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8年前のAndroidタブレット「Xperia Z4 tablet」は今でも使えるのか?実際に使って感じたこと

 発売から8年が経過してもなお、中古相場で1万5000円前後で販売されるAndroidタブレット「Xperia Z4 tablet」を前回の記事で紹介した。

 今回は、そのタブレット端末はどのような用途で利用できるのか?そのようなところを実際に試してみた。

 

 

まだ使える?中古でいまだに1万円以上!Xperia Z4 tabletをおさらい

 

 簡単であるが、Xperia Z4 tabletのスペックをおさらいしよう。核となるSoCは「Snapdragon 810」を採用し、3GBのメモリと32GBのストレージを備える。

 画面については10.1インチのWQHD解像度のものを備えている。IP68の防水に加え、キャリア版ではフルセグ視聴にも対応する。発売時の定価は仕様によって異なるが、8〜9万円となっていた。

 

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本体はマット仕上げとなる。
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プロセッサには8年前のフラグシップである「Snapdragon 810」を採用している。

 

 さて、8年前のフラグシップAndroidタブレット…と言っても、現在において性能はとっくに限界を迎えている。

 

 8年前のAndroidスマホといえば「Galaxy S6 edge」「Xperia Z4」「ARROWS NX F-04G」となる。この世代の機種は発熱に苦しめられたこともあり、いい思い出のないユーザーも少なくないことだ。

 

 そして、時の流れは残酷なものだ。これらの機種の性能は、近年の2万円前後で販売されるスマートフォンにも劣る。

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2万円台前半で販売されるarrows Weよりもこの世代の端末は性能は劣る

 

 この手の商品には「いつまで使えるか?」「まだ使えるのか?」という質問も多いが、筆者的には普通のタブレットとして使うにはかなり難のあるものと感じる。

 

 そのため、このタブレットを満足に使うには、用途を絞った「高度な使いこなし」が必要になってくるのだ。

 

8年前のAndroidタブレットとはいえPDF閲覧、動画視聴ならまだまだ使えそう。390g台の重量が魅力に

 

 基本的な処理性能が低くても、オンラインの文章の表示や動画視聴としては問題なく使える。本体やSDカードに保存したPDFの文章、電子書籍の閲覧。動画の再生も問題なく行えた。

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古い機種なので画面輝度は高くない。それでも390gクラスの軽量ボディのため、サイズの割に重さをあまり感じない

 

 動画視聴については、本体に保存したものはストレスなく再生できた。自炊端末としては優秀な部類だ。

 オンライン環境が必要なYouTubeも最新バージョンが利用できるので、ネット接続で視聴しても。大きなストレスは感じなかった。

 

 Xperia Z4 tabletの本体スピーカーはフロントステレオスピーカーとなっており、当時としてはかなり高音質な部類となっていた。

 現行のiPad ProやGalaxy tab S8+などに比べると劣るが、2万円台の安価なタブレットの比較ならいい勝負ができる。

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Youtubeも問題なく再生できた


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国内キャリア向けに展開された機種はワンセグ/フルセグによる地上デジタル放送が視聴が可能だ。

 電波状態が良ければ本体のみで視聴可能となるが、別途アンテナケーブルを利用すればより快適な視聴が可能だ。

 

 

 このため、軽量かつ防水防塵を備えることからメディアの閲覧端末に限らず、「お風呂用テレビ」と言った防水性能を生かした用途でも利用ができそうだ。

 

 

8年前のスペックでは流石にゲームは厳しそう。アプリのアップデートもそろそろ限界か

 

普通の「コンテンツ消費端末」としてXperia Z4 tabletを見てみたが、ここではスマートフォンのように使ってみた感想を書いていく。

 

 まず、ブラウジングについてはワンテンポ…どころか、少し待たされると思ってもらって良い。

 これは8年前の端末なので仕方がないと言ったらそれまでだが、近年の廉価な5G端末でも感じない動作感だ。

 

 これだとゲームは厳しいことだろう。試しに筆者が良く遊んでいる「ミリシタ」を使って試してみた。

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ゲームについても古い機種向けのサポートが終了する中、ミリシタは記事執筆時点でも動作した

