様々な製品の登場で市場をにぎわすワイヤレスイヤホン。今回はコストパフォーマンスに優れた高音質イヤホン「EarFun Air Pro 4」がヒットを飛ばすEarFunから、よりコストパフォーマンスに優れる「EarFun Air 2 NC」をメーカーさんより提供いただいたので、レビューしていこう。
- 圧倒的コスパを実現「EarFun Air 2 NC」をチェック
- 安くてもしっかりLDACに対応!高品質サウンド
- EarFun Air 2 NCの機能もチェック。この価格で強力なノイズキャンセリング機能を搭載
- 欲しい機能はしっかり搭載。安くても「これでいいじゃん」と思わせるイヤホン
圧倒的コスパを実現「EarFun Air 2 NC」をチェック
市場競争が過熱する完全左右独立型イヤホンの市場。3万円を超える製品も当たり前になる中、コストパフォーマンスを重視した中国メーカーも多く登場した。今回は上位機種ゆずりのノイズキャンセリング性能、LDAC対応というコストパフォーマンスの高さをアピールする「EarFun Air 2 NC」だ。
パッケージは一般的なイヤホンでよく見かけるタイプのものだ。本レビューで紹介するブラックとホワイトが用意される
ケースは艶消し加工となり、以前に比べて安っぽさを感じさせない仕上がりとなった。
本体の収まりも悪くない。いわゆるAirPodsのようなもので、特段取り出しにくさもなく使いやすいものだ。
安くてもしっかりLDACに対応!高品質サウンド
EarFun Air 2 NCの対応コーデックとしては、SBC/AAC/LDACに対応している。LDACはハイレゾ相当となる24bit/96kHz再生も可能な高音質コーデックだ。aptX Adaptiveには対応しないGalaxyやGoogle Pixelといったスマートフォンでも、より高音質を楽しめるようになった。
オーディオハードウェアは11mm経のドライバーユニットを採用している。強力なマグネットを使用することで、高い駆動力を持たせ、広い音域を再現できるという。さて、音にも妥協はないと触れ込みのEarFun Air 2 NCを早速聴いてみることにする。今回の試聴曲はこちら
学園アイドルマスターより
Ride on Beat/紫雲清夏
アイドルマスターミリオンライブより
初恋バタフライ/宮尾美也
永遠のAria/雨宮天
スロウリグレット/田所あずさ
今回の試聴環境はスマートフォンにソニーのXperia 1 VIを採用し、LDACの環境で使用する。本機種はストリーミング環境でも単独で24bit/96kHz環境の再生が可能な機種だ。
今回のレビューではXperia 1 VIを使用した
EarFun Air 2 NCの感想として、実売価格が7000円前後の商品としてはしっかり作り込まれたサウンドだ。
高域は少々抑えられている感覚はあるが、特別ざらつきなどは感じられない。同価格帯の従来モデルよりも解像感は向上しており、よりクリアなサウンドになった印象を感じた。
ある意味ドンシャリと評せるチューニングだが、LDAC対応なこともあってか高域の開放感が印象的だ。ハイレゾを意識したようなチューニングとみても良いだろう。
高域の表現についてはコーデックに大きく依存するが、伸びやかな高域を体験したいのであれば、やはりLDAC環境での利用を強くオススメする。7000円クラスの完全ワイヤレスイヤホンで、ここまで上手く鳴らせるのであれば上出来だ。
最初にスロウリグレットを聴いてみる。ヴォーカルに対して、高域の広がりが目立つサウンドであることがわかる。透き通るような感覚までは至れなかったものの、この価格であれば満足度は高い。上位モデルのAir 4 Proと比較すると抜けの良さで劣るものの、気になるような閉塞感は感じない。
ここで曲をCybernetic、続けて初恋バタフライに変えてみる。低域のレスポンスの良さ、窮屈さを感じさせない空間表現に関しては高く評価したい。特に低域は量感も少々多めでEDMなどのジャンルにも強い。弾むようなビートの表現は上位機種にゆずる部分こそあるが、本機種とは比較的相性のいいジャンルと感じた。
ここで曲を永遠のAriaに変えてみる。冒頭の静けさの中のボーカル表現も悪くない。生楽器系サウンドの固さが前よりも抑えられたチューニングなのか、気持ち良く聴くことができた。解像感ではAir Pro 4にどうしても劣ってしまうが、イージーリスニング荷的な部分ではありと感じた。
ここまで聴いてきて、サウンドクオリティはかなり高いことが分かる。今回の試聴曲はEarFun Air Pro 4と同じものをチョイスしたが、いずれの楽曲でも「なるほどな」と本機種の進化を感じることができた。音の細かいディテールではさすがに有線のイヤホンには劣るが、LDAC環境であれば有線環境に近いところまで来ていると感じられる。
