スマートフォンの値上げも続くこの頃、安価ながら高いパフォーマンスを提供できる機種を求める声も少なくない。
今回は2年前に発売されたゲーミングスマホなら、ゲームがどこまで快適なのか。「今から買うのはアリなのか」と言ったところを再度チェックしてみる。
2年前の"ゲーミングスマホ"にはどんなものがあるのか?
2年前に発売されたゲーミングスマートフォンを振り返ると、ASUSの「ROG Phone 5」やBlackSharkの「BlackShark 4 Pro」、nubia(ZTE)の「REDMAGIC 6」が日本でも販売されていた。
それ以外では、Lenovoの「Legion Phone Duel 2」がある。こちらは技適マークが表示できたが、日本では販売されなかった。
どの機種もSnapdragon 888を採用し、各種エイムアシスト機能に加え、強力な冷却性能や高いリフレッシュレートに対応したディスプレイなどを備えていた。
今回試しで使用するゲーミングスマホはnubia REDMAGIC 6だ。この機種は2021年に発売されたものとなり、当時のハイエンドとなるSnapdragon 888をSoCに採用している。
このほか、12GBのメモリと256または512GBのストレージを備える機種だ。スペックについては以下にまとめる
SoC:Snapdragon 888
メモリ:12/16GB
ストレージ:256/512GB画面:6.8インチ FHD+解像度
OLEDパネル 165Hzリフレッシュレート対応
カメラ
標準:6400万画素
超広角:800万画素マクロ:200万画素
バッテリー:5000mAh
OS:Android 11(12へのアップデート提供済み)
画面内指紋認証対応、各種ゲーミングアシスト機能に対応
スペックから分かる通り、REDMAGIC 6は当時のゲーミング特化機種らしく、ハイエンドなスペックにまとめられている。
REDMAGIC 6はガラスのボディをまとい、従来よりも高級感のある質感となっている。基本デザインは現行モデルと変わらないため、古臭さは感じさせない。
画面はフラットディスプレイだ。REDMAGICでは視聴体験を向上させるため、Xperiaなどと同様に画面にベゼルを設けている。
本体上部にはイヤホンジャック、下部には充電端子を備える。側面には仮想L/Rトリガーが備えられている。
2年落ちだがゲーミング性能は今でも高い!発熱は多めなので冷却は必須
今回はREDMAGIC 6を実際にゲーミング中心に使ってみたが、Snapdragon 888と"ふた世代前"のハイエンドSoCを搭載しているので、最新モデルに比べると性能面では差を感じる場面も多い。
通話やブラウジング、SNSといった場面では不満を感じることはかなり少ないが、ゲーミングと言った場面でも体感できる差はある。どちらかと言うとフレームが落ちるなどよりも、プロセッサに無理させる関係からか「本体が熱を持つ」方が体感できる。
原神も問題なく動作できた
高負荷な原神についても、最高画質の設定で問題なく動作することは確認できた。フレームレートはおおむね53〜57fpsをウロウロしており、最新機種ほどの安定性はなかった。
nubia REDMAGIC 6にて原神 最高画質(60fps)にて
— はやぽん (@Hayaponlog) 2023年5月27日
Snapdragon 888なのでさすがに厳しいかと思いきや、このくらいなら55fps以上をキープしてくれる。空冷ファンは偉大だ
なお、本隊フレームがとってもアチアチになります。中古価格もお手頃になったので安くてそこそこ動くものを狙うならこの辺もアリかと pic.twitter.com/2Bcp9LGmUk
実際に原神を動かしてみたが、ある程度の高負荷にも耐えられそうな印象だ。必要に応じて画質設定を調整すると良いはずだ。
さて、ゲーム機ことROG Phone 5で改めてミリシタを
— はやぽん (@Hayaponlog) 2021年8月28日
タイミングは初期値で±0 音ズレはほぼ無し
ノーツスピードはやや遅めに設定して誤反応を誘いましたが、さすがはゲーム機。
しっかり処理してくれました。
