Xiaomiは現地時間8月14日。中国にてスマートフォンの新商品にあたる「Xiaomi MIX Fold 3」を発表した。折りたたみスマートフォンのフラグシップモデルとなる。
ライカ提携4眼カメラを採用。性能を極限にまで高めたXiaomiの折りたたみスマホ
Xiaomi MIX Fold 3では既存の折りたたみスマートフォン以上にカメラ性能を向上させ、画面のピーク輝度向上、冷却機構強化を果たしたことが大きな特徴だ。
カメラ性能に関しては4眼構成となり、ペリスコープ方式の望遠レンズも備える
メインカメラは1/1.56型のセンサーを採用し、f1.77の明るいレンズを採用している。加えて、折りたたみスマホとしては珍しい4眼カメラを採用するなど、普段使いでも利用しやすいものとなった。
標準カメラ、望遠カメラにも光学式の手ぶれ補正を備えている。望遠カメラは1000万画素の3.2倍望遠(換算75mm相当)を備え、5倍望遠のカメラも備える。
標準カメラはSMA方式の手ぶれ補正が採用されている。これは手ぶれ補正機構のアクチュエーターに形状記憶合金を採用し、これを駆動させることでコイル等の部品を廃して小型化したものとなる。SMA方式のアクチュエーターについてはアルプスアルパインが今年初めより量産しており、これが使われているものと考えられる。
SMA方式のアクチュエーター(出典:アルプスアルパイン(株))
望遠カメラを別途備えることで、画質の改善も行った。また、5倍望遠カメラは30cmまで寄ることができるため、テレマクロ撮影も可能となっている。
また、全てのレンズにて「ライカクオリティ」の高い基準をクリアし、SUMMICRONを冠するものとなっている。厳しい基準をクリアした高品質なレンズに加え、光学特性もスマホとしてはかなり高品質なものに仕上げたという。
ライカとのコラボもアピールしていた
明るい画面と50万回折りたためる新機軸のヒンジが特徴!高い性能もアピール
カバー画面は6.56インチ、メイン画面には8.03インチのOLEDパネルを採用。2K解像度に12bitの色表現、広いダイナミックレンジを持つ画面となっている。120Hzのリフレッシュレートに対応し、LTPO技術を用いた可変リフレッシュレートにも対応だ。
ディスプレイは中国CSOT製(TCL)のものを採用。2600nitという高いピーク輝度となっており、屋外での視認性も高いものに仕上げている。常用輝度も1300nitとかなり明るい画面となっている。
有機ELパネルは韓国サムスン製が高品質なものと言われていたが、中国メーカーも肩を並べるところまで来たということが分かる。
MIX Fold 3の厚みは10.96mmとかなり薄い。直近でHONOR Magic V2の9.9mmに比べるとインパクトで劣るからそれでもかなり薄いものだ。本体重量255gとかなり軽量だ。
ヒンジの部分は3つの構造、のべ198個の部品を組み合わせたものとなり、50万回の折りたたみにも耐えられる製品となっている。このほか同社では数多くの耐久試験を行っており、壊れにくさでもアピールしていた
プロセッサはXiaomi 13シリーズと同じくSnapdragon 8 Gen 2を採用する。最新世代のプロセッサで高い性能を獲得している
冷却機構は大幅に強化。大型化したベイパーチャンバーを搭載し、発熱を抑えている。
競合他社の製品と比べても発熱しないことをアピールした
バッテリーは4800mAhと大容量となる。67Wの急速充電と50Wのワイヤレス充電にも対応だ。独自プロセッサのSurge P2とG1を搭載し、電源管理もしっかり行うことでバッテリーは1.34日持つとしている。
まとめると50万回の折りたたみに耐えるヒンジ、高性能なカメラ、電池持ちの良さ、明るい画面と高性能をアピールした
そんな性能モリモリのMIX Fold 3の価格は8999元(約18万円)からとなった。構成を考えればかなり安価な設定だ。
Xiaomiらしい価格設定で会場からは歓声が飛び交った。
Xiaomiが展開するフォルダブルスマートフォン。性能比で考えると安価
Xiaomiがライカと提携してからちょうど1年が経過した。Xiaomiはスマートフォンらしく進化した「コンピテーショナルフォトグラフィ」という考えから一旦距離を置き、ライカのチューニングを追求する方向性となっている。
Xiaomi 13シリーズで見せつけたカメラ性能の高さをフォルダブルスマートフォンに落とし込み、カメラ性能の高さを「ブランド」としてしっかりアピールしているのだ。
そして、折りたたみスマートフォンの技術についても、Huaweiに次いで商品を出しただけあって中国国内の競合他社より持ち合わせている。物理的なヒンジ機構はもちろん、画面の耐久面なども他社に比べてしっかり作り込んでいるように感じる。
中国向けの主要アプリストアのランキング上位のアプリには、しっかり最適をかけるなど使いやすさも磨きをかけている。
また。Snapdragon 8 Gen 2搭載のフォルダブルスマートフォンで見てもvivo、HONOR、サムスンに次ぐ製品となり、高いスペックもアピールしている。
気になるのは中国での競争だ。独自のイメージングチップを持つvivo X Fold 2、世界最薄の9.9mm、重量231gと言う驚異的なハードウェアに仕上げたHONOR Magic V2と最低構成価格が同じこともあり、MIX Fold 3はかなり激しい競争に晒されるものと考えられる。
その点ではライカコラボレーションの高いカメラ性能や、ヒンジ部分の作り込みなどで差別化ができると考えられる。それでいて約18万円の価格は決して高いものではないと考える。
筆者としては、このような魅力的なスマートフォンをグローバル展開してほしいものだ。中国メーカーでもフォルダブルスマートフォンをグローバル展開したものは少なく、MIX Fold 3もグローバル展開の予定はない。
グローバル展開されない理由として、メーカー側ではなくアプリケーション側で端末へ最適化をかけていることが考えられる。
筆者もvivo X Foldを過去に日本で使ってみたが、中国向けのアプリケーションほどうまく最適化されていない場面もあった。この辺はアプリベンダー側とメーカーが手を組み、中国国内で注目されている機種へ最適化をかけるといった考え方の違いが見て取れる。
そのため、アピールする「アプリの最適化」などがうまく発揮できず、サムスンなどに引けをとってしまうから投入していないのではないかと考える。
Xiaomi MIX Foldもう3代目にあたる製品となり、完成度の高さも発表会からにじみ出てくる。グローバル展開だと前述のアプリの最適化等でなかなか難しいところがあるのだろうが、首を長くして待ちたいところだ。
スペックについては以下の通りだ
SoC:Snapdpagon 8 Gen 2
メモリ:12/16GB
ストレージ:256/512GB/1TB
画面
カバーディスプレイ:6.56インチ OLEDメインディスプレイ:8.03インチ OLED
FHD+解像度、両画面120Hzフレームレート対応、ピーク輝度:2600nit
カメラ
メインカメラ:5000万画素 f1.7超広角カメラ:1200万画素 f2.2
3.2倍望遠カメラ:1000万画素 f2.0
5倍望遠カメラ:1000万画素 f3.0
フロントカメラ:2000万画素
OS:Android 13 MiUI14 Fold
バッテリー:4800mAh
67W有線充電、50Wワイヤレス充電に対応。
カラー
Black
Gold
カーボンモデル
価格
8999元から