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HONOR Magic 4 至臻版(Magic 4 Ultimate)実機レビュー 最強カメラに仕上げた誰でも綺麗に撮れるスマホの決定版だ

 買ってしまいました。HONOR Magic 4 到臻版です。レビューしていきましょう。※メディアによってはHONOR Magic 4 Ultimateと表記しているものもあるが、本レビューでは中国名のHONOR Magic 4 至臻版と表記する。

 

超高性能なカメラハードを備えるHONOR Magic 4 至臻版


 HONOR Magic 4 至臻版のデザインを見て、まず目が行くのは大型の背面カメラだ。センサーサイズは1/1.12型のものを採用し、大きさだけなら市場にあるスマホでは最大クラスのものもなる。



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デザインで分かりにくくなっているが、カメラの厚みはかなり大きいものとなる

 

 前作に当たるHONOR Magic 3 至臻版はメインカメラに5000万画素のソニー製センサーであるIMX700を搭載していたが、今作では5000万画素のサムスン製のISOCELL GN2を採用している。少々ギークな端末に明るい方ならば、Xiaomi Mi11 Ultraに採用されたものと同じセンサーだ。
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厚みはXiaomi Mi11 Ultraと同じくらいだ

 

 

 このMagic 4 至臻版では5000万画素のメインカメラのレンズに8Pレンズ(8枚構成)を採用し、アンチグレアコーティングを採用している。加えて6400万画素の超広角カメラ、6400万画素の望遠カメラ、5000万画素のスペクトルカメラが搭載されている。


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メインカメラは8枚構成のレンズを採用している


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超広角カメラのレンズはフリーフォームレンズを採用している。この辺りはHuawei Mate 40 Pro+などを感じられる


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Magic 3 至臻版とはカメラ配置が異なっている

 

 Magic 3 至臻版にあったモノクロカメラが廃止され、代わりにスペクトルカメラが採用されている点は興味深い。名前の通り光の波長を捉える用途で使われていると思われる。ファーウェイでもP50 Pocketに採用しており、画質向上に一役買ってると思われる。

 

誰でも簡単に、綺麗に撮れる。スマホカメラが目指すひとつの答えを示す素晴らしい写り

 


HONOR Magic 4 至臻版による作例は以下のものになる。全て撮って出しの無編集の状態だ。

 HONOR Magic 4 至臻版の写りを見て感じるものは、HDR補正が大きく入り、白飛びがかなり抑えられていることが分かる。加えて彩度が高く鮮やかな点も特徴だ。SNSに投稿した際も目に付きやすい印象的なものだ。

 

    評価機関にあたるDxO Markでも146点(現時点で最も高スコア)を出しており、たしかに綺麗に撮れる点はうなずける。もちろん綺麗に撮れているかを最終的に決めるのは、我々利用者の目で得た情報になる。ここから先は好みの世界となるので、あくまで参考程度に留めておいてほしい。

 

 特に料理の写真はかなりきれいに撮れるものに仕上がっており、飯テロカメラと呼ばれる分野においてはトップレベルのスマートフォンだ。

 

 夕焼けといった場面でも適切なホワイトバランスで綺麗に撮影することができる。そういう意味ではミスショットが少ないスマートフォンと評価できる。もちろん、カメラハードウェアの基本性能が高いことも綺麗に撮影できる理由と考える。

 

 超広角カメラは優秀だ。11mm相当という広角で撮影が可能で、ほかのスマートフォンよりもダイナミックな画角での撮影が可能だ。デフォルトはゆがみを抑えるため16mm相当となっている。

 

 望遠性能も優秀だ。光学3.5倍、換算90㎜相当のものとなり、デフォルトで7倍相当まで撮影可能だ。一般的な実用域において問題ないくらいのクオリティで撮影できることがわかる。Magic 4 至臻版では最大で100倍望遠まで可能だ。

 望遠性能はかなり優秀な部類だ。さすがに10倍を超えると画質劣化が目立つが、極度な望遠性能をを求めない日常利用では問題ない。

 

 

 夜景モードについても比較的綺麗に撮影することができる。一方で場面によっては、フレアやノイズが目立つ描写もいくつか見られた。競合他社がこの部分にもしっかり最適化をしているので、今後のアップデートや次回以降の機種に期待したいところだ。

 

TGS2022 Tokyo 7th Sistersブースにて

 

    ポートレートモードも悪くない処理だ。一方で時々不自然な描写になったり、被写体検出が甘いと感じる場面も見られた。この辺りはアップデート含めて期待したい。


 一方でMagic 3 至臻版とは写真のチューニングが異なり、かなりシャープネスが強いものとなる。パッと見て鮮やか、パッと見て綺麗な点では非常に理にかなったものではあるが、当然苦手な被写体もいくつか存在する。

 例えば杉の葉を撮影してみた。こちらの作例ではシャープネスを効かせすぎて、葉っぱの質感がかなり硬く感じる。柔らかいものを柔らかく撮ると言ったことが少々苦手なスマホだと感じた。

 このスマートフォンはマニュアルモードがかなり少ないものになる。基本的にスマートフォンの考え方である「誰でも簡単に綺麗に撮れる」という点にすごく注力して作られているのだと感じる。

 加えて中間倍率の処理が非常に上手くなっている。前作同様の融合処理に加えて、大型の高画素センサーを用いることで、デジタルズーム時の画質劣化を抑えて撮影できる点も嬉しいものだ。

 

