6GB、ストレージは128または256GB となる。この辺りはGalaxy S10に比べるとメモリの量が若干抑えられた形となっている。

 

 画面については5.8インチと小型になっていることが大きな差となる。また、画面解像度がフルHD+とになっていること、画面内指紋認証に対応しないことが差となっている。

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画面は上位機種とは異なり、フラットディスプレイとなっている。

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Galaxy S10eでは電源ボタン一体型の指紋センサーが採用されている

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近いサイズのiPhone SEと比較すると、画面占有率の高さが際立つ。

 

 カメラについては、メインカメラと超広角カメラの2眼となっている。フロントカメラも単眼だ。これも3眼カメラを採用するGalaxy S10との差別化が行われている。

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メインカメラは可変絞りを採用するなど、仕様的なところはGalaxy S10と同じものになる。

 

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本体は防水防塵に加え、ステレオスピーカーやイヤホンジャックも備えている。SDカードのほか、当時出始めのワイヤレス充電にもしっかり対応だ。

 

日本でこそ売ってほしかったGalaxy S10e

 

 実はこの Galaxy S10eに当たる小型ハイエンドのスマートフォンはサムスンにとっても最初で最後となってしまった。理由はいくつかあるか、やはりグローバルで販売数を稼げなかったことが大きな要因となっている。世界的にみるとこのような機種はニッチなスマホだったのだ。

 

 後に、 AppleがiPhone miniシリーズを販売したものの、世界的に売れなかったと評されることになるが、この前哨戦はすでに行われていたのだ。

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Galaxy S10eの存在はiPhone12 miniや13 miniの登場にも影響したと考えられている。

 

 

 今回改めてチェックしてみると、4年前にこれを日本市場で出していたら、今のZenfone 9やXperia 5シリーズ以上に注目されていたかもしれないと考える。

 

 日本市場ではグローバルと異なり、文字入力の方法や公共交通機関の改札等でスマートフォンを利用することが多い関係で、小型の端末がある程度支持される環境であった。その上、ハイエンド端末が比較的普及していた市場でもあったので、「小型ハイエンド」と呼ばれるニッチな端末が求められる市場でもあった。

 

 それを踏まえてGalaxy S10eを見ると、ハイエンドスペックであることはもちろん、防水防塵機能をしっかり備え、採用が減りつつあったSDカードスロットやイヤホンジャックも備えていた。

 

 当時はXperiaの小型ハイエンドモデルすら大型化し、AQUOSの小型ハイエンドモデルは電池持ちなどに課題が残るものだった。そのような中で割としっかり使える小型ハイエンドであるGalaxy S10eは、日本で出ていれば間違いなくキャリア販売となっていたことだろう。もちろん、FeliCaにも対応していたはずだ。これなら、市場でも大きな存在感を示せたことだろう。

 

 場合によっては、日本国内におけるサムスンの立ち位置も今とは少し変わっていたかもしれない。そんな可能性さえ感じさせるスマートフォンであった。

 

 最後になるが、Galaxy S10eは発売から4年を迎え、この小さなGalaxy があったことも次第に歴史の片隅へと置かれるものとなる。そんなGalaxy S10eのOSアップデートはAndroid 12まで行われ、セキュリティパッチはなんと今年の3月分まで配信されている。

 

 夜景モードを備えるカメラ、各種最適化によって、今使っても機能面の古臭さをあまり感じさせない端末となっている。スペック的にも現在のミッドレンジスマホ並みの性能を持っており、ゲーム等で追い込まない限りはまだまだ利用できる。無接点充電対応などのトレンドも押さえている。

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 外観的にもパンチホールのディスプレイや超広角カメラを備えている点なども含め、見た目的な古臭さもあまり感じさせない。

 

 たった1世代しか出なかったGalaxyの小型ハイエンド。こんなものもあったと知ってもらえると嬉しい限りだ。