ファーウェイの三つ折りスマホ「Mate XT ULTIMATE DESIGN」が話題だ。触りたくてウズウズが止まらなかった筆者は、発売直後の深センに飛んでなんとか触ってくることができた。軽く使用感を紹介していきたい。
世界初の三つ折りスマホ 「Mate XT ULTIMATE DESIGN」を試す。
Huawei Mate XT ULTIMATE DESIGNは世界初の三つ折り(トライフォールド)のスマートフォンだ。閉じた状態で6.4インチ、ひとつ開いて7.9インチ、全て広げて10.2インチという1台で3つの形態に変化するスマートフォンだ。
通常は6.4インチのスマートフォンだ。通常と同じように使える
ひとつ開いて7.9インチの折りたたみスマートフォン。Google Pixel 9 Pro Foldがサイズ的には近い
そして、全て開いた10.2インチ。もはや大画面のタブレット端末だ。
三つ折りスマホを開いて伸ばす動画です。びょんびょーん pic.twitter.com/SY5TfDoWT3
— はやぽん (@Hayaponlog) 2024年9月21日
Huawei Mate XT ULTIMATE DESIGNという三つ折りのスマートフォンをただ開いたり、折りたたんだりする動画です。 pic.twitter.com/MdOvu893hy
— はやぽん (@Hayaponlog) 2024年9月21日
端末を開くような動作は動画の通りだ。少しぎこちなくも感じるが、これは筆者がこの手の端末に触れるのが初めてのため、単純に慣れていないだけである。コツとして、最後の山折りの画面は完全に切った状態では展開できない。少し畳んで「Z」の状態にしてから再度開くとスムーズだ。
画面を構成するふたつのヒンジは非常に高精度に作られており、どちらも角度の保持が可能だ。ヒンジも適度な固さがあるため、「Z」の状態を保持できる。この状態で端末を揺さぶっても画面がずれたりしない。
画面の折り目は光の当たり方によっては目立つものの、近年の一般的な折りたたみスマートフォンと同様の印象だ。世界初の三つ折りという初手に出す端末ながら、驚異的と評価できる高い完成度に驚くばかりだ。
画面はこの状態で保持できる。屏風のようにすることも可能だ
画面をスタンドのように使うこともできる
そんな三つ折りの画面を持つMate XT ULTIMATE DESIGN。本体の厚みはすべて畳んだ状態で12.8mmとそのスマートフォンより少し厚い程度だ。これはGalaxy Z Fold5を畳んだ時(13.4mm)よりも薄い。
そして、展開した画面で最も薄い部分はなんと3.6mmだ。なかなか実感が湧きにくいが、一般的なイヤホン端子の直径「φ3.5mm」とほぼ同じと考えれば驚異的だ。
本体重量も298gと一般的なスマートフォンに比べれば重たいものの、10インチのブレットとして考えた場合は驚きの軽さだ。これも3年ほど前の折りたたみスマートフォンとあまり変わらない重さだ。
閉じた状態では「ケースをつけたスマホ」くらいの厚みだ
単体の厚みはスマホとは思えない薄さだ
全て畳んでもGalaxy Z Fold5より薄いのは驚異的だ
カメラは5000万画素のメインカメラ、1300万画素の超広角カメラ、1000万画素の5.5倍望遠のトリプルカメラだ。メインカメラには光学式手ブレ補正に加えて、可変絞り機構まで備える。画像処理はファーウェイ独自の「XMAGE」だ。
この手の端末はカメラ性能を犠牲にすることが多いが、ファーウェイはハイエンドらしい仕上がりにしてきた。
折りたたみスマホとして初めて絞り羽を持つ可変絞り機構を採用した
バッテリーは5600mAhと大容量だが、筆者としては少ないと感じた。確かにスマートフォンとしてみれば大容量だが、10インチのタブレットとして見るとこの数字は少ない。
実際30分ほどの体験で主に画面点灯してブラウジングを中心に利用していたが、この状態でバッテリーは2%消費した。動画視聴などがメインでも、電池持ちはあまり良くなさそうだ。
ソフトウェアはHarmonyOS 4.2を採用。一応Android向けのアプリケーションが動作するというが、現時点でのGoogleの動作可否はお答えできない。
画面が三つの形状に変化する前例のない端末だが、画面の状況に応じてフレキシブルにUIが変化する。この辺の作り込みもしっかりとしてきた印象だ。
HarmonyOS 4.2を採用する
10インチをポケット入れて持ち歩く。歴史に残る革命的なスマートフォン
この端末は正直なところ、触ってみなければその凄さは十分に伝わらないと感じた。三つに折れるディスプレイやヒンジの機構はもちろんのこと、本体の重量や厚み、ソフトウェアの完成度。何をとっても高いレベルにある。
実際に使ってみると「スマホもここまできたのか」と感動を覚える。スマートフォンと表現するよりは、「折りたたんでポケットに入るタブレット端末」と表現する方が適切だろうか。まるでSF作品に出てくる未来のデバイスを使っているかのような感覚だ。
筆者もこのスマートフォン触っている間は何度も笑みがこぼれる状態だった。そのくらい触っていて、楽しくワクワクさせてくれる体験を提供する端末だった。
そんなファーウェイのMate XT ULTIMATE DESIGNは19999元(約40万円)からと非常に高価なスマートフォンだが、このスマートフォンを触る体験はそれ以上の価値があると感じる。
日本のスマートフォンマニアの皆さんには、ぜひ触っていただきたいスマートフォンのひとつだ。
こんなの触ったら意識飛びますよ
今後、数年以内にこのようなスマートフォンが広く出てくることになるだろうが、その口火を切ったのは中国ファーウェイだったと携帯電話の歴史に名を刻むスマートフォンだ。
結びになるが、今回の体験をアテンドしてくれたHuaweiストアのスタッフさん。忙しい中同行していただいた携帯電話研究家の山根さんに感謝したい。