EarFun Air 2 NCの機能もチェック。この価格で強力なノイズキャンセリング機能を搭載
さて、音質についてはこの辺りにして、ここからはマイクの品質や本体の質感について書いてみる。
EarFun Air 2 NCの特徴は-45dbのアクティブノイズキャンセリングに対応している。こちらは「QuietSmart 2.0」と称する独自のアルゴリズムを利用したものとなっており、外音のレベルに合わせて自動的に処理が変化する。
公称値で-45dbという数字は、従来のフラグシップ「Air 3 Pro」に匹敵するもので、このクラスの比較的安価な製品としてはトップレベルの性能だ。ここはAir Pro 4のほうがもう一段上だが、本機種でも十分すぎる性能だ。
実際に使ってみると、ノイズキャンセリングの精度は価格を考えると十分すぎるものだ。AirPods ProやHuawei Freebuds 3 Proと比較すると閉塞感は感じるが、多くの場面で満足できるレベルに達していると考える。
マイクの通話音質は価格を考えれば良好だ。3つのマイクを用いて、AI処理によるノイズ低減機能を備えた。ノイズリダイレクションによってノイズの少ない通話を可能にしている。
3つのマイクを備え、ノイズを低減する
フィット感については市場でもよく見るあの形状だ。やはりこの形状は人間工学的にもよくできているのか、ワイヤレスイヤホンの中でも上位に入る装着感だ。
よく見るこの形状は理にかなっている
バッテリー持ちに関しては公称値で6時間(ANCオン)となっている。ANCオフでは9時間と比較的長時間のバッテリーだ。10分の充電で2時間利用できる急速充電や、ケースはワイヤレス充電にも対応する。
実際に使ってみても電池持ちは一般的で、4時間ほど通話してもバッテリーは30%残っていたため、概ね公称値通りだ。それでも、LDAC接続では公称値よりも早めにバッテリーが無くなる形だ。
音の途切れも少なく快適に利用できたが、LDAC接続では不安定になる場面が見られた。この辺りは場面に応じてコーデックを切り替えると良さそうだ。
EarFun Air 2 NCはスマホ向けのアプリもしっかり備え、バッテリー残量の確認やイコライザーの調整が可能だ。アプリではイコライザなどの音響調整の他、操作ファンクションの変更、ノイズキャンセリングやゲームモード(低遅延モード)、マルチペアリング設定への切り替えが可能だ。低遅延モードも55msまで遅延を抑えており、最新チップセットの恩恵を受けている。
アプリから各種設定が可能だ。
欲しい機能はしっかり搭載。安くても「これでいいじゃん」と思わせるイヤホン
さて、今回レビューのEarFun Air 2 NCというイヤホン。評価の高かった廉価モデルもサウンドに磨きをかけ、コーデックもLDACに対応するなどの進化を見せられた。ノイズキャンセリングやマルチポイント接続、専用アプリ、ロングライフバッテリーを備えるなど、安いながらも音だけでなく使い勝手も良好に仕上げた製品だ。
EarFun Air 2 NCの価格は公式直販ストアで7980円となり、これらの機能を備えたワイヤレスイヤホンとしてはかなり安価な設定だ。これに加えてアマゾン等のECサイトでは、クーポンを配布しており、概ね6000円前後の価格で買えることも多い。相変わらず破格と言える価格設定だ。
正直、この価格であれば「これでいいじゃん」と思わせてくれるだけのパフォーマンスを持ち合わせている。数万円の機種と比較すると確かに音質やアプリの完成度、ノイズキャンセリングの精度で劣る部分もある。
それでもEarFun Air 2 NCの音質面、機能面はかなり近いところまで進化しており、価格差はあるか?と問われると首を縦に振れないところがある。
ハイエンド機種と同じ高性能なプロセッサを搭載したこともあり、数万円の機種とできること自体は大きく変わらない。それを低コストかつ高いクオリティーに収めてくる昨今の中国メーカーの勢いの強さに驚かされるばかりだ。
EarFun Air 2 NCは、はじめてのワイヤレスイヤホンにはもちろん、7000円以内という予算なら「とりあえず買っておけ」と言えるような製品となっている。正直プラス2000円でフラグシップのAir Pro 4が買えてしまうことを考えると悩ましい部分もあるが、機能を抑えて安価な製品が欲しいという方にはぴったりの商品だ。
近年は5000円前後、なんなら2000円台でもいい商品は存在する。それでもAir 2 NCはそれよりさらに上の価格帯とタメを張れる音質やANC性能をしっかり備える。廉価帯機種からのアップグレードという意味でもおすすめだ。
特にAndroidスマートフォンを持っている方には比較的お勧めできる製品だ。LDACに対応して たことでGalaxyやPixelユーザーにも安心してオススメできる。安価で高音質な商品を求める方はチェックしてみてはいかがだろうか。