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【レビュー】日本でも発売の「Xperia 1II」はソニーらしいカメラ性能の強化と4K画面の美しさが特徴のハイエンドスマホだ

 どうもこんにちは。ミリシタの3周年が近づき、端末課金も佳境でてんやわんや。筆者としても以前から注目していた端末が手に入ったので、ファーストインプレッションと共に書いていく。今回のレビューはソニーのXperia 1IIだ。

 

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Xperia 1IIのざっくりと本体を見てみる。


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 今回は先行して販売されたau版を購入した。カラーは3色展開されるが、auではブラックとホワイトの2色展開となる。


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 カメラの位置はXperia 5に近い位置へ移動した。位置的にも筆者としてはこちらの方が好きだ。今作も引き続き3眼構成だが、新たに深度センサーを備えた仕様となる。

 

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 イヤホンジャックの存在が嬉しい。ここ2年ほどのXperiaからなくなっていたものだけに復活することはユーザーにとってありがたい。左側にあるSIMスロットはらイジェクトピンなしで外せるので非常に重宝する。


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電源ボタンはXperia 1とは異なり、指紋センサーを兼ねたものになった。構成的にはXperia XZ1以来のものとなり、感度なども良好だ。

 

 

ソニーが作り出した究極のXperia。そこに当てはまるものがXperia 1IIだ

 

 このスマホを一言で言うのなら、ソニーが作り出した「求められてる要素を全てつぎ込んだ究極のXperia」と呼べるスマホだ。5Gに対応し、イヤホンジャック搭載でオーディオ方面も含め、全方面で強化された。21:9アスペクト比の画面で、昨年市場にインパクトを与えたXperia 1の正式な後継機となる。ちなみに読み方はXperia 1II(Mark II マークツー)だ。

 

SoC Qualcomm Snapdragon 865

メモリ 8GB LPDDR5

ストレージ 128GB UFS3.0 

 

画面 6.55インチ 4K OLED(21:9)

 

カメラ

フロントカメラ 8MP

 

リアカメラ

超広角(16mm相当 12MP f2.2)

広角(24mm相当 12MP f1.7)

望遠(70mm相当 12MP f2.4)

 

この3眼にTofを加えたものなります。

 

バッテリー 4000mA/h

 

 スペックもかなり高く、5G対応のXperiaは民生向けでは初のモデルになる。周波数的にはSub6のみでミリ波には非対応のなるが、時期的に考えても早々なためこの選択は妥当といえる。


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5G対応のためかアンテナの位置なども従来と異なるようだ

 

 もちろんカメラ性能や画面性能などは今世代機としては十分すぎるスペックを備えている。検証で利用してるミリシタがSnapdragon 865に最適化されてはいないが、動作自体は確認できた。

 気になる点では、AQUOSやGalaxyが12GBのメモリを搭載する一方で、Xperia 1IIでは8GBと他の機種に比べて少ない点はある。タッチパネルの感度も良好で非常に扱いやすい。これは実際にeSports向けのデバイスとして、各種大会やプロチームに供給してるがゆえのスペックの高さと言える。

 

ソニーのαのように進化したカメラをもつXperia 1II

 

 Xperia 1でカメラのチューニングはかなり変わりましたが、このXperia 1IIでは更に踏み込んだものになりました。ハードウェア的にもカメラレンズはCarl Zeissを名乗り、ハイエンドレンズでみられるT*(ティースター)コーティングを冠した今までとは比にならないものになる。モバイル向けでCarl Zeissを名乗ったのはNokia Lumiaで前例がありますが、T*は初となる。


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赤字のT*にそそられる

 

 

 カメラ構成も光学での3眼構成になる。35mm換算で16mm(超広角)、24mm(標準)、70mm(望遠)の3他のカメラに加え、Tof(深度検出)センサーを備えている。この24-70mm相当が撮れるのが非常に使いやすく、50mmが多いスマートフォン中では一線を画すものとなる。

 


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 撮影できる絵もかなり同社のαに近いチューニングとなる。加えて、秒間20コマの連続撮影、被写体連続追従性能、瞳AF搭載(人間だけでなく動物にも対応)、標準レンズ(24mm)のセンサーサイズは1/1.7型と大型のものを採用。ハードウェア、ソフトウェア的にも今までのXperiaとは比にならないものになっています。

 

 今作ではオートの標準カメラアプリはもちろんのこと、Pro Photographyアプリが後日アップデートによって追加される予定だ。こちらのアプリは出てくる絵やアプリUXをαのチームが監修しており、カメラを扱う感覚で操作できるのが魅力となる。これが出てからが真の実力を発揮できる。

 

 

 