高性能カメラ以外もしっかり進化。独自チップも備えるMagic 4 至臻版


 HONOR Magic 4 至臻版に関しては大型センサー搭載のカメラに注目が行きがちだが、画面性能なども大きく評価したい。ざっとスペックを書くとこんなところだ

SoC:Qualcomm Snapdragon 8 Gen 1
メモリ:12GB
ストレージ:512GB

画面:6.81インチ FHD+ OLED LTPO対応

カメラ
リアカメラ
メイン:5000万画素 1/1.12型センサー 27mm相当 f1.6 8Pレンズ OIS
超広角:6400万画素 1/2型センサー 11mm相当 f2.2
望遠 :6400万画素 1/2型センサー 90mm相当 f3.5 OIS
スペクトラムセンサー(5000万画素 f2.5)


フロント:1200万画素
別途D-tofセンサーあり

 

OS:Magic UI 6 Android 12
バッテリー:4600mA/h
100W急速充電
無接点充電対応

 


 プロセッサはSnapdragon 8 Gen 1を搭載と今年のハイエンド機らしいところはしっかり押さえ、メモリも12GBと必要十分だ。

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 スマホとして使ってみるとハイエンド機というのもあって動作にストレスは感じない。Snapdragon 8 Gen 1は比較的発熱の多いチップセットと言えるが、チューニングが良いのかよほどのことをしない限り発熱で「熱い」と感じることは少ない印象だ。GPU Turbo Xというゲーミング性能向上オプションも備えており、この辺りはファーウェイ由来のものだと感じられる。

 


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 画面は6.81インチのものが採用されている。LTPO対応の有機ELパネルが採用されており、リフレッシュレートを1〜120Hzまで可変できる。色帯域もかなり豊かに再現できる高品質なものが使用されている。

 画面のガラスにはナノセラミックガラスと呼ばれるものが採用されており、従来よりも5倍の耐久性を持つものになる。加えて、本体スピーカーのクオリティも上々だ。非常に評価の高かったMagic 3 至臻版からブラッシュアップされており、良質なサウンドを楽しむことができる。

 

 実はMagic 4 至臻版は独自チップも載せている。発表会で触れられていたものとして、ディスプレイ制御チップとAI ISPというイメージングプロセッサー、セキュリティチップがある。


 ディスプレイ制御チップはリアルタイムでリフレッシュレートの制御、HDRアップコンバートのリアルタイム変換、フレーム補完技術を担うものになる。独自チップにすることによって、消費電力を抑えての処理が可能になっている。


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 AI ISPは4K HDR 10bit撮影時に適切な処理を行う用途で利用される。主に動画撮影時のリアルタイムHDR 処理を低消費電力で行う。また、静止画撮影時も夜景モードの処理時間短縮などに効果を発揮している。

 処理性能は28.8TOPS(Snapdragon 888のAI性能と同等)となり、この性能を画像処理専門に割り当てることができる。どちらかといえば、OPPOがハイエンド向けに展開するMariSilicon Xに近いものだ。
 

 セキュリティチップはパスコードなどの重要情報を別途管理するものになる。Apple製品のセキュリティチップに近いものとなる。


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本体はMagic 3 至臻版同様の質感を持つものになる。高級感のあるもので、フラッグシップモデルらしさを演出している。

 

HONORらしさが出てきたMagic 4世代。今後の展開やアップデートにも期待

 


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 会社の出自からもファーウェイ系とも言えるHONOR。前作のMagic 3 至臻版はHuawei P50 Proの上位互換とも言えるハードウェア構成となり、「至臻(直訳で完璧)」の名前通り完璧なハードウェアに仕上げてきたものだった。

 

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 一方で、Magic 4 至臻版はカメラのチューニングがファーウェイ寄りのものではなくなり、独自の路線へと歩み始めていることが伺える。技術的にはファーウェイに端を発するところもあるが、写真のチューニングは完全に別物の機種だと感じる。

 どちらかと言えばGalaxyなどに近いものであり、SNS映えを狙うような現行トレンドのスマートフォンとして考えるのが適切だ。

 

 正直なことを言うのであれば、デスクトップ環境のモニターでMagic 4 至臻版の写真を確認をすると、他機種に比べてノイズや歪み、過剰な補正で描写が不自然なところは存在する。
 ただ、パッと見は比較的きれいに撮影できることもあって、筆者自身多くのスマートフォンと比較さえしなければこのような感想は抱かない。ましてや、そのようなことを一切気にしないユーザーであればなんら問題に感じることはないだろう。 


  写りの良さと言ったところでは、かなり上位に来ていると感じる。撮影できる写真のクオリティも高いこともあり、Huawei の後釜とも言えるポジションは確実に手にしてきてると感じる。

 それ以外に惜しいところを述べるのであれば、やはり Google サービスが利用できないところだ。このような端末は日本において、知見がある方々が利用するものだと考えるが、それを踏まえてもかなり使いにくいスマートフォンであることは事実だ。

 一方、アップデートにて国内のVoLTEが利用可能になっている。Magic 3 至臻版はこの点で利用するキャリアを選ぶ必要があったが、そのハードルの高さはなくなっている。


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 筆者自身、いろいろな機種を使ってきているが、この機種はサムスンのGalaxy S22 UltraやXiaomi 12S Ultraといったプレミアムなスマートフォンに真っ向からぶつけていくものだ。

 

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 Magic 4 至臻版はカメラ性能の高さ、エンタメ機能の強さ、基本性能の高さ。それに加えて、制裁対象で5Gスマートフォンを発売できないファーウェイ由来の技術も多く採用されており、5Gにもしっかり対応するなど後釜色の強いものとなった。

 

 HONORのスマホが今後さらにどのような進化を遂げていくのか。スマホ好きの筆者の目線からも目が離せないところだ