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Xiaomi 14 Ultra発表!値上げこそしたものの、ライカコラボのカメラをもつ撮影体験を極めたフラグシップ

 Xiaomiは現地時間2月22日。中国にてスマートフォンの新商品「Xiaomi 14 Ultra」を発表した。25日のグローバル発表に先立つ形となり、Xiaomi 14シリーズの最上位に当たるフラグシップモデルとなる。

 
ライカコラボと最新のカメラハード。極限にまで撮影体験を極めたXiaomiのフラグシップ


 Xiaomi 14 Ultraでは既存のXiaomi 14 Pro以上にカメラ性能を向上させ、画面のピーク輝度向上、冷却機構強化を果たしたことが大きな特徴だ。カメラ性能に関しては4眼構成となり、すべてのカメラが5000万画素だ。ライカとのコラボレーションも継続される。

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カメラは4眼構成だ

 

 メインカメラには新型の1型センサーを採用し、f1.63の明るいレンズを採用している。これによって、iPhone 15 Pro Maxの約2倍の光量を集めることができるとした。

 加えて、Xiaomi 14 Proと同様の可変絞り機構も採用しており、f1.63〜4.0まで絞ることができる。大型センサー搭載スマホの悩みでもあった「過度にボケる」といった事象を抑えることに成功している。

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イメージセンサーはソニー製の最新モデル「LYT-900」を採用。幅広いダイナミックレンジを確保した

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明るいレンズとの組み合わせで、iPhone 15 Pro Maxの2倍以上の感光性能を持つ。

 

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Xiaomi 14 Proと同様の可変絞り機構も備えるが、絞り羽の形状は若干異なるようだ

 

 超広角カメラは5000万画素で換算12mm、望遠カメラは5000万画素の3.2倍望遠(換算75mm相当)を備える。レンズはf1.8でUltraシリーズでは待望の10cmまで寄れるテレマクロも備える。


 Xiaomi 14 Ultraではこれに加え、5倍望遠カメラも備える。こちらもレンズはf2.5と明るく、最短撮影距離は30cmと寄れるカメラだ。ロスレス10倍望遠にも対応している。

 

 これらのカメラには、ソニー製のIMX858というイメージセンサーが採用されている。同じメーカーで揃えることで、カメラ間の色味が変わることを防いでいる。

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ふたつの望遠カメラはいずれもテレマクロに対応する


 また、全てのレンズにて「ライカクオリティ」の高い基準をクリアし、SUMMlLUXを冠するものとなっている。厳しい基準をクリアした高品質なレンズに加え、歪みも抑えた。光学特性もスマホとしてはかなり高品質なものに仕上げたという。

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レンズが明るくなったことでSUMMILUXを冠する


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レンズは歪みも抑え、反射防止コーティングも行われている

 

 Xiaomi 14 Ultraでは画像処理能力も強化し、ソフトウェア処理にも数多くの新しいアルゴリズムが投入された。高性能なプロセッサとAI処理による画像処理を総称してXiaomi AISPと称した。

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AIとISP(イメージング・シグナル・プロセッサ)をかけた造語だ。

 

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Ultra RAWでは21bitの色表現、幅広いダイナミックレンジを記録できるとした。こちらはAdobe Lightroomなどで編集も可能だ

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「ULTRA ZOOM」と称するAI処理を用いてズーム時の画質劣化を抑えるアルゴリズムによって30倍まで劣化を抑え撮影できるという。最大100倍の望遠にも対応だ。

 

 また、Xiaomi 13 Ultra同様に「Street photography mode」は2.0にバージョンアップ

複数のカメラを利用することで、高速フォーカスを合わせを可能に。これによって動きの速いスポーツなども高速でフォーカスし、合成することで躍動感のある被写体を捉えることができる。

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ストリートショットモードはバージョンアップして帰ってきた

 

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 Xiaomi 14 Ultraでも引き続きカメラグリップが用意されている。67mm径のフィルターを装着することが可能な上、待望のUSB接続となった。シャッターラグを抑えれる上、グリップを装着したまま本体の充電も可能になった。

 また、グリップには1500mAhのバッテリーを備える、スマートフォン本体の拡張バッテリーとしても利用できる。

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カメラグリップには露出調整ダイヤルに録画ボタンまで備える。

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今作ではグリップを装着したまま充電可能に!まさに前作の難点を解消してきた形だ

 

 動画撮影も力を入れており、4K120fps撮影が可能となった。4つのカメラ全てで8K撮影も可能なウルトラスペックだ。10bit LOGにも対応している。同社としても「カメラ」を意識した商品であることが理解できる。

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全カメラで8K解像度撮影も可能だ

 

 画面は6.73インチのOLEDパネルを採用。2K解像度に12bitの色表現、広いダイナミックレンジを持つ画面となっている。120Hzのリフレッシュレートに対応し、LTPO技術を用いた可変リフレッシュレートにも対応だ。


