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Xperia 1 VIを半年使って感じた進化と変化。使って分かった「Xperiaらしさ」に迫る

 2024年6月に発売されたソニーの新型スマートフォン「Xperia 1 VI」発売から期間経て様々な意見があるが、今回は筆者が発売日に購入してから概ね半年利用し、感じたことをまとめていく。


Xperia 1 VIを使ってわかった画面輝度の向上とバッテリー持ちの進化。


 Xperia 1 VIを利用して、最も”乗り換えた恩恵”を受けている点が、画面輝度(明るさ)の向上と電池持ちの向上だ。画面輝度は従来モデルのXperia 1 Vと比較して、1.5倍の明るさになったと公称しており、従来よりも明確に画面が明るくなったことを実感できた。

 特に晴天下の視認性は「サンライトビジョン」という輝度ブースト機能も効果もあって、従来機種よりも視認性が大きく向上したように感じた。

 一方で画面解像度が4KからフルHD相当まで落とされたことで「グレードダウンした」という意見も出た中、画面解像度の変化以上に明るくなったディスプレイを評価したい。

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ディスプレイ輝度は大きく向上した


 そして、バッテリー持ちも大きく向上している。メーカー公称では従来の2倍としているが、実際に使ってみると数値的に近い感覚だった。

 容量が変わらない状態でバッテリー持ちを向上できた理由は、画面解像度の変更や可変リフレッシュレート制御といったディスプレイの変化、最新プロセッサの採用、各種最適化が行われている事が理由。

 バッテリー持ちはスマートフォンを選ぶ上でもかなり重要な要素だ。視聴体験を大きく変えずにバッテリー持ちが向上した点は評価したい。

 


 このほかカメラ性能も進化したポイント。メインカメラはXperia 5 V同様、インセンサーズームに対応した。これによって2倍望遠での画質が向上した。

 望遠カメラの望遠端は170mm相当まで伸び、ズーム性能が向上し、マニュアルモードながらテレマクロ撮影に対応した。Xperia 1 VIのテレマクロは最短撮影距離が4cmと、現在市場に出ているスマートフォンの中でも「寄れる」機種。細かい部分を撮影できることはもちろん、場面によっては拡大鏡代わりに利用することもできる。

 

 ソフトウェア面は高速連写や瞳AFなどの機能に加え、Xperia 1 VIでは「姿勢推定技術」を新たに搭載した。被写体を骨格レベルで認識、追従する機能で、AI処理も使用している。一度狙った被写体なら、遮るものが多いシーンでも追い続けることができる。

  操作系の大きな変化として、カメラアプリの操作UIが変更された。これに合わせ従来の「Photography Pro」「Videography Pro」「Cimema Pro」と3つに分かれていたカメラアプリが統合された。

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カメラアプリはリニューアルされた

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テレマクロ機能はクローズアップに便利だ

 

 

Xperia 1 VIで不安視された「変化」半年使ってみると気にならない

 

 画面比率をはじめとしたXperia 1 VIの新たな変化は、同時に「今までのXperiaらしさを失う」といった意見が過去機種を愛用しているユーザーを中心に多かった。これらの懸念点について、実際に半年使ってみて印象は変化しただろうか。

 今までのXperia 1ユーザーの視点から見ていくと、Xperia 1VIは画面アスペクト比の変更が持ってすぐに実感できる大きな変化だ。

 このサイズ感に筆者もある種の戸惑いを抱いたが、実際に半年使ってみると、この横幅やアスペクト比は慣れもあってほぼ気にならなくなる。

 今改めてXperia 1 Vなどの21:9比率の機種を持ってみると「細い」という感想を抱くものの、これに対してXperia 1 VIが「横幅が広くて使いにくい」場面は感じられなかった。
 

 画面解像度は従来の4KからフルHD+になった。これも比較してみるとXperia 1 VIのほうがドット感は伺えるものの、実使用においてこの差を感じる場面はかなり少なかった。
 むしろ、画面解像度の変更によって画面のピーク輝度向上、LTPO(可変リフレッシュレート)に対応できた。これによって、前述した屋外での視認性向上やバッテリー持ちの向上を果たした。

 画面解像度の変更によって失ったもの以上に、いつも通りにスマートフォンを使う上ではプラスとなる場面の方が多いことを改めて実感した。

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画面輝度も大きく向上した

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横幅が広くなったが、持ちにくいと感じることはなかった
 

 筆者としては、Xperia 1 VIのカメラアプリは一般ユーザーでも使いやすい構成にまとめてきたと感じた。実際、スマートフォンという観点で見たときはかなり使いやすくなっており、普通に使う上では完成度も高い。

 従来のアプリは「専用機の操作系」をスマホに落とし込んだ結果、操作項目の並びやキーワードが専門的すぎて一般ユーザーからは「分かりにくい」と評されていた。

 もちろん、従来機のユーザー向けにはしっかり追い込めるプロモードを残している。多くの方にとって、一般的なスマートフォンと同様”使いやすいカメラアプリ”に仕上がったはずだ。

