こんにちは。これまで使ったスマホは300台以上。生まれはギリギリZ世代のライター はやぽんです。
さて、「最新スマホ」という単語にはいつも心がときめきくものだ。今回は海の向こうからやってきた"最新のライカスマホ"ことXiaomi 15のレビューといきましょう。
- 小さくてもライカ監修カメラで綺麗に撮れるXiaomi 15
- コンパクトでも高性能!世界初のSnapdragon 8 Elite採用スマホ
- 小さくてもパワフル!Xiaomi 15は日本でも欲しいスマートフォン
小さくてもライカ監修カメラで綺麗に撮れるXiaomi 15
Xiaomiからは一昨年から「ライカコラボスマホ」が矢継ぎに発売され、日本でもライカコラボレーションの新型スマホXiaomi 14Tシリーズが発売された。今回は中国で発売された最新スマホ「Xiaomi 15」だ。
売りとしているカメラは3眼構成。35mm換算で14mmの超広角、23mmの標準、60mmの望遠となる。レンズはライカのズミルクスを冠するものとなり、レンズコーティングが一新されるなど従来より改善されている。
ズームレンズとなるため「VARIO-SUMMILUX」の表記が見られる
メインカメラのイメージセンサーは自社ブランディングの「Light Fusion 900」を採用。これは、オムニビジョンと協業して開発したXiaomi向けの製品で、かつてのファーウェイがソニーと組んだものに近いものを感じる。
レンズのフレアなども前作から改善されているので、前作より着実な進化を遂げたと評価できる。そんなXiaomi 15での作例は以下のようになる。本機種ではデフォルトのクォーターマークに画角が表示されるのでそちらを参考にしてほしい。
Xiaomi 15ではライカを冠するチューニングなだけあって質感深い絵が出る印象だ。前作のXiaomi 14シリーズよりも深みのあるチューニングと感じる。
Xiaomi 15の夜景モードは強力だ。どちらかと言うと黒をハッキリ出すチューニングとなっており、メリハリのある作例となる。
Xiaomi 15では「AIカメラ」という部分に加えて「LEICA AUTHENTIC」と「LEICA VIBRANT」という大きな枠がある。これらにHDRのオンオフと4種類のライカフィルターを組み合わせることで、ファーウェイやシャープのライカを冠したスマートフォンに近い色を出すこともできる。
組み合わせだけなら、モノクロを含めてプリセットで32通りのライカ監修パターンが出てくるものになる。すごいといえばすごいのだが、ユーザーにとって分かりやすいかと問われると少々複雑にも感じる次第だ。
このようなモノクロ写真も撮影できる。フレームはプリセットでいくつかあり、数パターンから選択、撮影後に後付けも可能だ
Xiaomi 15最大の特徴が60mm相当の望遠カメラだ。レンズのf値が2.0と明るいことに加え、最短撮影距離が10cmとこちらはかなり寄れるカメラだ。
従来よりも広角よりの構成だが、こちらはイメージセンサーが一新されたことに加え、ロスレスズームで5倍相当の画角になるなど、性能向上と比較的扱いやすい画角へと変更された。
このカメラではいわゆるテレマクロ撮影が簡単にできる。従来のスマートフォンではイメージセンサーの大型化に伴って最短撮影距離が伸びてしまい、マクロ撮影やクローズアップする作例は撮影が難しくなった。
近年では超広角マクロを備える機種も増えてきているものの、端末の影等を理由に撮影しにくいことも多く、必ずしも使い勝手が良いものではなかった。このあたりはXiaomi 15の大きなアピールポイントだ。
望遠カメラながら被写体に寄れることから、クローズアップ撮影が簡単に可能だ
望遠カメラは5000万画素のものを採用するため、5〜6倍でも綺麗に撮影ができる。
光学特性的に玉ボケも大きく出るため、従来のスマートフォンでは難しかった表現も可能だ。
超広角カメラもキレイに撮影できる。14mm 相当なので、Xiaomi 14 Ultraなどよりはやや範囲は狭い
コンパクトでも高性能!世界初のSnapdragon 8 Elite採用スマホ
