東京興行リサーチは9月1日民事再生法を適用したFCNT(旧富士通コネクテッド・テクノロジーズ)の事業のうち、プロダクト&サービス事業(スマートフォン関連事業)を中国レノボに譲渡する予定と報じた。
東京地裁に提出された同社資料にて判明したもので、同誌では以下のとおり報じた。
「FCNTは民事再生開始決定後の6月16日付でLenovoよりスポンサー支援の意向表明を受け、8月22日付で携帯端末の開発・販売・修理など主要事業について、事業譲渡契約を締結した。」
また、DX化の一環として防災や減災など目的とした監視システムとして開発を進めるエッジAIカメラやローカル5G構築を手がける「ソリューション事業」は今回の譲渡対象に含まれていない。
エッジAIカメラはカメラ側に高度なAI処理が可能なSoCを搭載し、スタンドアローンで画像解析を可能にした秘匿性の高さが特徴のカメラだ。5G/LTEにも対応しているので、画像や動画の転送も可能だ。
ちなみに最新モデルはSnapdragon 765を採用し、Android OSを採用しているなど、スマートフォン開発で培った技術が生かされている。
FCNTが展開するエッジAIカメラ
今後のFCNTのスマホ事業については、Lenovoが設立する新会社を通じて、事業譲渡を実行する予定となっているようだ。富士通ブランドよパソコンを製造するFCCLのような「レノボの富士通」といった形になりそうだ。
このため「らくらくフォン」やエントリー向けスマートフォンといった民生分野の開発、販売、修理はそのままレノボ傘下に引き継がれる形となる。
レノボのスマートフォンはモトローラも傘下にしているが、これに続く形で同社から富士通ブランドで再びスマートフォンが出る可能性が高い。
日本では絶大な支持を持つ「富士通」のスマートフォンが市場に戻ってくる日もそう遠くないのかもしれない。