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ASUS Zenfone 8 Flipレビュー カメラの回る個性派なハイエンドSIMフリースマホ

どうも  今回はASUS Zenfone 8 Flipの実機レビューです。

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ASUS Zenfone 8 Flipの「Flip」とは?

 

 台湾ASUS社のおくる2021年のフラッグシップモデルだ。Zenfone 6や7の特徴であったフリップカメラを引き継ぎ、他社でも広く取り入れられているトレンドを取り入れたアップグレードモデルだ。Flipはフリップカメラの意味でGalaxy Z Flipのように折りたためるわけではない。

 また姉妹モデルとして、5.9インチのコンパクトな画面にハイエンドチップセットとFeliCaを採用してファンの心をつかんだZenfone 8がある。基本的なスペックは以下の通り

 

SoC Qualcomm Snapdragon 888

メモリ 8GB

ストレージ 128/256GB

 

画面 6.77インチ AMOLED

リフレッシュレート90Hz対応

HDR10+対応

 

カメラ

メイン6400万画素

超広角1300万画素

望遠 800万画素(3倍望遠)

 

バッテリー

5000mAh


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本体背面はASUSのロゴのみとシンプル


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指紋センサーはZenfone 7では側面だったが、Zenfone 8 Flipでは画面内へと変化した

 
フリップカメラによって唯一無二の特徴を手に入れたスマホがZenfone 8 Flip

 

 Zenfoneシリーズについては一昨年のZenfone 6から大きく方針転換し、クセのあったZenUIもAOSPベースとなったことで普通に不満なく使える機種へと変化した。その中でも特徴的だったのが、電動フリップカメラとなったインアウト共用のカメラだ。

 そのフリップカメラをZenfone 7でもしっかり引き継ぎ、さらにこのZenfone 8 Flipでも継承した。他社には見られない特徴を持つスマホなのだ。ついにフリップカメラも第三世代になりました。こんな変態要素を第三世代まで継承したスマホはそうありません。



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こんな感じでリアカメラが180度回ってインカメラにもなる


 スペックはハイエンドスマホらしく、SoCにはQualcomm Snapdragon 888を搭載。5G通信にも対応し、日本ではNSR方式(n77/n78)に対応している日本では数少ないn77に対応したハイエンドSIMフリー機のひとつだ。

 メモリは8GBでストレージは128/256GBを選択可能。XperiaやAQUOS以外では珍しくmicroSDカードにて容量の拡張も可能だ。

 

 画面はFHD+解像度6.67インチのフルディスプレイを採用。90Hzのリフレッシュレートに対応したAMOLEDパネルで、HDR10+などの最新規格や幅広い色表現にも対応だ。


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 カメラは3眼構成で、メインセンサーは6400万画素を採用。1300万画素の超広角カメラと800万画素の3倍ズームレンズを備えている。

 このカメラが180度展開するので、フロントカメラも同等のハードウェアが使用できる点を特徴としている。物理的に動作するフリップカメラの特徴を生かしたパノラマ撮影や、被写体追従も可能など面白い要素も備える。

 

 今作はZenfone 7のようなProの設定は無く、フリップカメラにもOISを備えたZenfone 7Pro準拠のスペックとなっている。

 
Zenfone 8 Flipをつかってみて。ハイエンドで飛び道具カメラは面白い

 

 さて、Zenfone 8 Flipについてだが、今年発売のハイエンド機ということもあって、動作面でひっかかりを感じたりすることはない。ここはSnapdragon 888搭載なだけあって、快適に動作する。


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フリップカメラのおかげで画面にノッチやパンチホールインカメラが無い。動画視聴やゲームでは非常によい視聴体験ができる。

 

 筆者もこのような端末は昨年のZenfone 7に引き続き体験してますが、やっぱりフルディスプレイの視聴体験は良いと思うところだ。本体スピーカーの音質も比較的良い部類だ。


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実はフリップカメラの裏側にある穴は通話スピーカーだったりする。

 

 

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 カメラで何枚か撮ってみたが、写りはハイエンドらしく良い感じ。それでも、カメラ性能特化の同世代機よりは一歩劣る印象。ハイエンドを名乗るだけあって標準カメラや広角カメラの画質は良く、このハードにて自撮りできるのは非常に強い。

 

 筆者としては3倍望遠カメラの焦点距離が長いのか、テレマクロみたいなものを撮ろうとするとピントが合わないのが印象的だった。


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 フリップカメラでセルフィが撮影できることもあって、Zenfone 8 Flipはビューティーモードも充実しているのが特徴だ。美肌モードは恐ろしいレベルで毛穴とほくろやシミが消え、小顔モードは補正最大にするともはや別人レベルで小顔になる。

 目も大きくできたり、クマやしわを目立たなくしたり、唇もより魅力的なカラーに仕上げられるので、これにスタンプアプリを組み合わせればどこでもプリクラ撮影ができる。

 

