はやぽんログ!

使ったスマホは300台以上。スマホネイティブ世代のライターが独自の視点でレビューやニュース、コラムを発信中!

「原神」は64GB、128GBのスマートフォンでは遊べないのか。実際に試してみた

 以前に「スマートフォンで64GBの容量は上級者向け」と題した記事を掲載した際は多くの反響を得られた。

 今回は実用的な面として、アップデートで30GBを超える容量になることが予告された「原神」を64GBのスマートフォンに入れてみて、快適に使えるか考えてみよう。

 

容量は30GBオーバー。64GBのスマホやタブレットで原神を遊ぶには厳しい時代へ

 

 原神はmihoyoが展開するオープンRPGコンテンツだ。圧倒的な広さと自由度を持つオープンマップ、個性豊かなキャラクターに濃密なストーリー、迫力のアクション要素を備えたもので日本のみならず世界的な人気を集めている。

 

 スマートフォンのみならず、パソコン、PS4などのゲーム機でも動作するクロスプラットフォームな点もありがたい。その一方でスマートフォンでは軽量版といえど高い性能が求められるコンテンツとなっている。

 

 そんな原神だが、8月16日より新エリア「フォンテーヌ」が解放されるにあたり、大型のアップデートが予告されている。

 現時点までにアップデートを重ねた原神の容量は24〜25GBとなるが、今回のアップデートに伴う追加ダウンロードは予告されたもので8.1〜10.8GBとなっており、30GBの容量を超えることが確実となった。(キャラクターのCVなどによって異なる)

f:id:hayaponlog:20230814212345j:image

原神の容量は大きくなりつつある

 

64GBのスマホに原神を入れる!空き容量はかなり絶望的に

 

 今回比較的まっさらな状態として、64GBのスマートフォンに現状の原神をインストールし、アップデートデータの先行ダウンロードも合わせて行ってみた。

f:id:hayaponlog:20230814211444j:image

利用したスマートフォンはXperia XZ2 Premiumだ。今回はプリインストールアプリに加え、一般的な利用で想定されるアプリや撮影した写真や動画などのデータを想定しておおよそ6GBのデータを入れた状態とした。

f:id:hayaponlog:20230814205739j:image

原神のダウンロード前は約40GBの空きがある

 

 64GBのうちシステム領域で14GB利用していることから、実際には50GB程度が利用できることになる。プリインストールのアプリと想定データを合わせて約10GBとなる中、残りは5GBを下回るものとなった。原神は初回ダウンロードとアップデート前の追加データ取得で35GBもの容量となっていたのだ。

f:id:hayaponlog:20230814210053j:image

f:id:hayaponlog:20230814210113j:image

初回データダウンロードと追加データの事前ダウンロードを合わせて30GB以上の容量となっている


f:id:hayaponlog:20230814205823j:image

使える残り容量は5GBにも満たない。

 

 この容量となればアプリの追加インストールなどは難しくなってくる。かと言って容量を増やすためにLINEをはじめとしたSNSアプリを消去することは難しい。このため、他のゲームやダウンロードコンテンツ、写真や動画等を削除したり、泣く泣く原神を諦めざるを得なくなる。

 

 一方で現在主流の128GBの容量を持つスマートフォンならまだ余裕があるものの、システム領域を除いた100GB前後のうち1/3以上の35GBを占める原神は厳しいものがある。

 この他にも高画質をアピールしたり、長年サービスを続けるコンテンツでは20GBを超えるものも出ており、これらを数本入れただけであっという間に容量はカツカツとなる。

 原神専用の端末を1台仕立てるならまだしも、これはよほどの熱意でもない限り難しいものだ。ゲームなどを遊ぶなら128GBの容量のスマートフォンでも「上級者向け」となることは時間の問題かもしれない。

f:id:hayaponlog:20230814211221j:image

128GBのスマートフォンでも原神実際に入れてみたが、システムと合わせて約60GBを使用するなど、かなり厳しいものであった
f:id:hayaponlog:20230814211238j:image

この画面に収まるアプリしか入れていない機種でも容量の半分を使用する様相だ

 

原神を遊ぶ前にはスマホの空き容量をチェック。特にiPhone、iPadユーザーは要注意!

