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MEIZU 21 Pro レビュー 21:9アスペクト比と強力なAI性能が特徴のスマートフォン

  こんにちは。これまで使ったスマホは300台以上。生まれはギリギリZ世代のライター はやぽんです。
 さて、中国のスマホメーカーMEIZUのスマートフォン「MEIZU 21 Pro」を利用できる機会があったのでレビューしてみよう。

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MEIZU 21 Proをチェック。近い感覚は日本でもお馴染みな「あのスマホ」

 

 MEIZU 21 Proは中国のMEIZU(魅族技研)が販売しているスマートフォンだ。かつては勢いのある新興メーカーとしてCoolpad(酷派)と中国市場のトップを競っていたメーカーだ。

 過去には背面にディスプレイを備えるMeizu Pro 7 Plusや極細ベゼルを採用したMeizu 16thを販売し、マニアを中心に支持された。コンセプトではフル端子、ボタンレスのMeizu Zeroを公開するなど、技術力も持ち合わせていた。

 

 そんなMEIZUは中国国内のスマートフォンメーカーの寡占化に加え、カメラスマホ時代の波に乗れずに競争力が低下。経営が悪化し、現在は大手自動車メーカーの吉利集団の傘下に入って立て直しを図っている。

 今回レビューするMEIZU 21 Proは同社のフラグシップであり、高いデザイン性、手に馴染む横幅、Flyme AiOSによる卓越した操作性をアピールしたスマートフォンだ。スペックは以下の通り


SoC:Snapdragon 8 Gen 3
メモリ:12/16GB
ストレージ:256/512GB/1TB

画面:6.79インチ 21:9比率 WQHD+解像度120Hz対応 OLEDパネル

カメラ
標準:5000万画素
超広角:1200万画素
3倍望遠:1000万画素
フロント:3200万画素

バッテリー:5000mAh 80W充電対応

画面内指紋認証(Sonic Max)
OS:Android 14 Flyme AiOS
価格:4999RMB〜(約10万3000円)

 

 

 

 MEIZU 21 Proの特徴として、画面性能が比較的高い点だ。ディスプレイは6.79インチ、21:9比率のものを採用する。画面解像度は3192x1368のBOE製のOLEDパネルを採用する。

 このほか1-120Hzの可変リフレッシュレート(LTPO)に対応する点、画面輝度が明るい点など、フラグシップに求められる要所はしっかり押さえている。

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ディスプレイはエッジ等ないフラットパネル。ベゼルの幅も概ね均等になっており、デザイン面は近年のMEIZUらしい部分をしっかり押さえている。

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 本体幅は74.42mmとしており、MEIZUはこの幅が「片手で握れ、手に馴染むスマートフォン」とアピールした。確かにこの手のスマートフォンしてはシェイプされた横幅だが、コンパクトスマホほどではない。

 数値的に見れば、日本で身近な機種としてXperia 1 VIが最も近く、ある意味で「Xperia 1 VIの上下ベゼルまで画面にしたような機種」と思ってもらえるとイメージが浮かびやすいはずだ。

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Xperia 1 VIと比較してもほとんど遜色のないサイズだ。

 

 画面内指紋認証は世界的にみても採用機種が極めて限られるクアルコムの3D SonicMaxを採用。大型の認証範囲と超高速認証が売りの指紋センサーだ。日本ではAQUOS R8 proなどで採用されていることから、比較的馴染みのあるものだ。

 

 本機種は3D SonicMaxとSnapdragon 8 Gen 3シリーズの組み合わせによって「画面内指紋センサーをゲーミング操作に割り当て可能」とした世界で唯一なスマートフォンとなっている。対応コンテンツでは、指紋センサーの長押しなどをゲームの操作に割り当てできる。

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画面内指紋認証を備える。3D SonicMaxなので認証エリアの広さがわかるはずだ。

 

 

 

基本性能はフラグシップ。カメラ性能は惜しいが、AI機能は充実!


 MEIZU 21 Proのプロセッサには昨年のフラグシップに当たるクアルコムのSnapdragon 8 Gen 3を採用。この価格帯の製品としては高いスペックを持ち、日常使いはもちろん、ゲームなども快適に遊ぶことができる。高負荷なゲームも快適に遊ぶことができる。各種ゲーミング機能も充実だ。

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ゼンレスゾーンゼロも最高画質で快適に動作する。

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ゲーミング機能も備える


 また、カメラ性能も売りにしているポイントだ。メインカメラには5000万画素、1/1.3型のイメージセンサーを採用している。2倍望遠は実質的にロスレスで撮影できるため、劣化を抑えて撮影できる。光学式手振れ補正も備えており、夜間でも手振れも抑えて撮影できる。

 

 その一方で超広角カメラは1200万画素、望遠カメラは1000万画素と一段階性能が落ちる。このあたりはコストの制約を感じるが、フラグシップという位置付けの端末としては少々さみしいものだ。

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写りは価格帯を考えれば可もなく不可もなく標準的だ。場面よっては少々ビビッドに補正することもあったが、映えを意識したチューニングと評価したい。

 比較的大型のイメージセンサーを採用していること、ハイエンドプロセッサを採用したことによる恩恵も受けている。


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超広角カメラはスペック的にも一段劣る。それでも、夜景や逆光という環境でもしっかりHDR補正をかけてくれる。

