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Galaxy Z Fold5 レビュー 使ってみて感じた「最強の折りたたみスマホ」の決定版

  こんにちは。これまで使ったスマホは300台以上。生まれはギリギリZ世代のライター はやぽんです。今回はサムスンのGalaxy Z Fold5のレビューをお送りしたい。今更感はあるが、半年間利用して気づいたことを中心に書いてみたいと思う。

 
現時点で最高の折りたたみスマホ「Galaxy Z Fold5」


 Galaxy Z Fold5は現時点の折りたたみ端末として最も完成度の高いスマートフォンだ。強力なマルチタスクや高い基本性能をはじめ、課題だった折りたたみ機構も改善されて、より魅力的な製品に仕上がった。基本的なスペックは下記の通りだ。

 

SoC:Qualcomm Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy
メモリ:12GB
ストレージ:256/512GB/1TB


メインカメラ:5000万画素 f1.8
超広角カメラ:1200万画素 f2.2
3倍望遠カメラ:1000万画素 f2.4

フロントカメラ:400万画素
フロントカメラ:1000万画素(カバー画面)

カバー画面:6.2インチ Dynamic AMOLED FHD+解像度
メイン画面:7.6インチ Dynamic AMOLED 2X QXGA+解像度
120Hzリフレッシュレート対応

バッテリー容量:4400mAh

OS:Android 13 OneUI 5
Android 14へのアップデート提供済み



 このGalaxy Z Fold5では前作のコンセプトそのまま、より完成度を高めた強化版とも言える存在だ。見かけ上の変化は少ないかもしれないが、確実に進化したスマートフォンとして帰ってきた。本体の基本的なデザインもGalaxy Z Fold4から大きく変わらない。異なる点はフレームの加工などに留まる。

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画面サイズは6.2インチ、展開時は7.6インチと大型だ

 Galaxy Z Fold5は7.6インチのフレキシブルディスプレイを採用。リフレッシュレートは120Hzにも対応し、メディア閲覧にも効果を発揮する。

 加えて、画面輝度も従来より向上している。有機ELパネルでありながら、チューニングの関係もあって屋外での視認性も良好だ。加えて、フロントカメラは画面下に収められたことで、動画やゲームの視聴体験も高めている。

 そして大きな進化はヒンジだ。今作では完全にヒンジを折りたたむことができるようになり、畳んだ際の隙間ができなくなった。これによって、メインディスプレイへの埃等の侵入を防ぐことができる。本体はIPX8の防水に対応だ。

 

 合わせて本体の薄型化も達成し、本体重量を253gに抑えることができた。従来よりも10gほどの軽量化されており、ヒンジが薄型化したことで従来まで左側に偏っていた重量バランスも幾分か改善された。

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ヒンジ周りも進化し、故障しにくくなっている

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軽量化のおかげで重量バランスも変化。閉じた際に左側に寄っていた重量もある程度均等になった。



 核となるプロセッサはQualcomm Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxyが搭載されている。折りたたみ端末でも同社のフラグシップとなる「Sシリーズ」と同様の高性能なプロセッサが採用されているのだ。レビューしてる機材についても、パフォーマンスに不満はない。

 冷却機構では不利になりがちな折りたたみ端末でも、ベイパーチャンバーの面積を増大させたことで冷却性能が向上。近年出ている重量級なゲームでも余裕の動作だ。

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高負荷な原神も快適に動作する。最新のプロセッサを搭載し、冷却機構を強化したことで本体の発熱もかなり抑えられている


 電池持ちはGalaxy Z Fold4比較でも向上した印象だ。Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxyを採用したことで、同じ挙動でも消費電力が抑えられているのだ。 本体の最適化も終わってこなれたタイミングにはなると思うが、原神のようなゲームを2時間遊んだり、30分の動画撮影などを加えても、モバイルバッテリーなしで1日利用できた。


 Galaxyと言えば「One UI」というカスタムUIを採用している。競合するAndroidスマートフォンよりもカスタム度が高く、中国メーカー機とiPhoneのいい所どりをしたようにも見える。この辺りの完成度の高さもあって非常に満足度の高い仕上がりだ。

 特に折りたたみ端末に関しては、Galaxyが無類の強さを持つ部分で、競合他社の折りたたみ機種を使ってみてもソフトウェアの使いやすさでは右に出る機種がいないのだ。


 マルチタスクについては他社の追従を許さない仕上がりだ。ただ複数のアプリを動かせるだけでなく、柔軟に配置したり、自由なウィンドウサイズで動かすことが可能だ。一部機能特化の折りたたみスマートフォンはハードウェア的にもバランスが悪い機種が多いなか、ソフトウェアを含めた全方面に強いのはGalaxy Foldシリーズの強みだ。

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アプリの配列は柔軟に行える

フレックスモードでは専用UIになるアプリもある。それ以外のアプリでも操作画面やトラックパッドを表示することが可能だ
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フレックスモードでは表示も最適化される

 
カメラ性能も強化!普段使いでも綺麗に撮れるGalaxy Z Fold5


 Galaxy Z Fold5ではカメラ性能も強化された。構成的には前作同様の5000万画素のカメラを含めた3眼カメラだ。構成が変わらなくてもソフトウェアの最適化、プロセッサのISP性能が向上した関係で従来よりもズーム時の処理が自然になる等の進化をアピールした。