 


ソニーらしさは健在!実際に使って体感できた「唯一無二のスマートフォン」


 今回、フルモデルチェンジしたXperia 1 VIを改めて半年利用してみて、多くの変化がありながらも、気が付いたらなんの違和感なく利用できていることに気づいた。
 その理由を考えてみると、使っていくうちの慣れはもちろん、Xperia 1 VIに多くの変化こそあれど「ソニーらしさ」と呼べる要素をしっかり残している点に行き着いた。
 
 例えば、ディスプレイの解像度を近年のハイエンドスマホで主流のWQHD+(短辺が1440ドット前後)や1.5K(短辺が1220ドット前後)にせず、あえて短辺が1080ドットのフルHD+とした。この理由は「コンテンツ製作者に合わせるため」というこだわりがある。
 ソニーストアで行われた開発陣との意見交換会でも、WQHD解像度で制作されている映像コンテンツはほとんどないことに触れ、スペック表ではアピールできても「コンテンツ視聴の観点で見ると中途半端な解像度」と回答していた。

 

 また、画質の良さは複数の要素が組み合わさって評価されるもので「画面解像度の高さ=綺麗な画面」とは必ずしもならないことにも触れられた。

 同社のテレビ「ブラビア」を基準とした画面チューニングも、ブラビアの画質チームと共同で作り上げた。画質調整は”ブラビアの実機と見比べる”といった手法も用いられた。

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 エンタメ機能も抜かりない。進化したフルレンジステレオスピーカーは、ユニットを一新してさらなる高音質化を果たした。従来よりも低域がしっかり出るようになったので、低域を中心に音に厚みが増している。

 Xperiaの場合、他社の機種と比較しても端末の箱鳴り(共振)がかなり少なく「音量が出るだけ」のスマートフォンとは異なる高音質な仕上がりだ。
 イヤホンジャックに関しても音を良くするために細やかな進化を遂げた。従来から好評な「DSEE Ultimate」「360 Upmix」といった独自の音響効果に加え、本体の物理的なサウンドハードウェアも強化している。 


 ゲーミング機能も「ゲームを最高画質で楽しむ」だけでなく、ライブ配信をはじめとした第三者への発信要素、Youtube向けの動画コンテンツ制作者向け要素も多く兼ね備えている。

 決定的な場面を残せる「RTレコード」、スマホ単独での音声ミキサー、スクリーンショットの連写機能、外部キャプチャボードへの出力機能まで備えるなど、他社のゲームモードには備えない機能が充実している。

 

 この他にもXperiaをカメラの外付けディスプレイとして利用できる「外部モニターモード」、従来から支持される「サイドセンス」というショートカットも引き続き利用できる。ハードウェア的な特徴では、シャッターボタンの存在はもちろん、3.5mmイヤホンジャック、micro SDカードの両方が利用できる唯一のフラグシップ端末という異才も放っている。
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ゲーミング機能は充実。特に配信機能などが優秀
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有線イヤホンも楽しめる


 これらの「ソニーらしさ」というこだわりが詰め込まれたXperia 1 VIなら、映像や音楽の視聴、ゲームなども高いレベルで楽しめる。コンテンツの消費だけでなく、制作といったクリエイティブな需要にも応えてくれる。
 
 スマートフォンだけでなく、カメラやテレビ、ゲーム機といったハードに加えて、様々な映像、音楽、ゲームをはじめとしたコンテンツまで作っているソニーだからこそ作ることのできる「究極のエンタメマシン」だ。ここまで行くと、唯一無二のスマートフォンという言葉が適切かもしれない。

 この”エンタメマシン”という要素が残されていることが、Xperiaとして大きな変化があっても違和感なく利用できている理由だと考える。形は変わっても中身の本質はしっかりと受け継がれているのだ。

 
 まとめになるが、Xperia 1 VIでは画面アスペクト比や画面解像度の変更、プロ仕様のカメラアプリが廃されたことで「唯一無二」な点が失われたことは惜しい部分。以前からのファン目線では特に気になるところだ。
 Xperia 1 VIの変更はそれらマイナス要素以上に、今回の変更で得たものがプラスに働いている。ハードウェア、ソフトウェア面でも従来から続く「Xperiaらしさ」をしっかりと継承している。
 
 従来の不安要素だったソフトウェアアップデート期間も4年間に延長することが明言されたため、より長きにわたって安心して利用できるようになった。

 Android OSのアップデートも3回のメジャーアップデートが行われる予定となっており、最新のAndroid 15へのアップデートも行われている。

 

 あらゆる部分が進化したXperia 1 VIは、初めてXperiaを検討している方にも、今までXperiaを 使ってきたユーザーにもきっと満足できる仕上がりだ。