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OnePlus 12 レビュー ゲームもカメラもバッテリー持ちも「コレでいい」が全部詰まったコスパスマホ

 各社からフラグシップのスマートフォンが出揃う中、その下にある「コストパフォーマンス」に優れたハイエンド端末も熾烈な争いとなっている。今回はその中でも頭角を示す存在である「OnePlus 12」を利用できる機会があったのでレビューしてみよう。

 


OnePlus 12は明るい画面と大容量バッテリーが魅力

 

 OnePlus 12を一言で示すのであれば、高い基本性能を持ちながらコストを抑えたスマートフォンだ。日本で発売された機種では、Xiaomi 13T Proなどに近いラインの機種となり、スペックに対してのコストパフォーマンスに優れている。スペックは以下の通り

 

SoC:Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3

メモリ:12/16GB

ストレージ:256/512GB/1TB


画面:6.82インチ QHD+解像度

120Hz LTPO対応 OLEDパネル


カメラ

標準:5000万画素

超広角:4800万画素

3倍望遠:6400万画素


フロント:1600万画素


バッテリー:5400mAh

100W充電対応(約20分でフル充電可能)

 

IP68等級の防塵、防水性能


OS:Android 14

大陸版:ColorOS、グローバル版:Oxygen OS

価格:約7万7000円〜(大陸版 直販ストア)

 

カラー

ブラック、ホワイト、グリーン

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今回選んだものはブラックだ。背面はガラス素材で高級感もある

 

 画面は6.82インチ QHD+解像度のものを採用。画面輝度はピーク時で4500nitと明るく、屋外での視認性も抜群に良い。10bitの色表現はもちろんのこと、1〜120Hzまでの可変リフレッシュレートにも対応する。

 

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明るいディスプレイを採用する

 

 搭載バッテリーは5400mAhと大容量。100Wの急速充電にも対応し、最短で30分でフル充電が可能だ。電池持ちも他社のスマートフォンに比べるとバッテリー容量が多い関係からか、5000mAhのXiaomi 14 Proと比較しても長く利用することができた。最大50Wのワイヤレス充電にも対応するなど、利便性は向上している。

 

 

安くても高い性能が売りのOnePlus 12。ゲームも快適に!


  OnePlus 12を使ってみると、最新ハイエンド機というのもあって動作にストレスは感じない。搭載しているSoCはクアルコムのフラグシップであるSnapdragon 8 Gen 3を採用。こちらは20万円を超える製品にも採用されており、体感性能はGalaxy S24 Ultraなどと大きく変わらない。


 OnePlus 12の立ち位置は「ゲーミング重視のコスパモデル」となる。中国での競合はvivo iQOO 12やXiaomi Redmi K70 Proといった機種だ。強化されたベイパーチャンバーをはじめとした強力な冷却機構のおかげもあり、原神のような高負荷なコンテンツを1時間ほどぶっ通しでプレイしても、発熱で「本体が持てないほど熱い」と感じることは少ない印象だ。優秀なプロセッサと高度な冷却設計が織りなした結果と評価したい。


 また、今回レビューの中国版では、日本向けの原神もフレーム補完を用いて120Hzのリフレッシュレートで動かすことができる。中国版のゲームであればこのようなことができたものが多かったが、日本向けのコンテンツでもできることには驚いた。


 実は、OnePlus 12は前モデルではできなかった日本向けコンテンツでもフレーム補完による120Hz描画に対応する。筆者がパフォーマンステストで用いるシャニソン、ミリシタ、学マスといったコンテンツでも120Hz描写で動かすことができたのだ。

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原神を擬似的に120fpsで動作させることも可能だ。


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学マスも最高画質で120fps動作ができたが、フレーム補完だと114fps前後で推移するなど、重量級であることをうかがわせる

 

 

 

コスパ重視モデルながら写真も綺麗!ハッセルブラッドチューニングで進化したカメラ性能


  OnePlus 12のカメラ性能はコストパフォーマンス重視のモデルながら優秀だ。はメインカメラに5000万画素のセンサーを採用。ソニーと共同開発したLYTIA LYT-808と呼ばれるものが採用される。1/1.4型と大型になり、OnePlus 11よりも大幅なダイナミックレンジの向上を可能にした。

 

 超広角カメラは4800万画素、3倍望遠カメラは6400万画素でf2.6と明るいレンズを採用。構成だけで評価すればフラッグシップにも劣らない性能高めな構成だ。

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コスパ重視モデルでもペリスコープ方式の望遠カメラを採用する。

 

 OnePlus 12のカメラチューニングは、前作に引き続きハッセルブラッドが監修。OPPO Find X7シリーズと同様の「Hyper Tone」という新しい画像処理アルゴリズムが採用されており、ディティールの表現能力、適切なホワイトバランスの処理を可能にした。

