オウガ・ジャパンは6月13日、新型スマートフォンとなる「OPPO Reno9 A」を発表した。FeliCaや防水機能を備える日本専売モデルとなる。オープンマーケットのほか、キャリアではワイモバイル、楽天モバイルが取り扱う。
カラーはムーンホワイト、ナイトブラックの2色展開。6月22日の発売で価格はオープンマーケットで4万6800円となっている。
OPPO Reno9 Aの基本性能をチェック。メモリ増加、FeliCaのアップグレード以外の変化点はなし
OPPO Reno Aシリーズは"普及価格"の位置づけとなる機種で、海外メーカーながら徹底したローカライズで日本でも多くの支持を集める。OPPO Reno9 Aでは、「もっとサクサク。もっとワクワク。」をテーマに、従来モデルからメモリの増強が図られている。
デザインはReno7 Aから変わらないものの、ガラス筐体となるなど、高級感のある仕上がりに。OPPO Glowと呼ばれる加工も健在だ。
チップセットは「Qualcomm Snapdragon 695 5G」を採用し、メモリは8GB、ストレージは128GBとなる。SDカードによる容量の拡張も可能だ。
最大8GBまでの仮想メモリ割り当ても可能で、トータル16GBまで拡張できる。ただ、ストレージはUFS2.2規格なので、パフォーマンス向上についてはあまり期待できない。
そのため、メモリ量以外はOPPO Reno7 Aから据え置きとなる。もっともOPPO Reno5 A(Snapdragon 765G 5G)から下がったままなのは惜しいものだ。
メモリは8GBとなった
画面はFHD+解像度、6.43インチOLEDディスプレイを採用。90Hzのリフレッシュレートにも対応だ。
画面内指紋認証を備えるなどトレンドは押さえるが、Reno7 A同様に常用輝度430nit、ピーク輝度は600nitとやや暗めな点は惜しいところだ。
画面は6.43インチと近年のスマホとしては標準的なサイズだ。
本体背面のリアカメラは、メインカメラに加え、超広角、マクロの3眼構成となる。
メインカメラは4800万画素のものを採用し、超広角カメラは800万画素、200万画素のマクロカメラを備える。
フロントカメラについては、1600万画素のものが引き続き採用されている。実はこの構成も、Reno7 Aから大きく変わらない。
また、ハイレゾ対応の3.5mmイヤホンジャック、LDAC等のハイレゾ対応のBluetoothオーディオもサポートしている。その一方で本体スピーカーはモノラルとなる。
OPPO Reno9 Aでは従来に引き続き4500mAhの大容量バッテリーを搭載している。
「Dynamic Computing Engine」と呼ばれるバックグラウンドと管理によって、長期間使用できるよう改良されている。また、Reno7 Aのような「システム劣化度」を抑える仕組みも備わる。
また、大容量バッテリーを搭載しているにもかかわらず、本体の重さは183gと軽量だ。
このほか、IP65/68等級の防水、防塵機能にも対応し、おサイフケータイにも対応だ。
アップグレードポイントとして、おサイフケータイはセキュア仕様のFeliCaとなったことで、マイナンバーカードの電子証明書をサポートした。SIMカードについては、nanoSIM+eSIMのデュアルSIM仕様となる。
実質的なReno7 Aの焼き直しで据え置かれた基本性能…メーカーの悲鳴を感じる。
正直なところ、メモリ増強などのブラッシュアップが図られたOPPO Reno9 Aであったが、Xperia 10 V同様に核となるプロセッサ性能が据え置かれた点はいたたまれない。
ただ、カメラ性能の向上、ステレオスピーカー化と言った進化が見られたXperia 10 Vに比べると、めぼしい進化点がほとんどないReno9 Aは「惜しい」としか言いようがない。
プロセッサーが前作から据え置かれたこと…なんならハードウェア構成にもほとんど変化はない。メモリ増強による多少の進化はあれど、基本的な性能向上はない。もっと言えば、本体の側を変えただけと言ってもいいくらいのものだ。
ある意味では「OPPO Reno7 A Plus」的な存在だろうか。OSのアップデートさえ気にしなければ、各所で安価になり始めたOPPO Reno7 AやReno5 Aのコストパフォーマンスが光ってしまう結果となる。
もちろん、同社は多くのスマートフォングローバル展開している。昨年のReno8 Proに採用したSnapdragon 7 Gen.1。今期のReno9に採用したSnapdragon 778Gといった選択もあっただろうが、この辺りは為替相場や端末の予算なども関係してくる。
仮にもReno9の中国版をそのまま持ってきたとしても、日本での売価は税込で6万円を超えるなど、Reno Aシリーズが得意とするボリュームゾーンから外れる形となる。
例年通り「4万円台」という制約がつくと、結局のところSnapdragon 695G 5Gに。なんなら、昨年出した機種のマイナーチェンジに落ち着いてしまうのではないだろうか。この辺りに半導体不足や為替などに苦しんだメーカーの悲鳴を感じるものだ。
それでも、今年出たスマートフォンの中で「4万円台でFeliCaを備える」となればかなりいい線のスマートフォンだ。先日発表のモトローラ「moto g53j 5G」はオープンマーケット向けが3万4800円と安価に抑えたものの、円安と為替の関係で基本スペックは前作のg52jから下がる形となった。
AQUOS wish3も楽天モバイル向け価格が公表されたが、こちらも3万5800円と値上げに近い形となった。
そして、Xperia 10 Vのように楽天モバイル向けで7万2800円になったことに比べれば、多少の値上げこそ避けられなかったものの、Reno9 Aは4万円台とかなり安価に抑えた形となる。
Reno9 Aは単純なスペックよりも「より多くの人にちょうど良く、手に取りやすい価格」を突き詰めた結果生まれた製品と言える。
ベストセラーとなったReno7 Aとスペック、価格が近いことなどから、マニアからの反感はあれど人気機種となることだろう。
OPPO Reno9 A スペック
SoC:Snapdragon 695G 5G
メモリ:8GB
ストレージ:128GB
画面:6.43インチ OLEDパネル 90Hzのリフレッシュレート対応
カメラ
標準:4800万画素
超広角:800万画素
マクロ:200万画素
バッテリー:4500mA/h
18W急速充電
Android 13 ColorOS 13.1