旧正月を迎え正月ムードの漂う中、香港では先日発売されたApple Vision Proがなんと予約なしで購入できるようだ。
筆者は旧正月の元旦にあたる2月10日にスマートフォンが多く販売されている先達広場に向かった。春節のため多くのお店が閉店している中、Apple Vision Proの買い取りのためだけにという勢いで開店しているお店があった。
店頭カウンターにはVision Proが複数台並び、バックヤードにもいくつか在庫を抱えているようだった。
価格を問い合わせると最小構成で34000香港ドルと帰ってきた。日本円に換算すると約65万2000円とかなり高価だ。これでもメルカリ等で転売されている価格よりは安価上、予約や取置ではなく「今すぐにお金さえ払えば持って帰える」という状態だった。
今回、筆者もたまたま購入したお客さんが動作確認のため店頭でセットアップしていたところをお借りし、少しだけ体験させていただくことができた。突然の事態に興奮して写真を撮り忘れてしまった点はご容赦頂きたい。
着用してみるとパススルーの解像感も高く奥行きもしっかりあり、追従性もかなり良くて驚いた次第だ。筆者に対して最適な状態に設定されてるとは言えない状態だったが、アプリアイコンも直感的でかつ奥行き感が正確なためオブジェクトの位置関係も触れやすく、各種操作はHololensなどに触れたことのある方ならすぐに慣れるものと感じた。
アプリアイコンを迷いや誤認識なく一発で開けるなど、ハンドトラッキングの精度が極めて高いHMDだと感じた。現時点のMR対応ヘッドセットの中では最高峰の製品と言っても過言ではない。
多くの方が言う「これからのコンピューターのあり方を変える」とまでは体験時間が短いこともあって現状感じられなかったが、数年先の未来の片鱗を感じ取れたことは間違いない。
これがもっと小型軽量化し、より魅力的なアプリケーションが増えていけば、空間コンピューティングは今のデスクトップ PCに代わる存在になるかもしれないという可能性は感じた。
さて、正直なところ香港の相場も定価ではなく、転売相場となっている。店主によるとこれでも先週より約2万円ほど値下がりしたとしているが、今はアーリーアダプタ向けの製品のため、もう少し値下がりしたタイミングで購入することが適切だとしていた。
もちろん、Vision Proを入手するためにアメリカに飛ぶという方法もあるが、ESTAの申請や今の円安のを踏まえると手間も渡航費用もかなりかかる。
そのような意味では比較的航空券も安価で、ビザ等の事前申請も必要ない。加えて渡航時間も短く、日帰りも可能かつ、在庫も確実にある香港で購入するのも選択肢になってくる。興味がある方は是非、香港に立ち寄ってみるといいかもしれない。
春節の香港観光もまた楽しいものだ