 もちろん、本体にもハッセルブラッドチューニングの機種であることを示す「H」のロゴが添えられている。


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 標準カメラでの作例は処理アルゴリズムが変化した関係か、従来のくっきりはっきりよりは、温かみを感じるチューニングが特徴だ。これはOPPO Find X7 Ultraにも通づるもので、フラッグシップの片鱗を感じさせられる。

 従来機種よりもセンサーが大型化したこともあり、夜景などの場面でもよりきれいに撮影できるようになった。

 


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超広角カメラも4800万画素のものにグレードアップ。チューニングもしっかりしているため、ゲーミングスマホやコストパフォーマンス重視の機種にありがちな「手抜き感」はない。

 

 OnePlus 12で初採用のペリスコープ方式の3倍望遠も使い勝手が良い。高画素センサー+明るいレンズなので従来よりも撮影範囲が広がり、10倍望遠までならある程度劣化を抑えて撮影できた。vivo iQOO 12 よりも綺麗に撮影できる印象で、他社のフラッグシップとも勝負できる部分だ。


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望遠は6倍までロスレスとなるため、この画角はきれいに残すことができる。さすがにOPPO Find X7 Ultraと比較すると劣るが、価格を考えれば十分すぎる仕上がりだ


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20倍望遠くらいならある程度の品質で残すことができる

 

 

「これでいい」がしっかり詰まったハイエンドスマホ。ゲーム性能もカメラ性能もしっかり使えて安い

 

 OnePlus 12を改めて評価すると、前作の強みだった「多くの人にちょうどいい」バランスを備えながらも、従来のコンセプトに沿ったところが強い印象を受けた。


 Snapdragon 8 Gen 3をはじめとした基本の性能の高さはもちろん、使い勝手の良さも兼ね備えている。よく言う「安くて性能の高いスマートフォン」を検討している方には、十分おすすめできるものだ。

 

 OnePlusの端末らしく、OnePlus 12もアラートスライダーが搭載されている。これはiPhoneのマナーモードスイッチと同様の働きをする。物理操作でマナーモードに切り替えられる点は、ユーザーにとってもありがたいものだ。

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OnePlusスマホと言えばコレ!という機能のアラートスライダーもバッチリ備える


 また、OnePlus 12は発売地域によって仕様が異なる点に注意だ。eSIMなどの他、中国版はColorOS、グローバル版はOxygen OSとなる。操作感はさほど変わらないが、従来のOnePlusのようなものを求める方は、グローバル版を購入すると良いだろう。


※OnePlus 12では中国版だけでなく、グローバル版でも120Hzのフレーム補間が可能になったようだ。

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今回レビューしたものは中国版のため、OnePlusではあるが、OPPOのスマートフォンと同じくColorOSとなる。


 

 さて、OnePlusをサブブランドとしたOPPO。今後は、この「OnePlus」をvivoの「iQOO」やXiaomiの「Redmi」といったラインのスマホにぶつけるラインナップとして展開しているが、OnePlusはその中でも画面品質やカメラといった普段使いに直結する部分にも力を入れている。


 このようなスマートフォンはフラグシップとは別口の「パフォーマンスを重視したハイエンド端末」に分類される。REDMAGICやROG Phoneといった「ゲーミングスマホ」というジャンルにも近い存在だ。

 事実、vivoのiQOOはデザインも含めてゲーミングスマホに近い側面を持ち、XiaomiのRedmiはもとい、realmeも中国本土と他地域では全く異なる戦略をとっている。


 そのような機種と真っ向勝負できるブランドがOPPOにはなかったこともあり、昨年のOnePlus 11に続いて「いい方向」に進み始めたと評価して良いだろう。

 このようなスマホは中国本土のゲーム市場も絡む特殊な背景こそあれど、性能が高くて安価なスマートフォンは一定数求められる。OnePlus 12はかつての「OnePlus」のイメージである「GalaxyよりいいものをGalaxyより安く」を体現する商品だ。

 

 そんなOnePlus 12の数少ない難点は物理的な重さだ。重量は220gと昨今のスマートフォンの中ではやや重く、本体の見た目とは裏腹にズッシリとしている。

 重量的にはGalaxy S24 Ultraをはじめとした各社のフラグシップ級の機種となんら変わらない。防水や大容量バッテリーなどを積んでいることもあるとは思えば納得だが、重量的にはカメラ特化のOPPO Find X7 Ultraとほぼ変わらないこともあって、先入観的にも重く感じるのだろう。

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意外とズッシリなボディだ


  そんなOnePlus 12の価格は中国版は約7万6000円からとなる。スペックを考えればかなり安価な設定となっている。兄弟機に当たるOnePlus Ace 3や、4万円台に抑えたOnePlus Ace 3Vをはじめ、OnePlusブランドの商品もかなり魅力的な展開となってきた。

 

 人と違う少し個性的なスマートフォンはもちろん、価格を抑えてフラグシップクラスの性能が欲しい。そんな欲張りなユーザーにもOnePlus 12はおすすめの1台だ。