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Galaxy Z Fold Special Edition クイックレビュー 韓国限定の大きくなったGalaxy Foldを試す!

 先月発表されたサムスンの最新折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Fold Special Edition」は同シリーズの中では圧倒的な薄さと軽さ、待望の大画面で瞬く間に注目された。筆者もフォロワー様より入手したとの連絡を受けたので、簡単に触らせていただくことができた。今回は、簡易的なファーストインプレッションとしたい。

 

 

大きくなったGalaxy Fold。Galaxy Z Fold Special Editionを体験する!

 

 Galaxy Z Fold Special Editionはサムスンから「隠し玉」とも言えるような形で発表、発売された端末だ。現時点では韓国のみの発売となっており、Galaxy Z Fold6とは異なる「もうひとつのフラグシップ」という存在だ。

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 決定的に異なるのが画面サイズだ。閉じて6.5インチ、FHD+解像度 アスペクト比21:9のディスプレイを採用する。幅が72.8mmということもあり、持った時の感覚はXperiaシリーズに近い。

 展開時は8インチの大画面となり、どちらも120Hzのリフレッシュレートに対応する。Galaxy Z Fold6がそれぞれ6.3インチ/7.6インチということを考えると一回り大きいサイズになった。

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画面を閉じた状態は6.5インチとなる。ヒンジ側のベゼルもかなり削られており、体感的にも普通のスマートフォンと同様に利用できる。

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画面を展開すると8インチの大画面。ヒンジ機構も異なるため、折り目も以前より目立たない仕上がりへ進化

 

 折りたたんだ感触も今までのGalaxy Foldとはやや異なり、どちらかと言えば大画面の折り畳みを採用した中国メーカーのスマートフォンたちの感触に近づいた。それでも閉じたときのマグネットの固さ、展開時のスムーズさなどは後発な商品なだけあってしっかりしていると感じた。

 

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ヒンジ部の構造もGalaxy Z Fold6(上)と異なる形状だ


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Galaxy Z Fold6(右)と比べても一回り大きい

 

 そして、Galaxy Z Fold Special Editionでは本体の厚みを展開時で4.9mm、閉じた状態でも10.6mm、本体重量を236gとしてきた。実はGalaxy Z Fold6の239gよりも軽いので、体感的にはさらに軽く感じる。

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本体は閉じた状態で10.6mm

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本体背面と側面にはデザイン意匠としてスリッドが刻まれている

 

 基本性能も高く、プロセッサにはクアルコムのSnapdragon 8 Gen 3 for Galaxyを採用。世代的にはひとつ前になるが、折りたたみスマホでは現状最強スペックの一角として君臨する。ストレージ容量は512GBのみの展開だ。


 カメラは2億画素のメインカメラにはじめ、1300万画素の超広角カメラ、1000万画素の3倍望遠カメラを備える。ファン待望のカメラの進化は嬉しいところ。フロントカメラは1200万画素に加え、メイン画面には400万画素のものが採用されている。

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メインカメラはGalaxy S24 Ultraと同じ仕様となり、性能向上を果たしたが、それ以外のカメラはGalaxy Z Fold6と同じ仕様
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展開時のカメラはGalaxy Z Fold6などと異なり、アンダーディスプレイカメラの採用は見送られている

 

特徴を失ってやっと競合に追いついたGalaxy Fold。次回作に期待

 

 今回、Galaxy Z Fold Special Editionを触ってみて、折りたたみスマホにおける技術の進歩をまざまざと感じさせられた。ハードウェアとしてここまで薄く軽量にしておきながら、本体はIP48の防水にも対応した。Galaxyファンからしても待望の大画面化と薄型化の両立は嬉しいものだ。

 

 だが、筆者としてはそこまで感動を覚えるような商品ではなかった。理由として、先行する中国勢にはまだまだ引けを取るからだ。

 サムスンの折りたたみスマートフォンは競合する中国勢から見ると、ハードウェア的には数世代劣るようなもの。ヒンジの折りたたみ機構や耐久性、防水性能、薄型軽量化、大画面化でも全て遅れをとった。

 このSpecial Editionで現行世代とやっと肩を並べるところまで来たのだが、その側面はサムスンとしても「ウチも出せますよ」と間に合わせで出してきた印象だ。

 現に中国では本機種と同じハードウェアをベースに「心系天下 W25」というスマートフォンが出ている。むしろ、こちらからの強いニーズで生まれたのではないかと推測される。

 

 一方でこの時期に半ば無理をして出したことが理由なのか、Galaxy Z Fold6から「削ぎ落とされた」部分も多い。特に好評だったアンダーディスプレイカメラとスライタスペンの「S-Pen」対応が見送られている。バッテリー容量も4400mAhに据え置かれるなど、電池持ちでも懸念点が残る。

 特にS-Penやアンダーディスプレイカメラは他社の折りたたみスマホにはない大きな利点、メーカーとしても売り込みしていた機能だ。せっかく画面が大きくなっても「この機能のためにGalaxyを求めていた」という方からするとマイナスポイントになると考える。

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アンダーディスプレイカメラについては「対応させようとした痕跡」が確認できる

 

 Galaxy Z Fold Special Editionの価格は韓国向け、容量512GBの構成で279万ウォン(約30万円)の設定だ。高価な機種ながら一次出荷分は完売となるなど、市場は高い関心を示している。グローバル展開していないことに加え、韓国でも少数販売で販路を絞っていることなどから、流通は少ないと考える。また、近年のGalaxyとしては珍しく充電器やケースが付属する。

 

 筆者としては、中華勢の折りたたみスマートフォンのハードウェアにサムスンのOne UIが乗ったスマホが欲しい!と考えたことがあるような方にはお勧めのスマートフォンだ。

 いろいろな折りたたみスマートフォン使っても、結局はGalaxyに戻ってくる。それでも大画面や新機能に憧れてまた他社のスマートフォンを使ってみる。やっぱりしっくり来なくて結局Galaxyに戻ってくる。

 本機種はそんなスマートフォンマニアな方々に「もうこれでいいだろう」と言わしめるような1台になるはずだ。

 また、画面のアンダーディスプレイ化、S-Penへの対応、バッテリー容量の大容量化などでまだまだ伸びしろもある。そのような意味では後継モデルにも期待したいちょっと惜しい製品だった。

 

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