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iPhone 16eは「iPhone SEの後継機種」ではない理由とは

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 AppleはiPhoneの新型機種「iPhone 16e」を日本時間の2月20日に発表した。本機種は廉価なiPhone SEではなく、あくまでiPhone 16の廉価モデルという立ち位置のスマートフォンとなった。

 プロセッサにはiPhone 16と同じA18を採用し、独自設計の通信モデム「C1」を採用。Apple Intelligenceにも対応するほか、人工衛星を用いた緊急SOS発信にも対応する。価格は容量128GBで日本向けで税込9万9800円から

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新型iPhoneが登場した

 

 

新型の「iPhone 16e」はiPhone SEの後継機種ではない。その理由とは


 さて、今回のiPhoneの発表で最も衝撃的だった事はやはり価格だろうか。為替的に状況が悪いとは言え、iPhoneの廉価モデルが10万円に迫る価格設定となればちょっと驚く部分もある。この点はiPhone 16が「iPhone SEの後継機ではない」と考えると、納得がいく点もある。

 

 正直、本機種はiPhone SEの後継機ではなく、iPhone 16のバリエーションモデルとして考えた方が良い。どちらかと言うとGalaxyのSシリーズに対する「FEシリーズ」や、Pixelに対する廉価モデル「Pixel aシリーズ」的なスマートフォン。性能を落としつつも、AI機能などをしっかり備えた廉価なバリエーションモデルという位置付けだ。

 従来のiPhone SEにあった「旧機種ハードに新型チップを入れて廉価にした」機種と、AI機能向けにほぼフルスクラッチで新設したiPhone 16eは設計思想が異なる機種なのだ。


 iPhone 16eはApple Intelligenceなどの最新機能をしっかり使える基本的な部分は押さえつつ、カメラやディスプレイ周り、充電機能などのコストを抑えて端末価格を少し廉価にした仕様。実際iPhone 16eではシングルカメラ、ディスプレイを1世代前のもの、Magsafeに非対応とすることでコスト減と差別化を図った。

 前述の通り、この手法はサムスンやGoogleも行っており、XiaomiのTシリーズもそれに近い位置付けで一定の成果を収めている。先進的なAIスマホの拡充を推し進めたいAppleも今後、この手のスマホを通年出す(シリーズ化する)ことになるのではないかと考える。
 さまざまな経緯から多くの日本のユーザはiPhone 16eは「iPhone SEの後継機」の認識でいると思うが、この価格設定と他社事例を見ていくとその認識は改めたほうがよさそうだ。


AI機能に対応しないスマホは「旧世代」になるかもしれない

 

それでは、なぜこのようなスマートフォン販売するのだろうか。その理由は、AI機能の提供にあり、今後AI機能を備えない機種は旧世代となる可能性が極めて高いからだ。

 昨今のスマートフォンのトレンドはAI機能対応のスマートフォン。単独で言語モデルが動作し、オフラインでも各種機能が使えること。あらゆるサービスと接続できるハブとなる機能がスマートフォンには求められている。単体でAI消しゴムが使えるだけ、AI補正カメラが使えるだけというのはもう古いのだ。

 そのためには高性能なプロセッサが必然的に求められる。特にAppleの場合は独自のAI機能「Apple Intelligence」に対応させる必要があり、これには現行モデルのiPhone 16に搭載されているA18チップがほぼ必須となる。コスト抑えるためとは言え「過去チップの使い回し」はできないのだ。

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iPhone 16eにも「Apple Intelligenceのために設計。」とある

 

 AppleとしてもiPhone 16では「カメラコントロールボタン」を新設し、写真撮影だけでなく、Apple Intelligenceの呼び出しにも利用できるとしている。むしろこちらの機能が本命であり、いつでもどんな時でも物理フィードバックでAI機能を起動できることが今後必須になっていくのではないかと考える。
 また、非対応言語の地域でもかなりApple IntelligenceをアピールしているAppleが、ここに来て同機能に非対応のスマホを出すなんて事は許されない。廉価とはいえこの価格になったことは大きいものと考える。

 

 


 最後に、iPhone 16eどうしても日本では10万円に迫る高価な価格や価格に見合わないハードウェアが目立ってしまうが、AI機能を備える「次世代スマホ」と考えればまぁ納得のいく点もある。

 他にも日本向け価格を10万円に抑えたことで、法人向けのリプレース需要にも応えられる。カラーバリエーションをブラックとホワイトの2色に絞っているのもこの理由が考えられる。

 加えて、欧州方面の規制に対応するため、最低でも7年のソフトウェアアップデートが保証されるなど、長く安心して使えるスマートフォンのひとつになるはずだ。

 

 iPhone 16eはコストパフォーマンスの点では決して高いとは言えないが、安心して使える要素を兼ね備えたスマホとして選択するのはありだと考える。

www.apple.com