こんにちは。これまで使ったスマホは300台以上。生まれはギリギリZ世代のライター はやぽんです。今回は、今さらながらXiaomi 12T Proの国内版をゲットしましたので、レビューとして残しておく。
Xiaomi 12T Proは日本に投入されたXiaomiのハイエンドモデルとして話題となった。日本向けにはおサイフケータイに対応し、ハイエンドチップを搭載したXiaomi 12T Proはソフトバンクでの取り扱いもあって注目度も高かった。
- 2億画素カメラがいろんな意味で強いXiaomi 12T Pro
- スペックも最高峰。19分でフル充電可能な「神ジューデン」とSnapdragon 8+ Gen 1採用の意欲作
- 値段がネックとなったXiaomi 12T Pro。ソフトバンクでは発売から1年経たずに投げ売りの「一括9800円」
2億画素カメラがいろんな意味で強いXiaomi 12T Pro
Xiaomi 12T シリーズは昨年10月に発表されたハイエンドスマートフォンだ。コストパフォーマンスを重視しつつ、高性能に仕上げた製品だ、上位モデルのXiaomi 12T Proは同社のグローバルモデルとしては初のSnapdragon 8+ Gen 1プロセッサと2億画素のカメラを採用する高い性能。最短19分でフル充電可能な超急速充電が魅力だ。
ここでは売りの2億画素カメラについてチェック。メインのカメラは2億画素のセンサーを搭載したものになる。イメージセンサーにはサムスンのISOCELL HP1が採用されており、世界初の2億画素スマホのひとつとなっている。
それ以外には800万画素の超広角カメラと200万画素のマクロカメラを備えている。この辺りは「コスパ重視」の製品ラインなだけあって、メインカメラ以外はコストカットされている。フロントカメラは2000万画素のものを採用する。
2億画素のイメージセンサーのサイズは1/1.22型と物自体は大型の部類だ。理論上は4倍望遠でも1200万画素相当の情報量を残せるため、明るい場面でのデジタルズーム画質はかなり向上している。
写真の傾向で言えば、かなり派手目の色が出るチューニングという形になっており、目で見たような景色を捉えるというところでは少々苦手なイメージがある。
ライカコラボレーション前の端末ということもあり、良くも悪くも少し前のXiaomiという感覚は拭えない。
それでも一般的なシチュエーションにおいては十分な写りとなり、多くを求めなければ満足度は高いはずだ。
超広角カメラでは一段スペックが落ちる形となる。800万画素の廉価なセンサーであり、メインカメラほど力を入れていないので、過度な期待はしない方が良い。
スペックも最高峰。19分でフル充電可能な「神ジューデン」とSnapdragon 8+ Gen 1採用の意欲作
Xiaomi 12T Proは2億画素のカメラと同じくして、クアルコムの最新プロセッサである「Snapdragon 8+ Gen 1」を採用。日本では搭載端末があまり多くなく、2022年発売モデルの中ではトップレベルの性能だ。他のスペックは以下に示すとおりだ。
SoC Snapdragon 8+ Gen 1
メモリ 8GB
ストレージ:128/256GB
画面:6.78インチ OLED
120Hzリフレッシュレート対応
カメラ
メイン:2億画素 f1.69
超広角:800万画素
マクロ:200万画素バッテリー:5000mAh
120W 急速充電対応
防水等級:IPX3/IP5X(防滴)
FeliCa対応
本体はガラスパネルを採用。近年のトレンドに沿ったデザインとなる。
日本でのカラーはブラック、ブルー(青系)の2色展開。今回レビューのブルーは、中国メーカーの機種に多いグラデーションカラーとなる。
ディスプレイは「CrystalRes」と称するAMOLEDパネルを採用。
画面サイズは6.78インチで画面解像度は2K+となる。120Hzのリフレッシュレートに対応し、タッチスキャンレートも480Hzとゲーミングスマホ並みの性能を持つ。この点については他社のハイエンド機にも引けを取らないものだ。
このXiaomi 12T Proは画面の両端にエッジがないものになっており、端末の持ちやすさではエッジ加工のある端末に劣るものの、画面端の部分ので誤タップが少ないものになる。
Xiaomi 12T ProはプロセッサにクアルコムのSnapdragon 8+ Gen 1を採用している。発表当時の最新プロセッサであり、今でも非常に高い性能を有している。原神の最高画質でも比較的快適に遊べる部類だ。
原神も快適に遊べる
