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【レビュー】Huawei FreeBuds Pro 4の本気。真のハイレゾワイヤレス「L2HC 4.0」を試す!一度聴いたらLDAC接続に戻れなくなった

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 2月7日に日本でも発売されたファーウェイのイヤホン「FreeBuds Pro 4」には、日本でアピールされていない隠し機能がある。それが特定の端末間で利用可能な「超高音質モード」だ。

 

 

真のハイレゾワイヤレス「L2HC 4.0」に対応するFreeBuds Pro 4。理論上は24bit/48kHz音源を無圧縮で伝送可能


 FreeBuds Pro 4だけが対応する超高音質モード。これは独自コーデックの最新バージョンL2HC 4.0を用いるもので、最大2300kbps(2.3Mbps)の伝送が可能。ファーウェイはこれを「真のハイレゾワイヤレス」としており、24bit/48kHz音源のビットレートである2304kbpsの情報を理論上無圧縮で伝送できるとしている。 一般に24bit/48kHzの音源はCD音源以上の情報量を持つ「ハイレゾ音源」に分類される。

 従来のFreeBuds Pro 3はL2HC 3.0で上限が1500kbps(CD音源の1411kbpsを無圧縮転送)だったが、これを優に上回ってきた。現時点で最強のワイヤレスイヤホン向けコーデックなのだ。

 日本でハイレゾワイヤレスの基準となるLDACが上限990kbps、aptX LossLessが特定条件下で1200kbpsということを踏まえると、2300kbpsという数字は驚異的なものだ。
 

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接続時のアニメーションもプレミアムな画面
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L2HC 4.0対応端末に接続すると、特徴的な表記と共に「LOSSLESS 2.3M」の文字が現れる

 

 さて、この高音質伝送はFreeBuds Pro 4に採用された「Kirin A2チップ」と、ファーウェイ独自OS「HarmonyOS NEXT」を採用したことで達成しているという。ファーウェイもFreeBuds Pro 4を「世界初のHarmonyOS NEXT搭載イヤホン」とアピールしている。

 

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実は日本で最初のHarmonyOS NEXTの機器だったりするFreeBuds Pro 4

 

 そんなL2HC 4.0だが、日本では全くアピールされていない。その理由は、この機能に対応する端末は全て日本未発売のファーウェイ製の端末に限られるからだ。

 このうち「Kirin 9020」プロセッサの搭載が判明している端末は、出荷時のOSバージョンでL2HC 4.0に対応する。それ以外では「Kirin 9000S」または「Kirin 9010」プロセッサの搭載が判明している端末を独自OS「HarmonyOS NEXT」にアップデートすることで利用できる。このため、L2HC 4.0の対応機種は以下の通りになる。

Mate 70シリーズ
Mate X6(グローバル版も可能)

 

以下機種はHarmonyOS NEXT(独自OS)にアップデートで対応。グローバル版は現状非対応

Pura70シリーズ
(Pura70衛星通信非対応モデルを除く)
Mate60シリーズ
Mate X5
Pocket 2
MatePad Pro 13.2

 

 対応機種は基本的に中国製の独自チップセット並びに、HarmonyOS NEXTに依存するもの。世界的に見ても現時点で対応する端末は極めて少ない。

 

 

一度聴いたらLDAC接続には戻れない。FreeBuds Pro 4の本気を試した


 筆者はHarmonyOS NEXTにアップデート済みの「Pura70 Ultra」を持ち合わせており、本機能を確認できる環境にあったのでレビューも残しておく。なお、この機能は日本で販売されているFreeBuds Pro 4でも利用できる。


 さて、この組み合わせで何曲か聴いてみる。一言で表現するなら「LDACには戻れない」と感じてしまう高いレベルのサウンドに驚かされた。
 FreeBuds Pro 4はLDAC接続でも十分高音質で楽しめるイヤホンなのだが、L2HC 4.0で接続すると秘めた「本気」を出してくる。

 特に空気感の表現と低域にもう一段厚みが出て、高域には繊細な表現もはっきり出てくる。LDACでは濃密なサウンドを体感できるが、L2HC 4.0ではここに天井が開けたかのような抜けの良さが加わる。情報量の多さは圧倒的にL2HC 4.0が勝る。

 ロスレス音源を中心にストリーミングサービスを利用しているなら、この組み合わせは現時点で「最強」と評価すべき仕上がり。これを知ってしまうと、もうLDAC接続のFreeBuds Pro 4には戻れない。

 加えて、LDACに比べてL2HC 4.0は音切れも少なく人混みの中でも問題なく利用できた。接続安定性、機能性、高音質の3つを両立させており「ワイヤレスでもここまで来たか」と感じさせられた。まさに「新境地」と表現すべきものだ。

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Huawei Pura70 Ultraと接続して聴いてみた。ハイレゾ音源を聴くともうLDAC接続には戻れない

 

一度聴いたらもう戻れないほど高音質。必要なものはHUAWEIの最新スマホと「Androidをやめる覚悟」

 

 さて、Freebuds Pro 4のL2HC 4.0環境はかなり高音質で音楽を楽しめることができる。何度も聴いた筆者はもうLDAC接続には戻れなくなってしまった。

 高音質な一方、難点はHarmonyOS NEXTのアップデートが必要なこともあって、日本で体験することが事実上不可能なことだ。

 上述した対応機種が、全て中国製の独自SoC採用が判明している10万円を超えるハイエンド機と高価な点。その上で基本的に中国本土で販売されたものに限られる。
 仮に対応端末を購入しても、ファーウェイの端末は米国制裁の関係でGoogle系サービスが基本的に使用不可。相変わらず日常利用ではかなり使いにくいことだ。

 その中でも比較的入手しやすいMate60シリーズやPura70シリーズでL2HC 4.0を試すには、ファーウェイ独自のOS「HarmonyOS NEXT」にアップデートが必要。端的にいえば、かろうじて残されていたAndroid OSの利便性をほぼ全て捨てなければならない。

 

 そのため、ゲテモノAndroidスマホすら飽きてしまい、iOSやWindows Phoneが出たばかりの頃のような更なる刺激を求めたい!!という方でもない限りお勧めはできない。

 

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もちろん、HarmonyOS NEXTの対応スマートフォンは1台も日本で販売されていない。日本語はもちろん非対応

 

 その一方で、HarmonyOS NEXTも仮想環境でAndroidアプリを動かす仕組みができたりと、以前に比べてかなり使いやすくなっている。2週間前には待望の日本語入力に対応し、日本での実用も以前に比べて簡単になった。

 

 最後になるが、FreeBuds Pro 4でさらに進化した高音質再生機能。やはり聴いてしまったら、LDAC環境に戻ることはできなさそうだ。24bit/48kHzクラスの音源すらロスレスで余すことなく伝送できてしまうL2HC 4.0、それを再現できるハードウェアを備えるFreeBuds Pro 4には驚きしかない。

 

 筆者としても、読者にはこの機能のためだけに今すぐHarmonyOS NEXTの端末に乗り換えろとは言わない。独自OSゆえのクセもあり、多くの日本人にとって使いやすい状況には至れていない。言語に日本語もなければ、最適化もされていない。普段使っているアプリが仮想環境で動く保証もない。

 それでも「Androidをやめる覚悟」がある方は、お手持ちのスマホをHarmonyOS NEXTにアップデートして、真のハイレゾワイヤレスという境地に足を踏み入れてほしい。一度聴いたら最後、もうLDAC接続に戻ることはできないだろう。

 

一般にイヤホンだけのレビューも執筆中。しばしお待ちください。

 

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