オウガ・ジャパンは2月8日、新型スマートフォンとなる「OPPO A79 5G」を発表した。グローバルモデルをベースにFeliCaを備える日本専売モデルとなる。オープンマーケットのほか、キャリアではワイモバイルが取り扱う。
カラーはグローグリーン、オーロラブラックの2色展開。2月15日の発売で価格はオープンマーケットで2万9800円だ
OPPO AシリーズにもFeliCa搭載でさらに使いやすく。一方でスペックは最低限に
OPPO Aシリーズは"普及価格"の位置づけとなる機種で、中国メーカーらしい安価な価格設定で注目を集めるセグメントだ。今回のOPPO A79 5Gでは、日本向けのAシリーズでは初のFeliCa対応となり、基本性能も引き上げられた。
チップセットは「MediaTek Dimensity 6020」を採用する。Dimensity 6020は従来までDimensity 700として世に出ていたチップセットのリネーム版なので、基本性能はSnapdragon 480 5Gなどに近い。
メモリは4GB、ストレージは128GBとなる。SDカードによる容量の拡張も可能だ。メモリは4GBと少ないが、最大8GBまでの仮想メモリ割り当てが可能なため、快適に動作するとしている。
ただ、ストレージはUFS2.2規格とあまり早いものではないため、仮想メモリを使用したことによるパフォーマンス向上についてはあまり期待できない。
画面はFHD+解像度、6.72インチLCD(液晶)ディスプレイを採用。DCI-P3の色帯域は100%カバーできるなど、鮮やかな表現が能だ。90Hzのリフレッシュレートにも対応している。この辺りはOLEDパネルを採用したReno Aシリーズと比較すると、よりコストを重視した選択が取られている。ピーク輝度は680nitと液晶画面としてはやや暗めな点が惜しいところだ。
本体背面のリアカメラはメインカメラに加え、深度カメラの2眼構成となる。
メインカメラは5000万画素のものを採用し、AI性能が向上したチップセットによってポートレートなども綺麗に撮影できるとしている。一方で動画については4K解像度、フルHDで60fpsの撮影はできないようだ。フロントカメラは800万画素のものが採用されている。
ハイレゾ対応の3.5mmイヤホンジャック、LDAC等のハイレゾ対応のBluetoothオーディオもサポートしている。本体スピーカーはステレオ構成でクリアな音を再生できるとした。また、音量を本体スピーカーでは300%まで増大させる「ウルトラボリュームモード」を備え、屋外でもアクティブスピーカーのように利用できるとした。
通常の300%までボリュームを出せる
OPPO A79 5Gでは従来に引き続き5000mAhの大容量バッテリーを搭載している。「Dynamic Computing Engine」と呼ばれるバックグラウンドと管理によって、長期間使用できるよう改良されている。また、Reno9 Aのような「システム劣化度」を抑える仕組みも備わる。33Wの急速充電にも対応し、30分で51%まで充電可能としている。
このほか、IPX4等級の防水機能を備え、日本向けにおサイフケータイにも対応だ。IPX4等級では水しぶきなどは問題ないが、水没などの環境では破損するので注意してほしい。
また、セキュア仕様のFeliCaを採用するので、マイナンバーカードの電子証明書をサポートした。SIMカードについては、日本向けにnanoSIM+eSIMのデュアルSIMの仕様だ。
日本向けOPPO Aシリーズでは初のFeliCa対応だ
3万円以下でしっかりまとめた1台。スペックは低くても人気機種になりそうな予感
OPPO A79 5Gはグローバル展開されている機種に対し、日本向けの最適化を行ってより使いやすくした機種という印象を感じた。この流れは昨年のOPPO Reno10 Pro 5Gにも通づるものだ。
一方で、OPPO A79 5Gでは超広角カメラを備えなかったり、液晶画面、防水等級で劣る点から、日本で支持の強いReno Aシリーズと比較すると割り切りが必要な機種となる。より高品質で使いやすいものを求める場合はOPPO Reno9 Aを検討すると良さそうだ。
価格については税込み2万9800円と「3万円の壁」に収まる範囲でしっかりと構成しており、先行販売している海外版よりも安価に抑えた。例として香港版は1999香港ドル(税抜き約3万7800円)だが、メモリ8GB、ストレージ容量は256GBである。このことから、日本向けはメモリとストレージ容量を切り詰め、FeliCaを搭載しても高価にならない範囲に抑えた製品と考えられる。
プロセッサも実質的にDimensity 700のため、2年前の同等価格帯の機種と性能面では変わり映えしない。従来のOPPO A77と比較すると5Gにも対応し、プロセッサ性能は大きく向上しているが、期待するほど高性能ではないと考える。同社のスマートフォンだとOPPO Reno7 Aはもとい、OPPO A54 5Gから乗り換えても劇的な動作レスポンス向上とは至れないことだ。
それでも、今年出たスマートフォンの中で「2万円台でFeliCaを備える」となればかなりいい線のスマートフォンだ。競合はXiaomiのRedmi 12 5GやシャープのAQUOS wish 3、モトローラのmoto g53j 5Gと多く、しのぎを削りそうな格好だ。
また、Amazonでは完全ワイヤレスイヤホンの「OPPO Enco Air 3i」がバンドルされたお得なセットも販売されるようだ。
OPPO A79 5Gは単純なスペックよりも「手に取りやすい価格」を突き詰めた結果生まれた製品と言える。ベストセラーとなったOPPO A54 5Gとスペック、価格が近いことなどから、マニアからの反感はあれど人気機種となることだろう。
OPPO A79 5Gスペック
SoC:MediaTek Dimensity 6020
メモリ:4GB
ストレージ:128GB
画面:6.73インチ LCDパネル 90Hzのリフレッシュレート対応
カメラ標準:5000万画素
深度:200万画素フロントカメラ:800万画素
バッテリー:5000mA/h
33W急速充電
Android 13 ColorOS 13.1