スピーカーはステレオ構成だ。通話スピーカーとは別口でスピーカーを備えており、クリアなサウンドを体感できる。harman/kardonチューニングの本体スピーカーとなっているため、かなり良質なサウンドだ。
harman/kardonチューニングのスピーカーを採用する
指紋センサーは画面内指紋センサーとなる。
本体バッテリーは5000mAhのものを採用。120Wの急速充電にも対応し、19分でバッテリーを満充電可能だ。日本向けにはソフトバンクが「神ジューデン」の名称を用いて一般向けにアピールを行っている。TVコマーシャルや街頭広告も積極的に打ち出して周知を図っている。
最短19分で充電可能だ。
120Wの充電器は日本版でも付属する
120Wの充電規格はUSB-PDなどの汎用規格ではなく、中華メーカーに多い独自のモノだ。うれしい点は対応する充電器が付属するので、購入したらすぐ試せる。また、Xiaomiの充電器はなぜかPD出力も可能なので、他メーカーの機種でも性能を落とさずに利用できる。
本機種は日本向けにFeliCaを採用しており、おサイフケータイなどが利用可能だ。Xiaomiのハイエンドモデルも日本で利用しやすくなる点はありがたいものだ。
値段がネックとなったXiaomi 12T Pro。ソフトバンクでは発売から1年経たずに投げ売りの「一括9800円」
Xiaomi 12T Proというスマホ自体は、コストパフォーマンスに優れたスマホだ。惜しいところと言えば、このスマホには防水等級がIP53となるため、一般的なIP68と呼ばれる防水性能を持つ機種には劣る形となる。
最も、IP53でも降雨などの水しぶきには対応できるので、お風呂等に水没さえさせなければ多くの場面で問題ないというのがメーカー側のスタンスとなる。確かに等級を抑えることで、試験コストを抑えることもできるため、最終的な製品コストにも生きてくることは理解できる。日本ではIP68対応端末が当たり前のように販売されていたこともあって、コストカットが仇となった形だ。
もうひとつ惜しい点は価格だ。グローバルでは比較的廉価な設定としたこともあり、概ね10万円以下の設定とした地域が多かった。一方で日本版は直販モデルが8/128GBの構成で10万9800円。8/256GBモデルを専売としたソフトバンクでは14万3280円だったが、後に11万5200円へ値下げされた。
特にソフトバンクの価格はiPhoneなどにも迫る高価な設定で、Xiaomiの特に「Tシリーズ」が持ち味とする高いコストパフォーマンスを生かせるものではなかった。「Xiaomiと言えば高いコスパ」という認識のマニア層からは「Xiaomiに14万円も払えない」という意見も見られた。
その一方で、ソフトバンクに関しては購入しやすい施策を展開。実質24円の残価型プランも機種変更で行える対象とするなど、高いスペックを持ちながら安価に利用できる機種としていた。そして、11月中頃にはのりかえで「一括9800円」という投げ売り体制になった。完全な投げ売りによって、中古市場ではお求めやすい価格で出回ることは確実だ。
また、iijmioものりかえで一括7万6800円とするなど、オープンマーケット版も値下げや施策によって各所で高いコストパフォーマンスを持つ機種として販売された。定価こそ高価だったが比較的手ごろに入手した方は少なくないのだろう。
他に惜しいところと言えば、ソフトウェアアップデートの遅さだ。特に直販モデルは直近までAndroid 13(MiUI14)へのアップデートが行われず、ユーザーからは不満を買っていた。FeliCaやeSIM対応の独自ハードウェアだからこそ時間がかかる点は理解できるが、この辺りはしっかりと対応してほしいところだ。
さて、発売から1年が経過しようとしている機種ではあるが、Xiaomi 12T Proは今でも高い基本性能を持つものであることには変わりない。綺麗な画面、2億画素のカメラ、120Wの充電体験といった要素をしっかり備えており、他社製品との差別化も図られている。
特に120W充電は日本発売機種ではXiaomi 12T Pro、Xiaomi 11T Pro、POCO F4 GTの3機種が対応モデルとなる。また、12月8日より発売のXiaomi 13T Proが120W充電に対応するなど、超急速充電への対応機種は決して多くない。しっかり差別化できている要素だと感じる。
新品では在庫も少なくなってきているが、中古の白ロムであればソフトバンク版の反動を受けて安価に入手できるようになっている。
普通に使うもヨシ、往年のXiaomiのスマホらしく各種カスタマイズして利用するもヨシ。Xiaomi 12T Proは今から選んでも満足に利用できるスマートフォンだ。