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メインセンサーは5000万画素のものを採用。超広角、3倍望遠カメラを備えた3眼カメラだ

 

 以下Galaxy Z Fold5での作例だ。基本的にオートで全て撮影している。
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 ここまではデフォルトの広角での作例だ。以前よりもGalaxyらしい青は抑え目ながらも、彩度やディティール処理がやや強めのチューニングで、簡単に映える写真が撮れることが特徴だ。

 また、フォーカスエンハンサーによって、焦点距離や被写体に応じてメインセンサーとフレキシブルに切り替わる。これを利用すると、撮影時のミスはかなり少なくなると感じる。

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3倍望遠はモノ撮りやフードフォトで使うと効果的だ。「ちょっと寄りたい」という時には重宝する画角となり、様々なシーンで利用できる。

 

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 超広角はダイナミックに情景を切り取れる。Galaxyの場合は広角端が広く、手ぶれ補正も優秀な点が特徴だ。こちらもフォーカスエンハンサーによって、シチュエーションに応じて標準カメラから自動的に切り替わる。シーン検出によって推奨してくる場面もある。


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暗がりでは見た目よりやや明るめに撮れる印象。オートで夜景モードになったが、色はそこそこ再現出来てる模様だ。


 正直、今まで使ってきた折りたたみスマートフォンの中でも、綺麗に撮影できる印象だ。動画撮影も切り抜き処理は入るものの、非常に優秀な手ぶれ補正が備わっている。普段使いでは文句なしの撮れ具合だ。


 フロントカメラは400万画素となっているが、これはアンダーディスプレイカメラ(UDC)のためだ。この部分だけ画面解像度を落とした上で、カメラの画素数も下げて多くの光を取り込めるような仕組みとなっている。その一方で、nubia REDMAGIC 8 Proのような完成度には至っておらず、このあたりは今後の商品に期待したい。
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フロントカメラのある位置がうっすらとわかる

 

全方面で妥協なき折りたたみスマートフォン。高価な価値も十分に感じる仕上がりに

 

 Galaxy Z Fold5というスマートフォンを半年間使ってきたが、筆者的には「最強の折りたたみスマホ」の決定版と評価すべき製品だと感じた。他各社の折りたたみスマートフォンは、基本的にGalaxy Foldが持ち合わせないものを強化するものが多く、例えばカメラ性能を強化したXiaomi、軽量化をアピールするHONORなどがある。

 

 筆者もこれらのメーカーのスマートフォンを使ってきたが、確かに魅力的な部分もありつつも結局はGalaxy Foldに戻ってくることを繰り返した。

 他社が「選択と集中」を図って得意分野を強化する中、折りたたみスマートフォンの覇者とも言えるサムスンから発売されたのは、昨年に続いて「折りたたみの可能性を広げる」スマホだったのだ。この手のもので最高を更新し続けるのはやはりサムスンのようだ。


 折りたたみ端末としては数少ない防水対応であり、専用ペンは必要になるがスライタスペンにも対応している点もプラスだ。そして何より、このスマートフォンの本当の良さは「スペック表から見えてこないところ」に良さがある。
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スライタスペンを利用でき、綺麗に収められるアクセサリも展開されている。


 加えて、マルチタスク制御やタブウインドウ関係、各種アプリの最適化や画面出力でPCのように扱える「Samsung DeX」への対応なども他社のスマートフォンとは異なる。デカい画面をコンパクトに持ち歩けるだけでなく、「デカい画面をどう活かすか」「コンテンツをどう使わせるか」と言った体験にも力を入れているのだ。

 スペック表ではGalaxy Z Fold4から大きな差は無いのかと思ったが、いざGalaxy Z Fold5に乗り換えたらいい意味で裏切られた。両者を比べてみるとバッテリー持ちの悪さ、本体の発熱と言った面がしっかり改善されていることがわかった。防水対応は日常的に使うという意味でも、かなり良い仕上がりだ。


 この辺りはカタログスペックだけでは見えてこないので、実際に使ってみてわかった感想だ。加えて、本体のアップデートもセキュリティパッチ配布までカウントすると5年間行うとしており、iPhone並の手厚いサポートも付加価値も立派な付加価値だ。


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GalaxyにはSシリーズも合わせてふたつのフラグシップがある。どちらも個性に溢れた機種だ


 筆者としてはGalaxy Z Fold5は今、間違いなく「買い」と声を大にして言えるスマートフォンのひとつだ。その一方で、価格は定価で約24万円と決して安いものではなかったが、それに見合う価値を持ち合わせている。

 

 日本向けではFeliCaにも対応するなど、国内向けに使いやすくまとまっている。本モデルから複数容量を選択できたり、直販モデルも展開されるなど日本での注目度も高くなった機種だ。


 さて、上記でも記してきたように、Galaxy Z Fold5でしか出来ない体験があることもまた事実だ 。筆者としてはこのスマートフォンを手にして、今現在における究極のフォルダブル体験を感じて欲しい。