 

 さて、ここで気をつけてほしいのは本体の空き容量となる。パット筆者が検証した限りでも、原神は35GBのストレージ容量を消費する。このため、64GBや128GB のスマートフォンはもちろん、256GBのスマートフォンを利用していても、状況によっては容量不足になりかねないのだ。

 

 そして、正直なところ気をつけてほしい方はAndroidスマートフォンユーザーよりも iPhone、iPadユーザーだ。というのも、 iPhoneやiPadについては未だに64GBのモデルが発売されているなど、容量の小さい端末に触れている可能性がAndroid 端末よりも高いのだ。

 

 直近ではiPhone SE(第3世代)やiPad mini(第6世代)、iPad(第10世代)には64GBのモデルがあり、これを利用しているユーザーも少なくないのだ。

 また、OSアップデートが長期にわたって行われることから、中古購入をはじめ古い機種を長きに渡って利用している方も少なくない。iPhoneでは2021年発売のiPhone 13以降はすべて128GB以上の容量になったものの、市場で人気のiPhone 12や11シリーズ、iPhone SE(第2世代)には64GBモデルが存在する。

f:id:hayaponlog:20230814212010j:image

iPhone SEは安価に購入できたが、その多くが64GBモデルであった

 

 加えて、高性能ながらも中古価格が安価になりつつある2018年モデルのiPad Proや、2020年発売のiPad Air(第4世代)には64GB のストレージ設定がある。上記の機種を中古等で検討する場合は注意していただきたい。

 

 その一方で、Android端末であれば、2020年以降のハイエンド端末を選んでいれば、最低容量が128GBの機種が大半だ。iPhoneに比べれば容量問題もなんとかなるように感じる。

 そもそも、これより前の機種では原神が快適に動かないため、選んでいる方が少ないことも考えられる。そのような意味では「原神が快適に動く機種」を選んでいれば安心となる。

f:id:hayaponlog:20230814213409j:image

ここ2年くらいのハイエンド機なら多くが256GB以上の容量を持つので、とりあえずは問題なさそうだ。

 

 また、Android端末はプリインストールアプリや各種仕様によってメーカーによってシステム容量に差がある点は注意だ。

 

 原神をはじめ、近年のゲームではセーブデータ等をSD カードに保存することができないものも増えてきている。これは世界的に SDカードを搭載する端末がハイエンド領域で減っていること、事実上のストレージの断片化によるゲームパフォーマンス低下への懸念から利用できないようになっているのだ。

 

 仮にできたとしてもアップデート時にうまくアップデートできなかったり、アプリの動作が不安定になってしまう可能性が高い。筆者としてはあまりおすすめできないやり方だ。

 

 Android端末では「SDカードが使えるから大丈夫」と思われがちだが、あくまでSDカードに移せるデータは写真や動画等の各メディア、ブラウザ等でダウンロードしたデータに限られる。

 アプリのデータ等を一部SDカードに移動できるものもあるが、上記の理由から近年では少数となっている。

f:id:hayaponlog:20230814212301j:image

SD カードへの移行を試したが、移行できるものは写真や動画等のデータのみのようだ

 

64GBはもちろん、128GBのスマートフォンでも厳しい現実。原神を遊ぶには余裕のあるストレージ容量選びが大切

 

 さて、原神がここまでのサイズになってくると、他の重量級アプリもいずれこのくらいの容量となることは間違いない。正直128GBのスマートフォンでも原神だけで容量の1/3を使ってしまい、他のゲーム等を入れたら間違いなく窮屈になる。

 

 筆者としては最低ラインが256GB、写真や動画もいっぱい撮るというのであれば512GBや1TBの容量を持つスマートフォンを利用した方が安心して利用できる。

 

 特にiPhoneやiPadについては256GB以上のストレージ容量がなければかなり厳しいと考える。SDカードにメディアを避難することができない以上、各種リーダーを用いるかクラウドストレージの利用が必至となる。

 また、SDカードが利用できるとは言え、ゲームのセーブデータの移行ができない点を踏まえると、Android端末でも256GB以上あった方が安泰だ。

 

 さて、今回の原神だがモバイル版は過去のリソースやボイスデータを一部消去することで若干ながら軽量化することができるようだ。それでもデータとしては25GB以上あるものとなり、近いうちに30GBを超えることは容易に想像できる。

 

 確かに大容量のスマートフォンは価格も高価だが、その分長きにわたって安心して利用できる保険。「安心感を買う」という考え方で検討するのがベストだ。容量が足りなくなって再度スマートフォンを購入するよりは、結果として安価に購入できることの方が多い。

 

 近年ではGalaxy S23 UltraやPixel 7 ProなどをはじめAndroid端末でも複数のストレージ容量を選べる機種も現れている。SDカードが利用出来ないとはいえ、利用用途に合った容量を選べる点はありがたいものとなる。

 

 今回の原神の大型アップデートによって30GBを超えるような人気アプリが出てくる点は、ひとつのターニングポイントになるはずだ。これに合わせてスマートフォンの選び方も新しい時代に入ったと考えるべきだろう。

 

www.hayaponlog.site

 

www.hayaponlog.site