 

 ちなみに香港版には既にPhoto Proが実装されているそう。あちらは発売が6月19日ということで日本版もドコモ版の発売タイミング辺りで実装されると考える。

 

Xperiaファン待望の「お帰り!イヤホンジャック」

 

ソニーはなかなかチャレンジングなことをした。なんと、一度はXperiaから廃止したイヤホンジャックを復活させたのだ。他社でもあるように一度廃止したものを復活させるのは難しい。筆者もXperia XZ2で廃止した際は「3.5mmステレオミニ規格を立ち上げたソニーが廃止するのか…」と思ったほどだ。そのため、今回のイヤホンジャック採用は非常に喜ばしい。その上でアンプ部はSoCの標準のものでは無く、シーラスロジック製のものが使われていたりと音質面でもテコ入れがされている。

 


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 イヤホンジャックはオーディオ面でも優位だが、ゲームなどの需要も多い点を見越して搭載に踏み切ったと言う。特にスマホ向けリズムゲームの市場が他国より強い日本では強い訴追力を持つことになる。

 

 

Xperia 1IIではDSEE Ultimateで圧縮音源やストリーミング配信もより高音質で楽しめる

 

 ウォークマンに使われたアプコン技術ことDSEEを今作も搭載した。何より今作はAI補整のものが入っており、仕組み的にはNW-ZX507などに積まれてる第3世代DSEE HXに近いものになる。これに、本体にイヤホンジャックがあることでこの恩恵をフルで受けることが可能だ。


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音の面でも効果は絶大だ

 

 補正の方向はわかりやすいものにはなってますが、傾向的にはNW-A100とかに近い。サウンドについてはソニーミュージックの監修も受けており、間違えなく今までのXperiaでも最高クラスのサウンドだ。明記されてはいないが、今後はハイレゾストリーミング対応なども視野に入れてるということで、ひとつパイオニア的な存在にもなりかねないスマホとなる。

 

 

圧倒的なリアルを映し出すXperia 1IIの4K対応ディスプレイ

 

 21:9で4K解像度のパネルを積むのは間違いなくソニーしかない。ある種のアイデンティティとも言えるところまできた。今作では疑似的な90Hz駆動(残像低減処理)にも対応しており、前作のXperia 1と比較しても滑らかに描画されるようになっている。

 

 

Xperia 1IIの良いところ

 

 やはりスマホにはイヤホンジャックは必要という感想が真っ先に出てくる。ソニーのXperiaの場合DSEE HXのように圧縮音源でも楽しめるものを持ってるからこそ、このイヤホンジャックはほんとに使い勝手が良い。近年は搭載機種が減っていることも選ぶにあたって優位になるポイントだ。ゲームや映像を視聴したりする時も、アダプタを持ち歩く必要がない。イヤホンでも有線のものであれば、遅延や電池持ちの短さも懸念する必要が無い点は優位だ。

 

 電池持ちは標準程度だが、スペックには満足できる。バッテリー持ちは並程度という感想だが、Xperia 1よりは電池持ちは良い。5G通信をするとGalaxy S20 5Gのようにもりもりと減って行くかとは思われるが…

 

 

ゲームエンハンサーがより使いやすくなった

 

 ゲームエンハンサーについては、UI周りも使いやすくなったが、新機能も追加された。今回はHSパワーコントロールというものが追加されており、サーマルスロットリングによる性能低下を抑える機能が追加された。これは、充電時にバッテリーに供給しないことによって発熱を抑えるというものだ。

 

国内発売でケースやアクセサリーが豊富

 

 日本ではドコモとauでの取り扱いのあるXperia 1IIに関しては、純正のケースやカバー、画面保護フィルムもソニーストアや量販店でも販売されている。日本発売機種の中でも、ケースなどのアクセサリーはかなり豊富なラインナップを持つ点は特徴だ。

 

 

Xperia 1IIのカメラにややクセがあるが、使い慣れれば理にかなった仕様

 

 個人的にはほとんどありませんが、カメラの仕様がやや特殊な点は注意が必要だ。Xperia 1IIのカメラは3つあるが、それぞれが独立して動かす考え方のため、それぞれのレンズで3倍までのズームしかできない。これはソニーも「レンズ交換式カメラをイメージしたものになっている」とのこと。これが「いいか悪いか」と指摘されると判断は難しいが、他のモデルのように滑らかには動かないので「操作性が悪い」と考えれば難点だ。一般的なスマホが27mmからデジタルズームを用いて270mmでズームできる中、このXperia 1IIでは

 

17-40mm f2.2のレンズ

24-70mm f1.7のレンズ

70-210mm f2.4のレンズ

 

