Xperia 1 Vのソニーストア版が発売されたが、ここに来て望遠カメラが曲がっているのではないかという指摘が出てきた。今回はこれについてチェックしてみよう
結論言ってしまえば、 Xperia の望遠カメラが曲がって見えるものは仕様である。これは手ブレ補正機構が関係しており、カメラの電源が入っていない時は制御用のコイルがオフになり、撮影時の定位置から若干ずれてるように見えるのだ
もちろん、これはカメラを起動すれば適切な位置となる
Xperiaのペリスコープが曲がってるというものは、なにも今に始まったものではないですね。
— はやぽん (@Hayaponlog) 2023年7月15日
望遠を強化したXperia 1III以降の手ブレ補正機構における仕様で、カメラを起動すれば適切な位置になります。もちろん写りには問題無いです。
過去にこれが精神衛生的に嫌だという意見はありましたね… pic.twitter.com/R24G5Cju1R
そんなペリスコープ式の望遠レンズの手ぶれ補正は、高度にアッセンブリーされたものが多い。多くは消費者側からは見えにくい奥のレンズやセンサーだったり、屈折させる内部のプリズムを動かして補正を行っている。そのため、消費者からはカメラの部品が曲がっているようには見えないのだ。
その一方でXperia については、一番手前側のプリズムも動かして手ブレ補正を行っている。このパーツが機能することによって、位置によってはカメラそのものが曲がって見えてしまうのだ。
これは他のメーカーではあまり見られない機構となる。連続式の望遠レンズを備えるXperiaでは、内部の構成から強力な手ぶれ補正機構を組み込むことが難しいことから、一番外側のプリズムも動作させる構成と考えられる。
望遠レンズ部を拡大すると、稼働部が見える。この部分が枠から少しはみ出ることで曲がっているように見えるのだ
他メーカーの機種は補正機構が奥にある関係で、視認することが難しい
最後になるが、この話自体は何もXperia 1 Vに限った話ではない。2年前のXperia 1 IIIの時からこのようなことが指摘されており、価格.comなどの掲示板ではこれに関連するスレッドが立ち上がっている。
これについての結論は「仕様」であったのだが、消費者としては十数万円も払った商品のカメラが曲がっているように見えてしまうと、精神衛生的に良くないという感想を持つ方もいる。
似たようなものでは、例えば手ぶれ補正機構の関係で本体を振ると「からから」と音がすることは、本体に固定されていないことによる不具合だ!と指摘されたりもしていた。このような部分は消費者にとって、不安要素の一つになってしまう部分であると改めて感じた。
ただ、それ以外にもXperiaについては望遠レンズ周りの「初期不良」と呼べるものが決して少なくない点も事実だ。Xperia 1 IVの際には望遠時の画質が悪い、ピントが合わないといった不具合が実際に起こっており、筆者の元にもいくつか相談が寄せられていた。
今回のXperia 1 Vではまだソフトウェアが熟れていない部分もあり、望遠カメラの画質はXperia 1 IVに劣る場面が見られる。この他には特定のカメラが傾いてしまう、ピントが合わない、撮影した写真の色がおかしいなどの声もあり、まだまだソフトウェアアップデート等にて改善の余地があるポイントだ。
そんなXperia のカメラハードウェアについて、少しだけ理解を深めると、また商品の見方も変わってくるのではないだろうか。