人気ゲームタイトル「ブルーアーカイブ」が12月のアップデートにて特定端末のサポートを終了。いわゆる足切りを行うといったことで話題となっている。
具体的には、メモリ3GB以下の端末をのサポートを終了させるというものだ。以下、公式サイトの引用となる。
「ブルーアーカイブ」では、常に安定したサービスを継続して提供するにあたり、2023年12月下旬をもちまして、一部端末のサポートを終了させていただく予定です。
詳細については、下記にてご確認ください。
■詳細情報
▼サポート終了予定
2023年12月下旬
▼対象端末
・メモリ容量が3GB以下の端末
・一部CPU、またはGPUの仕様が満たされていない端末
※サポート停止後、サポート対象外の端末では、アプリストアでのインストールや更新が出来なくなります
※サポート終了時期および対象機種については、後日改めてお知らせいたします
ブルーアーカイブは学園×青春×物語RPGを題材にしたコンテンツで日本でも人気が高い。推奨環境はSnapdragon 865クラスと比較的高い性能が求められる
発端はこの件をマイナビニュースが報じたもので、サポート終了となるメモリ3GBの端末として例に「iPhone」を挙げてタイトルにも掲載していたこと。
メモリ3GBを理由に2020年発売のiPhone SE 第2世代も対象になるので「12月までに買い替えが必要」と報じたことで話題になっている。
現時点でのブルーアーカイブの動作要件はiOS 11.0以降が求められる
確かに、iOSデバイスの中でもiPhone X、iPhone 8 Plus、 iPhone XR、iPhone SE 第2世代といった端末は、メモリが3GBとなっている。また、iPad mini 第5世代もメモリ3GBとなる。
そのため、3GBのメモリを持つ端末という意味では報道自体は間違っていない。
iPhone SE 第2世代もメモリ3GBの端末だ
筆者としてはこの書き方は引っかかる。これは、一般にiPhoneについてはメモリ量が「非公開」となっているためだ。iPhoneは発売後にハードウェア情報を確認するアプリで「メモリ量が判明した」という形となる。
ちなみにiOS向けのアプリの動作要件をチェックすると「以下のiPhoneに対応している。」もしくは「iOS 10.0以降のiPhone」といった書き方をされている。
そのため、一般には非公開となっている「メモリ搭載量」で推奨端末を分けるような書き方をされたものはなく、推奨か否かを分けるのであれば機種別の書き方をされる。
高い性能を要求される「BIOHAZARD RE:4」の要求スペックはOSバージョンに加えて、端末名で書かれている。もちろん、ここに端末のメモリ量の記載はない
iPhoneの技術仕様をチェックしてみてもメモリ量は書かれておらず、一般には「非公開」という扱いだ
iPadについてはiPad ProとiPad Airなどにて、メモリ量の表記がある
上記を踏まえてメモリ3GB以下の端末を推察すると、これは主にAndroid端末に当てはまるものだ。メモリ3GB以下の端末は2016年より前の機種で多く存在し、3D表現を多用するゲームでは推奨環境から外れていることが多くなってきた世代だ。
具体的にはXperia XZなどのSnapdragon 820世代のハイエンド、2019年ごろまでのミッドレンジ端末が当てはまる。近年でも2万円クラスの端末にて、少ないメモリ量を備える端末は存在するが、そもそもこの手の機種は単純にスペック不足となり、ブルーアーカイブを快適に動かす事は難しいだろう。
また、一部CPUやGPUの仕様が満たされない環境は廉価なスマートフォンに多いものと考える。GPU性能が極端に低いもの、メモリ量の要件は満たしているのに、64bitに対応していないものなど、必ずしも例外が無いわけではない。これらに対する保険といった文言と考える。
最後になるが、ブルーアーカイブの運営側も、今後正式に対応機種を発表するものとしている。筆者が考察できる機種として、iPhoneについてはiOS 17にアップデートできないiPhone XやiPhone 8 Plusといった古い世代の端末は、動作的にも重い描写が多々あるのでサポート終了となる可能性がある。
また、一部動作が重たいと感じるApple A12世代の端末も切られる可能性はあるが、iPhone XSなどのメモリ4GBを備える端末の存在があるため線引きは難しい。端末ごとに名指しでサポートを切られるのであれば納得できる。
Android端末は表記の通り、メモリ3GB以下の古い端末や廉価な端末がサポート終了になるのではないかと考える。もちろん、それより前の世代のスマートフォンも非推奨のスペックながら利用しているユーザーの存在も忘れてはならない。
今回は、少々マイナビニュース側の報道がオーバーに表現したこともあって話題となっているが、日本でもまだユーザの多いiPhone SE 第2世代が足切りされるとは筆者としても考えにくい。
筆者としてはiPhoneのメモリ容量を踏まえて、今回の報道は所々オーバーに盛ったものでないかと考える。実際はメモリ量は非公開なので、これだけで足切りされるかと指摘されると判断しかねる部分がある。
その一方、12月のアップデートで特定の端末がサポート終了となるのは明らかである。今後の発表によっては、スマートフォンの乗り換え等を検討しなければならなくなるかもしれない。
先生が欲望をひた隠し、スマートフォンを妥協するような日和見主義者であれば、清渓川に沈められてピラニアの餌食になるかもしれない…と言う話はネットのスラングだけにしてもらいたいものだ。
清渓川の水面は今日も透き通っている