Xiaomi 15はライカ監修カメラに注目が行きがちだが、画面性能なども評価したい。ざっとスペックを書くとこんなところだ
SoC:Qualcomm Snapdragon 8 Elite Mobile Platform
メモリ:12/16GB
ストレージ:256/512GB/1TB画面:6.3インチ 1.5K+ CSOT OLED
カメラ
リアカメラ標準:5000万画素 f1.69 Light Hunter 900
超広角:5000万画素 f2.2
望遠:5000万画素 f2.0
フロント:3200万画素
バッテリー:5400mA/h
90W充電 無接点充電対応
重量:191g
本体カラーはブラック、ホワイト、グリーン、パープルの4色。今回はパープルを選択した。
画面は6.36インチとiPhone 16やGoogle Pixel 9に近いサイズだ。TCL CSOT製のパネルを搭載し、画面解像度は1.5Kのものが採用される。画面輝度はピーク時3200nitとかなり高いものに仕上がっており、屋外でもさらに画面が見やすくなった。
ディスプレイは6.36型。iPhone 16やGoogle Pixel 9が近いサイズだ
ベゼル幅は左右上下共に1.38mmと薄型に仕上げた
本体の重量は191gと後述のバッテリー容量が増加しながらも、前作よりも軽量に仕上げた。本体の縁の部分はすべて丸みを帯びた設計としており、手触りも非常に良い。
まt、本体上部と下部が50:50の重量感になるよう設計されており、カメラ部が重い、本体下部が重いといったことがない点もポイントだ。実際に持ってみても非常に良い重量バランスだ。
本体の重量感、サイズ感はかなり良い仕上がりだ
プロセッサはSnapdragon 8 Elite Mobile Platformを採用している。クアルコムのイベント「Snapdragon Summit」にて本プロセッサが発表されたが、その1週間後にはXiaomi 15シリーズが発売されている。もちろん世界初搭載だ。
本プロセッサは、第2世代の3nmプロセスルールで製造されており、CPUは第2世代のOryonコアを搭載している。これによってCPUのパフォーマンスは42%、GPUは44%と飛躍的に向上したとアピールした。
もちろん、スタンドアローンでのAI画像生成(オンデバイス処理)などの性能も向上しており、ほぼリアルタイムでの翻訳なども可能だ。カメラ性能で大切なISP性能も向上している。
Snapdragon 8 Eliteを世界初採用した
Xiaomi 15の搭載メモリは12または16GBと必要十分だ。 冷却性能も大容積の冷却機構を搭載しており、最新のプロセッサーとの組み合わせで長時間のゲームも問題なく遊べるという。
Xiaomi 15を使ってみると、ハイエンド機というのもあって動作にストレスは感じない。Snapdragon 8 Eliteはかなり優秀なチップセットなのか、単純な発熱もかなり抑えられているように感じた。原神のような高負荷なコンテンツを1時間ほどぶっ通しでプレイしても、発熱で「熱い」と感じることは少ない印象だ。
動作の重たい原神も快適に遊べる
リズムゲームは一部最適化されていないものの、高負荷な3DMVのあるコンテンツでも快適に遊べる
ゲームによっては遊べるものの、最適化が行き届いていない例もある(学園アイドルマスター)
ベンチマークスコア結果。GeekBench 6ではマルチコアで9000以上を計測した
ベンチマークスコアはGeekBench 6でシングルコア3040、マルチスコアで9278の数値(写真左)だった。マルチコアでは競合のDimensity 9400(写真中)Apple A18 Pro(写真右)をも上回った。同じくコンパクトハイエンドのvivo X200 Pro miniと比較するとXiaomi 15が優位に立つが、vivoは8割くらいの性能に抑えており、動作安定性重視であることがうかがえる。
