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Maestraudio MA910SR レビュー 女性ボーカル向けチューニング、MMCX端子採用のアイマスU149コラボモデル!

 高音質な商品が多く登場しているイヤホンの市場。最近筆者のことをビビッと刺激してくれた機種があったので紹介したい。今回は、Maestraudio MA910SR TVアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」Editionを無事ゲットしたので、サウンドを含めてチェックしてみよう。

 

ジャパンメイドイヤホンのアイドルマスターコラボモデル。本体色は推しや担当アイドルに合わせて選ぼう!

 

 Maestraudioはintimeなどのブランドを手がけるオーツェイド株式会社が手がけるイヤモニブランドだ。このブランドではMA910と呼ばれるシリーズでいくつかの製品を展開しており、今回はTVアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」とのコラボレーションとして展開されている。

 今回は最上位に当たるMA910SRをベースとしつつ、U149のアイドルたちの楽曲にフォーカスした女性ボーカルシフトのチューニング、MMCXコネクタとすることで差別化も図ったモデルだ。同作に登場するアイドル9人分のコラボモデルとして販売されるなど、かなり力を入れての展開となる。

 また、11月には新たに2名のアイドルが追加され、現在は11人分のコラボモデルが展開されている形だ。この手の製品としては異例とも言える豊富なカラーバリエーションだ。

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アイドルのイメージカラーを採用した9色展開だ

 

 

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パッケージはキャラクターのイメージカラーとモチーフが描かれている。筆者は櫻井桃華ちゃまモデルを選択した


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内箱は共通ビジュアルの橘ありすさんが描かれている

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パッケージを開けると本体とご対面。U149のデザインモチーフと同様の「ハート型」に収められており、これは通常モデルとは異なるオリジナル要素だ。企画者はよくわかってらっしゃる


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本体はキャラクターのイメージカラーに染まったフェイスプレートとモチーフが描かれる。

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イヤーピースも多く付属する。キャリングポーチにもブランドロゴが描かれる。

 

 

音場が広く見晴らしの良いサウンド。女性ボーカルリスニングなどに最適
 

 MA910SRは、グラフェンコートダイナミックドライバーに独自のパッシブ型セラミックコートツイーター「RST」と音響補正デバイスの「HDSS」を組み合わせた構成となっている。

 ピンとこない言葉が並ぶが、分類的にはダイナミックドライバーを採用した機種となる。RSTはパッシブ型とある通り、ダイナミックドライバーの振動によって作用し、電気的には駆動しない。HDSSは空気の流れや音圧を調整する機構と思ってもらえば良い。

 

 本体は共振を抑えるためのアルミ製フェイスプレートを採用し、TVアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」とのコラボによるキャラクターモチーフが加えられたものとなる。サウンドチューニングについても、ベースモデルよりやや女性ボーカルよりの調整がされているとのことだ。

 

 コラボモデルのオリジナル要素として、ケーブルのコネクタが通常モデルのPentaconnからMMCXに変更されている。音質的には前者が優位だが、MMCX規格のケーブルは市場に多く流通しておりリケーブルも容易な点がアドバンテージだ。

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オリジナル要素のMMCXコネクタは予備のケーブルを取り寄せる場面でもありがたい

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推しの色に合わせるなど、自分好みのケーブルを使うのもアリだ

 

 そんなイヤホンを早速聴いてみることにする。今回のレビューにて使用するプレイヤーはHiby R8SSだ。基本的にロスレス音源を用いる。

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試聴曲は以下の通りだ。

 

よりみちリトルスター/U149

よりみちリトルスター

よりみちリトルスター

  • U149
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

小悪魔LOVE♡/桜坂しずく(CV.前田佳織里)

小悪魔LOVE♡

小悪魔LOVE♡

  • 桜坂しずく (CV.前田佳織里)
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

Startrail/Stella MiNE

Startrail

Startrail

  • Stella MiNE
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

This is Love(Remastered 2018)/宇多田ヒカル

This Is Love

This Is Love

  • 宇多田ヒカル
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

スロウリグレット/田所あずさ

スロウリグレット

スロウリグレット

  • 田所あずさ
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

 さて、MA910SRのサウンドは音場(サウンドステージ)が広く、抜けが良いものだ。ここに加えて、ボーカルが一歩前に出てくるような感覚のサウンドというのが適切だ。

 ダイナミック型らしい音圧のある低域に加えて、適度な柔らかさのあるボーカル域、伸びのある高域いった形の構成となり、閉塞感などを感じさせないチューニングだ。

 

