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EarFun Air Pro 3 自腹レビュー 1万円以下なら忖度なしで最強クラスのワイヤレスイヤホン

 様々な製品の登場で市場をにぎわすワイヤレスイヤホン。今回は国内量販店でも取り扱いが始まったaptX Adaptive対応の高音質イヤホンEarFun Air Pro 3をレビューとする。

 

圧倒的コスパの高さから各所で話題の完全ワイヤレスイヤホン「EarFun Air Pro 3」をチェック

 

 市場競争が過熱する完全左右独立型イヤホンの市場。3万円を超える製品も当たり前になる中、コストパフォーマンスを重視した中国メーカーも多く登場した。

 今回はその中でも評価が高く、この夏のイヤホンの展示会にあたる「ポタフェス」でも実機展示を行ったEarFun Air Pro 3だ。


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箱は一般的なイヤホンでよく見かけるタイプのものだ

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ケースは艶消し加工となり、以前に比べて安っぽさを感じさせない仕上がりとなった。


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本体の収まりも悪くない。いわゆるAirPodsのようなもので、特段取り出しにくさもなく使いやすいものだ。

 

高音質に仕上げたハードウェアとハイレゾ対応!価格を考えれば頭ひとつ抜けた高品質サウンド


  EarFun Air 3の対応コーデックとしては、SBC/AAC/aptX Adaptiveに対応している。aptX Adaptiveはハイレゾ相当となる24bit/96kHz再生も可能な高音質コーデックだ。

 イヤホンのプロセッサに高性能なQualcommの「QCC3071」を採用したことで、より高度なDSP処理なども可能になっている。また、次世代コーデックとなるLEオーディオにも対応しており、安価ながらも先進性を備える製品となっている。

 オーディオハードウェアについては11mm経のドライバーユニットを採用している。強力なマグネットを使用することで、高い駆動力を持たせ、広い音域を再現できるという。

 

   さて、音にも妥協はないと触れ込みのEarFun Air Pro 3を早速聴いてみることにする。今回の試聴曲はこちら

 


Cybernetic/雄之助×Circus-P ft.Hatsune Miku

Cybernetic (feat. Hatsune Miku)

Cybernetic (feat. Hatsune Miku)

  • 雄之助 & 雄之助 × Circus-P
  • エレクトロニック
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

 

アイドルマスターミリオンライブ!より

初恋バタフライ/宮尾美也

初恋バタフライ

初恋バタフライ

  • 宮尾美也 (CV.桐谷蝶々)
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

永遠のAria/雨宮天

永遠のAria

永遠のAria

  • 雨宮天
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

スロウリグレット/田所あずさ

スロウリグレット

スロウリグレット

  • 田所あずさ
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 

 今回の試聴環境はスマートフォンにソニーのXperia 1 Vを採用し、aptX Adaptiveの環境で使用する。本機種はaptX Adaptiveに対応する他、ストリーミング環境でも単独で24bit/96kHz環境の再生が可能な機種だ。

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今回のレビューではXperia 1 Vを使用した

 

 EarFun Air Pro 3の感想として、実売価格8000円前後の商品とは思えないくらいよく作り込まれたサウンドだ。

 

 高域は少々持ち上げている感はあるが、特別ざらつきなどは感じられなかった。aptX Adaptive対応機らしく、ハイレゾを意識したような高音域の再生を意識したチューニングとなる。

 高域の表現についてはコーデックに大きく依存するが、伸びやかな高域を体験したいのであれば、aptX Adaptive環境での利用を強くオススメする。1万円以下の完全ワイヤレスイヤホンで、ここまで上手く鳴らせるのであれば上出来だ。


 最初にスロウリグレットを聴いてみる。透き通るヴォーカルに対して、高域の広がりが目立つサウンドであることがわかる。高域には抜けの良さがあるので閉塞感は感じないだろう。

 

 ここで曲をCybernetic、続けて初恋バタフライに変えてみる。低域のレスポンスの良さ、窮屈さを感じさせない空間表現に関しては高く評価したい。サウンドステージも比較的広い機種となるので、このような曲でも窮屈さを感じさせずに気持ちよく聴ける。

 

 ここで曲を永遠のAriaに変えてみる。冒頭の静けさの中のボーカル表現も悪くない。惜しいところとして、ピアノとストリングスが入ってからのパートでやや音の硬さを感じる部分があった。

 

 ここまで聴いてきて、サウンドクオリティはかなり高いことが分かる。さすがに有線のイヤホンには劣るが、aptX Adaptive環境であれば有線環境に近いところまで来ていると感じられる。。