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望遠カメラは3倍相当。遠くのものを写すには便利だが、カメラは1000万画素、イメージセンサーも小型のため、5倍を超えるデジタルズームは厳しいものがある。

 

 

 バッテリーは5050mAhのものを採用。待機時の電池持ちは良いが、高い画面解像度などもあって、利用時の電池持ちはやや悪い印象だ。カメラを使ったりゲームなどの場面ではゴリゴリとバッテリーが減っていく。

 一方で、80Wの急速充電にも対応しており、100%までは30分でフル充電が可能だ。50Wのワイヤレス充電のほか、リバースチャージにも対応している。

 防水防塵性能はIP68を取得しており、水辺の環境でも安心して利用できる。本体重量は208gとサイズの割に軽量な点は嬉しいところだ。

 

 OSにはAndroid 14ベースの「Flyme AiOS」が採用される。名前のとおりAI機能に重きが置かれており、通話時の同時翻訳や生成AIを用いた各種アシスタント機能が利用できる。


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UI/UXのデザイン、アニメーションもかなり洗練されており、他社のスマートフォンにはない機能も多く備えている。自動車向けにでもFlyme OSを欲しがった吉利集団の気持ちも理解できる。

 筆者的にはどんな画面からも扇形にアプリや操作のショートカットを表示できたり、一部アプリをスワイプ操作で小窓化できる点が便利だと感じた。
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どのような画面でも画面斜め下からスワイプすることで各種ショートカットやアプリの起動ができる。筆者イチオシの機能だ。

 

 音声アシスタントには「Aicy」という独自のものを採用する。このAicyを用いた機能を利用しているときは本体背面のリングライトが点灯するギミックも備えている。

 基本的には中国語、英語の音声読み上げに対応する。後述の通り日本語も出力できるが、音声読み上げは中国語となっていた。
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AicyはMEIZUのスマートフォンに備わるのAIアシスタント。iPhoneのSiriのようなイメージだ

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Aicyの利用時はリングライトが点灯する

 

 生成AIを用いた検索結果の要約は日本語で出力もできる。中国向けスマホのこの手の機能でちゃんと日本語にて出力してくれるものはあまりない。ましてや、本体言語に日本語の設定がない本機種にて、生成AIにおける日本語出力が可能な点は意外な収穫だった。

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vivoのスマートフォンを調べてみたところ、ちゃんと日本語で出力された

 

 この他にGoogleでいう編集マジックに相当する機能もしっかり備えている。生成AIを用いた画像の消去、画面の拡張が可能だ。

 

 Aicyの情報ソースは中国ネット(WebサイトやSNSの情報)がメインとなるので、情報の信ぴょう性は判断が難しいものもある。筆者としては、中国メーカーのスマートフォンのスペックを要約したりする場面では、Google Geminiなどよりも正確なものが帰ってくることもあった。
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Flyme AiOSという名前は伊達ではなさそうだ

 

 
 

MEIZUは「AIスマホ」で差別化!自動車との組み合わせで生き残りをかける

 


 今回のこのスマートフォンを評価するにあたり、ある意味でMEIZUの今後が気になるスマホであった。中国でのマーケットシェアは大手の寡占が進み、かつてはトップ3に入っていたMEIZUのシェアも今では2~3%前後と厳しい状況だ。

 MEIZU自体も不振に陥り、法人としては吉利集団の傘下に入り、同社のスマートフォンは吉利グループの自動車の車内エンタメ等と高い親和性を持つスマートフォンとして中国では「生き残り」をかけて展開されている。

 

 筆者としてはMEIZU 21 Proはトレンドのカメラ周りは無難ながらも、21:9ディスプレイに高性能な指紋センサー、Flyme AiOSを備える「トレンドとは違った魅力」を放つスマートフォンだと感じた。

 特に21:9のディスプレイは多くの情報を表示する上ではプラスであり、ある意味「少し横幅のあるXperia」に近い感覚で利用できた。スクロール式のSNSや縦動画を閲覧する際には非常にいい体験ができた。

 

 もっと売れてもいいのでは?と思うところだが、今のMEIZUのスマートフォンはかなりニッチなのか、中国ではほとんど売れていないという。

 確かに「ニッチ」と指摘されると否定しきれない部分はあるが、極度な寡占化が進んだ中国市場において、こうしてハイエンドスマホを出せる体力を持ちつつ生き残っているだけでもスマホマニアの筆者としては嬉しいところだ。

 日本メーカーにも似たような境遇のスマートフォンメーカーがあるだけに、どこかMEIZUには親近感を覚える部分があるのだ。

 

 さて、MEIZU 21 Proを日本で使う場合は基本的に日本未発売であること、Flyme AiOSに日本語ロケールが入っていないため、使うのは少々面倒だ。

 一方でGoogle Mobile Serviceは本体設定からオンにすれば有効にできるため、Playストアのアプリだけインストールすれば利用できる。

 卓越したデザインのスマートフォンが欲しいかたにはもちろん、ひと通り中国大手メーカーのスマホを触って飽きたという方にはオススメの機種だ。他人と被らない変わったスマートフォンに興味がある方はチェックしてみて欲しい。