 最初に聴いたのは「スロウリグレット」だったが、筋をしっかり捉えるボーカルの表現に納得させられる。艶やかと言った「聴かせるタイプ」ではないが、解像感は高いので複数人で歌唱する楽曲でも対象を聞き分けやすい印象だ。

 

 ここでは「This is Love」「小悪魔LOVE♡」を続けて聴いてみる。解像感の高い心地の良い低域、ボリュームを上げてもボーカル域が低域に埋もれたり、高域がうるさくならない点は気持ちが良い。低域も量感で押してくるタイプではないため、低価格機にあるような芯のなさは感じられない。特に「小悪魔LOVE♡」は危険なくらい相性が良く筆者としてもイチオシだ。

 

 続いて「よりみちリトルスター」と「Startrail」を聴いてみる。複数人歌唱による被りもしっかり聴きとれる解像感の高さを感じる。ボーカルや楽器にトゲや刺さりの少ない聴きやすいチューニングではあるが、特定の帯域に刺さりを感じる感覚もあったので好みは分かれる。

 これは「よりみちリトルスター」にて顕著に出てくるが、このイヤホンがチューニングで調整した帯域が通常の女性ボーカルより少し高いところにあるものと考えられる。対象としているU149の楽曲をはじめとした、女性声優ジャンルにはすこぶる相性が良さそうな印象だ。

 

 ここまで聞いて感じたことは、同社のintimeブランドの機種とも異なる方向性の機種で、とにかくサウンドステージが広く開放感のあるサウンドだと感じる製品だった。

 それゆえに苦手なジャンルは少ない。強いて言えば、楽器の音色や自然な空間表現を重視するクラシック音源などは苦手な部類になると思われる。それでも女性ボーカルが絡むコンテンツなら概ね対応できる製品だ。

 

コラボモデルなのにベースモデルより安価なイヤホン。アイマスPでなくても要チェックの1本

 

 ここからまとめになるが、この機種に関してはコラボレーションモデルの中では比較的手に取りやすい価格であること。MMCX端子によって様々な応用が効く点がプラスになるはずだ。

 特にコラボモデルとしての価格も絶妙なもので、1万5000円というちょっと背伸びをすれば手に届く位の価格になっている。特段オーディオに興味がない方でも、この価格であればキャラクターグッズとして容認できる製品だ。筆者のように推しがUltimate EarsやFitEarのイヤホンを使っているからといって、10万円以上の買い物をしなくても良いのだ。

 

 今はイヤホンジャックのないスマートフォンが大半だ!という声に応えるMMCXコネクタ用のアダプタも存在する。著名なものとしてFiio UTWS5というものがあるが、これを使用するとリケーブル可能なイヤホンを完全ワイヤレス化できる。

 こちらの製品は概ね2万円台前半で購入でき、MA910SRと合わせても3万5000円ほどの構成だ。音質特化ワイヤレスイヤホンとしての選択肢としても十分になり得る構成なのだ。

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2万円台で購入できるFiio UTWS5

 

 もちろんリズムゲームなどで遊ぶ用途にもしっかり利用できる。低域がしっかり再現できるため、ビートも追いやすいくリズムゲームを遊ぶ用途にも向いていると考える。

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デレステを遊ぶ際にも大活躍すること間違いなしだ

 

 そんなMA910SR TVアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」Editionだが、通常モデルは1万9800円に対して、コラボモデルは1万4900円の設定だ。版権が絡んだりなどの理由から高価になりがちなコラボレーションモデルながら、通常モデルより安いという異例なものだ。確かに、コネクタがMMCXになったことでコストは下がっているように感じるが、それでもこのようなパターンは異例だ。

 

 コラボレーションモデルと言っても、その実力は侮れない。MA910SRのMMCX版が欲しい方、単純に安価で女性ボーカルを得意とするイヤホンに興味がある方はチェックしてみてほしい。