 ディスプレイは中国CSOT製(TCL)のもので、3000nitという高いピーク輝度を持つ。屋外での視認性も高いものに仕上げた。品質の公正を図るため、ディスプレイキャリブレーションも行っている。

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高品質なディスプレイを採用する

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高強度の独自ガラスを採用しており、画面の割れなども抑えられるとした



 プロセッサはXiaomi 14シリーズと同じくSnapdragon 8 Gen 3を採用する。最新世代のプロセッサで高い性能を獲得している。

 冷却機構は新型のベイパーチャンバーを搭載し大幅に強化。長時間の動画撮影でもフレームが落ちることなく記録できるという。

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Qualcomm製のフラグシッププロセッサを採用する
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強力な冷却機構を備える


 バッテリーは5300mAhと前作より増加。新素材のバッテリーを採用することで、より長時間の利用を可能とした。また、1600回の充電を行っても80%以上の容量を確保できるという。

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Xiaomi 13 Ultra(5000mAh)比較でバッテリーは増加している
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1600サイクルでも80%以上の容量をキープする。長期利用でも安心だ

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本体は90Wの急速充電と80Wのワイヤレス充電にも対応だ。

 

 独自チップとしてSurge T1 RF増強チップを採用。新設計のアンテナとの組み合わせで安定した通信を可能にしている。また、中国版では衛星通信に対応。競合するHuawei Mate 60 Proよりも衛星の即位スピードが高速であることをアピールした。

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独自のRFチップ「Surge T1」を採用
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ローミング接続が競合他社の機種よりも速いとした。左側には日本の成田空港でのテストの様子が記載されている


 Xiaomi 14 Ultraの筐体のデザインは概ねXiaomi 13 Ultraを踏襲した。カメラ部はもちろん、フレームの加工などにも変更がある。

 前作に続きビーガンレザーと呼ばれる革調のデザインとなり、フレームは金属筐体となる。新素材が採用され、汚れなどに強く紫外線劣化なども抑えられるとした。

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汚れに強い素材となっている
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本体の内部機構も強化。フレームは内部機構も含めたCNC削り出しを採用。独自の合金を採用することで本体の剛性を高めた。

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ブルーのみリアパネルの材質をセラミックとしており、他のモデルと質感や重量が異なる。こちらも耐久性を高めた独自のものが採用される。

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本体はIP68等級の防水も備える。

 

 

 そんな性能モリモリのXiaomi 14 Ultraは.中国向けの価格で6499RMB(約13万5800円)からとなった。同シリーズとしては久しぶりの値上げだが、衛星通信対応などの構成を考えれば、かなり安価な設定だ。

 中国では2月27日より発売。グローバル版は2月25日にバルセロナで発表される見込みで、例年通りなら付加価値税込みで1299ユーロ前後の設定が考えられる。

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Xiaomiらしい価格設定で会場からは歓声が飛び交った

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また、カメラグリップも999RMB(約2万円前後)で販売が予定されている。

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80Wのワイヤレス充電器は499RMB(1万円前後)だ。

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衛星通信を増幅させるアンテナも199RMB(約4000円前後)で販売される

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チタンフレームの特別版も用意される

 

Xiaomiが展開する最強カメラスマホ。値上げしても光るコストパフォーマンスの高さ
 

 Xiaomiがライカと提携してからちょうど1年が経過した。Xiaomiはスマートフォンらしく進化した「コンピテーショナルフォトグラフィ」という考えから一旦距離を置き、ライカのチューニングを追求する方向性とした。

 

 それによって手にした「独特の空気感」は他社の追従を許さないものとなっている。差別化という面では唯一無二とも言えるものだ。今作では、ライカと提携した研究所も開設し、スマートフォンのイメージングに研究投資を惜しまない方向であることも示した。

 

 可変絞りの搭載、スマートフォンのトレンドとは大きく異なるカメラチューニングといった差別化を行いながらも、衛星通信などの機能モリモリで価格を抑えてくる点はさすがXiaomiと言ったところだ。

 中国国内でも「強化されたカメラ、衛星通信をはじめ、ここまで機能を盛れば値上げは避けられない」という意見が多かった中、最小限の値上げに抑えたと評価できる。競合他社に対して大きなインパクトを与えたのは違いない。筆者も発売を待ちたいところだ。


スペックについては以下の通りだ

SoC:Snapdpagon 8 Gen 3

メモリ:12/16GB

ストレージ:256/512GB/1TB

画面

6.73インチ OLED 2K+解像度

120Hzフレームレート対応、1920HzPWM調光対応、 ピーク輝度:3000nit

 

カメラ

メインカメラ:5000万画素 f1.63-4.0

1型センサー採用

超広角カメラ:5000万画素 f1.8

3.2倍望遠カメラ:5000万画素 f1.8

5倍望遠カメラ:5000万画素 f2.5

フロントカメラ:3200万画素


OS:Android 14 Xiaomi HyperOS

バッテリー:5300mAh
90W有線充電、80Wワイヤレス充電に対応。


カラー

Black
White
Blue

Titanium


価格
6499RMBから

 

Xiaomi 14 Ultra