日本では大きな知名度を集めるAQUOSことシャープのスマートフォン。実は海外でも販売されていることをご存じだろうか。今回は、その中でも力を入れて展開するお隣の台湾の様子をチェックしてきたのでお伝えしたい。
今回は台北にある「三創生活」をチェックした
三創生活は日本でいうヨドバシカメラ的な存在で、多くのパソコンや家電が販売されている。スマートフォンもApple、ASUS、サムスン、OPPO、vivo、realme、Xiaomi、ソニーなどの直販ストアに加え、各キャリアショップも入居している。
基本的にスマートフォンは1階フロアにショップが点在しているが、シャープに関しては4階の「生活家電」のエリアにショップを構える。
スマートフォンはシャープコーナーの1番手前。目のつくところにあった。
展示、販売されている商品は日本でも売れ筋のAQUOS sense8とハイエンドのR8sシリーズだ。AQUOS R8sは発売地域のライカライセンスの関係で「ライカのない」状態で販売されている製品だ。
メーカー主体の展示のため、キャリア主体の日本とは展示ブースのイメージが異なる
フラグシップのAQUOS R8s proは34999台湾ドル(約16万8000円)の設定。確かにカメラ周りの表記が日本版とは異なる
AQUOS R8sは24999台湾ドル(約12万円)だ。こちらもクォーターマークにライカの文字がないなどの仕様が異なる
AQUOS sense8は14999台湾ドル(約7万2000円)だ。日本よりも高価な設定だが、ストレージが256GBと大容量になっている。軽量コンパクトに加え「日本製」をアピールしている点も海外では売りのひとつだそうだ。
ショップのスタッフに聞いた限りでは、AQUOS sense8が1番の売れ筋のようだ。比較的手に取りやすい価格であることに加え、性能云々よりも「シャープ」というブランドイメージで購入される方が多いようだ。ハイエンド機はXiaomiやvivoがカメラ性能で存在感を示しているので、今は「35000台湾ドルのスマホを出していることを知ってもらう段階」としているようだ。
筆者としては、ブースの作り込みは日本よりもすっきりしていて好感が持てた。日本でもAppleやGoogleのように、メーカーブースとして自分たちのアピールしたい機能を体験させたりしたほうが良いのではないかと感じた。特にキャリアフリー市場はこのような対応が重要になってくるはずだ。
一方で、台湾での課題はやはりシャープがスマートフォンを販売していることへの知名度だろう。ブース内では機能を紹介する動画も流されていたが、その動画は日本で放映されていたものに字幕をつけたものだ。そのため、音声は日本語のままである。
動画も放映されていたが、音声は日本語だった
また、三創生活の場合はシャープのブースが家電フロアにあるため、スマートフォンを求める方が来ないことも考えられる。それでも、AQUOS sense8に関しては実際に手にとっていた方も確認できたことから、感心がある消費者も少なくないことがうかがえる。
知名度アップには広告も重要だ。シャープは台湾でもWeb広告のほか、地下鉄駅の広告なども出しているようなので、今は知名度を上げる段階と評価すべきだ。
地下鉄の台北メトロの西門駅などいくつかのエリアでAQUOSの広告も確認できた
三創生活を出て周囲にある規模の小さいショップでもAQUOSは販売されていた。Nothing Phone (2a)と並ぶとどこか日本っぽくも見える
台湾でも本腰を入れたシャープのスマートフォン。Xiaomiやvivo、OPPOが日本以上のラインナップと知名度で立ちはだかる強力なライバルの多い市場で、シャープがどれだけの存在感を示せるのか注目していきたい。