 ちなみに知り合いの女性に試してもらいましたが、「これで自撮りしたら化粧いらなくね?」「これは撮るドモホルンリンクル。塗らなくてよい」との声も。ある意味、自撮りスマホで名をはせたMeituのスマホたちに通ずるハードウェアの本気を感じた。このままソフト補正も強化して自撮り特化のスマホとして突き抜けてほしいところだ。

 

 もちろん動画の撮影もフリップカメラで行けるので、セルフログの配信や、V-logと言った分野でもばっちり使える。本体がビデオグリップ代わりにホールドできるのもポイントだ。


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今作より追加の「商品レビューモード」という機能。カメラに商品を近づけることで自動的に商品側にピントを調整してくれる。

 

 気になるフリップカメラの耐久性は前作の20万回から30万回の開閉耐久性を備えるものに進化。1日160回開閉しても5年間はしっかり使えるものとなっているのはうれしい。


 細かい点ではSIMトレーがSIM1+SIM2+microSDの運用が可能だ。よくあるDSDV対応機の片方SIMがSDカードと排他運用にならないのが利点で、ハイエンドスマホではレア中のレア仕様だ。

 

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ZenUIは以前のゴリゴリにカスタムされたものから、AOSPベースのものに。確かに個性的な機能も多く、使い勝手も比較的悪いものではありません。

 

ASUSのラインナップの中では微妙な位置づけとなったZenfone 8 Flip

 

 さて、モノとしては非常に良いものながらASUSの中でZenfone 8 Flipの位置づけが良く分からなくなってしまったのも事実だ。

 以前はフリップカメラのZenfoneかゲーミングスマホのROG Phoneとある程度差別化できていましたが、ここにZenfone 8が入ってきてよく分からないものになってしまった。

 

 Zenfone 8はコンパクトボディにハイエンドスペックを詰め込んだ「ミニマムハイエンド」と呼べるスマホ。120Hzのリフレッシュレートに対応し、防水防塵も備えて、日本版はFeliCa対応とホントにやる気に満ちたスマホに仕上げた。

 ROG Phone 5は発売時期と値段の問題をクリアし、日本版でも10万円以下での展開としたことでこちらも攻めの姿勢が見える。

 

 その中で、Zenfone 8 Flipはどうだろう。画面のリフレッシュレートは前作同様の90Hz止まり、カメラ機構の関係で防水対応は難しく、FeliCaには非対応。おまけにZenfone 8やROG Phone 5にはあるイヤホンジャックもなし。

 

 進化の大きい他のモデルに比べると、どうしてもZenfone 7の焼き直し感が拭えないものになってしまった感が強い。

 もっとも、Zenfone 7のコンセプトは良かったので、コンパクトなZenfone 8をフラッグシップに位置づけた場合、フリップカメラ搭載でカメラを強化したモデルがZenfone 8 Flipと言う見方もできる。

 

 ただ、画面のリフレッシュレートやイヤホンジャックの有無、展開されるスペックなどから見て純粋なZenfone 8の上位互換機とは言えない。そして、Zenfone 8 Fllpは本体重量が230gと地味に重たいのがネック。

 これはGalaxy S21 Ultraよりも重たく、手に持った時のずっしり感は否めない。女性向けに売り込みをかけるとしてもあまりにも重たすぎるのだ。

 

Zenfone 8 Flipは個性を身にまとった唯一無二のスマホ


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  Zenfone 8 Flipを一言でいうのなら、Zenfone 7シリーズのコンセプトそのままに、よりブラッシュアップして完成度を高めたのというべきでしょうか。ASUSの個性が出てきて他社としっかり差別化された機種のように感じた。

 

 確かにハイエンド機ながら8万円台の価格設定と比較的安価ではあり、MVNOの割引をうまく組み合わせれば5万円台でも購入可能だ。国内で正規販売されてるハイエンド機の中でも、比較的安価と評価したい。

 

 加えてZenfone 8 Flipはイヤホンジャックや防水がなかったり、フラッグシップと呼んでいいのかよくわからないポジションだったりと、ちょっと痒いところには手の届かないスマホなのは事実。

 それでも基本性能の高さから2〜3年はしっかりメインで使えるスマホに仕上がった。

 

 Zenfone 8 Flipはいろんな意味で差別化を図った個性的なスマホではあるが、この手のスマホはあくまで「個性的」か1世代のみで終わってしまう。そう思われた中、電動フリップカメラ搭載のゲテモノハイエンドスマホが3世代にわたって発売されたことが奇跡みたいなもの。

 ニッチデバイスは後継機が出ないことがよくあるのですが、こんなニッチなスマホを3年連続で出してくるASUSさんもすごい。人と違うスマホばかり求める端末のオタクとしてはうれしい限りだなと思います。

人と違うスマホが欲しい
フリップカメラで今までにない作品が撮りたい。

最強の自撮り特化スマホが欲しい
コスパのいいDSDV対応ハイエンドスマホが欲しい。

 

上記に当てはまる方にはお勧めのできるスマホと言えるでしょうか。それでは