 

EarFun Air Pro 3の機能もチェック。ノイズキャンセリング、マルチペアリングにも対応

 

 さて、音質についてはこの辺りにして、ここからはマイクの品質や本体の質感について書いてみる。

 EarFun Air Pro 3の特徴は-43dbのアクティブノイズキャンセリングに対応している。「QuietSmart2.0」と称する独自のアルゴリズムを利用したものとなっており、安価な製品としてはトップレベルの性能となっている。

 ノイズキャンセリングの精度は価格を考えると十分すぎるものだ。多くの場合は満足できるレベルに達していると考える。

 

 マイクの通話音質は価格を考えれば良好だ。3つのマイクを用いて取得していることから、マイクの通話品質も良好だ。ノイズリダイレクションによってノイズの少ない通話を可能にしている。

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本体上部にもマイクを備える

 

 フィット感については市場でもよく見るあの形状だ。やはりこの形状は人間工学的にもよくできているのか、TWSイヤホンの中でも上位に入る装着感だ。

 

 バッテリー持ちに関しては公称値で7時間となっている。実際に使ってみてもあまり悪いという印象を受けなかったが、aptX Adaptive接続では公称値よりも早めにバッテリーが無くなる形だ。

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ケースを用いると最大45時間の再生が可能だ。ケースはワイヤレス充電にも対応する

 

 安価なイヤホンながらアプリもしっかり備え、バッテリー残量の確認やイコライザーの調整が可能だ。

 

 アプリではイコライザなどの音響調整の他、操作ファンクションの変更、ノイズキャンセリングやゲーム(低遅延)モードへの切り替えが可能だ。また、当機種はマルチポイント接続にも対応し、2台の端末との接続も可能だ

 

 

価格も1万円以下で使い勝手も良くていい音。「これでいいじゃん」と思わせてくれる商品。
 

 さて、今回レビューのEarFun Air Pro 3というイヤホン。aptX Adaptive対応で高度なノイズキャンセリングにも対応。マルチポイント接続や専用アプリも備えるなど、安いながらも音だけでなく使い勝手も良好に仕上げた製品だ。


 EarFun Air Pro 3の価格は公式直販ストアで8990円となり、これらの機能を備えたワイヤレスイヤホンとしてはかなり安価な設定だ。

 これに加えてアマゾン等のECサイトでは、ほぼ日常的にクーポンを配布しており、概ね7000円前後の価格で買えることも多い。これはもう破格と言える価格設定だ。

 

 正直、この価格であれば「これでいいじゃん」と思わせてくれるだけのパフォーマンスを持ち合わせている。3万円の機種と比較すると、確かに音質やアプリの完成度、ノイズキャンセリングの精度で劣るが、3倍の価格差はあるか?と問われると首を縦に振れないところがある。

 

 ハイエンド機種と同じようなBluetoothプロセッサを搭載したこともあり、数万円の機種とできること自体は大きく変わらない。それを低コストかつ高いクオリティーに収めてくる昨今の中国メーカーの勢いの強さに驚かされるばかりだ。

 

 ただ、この機種に限らず、この価格帯のイヤホンは多くのインフルエンサー向けにPR提供していることもあり、いわゆる「サクラなのでは?」と思う方もいることだろう。

 そんな中でもEarFun Air Pro 3は忖度抜きで良い音だと感じている。サウンドでも、ノイズキャンセリング等の機能面も価格帯を考えれば右に出てこれる機種はそうないはずだ。かくいう筆者もポタフェスで初めて試聴して、価格の割にはすごく音も良く、機能面も優れていると感じた次第だ。

 

 そしてEarFun Air Pro 3はECサイトのみの販売ではなく、家電量販店等の実店舗でも販売されている製品となっている。直近ではポタフェスでもブースを開設し、実際に商品が試聴できるようなアプローチをとっていた。

 インターネット通販に強く「知る人ぞ知る」ブランドから、安価に手に取りやすい一般的なブランドに変わってきているのだ。

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ポタフェスでも展示が行われていた

 

 

 EarFun Air Pro 3は、はじめてのワイヤレスイヤホンにはもちろん、とりあえず買っておけとも言えるような製品となっている。

 特にAndroidスマートフォンを持っている方には比較的お勧めできる製品だ。LDACに対応していない点がユーザーにとっては惜しいが、安価で高音質な商品を求める方はチェックしてみてはいかがだろうか。