リズムゲームをやるならマストバイなAndroidスマホのひとつに加えてもいいと思います。 pic.twitter.com/2Ur1YVoZjP
リズムゲームについては参考程度となるが、同じく2年落ちのROG Phone 5による動作となる。こちらについても快適に動作する。
また、REDMAGIC 6は本体に空冷ファンを備える機種ではあるものの、高負荷時は本体フレームがかなり熱を持つものとなった。これでも他社の機種に比べると安定しており、ファンには効果があるものと考えられる。
REDMAGICシリーズは本体に空冷ファンを内蔵する数少ないスマホだ
メモリは12GB、ストレージは256GBとこの世代のゲーミングスマホとしては標準的なものだ。上位モデルでは16GBのメモリ、512GBのストレージを選択できる。
画面は6.8インチ、165Hzのリフレッシュレートに対応などの高いスペックを持つ。対応コンテンツ以外では「余裕」と捉えるべきだろう。
本体スピーカーはステレオとなるが、ゲーミングスマホらしくサウンドにも力を入れている。同世代のROG Phone 5などには一歩劣るがそれでも高音質だ。またゲーミングスマホの利点として、多くの機種でイヤホンジャックを備えている点もある。
本体のカメラについては6400万画素の標準カメラ、800万画素の超広角カメラ、200万画素のマクロカメラとなる。
基本的にこのジャンルのスマートフォンは、カメラ性能は控えめな傾向となるが、近年の機種ならHDR補正もしっかり効いたハイエンド機らしい写りとなる。撮影した作例は以下の通り。基本的にオートモードにて撮影している。
何枚か撮ってみたが、比較的綺麗に撮れる。プロセッサのISP性能が高いこともあり、特段こだわりがなければ十分といえる仕上がりだ。
最後に、2年前のゲーミングスマホを今買うのはアリなのか?
筆者的にはREDMAGIC 6などの2年落ちのゲーミングスマホを"今から買う"ことにはある程度おすすめと考える。
2年落ちとは言え、基本的なスペックは現状のミッドレンジよりも高く、高い冷却性能を持つゲーミングスマホなら多少の無茶も可能だ。
ゲーミングスマートフォンであれば、高い冷却性能を生かしてプロセッサをフルクロックで回すことができる。旧式とは言え、冷却を確実に行なって高性能な状態をキープできれば、世代が新しい機種ともいい勝負ができるだけの性能を有している。
事実、Snapdragon 8 Gen 1を採用した機種と、適切に冷却できるSnapdragon 888端末では、体幹的なパフォーマンスの差も少ない。
そのため、こだわりが無ければ十分と言えるスペックに加え、Android 12へのアップデートが行われている。過度な性能を求めないのであれば、2年落ちのこれで必要十分と感じる方もいることだ。
REDMAGIC 6はゲーミングスマホらしい高い冷却性能、各種アシスト機能、大容量バッテリーなどを備えながら、中古価格も比較的安価になってきている。BlackSharkやROG Phoneに比べると、元がやや安価なこともあり、中古でも比較的お得に買える点もありがたい。
また、ASUS ROG Phone 5やBlackShark 4 Proでは本体に空冷ファンを備えていない。そのため、これらの機種では外付けの空冷ファンをオプションで備えており、これを用いれば長時間のゲームも快適に利用できる。
純正のファンを備えるものもある(画像はASUS ROG Phone 6)
さて、高いパフォーマンスをもつ2年落ちのゲーミングスマートフォンは、ゲームで遊ぶ上でもまだまだ利用できることがわかった。
安価なものなら中古でも4〜5万円前後の設定となるが、これでも同価格帯で販売されるスマートフォンよりも高性能だ。そのため今から購入しても、パフォーマンスを含めて満足に使えるスマートフォンであることがわかった。
ただ、ゲーミングスマホという特性上のため、操作性や通知面に難がある機種も多い。ハードウェアで見ても、防水機能やカメラ性能では同じ価格帯の機種より劣ることも多い。
そのため、ゲーミングスマホは2台目のスマートフォンとして利用し、決済などの機能は別の機種に任せてしまうのもアリと感じた。
安価で高性能なスマートフォン選びのひとつして、興味がある方はチェックしてみてほしい。