新型コロナウイルスの感染対策による行動制限もほぼ解消され、今年の夏こそ海外旅行を計画している方もいることだろう。今回は筆者が韓国に行った際に、ドコモの通信プランであるahamoの国際ローミングを使って快適に使えるかどうか試してきた。
- 携帯キャリアの国際ローミングを使う利点
- 韓国でahamoの国際ローミングを試す。日本よりも高速に通信できて驚きを隠せない
- 最後に。通信キャリアの国際ローミングを使う利点は、旅程の自由度もグッと広がる！
携帯キャリアの国際ローミングを使う利点
今の情報化社会では、海外に行った時に最も重要なものは通信回線の確保だ。従来であればモバイルルーターを借りるといったものが一般的だったが、近年では SIM フリー端末の登場により、現地のプリペイドSIM を購入するという選択肢も利用できるようになった。
最近では大手キャリアも特定地域の国際ローミングオプションを無料にしたり、プラン料金に含んだりするといったやり方で利用しやすいようにしている。
さて、携帯キャリアの国際ローミングを利用する利点を考えてみると、Wi-Fiルーターを借りる手間や、SIMカードの入れ替えによる手間が発生しないことだ。
Wi-Fiルーターお現地で借りて利用するのは海外旅行ではよく使われる方法だ。これもルーターの性能に左右され、快適に使えるかどうかは正直渡される機器と提携先の通信キャリア次第となる。また、荷物が1つ増えてしまうことや「レンタル」のため扱い等を気にしなければならない点もデメリットとなる。
これ以外に通信料金を抑える等の目的で手持ちのスマートフォンに現地SIMを購入して利用することもできるが、これは自分でSIMの交換やAPNの設定が可能な少々上級者向けの商品だ。そのため、多くは空港にある通信事業者の窓口等で開通手続きを行うことになる。
通信事業者の国際ローミングを行う場合はこれらの手間や懸念事項が発生しない。そのため旅先でのインターネット環境確保という不安事項が一つ減る。これに加え、深夜早朝の到着で通信事業者の窓口が開いていない場合等でも、インターネット環境を容易に確保することができる。
これに加えて日本と同じ電話番号を海外でも利用していることになるので、万一の際の日本からの連絡を受け取れる点も利点になる。
韓国でahamoの国際ローミングを試す。日本よりも高速に通信できて驚きを隠せない
今回利用したドコモの「ahamo 」では月額2970円で20GBのデータ通信利用できるが、この20GB全てを国際ローミング向けの容量に割り当てることもできる。
これについては多くのキャリアでも1GBあたり数千円の料金がかかる中、このような通常料金プランに含まれている事はありがたいものだ。ただ、この容量は日本で利用したものと合算となるため、例えば月末で2GBしかデータ通信が残っていない場合は、ローミングしても2GBまでしかプラン料金内では利用できない。
ドコモのオンラインプランであるahamo。ほかのプランではこのような国際ローミング料金とはなっていない
今回の韓国滞在は3泊4日だった。一般的な利用方法であれば、5GBもあれば十分なものだ。そのため、筆者の場合は10GBほど残っていたahamoだけでもなんとかなった
ちなみに韓国キャリアのプリペイドSIM(5GB前後のデータ通信のみ)だと料金はSIM発行手数料含めて概ね1500円程度だ。通話やSMSが利用できるものは2500円前後が多い。国際ローミングを使用する場合は、これを購入するコストも省くことができるなど、場合によってはお得に利用できるように感じた。
さて、実際にahamoを韓国で使用したところ、現地の通信キャリアはKTまたはSKTにローミングされた。どちらも韓国の大手通信キャリアとなり、4Gだけでなく5Gサービスも利用できる。
実際に利用してみたところ、明洞や江南と言った人通りの多いエリアに加え、ソウル特別市内の地下鉄、ヒョンデ・ソウル等の大型ショッピングモールでも快適に利用することができた。韓国の5Gとはじめとした高速通信のエリア整備が他国に比べて進んでおり、穴がないようにきっちり整備されていることが由来だ。
ローミングしているため、KT-NTT DOCOMOと表示されている
スピードテストも行ってみたが、夜の明洞で1Gbps以上の速度を計測するなど、日本以上に高速かつ快適に利用することができた。特に日本ではドコモの通信回数の品質があまり良くないこともあり、むしろ韓国の方が快適すぎるこの状況には驚きを隠せない。
明洞にてこの数字が出てきて驚いたものだ
ちなみに日本に帰ってきたら通信速度は出ても10Mbps程度。秋葉原や新宿といった人が多い場所では1〜3Mbpsほどしか出ない場面もあり、「ドコモが最も快適に利用できないエリアは日本の東京だ」という逸話もあながち間違いではないと感じてしまった。海外の方がより快適というのも日本在住者としては困るので、この辺りは早急にエリアの改善を行っていただきたいものだ。
最後に。通信キャリアの国際ローミングを使う利点は、旅程の自由度もグッと広がる！
これから海外旅行等を検討される方も多いとは思うが、Wi-Fiルーターのレンタルや現地SIMカード購入以外の選択肢として、通信プランに含まれる「安価に使える国際ローミング」についても、1週間以内の短期間の旅行や出張であれば十分利用できるものだとわかった。
ahamoについては15日以上海外で使用するとデータ量が残っていても通信速に制限がかかるが、一般的な旅行期間であれば十分カバーできると感じた次第だ。
特に日帰りの弾丸韓国、台湾旅行や2泊3日程度の中国、東南アジア旅行には威力を発揮するプランだと考える。ルーターのレンタルや窓口対応が必要ないため、空港に行く時間や飛行機の便も深夜便をはじめ自由に選ぶことができる。海外での通信手段の確保という記念事項がないだけでも旅程の自由度は大きく広がるはずだ。
今回はahamo を利用したが、同じようなものとして楽天モバイルも3GBまでの海外ローミングはプラン料金内で利用できる。こちらも実際に韓国で利用したが、何ら問題もなく快適に通信を行うことができた。
これからの夏休みシーズン海外旅行を検討されている方は、ahamoや楽天モバイルと言った「安価で海外ローミングが使える通信プラン」もチェックしてみてはいかがだろうか。