これらのレンズをそれぞれ交換して使うというイメージとなる。このコンセプトが今までのスマホには無いので、市場に受け入れられるかと言ったところだ。加えて、Pro Photographyアプリがまだ未実装な点もあり、まだ完全体とは言える状況ではない。

 

 

ソニーが作り出した「これぞXperia」と呼べるスマホがXperia 1II

 

 多くのメーカーが参入し、淘汰されたスマホ市場。価格面で中国メーカーなどに勝てない以上、独自性で勝負せねばならない中でソニーは大きく遅れを取ってた時期があった。その反面、Xperia Z5 Premiumのような「この画面性能いる?」みたいなオーバースペックスマホも存在した。

 

 そして、今回のXperia 1IIが生まれた背景にはソニーの経営陣がいわゆる岸田体制に刷新されてからのファーストプロダクトということが大きい。現在のソニーモバイルのトップは、かつてカメラ部門を担当されていた方となる。その体制で生まれたのは「αらしいカメラを持つ」Xperia 1というスマホだ。それだけでは訴追力が足りないと考えたのか、CineAltaチーム監修のカラーマネジメントされたBT.2020 10bit入力対応というハイエンド機も真っ青の4Kディスプレイを搭載したのだ。マスターモニターにも使用可能とか言う時点で、まぁ頭悪い(褒めてる)機能を備えたなと。

 

間違いなくこんな頭悪いことが出来るのはソニーしかいないのだ。

 

 そんなXperia 1も細かい詰めが甘く、モニターは素晴らしいが、カメラをはじめとした他の機能が他社に追いついていないという評価が多かった点も事実。それもあって今作のXperiaは同社のαシリーズと同様のネーミングに則ったものになりました。カメラを強化していく方向性は、今後のXperiaにおいてもカギになると考える。

 

Xperia 1IIは「ソニー好き」に贈る最高のスマートフォン

 

 

 ソニーではこのスマホを「全てを極めたい方に贈る」としている。その意図もわかるが、筆者はこのスマホを欲しいと思う方のほとんどは「Xperia 1/Xperia 5のオーナー」だと考える。これはXperia 1で足りなかった、痒いところだった機能が全てXperia 1IIには入っているからだ。イヤホンジャック、残像低減処理の可能なOLEDパネル、高性能なカメラはXperia 1オーナーの筆者から見ても欲しかった機能だ。

 

指紋認証一体型電源ボタン

・無接点充電(Qi)

・5G対応(Sub6のみ)

・128GBのストレージ

 加えて、上記のような機能もXperia 1ユーザーとしては欲しくて羨ましい機能だ。無接点充電やストレージの増量など、痒いところのほぼ全てに手が届いてしまう存在となる。

 

 このようなことを書く背景には、ソニー的にはXperia 1にてXperiaユーザーにふるいをかけたと感じている。今まで「なんとなくハイエンドのXperia」を選んでた人に「ここまでのものは要らない」と言わせるスマホを作ったのだ。「もうウチはこんな尖った機種しか出さないよ。それでもついてきてくれる方は買ってくれ 」このようにでも言われたかのようだ。

 

 事実、この戦略は間違っておらずXperiaというプロダクトのターゲティングに繋がった。ハイエンドモデルは妥協せず、ソニーらしさをトコトン押し出してやって良い。そんなスマホをユーザーは求めてるという点に繋がったと感じる。Xperia 1や5に魅力を感じて買われたユーザーになら、多少値段が高くなっても欲しいと思える価値がある。そんなスマホと言えるでしょう。

 

 

最後にXperia 1IIをひとことで

 

 Xperia 1IIをひとことで言えば「ソニーらしさをふんだんに盛り込んだハイエンドスマホ」と言うべきでしょうか。言わばソニーのプロダクトが好きな方ならきっと受け入れられるものだ。ターゲティングもしっかりとされたので、欲しいと思う人は絞られたが、それがソニーのやり方なんだなと。

 このXperia 1IIは日本投入されたXperiaの初号機から数えて、10周年の節目に当たるモデルになります。XperiaがAndroid OS搭載になってからもうそんなに経つことに感慨を覚える。確かに細かい所をつつけば詰めが甘いと思うところある。それでも、かつてのXperiaの中途半端な甘さがない

 

ソニーが今できることを全て突っ込んだスマホ

 

 そして、次世代のXperiaのコンセプトとなったXperia 1から1年が経った今、「1から生まれ変わったXperia」は次のステージに進もうとしている。中華メーカーの在り来りなスマホとはちがうソニーの意地と魂を感じるスマホだ。今後も尖った「ソニーらしいプロダクト」に期待していきたい。