Xiaomi 15にはステレオスピーカーを搭載。Dolby Atmos、ハイレゾ再生への対応はもちろん、ワイヤレス向け高音質プラットフォームのSnapdragon Soundに対応。Xiaomi 14に引き続き、IP68規格の防水防塵に対応する。
バッテリー持ちについてはXiaomi 14から体感的に大きく向上している。5400mAhの大容量バッテリーのおかげか、この手のサイズの機種では抜群の電池持ちだ。コンパクトモデルながら並みのフラグシップ以上の容量に驚くばかりだ。参考までにほぼ同じサイズのGoogle Pixel 9 Proは4700mAhだ。
急速充電は90Wの高速充電に対応。50Wのワイヤレス充電と10Wのリバースチャージにも対応している。バッテリー容量が増えた分、充電にはやや時間がかかるが、それでも1時間以内にフル充電が可能だ。1600回充電しても80%の容量を確保できるという。
Xiaomi 15シリーズでは「Xiaomi HyperOS 2」が採用される。こちらはAndroidベースではあるが、より家電製品や自動車とのコネクティビティを重視したものになっている。今回はiOS端末との連携性を高める機能も実装されたが、現時点では中国向けの機能だ。
Xiaomi HyperOS 2は既存の機種にもアップデートが提供される予定だ
AI機能も強化され、写真の拡張なども可能になった。
小さくてもパワフル!Xiaomi 15は日本でも欲しいスマートフォン
Xiaomi 15のカメラに関しては、Xiaomi 14から大きな進化はないものの、使いやすく着実な進化を遂げた。Xiaomi AISPの進化、プロセッサの最適化が行われたことで、高度なHDR処理などを可能にしている。ライカ監修の高いクオリティで写真撮影が可能なこともあって、市場の評価も変化し始めた。
本機種はグローバル展開するサムスンのGalaxy Sシリーズにぶつける端末なだけあって、端末の完成度は非常に高い。今回はデザイン、重量バランス、大容量バッテリーを採用していることもあり、他社のプレミアムラインと言われるスマートフォンの中でも存在感を示している。
それでありながら価格は非常にお手頃な端末となっている。Galaxy S25の価格が高騰するのではないかという情報もある中、最小構成で4699RMB(約9万6000円)と従来より約1万円ほど値上げされつつも抑えた。
Xiaomiもハイブランド路線となってはいるが、まだまだ「Galaxyより高スペックで安価」のポジションとなっている。筆者としては安くて高性能な端末が購入できる点は嬉しい限りだが、この値上げはXiaomiが「安いだけ」が付加価値のメーカーではなくなってきていることの裏付けだ。
筆者としては、Xiaomi 15は「撮影体験が楽しいカメラスマホ」はもちろんのこと、高性能プロセッサと大容量バッテリーの両立がありがたい。カメラ性能はもちろんのこと、普段使いでも安心して利用できる一台に仕上がっている。
強みの簡単にキレイに撮れるカメラは「作品に昇華できる」レベルへ進化。これはファーウェイやシャープがライカとコラボしてたどり着いたところ。 この撮影体験の楽しさはXperiaなどの楽しさとは異なり、Xiaomi 15は写真を撮った瞬間に「来た」と直感的に分かるような挙動をしてくれる。
加えて、テレマクロ性能を重視した望遠カメラ存在は他社のスマートフォンにはまだ少ないモノだ。べらぼうな望遠性能だけを突き詰めるのではなく、日常的に利用頻度が高い画角で「使い勝手」を向上させる構成は嬉しいものだ。
今回のXiaomi 15シリーズは例年通りならグローバル展開も予定されるはずだ。ライカのブランドを引っ提げての世界展開はXiaomiのスマートフォンを「カメラ性能が高い」と印象づけられることだ。
加えて、ライカとコラボレーションしたことによって、Xiaomiにも画像処理のノウハウが少なからず蓄積されているはずだ 。Xiaomi 15シリーズでは4世代目なだけあり、ハードやソフトもしっかりと作り込まれているのがわかる。
ライカコラボのカメラはグローバルはもちろん、ついに日本向けのスマートフォンにも採用された。躍進を続ける今Xiaomiのスマートフォンに期待したいところだ。