 

 

 実際に遊んでみると、思った以上にちゃんと動作する。ただ、動画以降は本体が発熱して動作制限がかかったので、まともに遊ぶことは難しい。

 

 加えて、Android 7.0でアップデートも終了しているため、利用できないアプリも増えている。本体容量が32GBと少ないこともあり、最新のアプリはもちろん、原神などのゲームなどではサポート外となる。

 また、SNSなどのアプリも機能が制限されたり古いバージョンのままになることで、一部機能が利用できないと言ったものもある。

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筆者が確認した限りだと、Google系のアプリはまだ最新バージョンが利用できた

 

スペック的には限界だが、軽さと防水を生かした"用途を絞った使い方"ならまだアリ

 

 さて、ここまで8年前に発売されたXperia Z4 tabletを使用してきたが、やはりスペック的には無理があるように感じた。

 高負荷なゲームはさておき、ブラウジングや動画視聴などでも若干待たせられる。動作のもたつきや発熱なども、今となってはスペックの低さを感じる。

 加えて、OSのアップデートも終了してから時間が経過しており、最新のアプリは動かすことすらできないものもある。

 

 その一方で、特定の用途に限って使用するのであれば、まだまだ使える端末だと前回の記事のコメント等で改めて確認できた。

 

「お風呂用のテレビとしてまだ現役だ」

「軽量なので仕事用のPDF閲覧ツールとして愛用している」

「片手で持てて、画面も大きい。代わりがないので、壊れても中古のZ4 tabletを買い直している」

「ソニー最後のAndroidタブレットなので、後継がない。今でも動画用に使い続けている」

 

 実際、このようなコメントを多くいただくなど、この8年前のタブレットを愛用しているユーザが多くいらっしゃることを痛感した。

 

 筆者としても普通に使うではかなり難があるものの、2台目のタブレットとして限られた用途で利用するのであれば、重量や防水性からも非常に使い勝手の良い端末だと感じる。

 

 

 最後になるが、そんなタブレットが中古相場では未だに1万円以上の高値で取引されているのか。その理由はやはり「替えが効かない、唯一無二のタブレット」だからだ。

 

 替えが効かない要素は、何よりも重量と防水性能だ。問われてみれば、10インチクラスのタブレットで400gを切っているものを市場では見かけない。その上で、防水性能を備えているものは世界中を探してもおそらく出てこない。

 

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当時のソニーが世界最軽量、世界最薄とアピールしたこのタブレットを超える存在がいまだに出ていないのだ。

 

 加えて、古い機種ながら「まだ使えてしまう」ことも、価格が落ちきらない理由だ。

 これはSnapdragon 810が最初期の64bitアプリに対応したチップセットのため、8年経った今でもアプリの足切りを回避できていたのだ。

 SDカードが利用できたことも、メディアの再生デバイスとして有効に利用できた。

 加えて、画面分割への対応(Android 7.0にて)や、純正キーボードが存在すること。キャリア版ではSIMロック解除可能な機種であった。

 

 これら以外の環境的な要因として、日本ではGalaxy tab Sシリーズがほぼ販売されなかったこと。

 ファーウェイがタブレットで頭角を示したころに米国制裁で失速するなど、日本ではハイエンドのAndroidタブレットが存在しない市場となった。

 

 結果としてXperia Z4 tabletは型落ちでも「廉価なタブレットよりは高性能」という位置付けとなり、長きにわたって中古市場でその価値を示すものとなった。

 

 

 さて、そのようなハードウェア的、環境的な理由もあり、Xperia Z4 tabletは乗り換え先が見つからないユーザーが続出した。いわゆる「難民」を生み出したことも事実だ。

 

 Xperia Z Ultraといい、Xperia Z3 tablet Compactといい。あの頃のソニーのハードウェアは未だに乗り換え先が定まらない「難民」を生み出すことに定評がある。それだけ洗練されたものだった。

 

 近年はAndroidタブレットも様々な要因で復調の兆しがある。これを機にソニーも、クリエイター支援の形でAndroidタブレットにまた戻ってきてくれること切に祈りたいものだ。

 

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